僕は神様、君は人

はんぺん

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第1章 望まれぬ献身

8話 1つの契機

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 街を出て、ボク達は鬱蒼とした森の中を進んでいた。王宮を出た頃はまだ日が出ていたけれど、でこぼこした道を進んでいる内にいつの間にか日が陰り始めていた。道中、特に魔物が出たり馬車が壊れたりすることも無く平穏な出だしで安心していたら、ダグラスが口を開いた。


「お二人さん、もうすぐ最初の野営地に着きますよ」

「あれ、結構早いんですね?」


 ダグラス曰く、最初の野営地は比較的街の近くにあるらしい。出発した時には気づかなかった問題、例えば野営の必需品不足や商品の個数の確認をするそう。加えて今回は旅初心者のボクがいるため、最初の野営でボクの体調を確認し、今後の旅が無理そうだと判断した場合は街に戻る予定らしい。
 心配してくれてありがたい。ボクは体調を崩すなんてことは滅多にないから大丈夫だけど、悪い気分にはならない。

 森の中を進んでいくと、殆ど傾斜の無い少し開けた場所に出た。ここなら野営しても魔物が来ても戦いやすいだろうなと思っていたら、やはり最初の野営地だった。馬車を下りて天幕を張り始める2人を見よう見まねで手伝おうと思ったけど、素人のボクでは全く役に立たずに終わってしまった。その代わりに乾いた枝や葉を探して薪を集める仕事を頑張ったから許して欲しい。


「よーし、薪も集まったしメシにすっか!」


 バロンはそう言って、袋の中から干し肉と野菜と調味料を出てきた。


「じゃあノマ、火、付けれるかい?」


「もちろん、この薪に付ければいいんだよね」


 ボクは大火事にならない様に細心の注意をはらいながら、人差し指をくるっと回して火をつけた。ボッ、と音を出してユラユラ揺らめいてから火が安定する。よし、ちょうどいい火なんじゃないかな。激しくも、弱くもない。


「な……そんな簡単に付けれるもんなのか!魔法ってのは!」


「いや、私も初めて見たが、無詠唱ですかい。何人かの長命種と野営したことはあったけれど、無詠唱でこんな正確に……」


……長命種だからってやらかしたかな?もとから制御は得意だったから……うん、まだ誤魔化せる、大丈夫。


「そう?元々、詠唱破棄の魔法は得意なんだ。でも、今回は座標を正確にする代わりに安定するのに時間かかったよ。威力と座標も正確にすると大変だ
だからね」


 苦し紛れの言い訳だが2人は魔法関連には詳しくないはず。確かに無詠唱の場合は制御も難しくなるけど、叡智を得たボクにとってはなんの問題もない。今回に関しては、ボクが威力操作しなかったのは2人には分からないし、安定するまでの時間が短かったかなんて分からないはず。そう、完璧な言い訳だ。



「へー、そうなのか。俺は強化系しか使わねぇからよく分かんねぇわ」


「ふーむ、世界は広いですねぇ。各地を巡ってきたつもりだったけれど、まだまだ見るべきものがありそうだ」


 バロンは理解するのを諦め、ダグラスは世界は広いなぁと感心していた。良かった。なんとか納得してくれたみたい。これからは制御を下手にするか威力を落とすか、どちらかにしよう。

 鍋に水を入れてくれ、と言われたから今度は気をつけて魔法を使った。そして野菜と調味料を入れて茹で、干し肉と茹で野菜という豪華な夕食が出来上がった。残念だけど、ボクはお肉が苦手だからバロンに食べてもらい、代わりに野菜を少し貰った。













 日も完全に沈み、ボクは天幕から離れすぎない程度の場所で空を見上げていた。森の中で光源が全くないからだろう、夜空を彩る星がとても綺麗で、カロルと見上げた星空を思い出した。


「ノマ、何見てんだ?」


「星を、見てるんだ。綺麗だね」


「ああ、ここは暗いからな。よく見えるだろう、ずっと街に居たのか?」


 バロンは用心棒として毎回ダグラスと山を超えてるらしいから、彼にとってはいつもの星空なのかもしれない。きっとダグラスにとっても。街からでないとこの夜空は見れなかっただろう。旅も悪くないなって、心から思えた。


「うん、街生まれの街育ちだったんだ。だからこんな綺麗な夜空はなかなか見れない」


「その代わり、メシは上手いけどな」


「いやいや、今日の夜ご飯も美味しかったよ」


 肩を軽く揺らして笑い、街と野営食を比較するバロン。種類はやっぱり屋台も高級なお店もあるから街には負けるけど、山の中で食べるご飯はそれはそれで価値のある。ボクがそう主張したら、バロンは擽ったげに笑った。


