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黒髪の少年
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部屋の有様はなかなかだった。
引きづられた長椅子が棚にぶつかり、本やノア様がお造りになった物が散乱している。
窓から垂らされた掛け布の長さが足りないのに気が付き、飛び降りたと聞いて慌てて怪我がないか確認した。
羽織っていたマントを脱がせると、ノア様は気まずそうに手足を差し出す。この真っ白な身体に傷がつき、傷跡が残ってしまうようなことはあってはならない。
どうってことはないなどと簡単に口にするノア様に思わず声を荒げてしまった。
巻きつけられた掛け布を解いて行きながら、やはりわたしではルドルフ様の代わりは務まらないのかと、怒りと情けなさが込み上げて来る。
ノア様が外に出たい気持ちはよく分かっているつもりだ。ノア様の外出が許可されるようになったのかと期待したが、剣術大会の日からまた閉じ込められる日々が続いている。
一見普通に過ごされているように見えていても、きっと相当な負荷を感じられていることだろう。
それでも、二人でいる間、ノア様はとても穏やかに過ごされていた。少しずつではあるが、わたしとノア様の間にも信頼関係ができてきたのかと自負していたが、それはどうやらわたしの思い違いだった様だ。
ずっと逃げ出す機会を窺っていたのか、どこに逃げるつもりだったのか、あてはあったのか、逃げ出した後どうなさるつもりだったのか、溢れ出す疑問を問いただそうとすると、ノア様がふるふると震え出した。
怯えたようにわたしを見上げていた薄紫色の瞳には、明らかに怒りが宿っている。
逃げ出すつもりではなかったなど、わかりやすい嘘だと思っていたが、続く言葉に虚をつかれた。
「ユリウスに会いに行こうと思ったんだ!」
震えながら声を上げる姿は、嘘をついているようには見えなかった。
…わたしに、会いに?
たかだか遅れたぐらいだと言うのに、わたしに会うために抜け出そうとしたと言う。
今のこの仕事が嫌になることなどあり得ない。この数年、いやずっと気を張り続けていたわたしにとって、ノア様と過ごす時間はとても穏やかで居心地が良かった。
なぜか、あの黒髪の少年のことを怒っていらっしゃるようだが、そんなことより、俺だけの護衛だと言われ、ぐっと込み上げるものがある。
ノア様の護衛はわたしだけだと、認めてくださっていたのだ。
「知り合いじゃないのか?」
たくさんお召し上がりになり、お腹を抱えたノア様が質問してくる。
余程あの者のことが気になっているらしい。
「全く。」
「だって、ユーリって呼んでたぞ。」
「今まで誰一人そのように呼ぶ者はおりませんでした。」
「ほんとに、知らないのか?」
「ええ。」
「ふうん。誰かと勘違いしたのかな?」
「さあ、どうでしょう。」
「ユリウスは、ユリウスだからな。勝手にそんな風に呼ぶなんて許せないな。」
ノア様は、あの者がユーリと呼ぶことを殊更気にしているようだ。
「ノア様がそうお呼びされる分には構いません。」
「え、俺が?」
見も知らぬ者にユーリなどと呼ばれるのは抵抗があるが、ノア様であれば好きに呼んでもらって構わない。
「呼んでみますか?」
「えと、え?……ユリ、ユーリ…?」
「なぜ顔を真っ赤にされるのですか?」
わたしをユーリと呼ぶと、ノア様のお顔はみるみる内に真っ赤に染まってしまった。
ユーリと言う響きには、何か特別な意味でもあるのだろうか?
「知らない!ユリウスがそう呼べって言うから!」
真っ赤に染まった頬を両手で隠すように覆ったノア様は、耳まで真っ赤だ。
「ノア様もそうお呼びしたいのかと思いましたので。」
「ユリウスは、ユリウスだろ!」
ぷいっと横を向くノア様に、思わず笑みが溢れた。今度は何を怒っていらっしゃるのだろう。いつも側にいるが、ノア様といて飽きることはない。
「ノア様のお好きなようにお呼び下さい。」
「俺はユリウスでいい。でも、誰にもユーリなんて呼ばせるな。」
「ええ、そういたします。」
「で、どこから来たんだろうな。あいつ。」
「…そうですね。渡り人かもしれません。」
渡り人という言葉に、ノア様がぴくっと反応された。
「ほんとか?ほんとにいるんだな…」
「まれに、いるのです。異世界から迷い込む者が。」
「あいつも、そうなのか?」
「王やルドルフ様、お妃さま方で確認されておられるでしょう。」
「なんか、その、不思議な力とかあるのか?」
ノア様は目をきらきらさせて、尋ねてくる。こういう話しは、ノア様の大好物だ。
「どうでしょうか。自分で聖女だと話していた様ですが…」
聖女など、今のこの国にはいない。そもそも必要ないのだ。
「え!聖女!治癒の力!……あいつ、女だったのか?」
「いえ、男性のようです。」
「ほえ?男なのに聖女になれるのか?」
「ノア様、そもそも聖女などこの国にはおりません。治癒の力などなくとも医療は発展しております。」
「でも、自分でそう言ってるんだろ?」
「その辺は、取り調べ中かと。聖男という言い方はあまりしないので、聖女と言ったのではないでしょうか。」
「そうだな。聖、男、ってなんか変だな。」
「そうですね。」
ノア様は聖女について今まで読んだ本の知識を、えんえんと語り始めた。
どれも架空の内容だが、ノア様は心底信じていらっしゃるようだ。
「聖女なら、もう一度会ってみたいな!」
ノア様は興味深々のようだが、正直わたしはどうでもいい。
あの者が国に仇なす、あるいはノア様に仇なす者であれば、躊躇なく罰する。