「ノマ、そろそろ寝ないと明日がきついですよぉ。今日は私とダグラスで見張りをしますんで」


「え、いいの? じゃあ明日の見張りは任せて!」


 馬の世話をしていたダグラスの声に従い、天幕の中に敷かれた3つのうち1つの寝袋に入った。虫の声がぼんやりと聞こえる天幕の中で、ボクはすぐに眠りに落ちた。










「……い、おーい、ノマ。起きろー」

 うっすらとボクを呼ぶ声が聞こえて目を覚ます。

「……ん?あれ、もう朝?」


 いつも同じ時間に自然と起きれるはずだけど、寝坊したのだろうか。ゆっくりと身を起こし天幕の外に出る。朝の光がボクを襲う。木々の葉っぱに反射して少し眩しい。

 瞬きを繰り返して目を慣れさせ、落ち着いたところで2人が早々と天幕を外しているのが目に入った。


「ごめんなさい!ボク、もしかして寝坊しました?」

「いや、今は6時頃かねぇ、今日のところは任せてくれて構わない、そのつもりだったからねぇ」

「普段の生活なら早起きだ、安心しろ」


 2人が言うには、魔物が活発ではない朝早く起きて行動することで出来るだけ先に進みたいらしい。確かに2人の言う通りだ。普段から遅く起きていた訳ではなかったから、早起きといってもそんなに早くないだろうって油断してた。だから早く寝ろって言ってたんだ……勉強になるなぁ。


「無理して自分で起きようとしなくていいぞ、こういうのは慣れないと無理だからな」


 バロンの見た目に合わぬ優しさが身に染みる。今日の見張りは頑張ろう。密かな決意を固めるボクに対して2人はあっという間に天幕やその他色々な道具をしまい終えていた。なんも手伝いできなかった……ごめん……


「何をしてるんだい?ほら、さっさと乗んなさい」

「ご、ごめん!今行く!」


 うなだれるボクを鞭打つ言葉に素直に従い、昨日と同様にバロンの隣に座った。待ってましたと馬車が動きだし、ボクらは再びでこぼこの道を進み始めた。






 街を出てから森を進み続けて1週間。ボクらはその前日の昼頃に山の中腹を過ぎ、予定より少し早いね、などと話していた。そしたら急にバロンが焦げ茶色の耳をピクピクとしだして、警戒しだした。


「魔物の声がする。どっかで縄張り争いでもしてんのかもしれねぇ」


 気を引き締めろ、とボクらに警戒を促す。


「方向は」


「2時、遠いが、多分逃げてくるやつが来る。足音が近づいてきてやがる」


「ふむ。ノマ、地図出してくれるかい?」


「う、うん!」


 急いで地図を探し出し渡す。すごい、全然動揺してないや。ボクはこんな状況で魔物と出会ったことないからちょっと緊張しちゃってるのに、見習わないと。


「……避けれなくないけど、かなり遠回りだ。ダグラス、数は分かるかい?」


「数匹、多くはない。それに足音が軽いし、ここら辺だとベルガルアだろ。俺はいけるぞ」


「ノマ、戦闘になったら頼んでもいいかい?ダグラスと一緒に」


 おお、初戦闘だ。今まで平穏な旅路だったけど魔物か、いつぶりだろう。感を取り戻すって意味でもいいかもしれない。


「うん、近接はダグラスに任せてもいいんだよね?」


「ああ、後ろから俺に当てんなよ? 座標だっけか」


「うん、作戦通り座標の正確さを優先にするよ、絶対に当てない」


 ダグラスと共闘したことないどころか、誰とも共闘なんてしたことないけど、結局は味方に当てず、敵に当てればいいんだ。念の為に威力は小さくしておこう。会話的に敵はそんなに強くなさそうだし。


「では、このまま進むことにしよう。2人とも、一応こないだ立てた作戦の復習を」


 四日前、つまり旅を初めて、そろそろ魔物が出る地域が近づいてきた三日目の夜に立てた作戦。森の中だってことを考慮して、炎系の魔法は基本使用しない。そしてボクら連携を上手く取れないだろうから、威力よりも正確さを。魔法を使用する時はなるべくダグラスに声を掛ける。無理にダグラスとバロンらを守る必要は無い、いざと言う時は逃げる。そんな作戦だった。

 作戦にしてはお粗末だけど、彼らはボクの力量を知らないし、ボクも彼らの力量を知らない。この戦闘の結果によって作戦は変わることだろう。特に最後の逃げるってやつはお断りだ。目の前の2人を守れないなんて、神様になった意味が無い。ボクは世界の役に立たなければいけないんだから。



―――――あれ、なんでそんなことを思ったんだっけ。いつから、どこで、誰と?だれって何、ボクは一体……



 何もかもが分からなくなって、でも考えずにはいられなて。思考の海に沈んでしまいそうになった時ダグラスが叫んだ。


「くるぞ!!5匹だ!!」


 はっ、として前を向くと、右前方の森の中から5匹のベルガルアがこちらに来るのが見えた。まだ遠目にしか見えないけど、お互いに結構な速さで近づいてる状態だ。すぐまみえる事になるだろう。えっと、あいつらを追いかけている魔物は居ないのか。


「……こっちも見つけられたねぇ。襲われない可能性もあったけれど、仕方ない。ノマ、1発よろしく頼むよ」


「まかせて!」


 今は目の前のことに集中しないと。あまり大きくない魔物が五体。ボクなら初級でも十分だ。でも後で2人には中級を使いましたって一応説明しよう。火はダメだから、風。詠唱は……する振りで。


「風の愛し子、小さき子らよ。つどって刻んで吹っ飛ばせ!」


「ふ、吹っ飛ばせ!?なんだいそれは!!」


「ま、間違えた!吹っ飛ばしてください!おねがいします!」


 ボクの願いに応えた風の精霊によって、轟々と唸る風が刃となって魔物たちを襲う。「吹っ飛ばせ!」って普段魔法を使う時に心の中で思ってた言葉を詠唱として口に出してしまった。正直すぎるのも問題だ、慣れないことはするもんじゃあ無い、と遠い目をしていたら、ダグラスも何故か遠い目をしていた。


「おいおい……俺の出番は……」

「ない、ねぇ……」

「え?そんなことは……は?」


 前方を見ると、木々が倒れる、風刃が通ったであろう道が伸びていて、その先には生きている魔物は1匹もいなかった。……嘘でしょ。そんなに威力上げてないよ?流石にこれはおかしい。詠唱はするふりだったし、何が起こったんだ。


 呆然とした3人を乗せて、馬車は骸たちを横目に通り過ぎていく。そしてボクは気づく。通り過ぎている途中、ボクの目にはキラキラと光る小さなモノがたくさん映って、ゆらゆら揺れてボクに何か、喜びかな、そんな感情を訴えている。


なるほど、原因は君たちか……精霊達よ。めちゃめちゃウキウキしてるね。


 多分だけど、まず、今も殆どの長命種は自然と共存している。そして草花や果実を食し大精霊を崇めていた背景から、元々精霊達に好かれやすい傾向がある。魔法や魔術を使う際は、どれだけ彼らに『あ、好き、手伝いたい』と思わせるかどうかが重要になり、好かれるには詠唱の言い回しや込める魔力の質、量を工夫する必要がある。


 ボクの場合、大体の精霊たちに魔力の質が合う、らしい。精霊と直接話すことは出来ないから雰囲気と経験則だけど。さらに神様っていう付加価値があるボクは、彼らにとっては積極的に『手伝いたい』対象になる。まあ、『手伝う』とはボクたちが勝手にそう例えてるだけで、彼らがどんな気持ちでいるかは謎である。


 さっきボクに見えたキラキラしたモノは、張り切りすぎた風の精霊たちのだったのだろう。数も多かったから『手伝い』によって威力が本当にに中級になってしまったんだ。今思えば、大火力の焚き火にならなかったのは、風に比べて火の精霊達には好かれていないからだったんだ。無詠唱で発動できる程度には好かれてるけど。


……うん、こんなこと説明できるわけない。どうするべきか、もう中級を使ってしまったっていうか? いや、それだとあんな詠唱で発動できるのかという疑問が出てくる。なら発動に失敗して暴走したって言うか? ダメだ、暴走ならあんな被害で済まない。ふむ、普通に魔力込めすぎましたって言えばいっか。


「えーっと、ね。焦っちゃって魔力、込めすぎちゃった」


「お、おう。そりゃ、仕方ないな、うん」


 戸惑うバロン。うん、素直に流してくれるのはありがたい。騙されやすそうで心配だけど。


「ノマ、クラウス様からは魔法や魔術が得意な方としか伺っていなかったけど、まさか戦闘経験がないのかい?」


……そういうことにしておこう。嘘をつくのは心苦しいけど、今回に関しては仕方ない。きっとカロルも許してくれるはず。
 ボクはダグラスの言葉に肯定した。そういう事は先に言ってと怒られてしまったけど、今後失敗しても言い訳が出来たから良しとしよう。







 それからは特に魔物と出くわすことも無く、山を降り続けて約1週間。麓から集落ユグルまではで1日で辿りついた。2人曰く、この往復の旅では大体2、3回魔物に出会うのだが今回は時間も出費も少なく済んだと喜んでいた。ボクも旅が一段落して達成感があった。

「見えてきたぞ、あの集落がユグルだ」

 バロンの声に、集落の方へ目を向ける。



「――――ぁ」



 何故か分からないけど、この風景が、この風が運ぶ匂いが、懐かしい気がした。ここに来たのは初めてだし、別に風景がラガルデアの王宮と似ている訳でも無い。まだボクが神様になる前に住んでいた場所とも、似てない。なのにどうして。


「どうしたノマ、気分でも悪いのか?」


「━━あ、ううん、大丈夫」


 今は置いておこう、考えてもわからないし、多分気のせいだ。そうだ、旅を終えた気分でいたけど、ここからが始まりなんだ。バリバラナの手がかりを探さないと。


決意改め、ボクは遠方に見えるユグルを強く見つめた。






______________________________

懐かしくて、胸が苦しい
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