そうでなければ、関わり合う必要はないと、そう思っていた。
引きづられた長椅子が棚にぶつかり、本やノア様がお造りになった物が散乱している。
窓から垂らされた掛け布の長さが足りないのに気が付き、飛び降りたと聞いて慌てて怪我がないか確認した。
羽織っていたマントを脱がせると、ノア様は気まずそうに手足を差し出す。この真っ白な身体に傷がつき、傷跡が残ってしまうようなことはあってはならない。
どうってことはないなどと簡単に口にするノア様に思わず声を荒げてしまった。
巻きつけられた掛け布を解いて行きながら、やはりわたしではルドルフ様の代わりは務まらないのかと、怒りと情けなさが込み上げて来る。
ノア様が外に出たい気持ちはよく分かっているつもりだ。ノア様の外出が許可されるようになったのかと期待したが、剣術大会の日からまた閉じ込められる日々が続いている。
一見普通に過ごされているように見えていても、きっと相当な負荷を感じられていることだろう。
それでも、二人でいる間、ノア様はとても穏やかに過ごされていた。少しずつではあるが、わたしとノア様の間にも信頼関係ができてきたのかと自負していたが、それはどうやらわたしの思い違いだった様だ。
ずっと逃げ出す機会を窺っていたのか、どこに逃げるつもりだったのか、あてはあったのか、逃げ出した後どうなさるつもりだったのか、溢れ出す疑問を問いただそうとすると、ノア様がふるふると震え出した。
怯えたようにわたしを見上げていた薄紫色の瞳には、明らかに怒りが宿っている。
逃げ出すつもりではなかったなど、わかりやすい嘘だと思っていたが、続く言葉に虚をつかれた。
「ユリウスに会いに行こうと思ったんだ!」
震えながら声を上げる姿は、嘘をついているようには見えなかった。
…わたしに、会いに?
たかだか遅れたぐらいだと言うのに、わたしに会うために抜け出そうとしたと言う。
今のこの仕事が嫌になることなどあり得ない。この数年、いやずっと気を張り続けていたわたしにとって、ノア様と過ごす時間はとても穏やかで居心地が良かった。
なぜか、あの黒髪の少年のことを怒っていらっしゃるようだが、そんなことより、俺だけの護衛だと言われ、ぐっと込み上げるものがある。
ノア様の護衛はわたしだけだと、認めてくださっていたのだ。
「知り合いじゃないのか?」
たくさんお召し上がりになり、お腹を抱えたノア様が質問してくる。
余程あの者のことが気になっているらしい。
「全く。」
「だって、ユーリって呼んでたぞ。」
「今まで誰一人そのように呼ぶ者はおりませんでした。」
「ほんとに、知らないのか?」
「ええ。」
「ふうん。誰かと勘違いしたのかな?」
「さあ、どうでしょう。」
「ユリウスは、ユリウスだからな。勝手にそんな風に呼ぶなんて許せないな。」
ノア様は、あの者がユーリと呼ぶことを殊更気にしているようだ。
「ノア様がそうお呼びされる分には構いません。」
「え、俺が?」
見も知らぬ者にユーリなどと呼ばれるのは抵抗があるが、ノア様であれば好きに呼んでもらって構わない。
「呼んでみますか?」
「えと、え?……ユリ、ユーリ…?」
「なぜ顔を真っ赤にされるのですか?」
わたしをユーリと呼ぶと、ノア様のお顔はみるみる内に真っ赤に染まってしまった。
ユーリと言う響きには、何か特別な意味でもあるのだろうか?
「知らない!ユリウスがそう呼べって言うから!」
真っ赤に染まった頬を両手で隠すように覆ったノア様は、耳まで真っ赤だ。
「ノア様もそうお呼びしたいのかと思いましたので。」
「ユリウスは、ユリウスだろ!」
ぷいっと横を向くノア様に、思わず笑みが溢れた。今度は何を怒っていらっしゃるのだろう。いつも側にいるが、ノア様といて飽きることはない。
「ノア様のお好きなようにお呼び下さい。」
「俺はユリウスでいい。でも、誰にもユーリなんて呼ばせるな。」
「ええ、そういたします。」
「で、どこから来たんだろうな。あいつ。」
「…そうですね。渡り人かもしれません。」
渡り人という言葉に、ノア様がぴくっと反応された。
「ほんとか?ほんとにいるんだな…」
「まれに、いるのです。異世界から迷い込む者が。」
「あいつも、そうなのか?」
「王やルドルフ様、お妃さま方で確認されておられるでしょう。」
「なんか、その、不思議な力とかあるのか?」
ノア様は目をきらきらさせて、尋ねてくる。こういう話しは、ノア様の大好物だ。
「どうでしょうか。自分で聖女だと話していた様ですが…」
聖女など、今のこの国にはいない。そもそも必要ないのだ。
「え!聖女!治癒の力!……あいつ、女だったのか?」
「いえ、男性のようです。」
「ほえ?男なのに聖女になれるのか?」
「ノア様、そもそも聖女などこの国にはおりません。治癒の力などなくとも医療は発展しております。」
「でも、自分でそう言ってるんだろ?」
「その辺は、取り調べ中かと。聖男という言い方はあまりしないので、聖女と言ったのではないでしょうか。」
「そうだな。聖、男、ってなんか変だな。」
「そうですね。」
ノア様は聖女について今まで読んだ本の知識を、えんえんと語り始めた。
どれも架空の内容だが、ノア様は心底信じていらっしゃるようだ。
「聖女なら、もう一度会ってみたいな!」
ノア様は興味深々のようだが、正直わたしはどうでもいい。
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そうでなければ、関わり合う必要はないと、そう思っていた。
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