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第一章 人生って何が起こるかわからない
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屋敷に戻ったキャスティナは、ダンに挨拶して部屋に向かった。ソファに深く腰かけて背もたれに倒れる。顔を天井に向けて、涙がこぼれるのを我慢した。マスターときちんと話せて良かった。プレゼントも喜んでくれた。一つ、平民としての生活に区切りをつけられた。明日もまた、クッキー作りだ。明日は、出掛ける必要ないからそれほど慌ただしくならないかな。この日も、キャスティナは早めに就寝した。
次の日、キャスティナが目を覚ますと空がどんより曇り空。昨日晴れて、本当に良かった。今日もキャスティナは、昨日と同じように朝ごはんを食べた後にクッキーを作った。作ったクッキーを、部屋に運んで魔法をかける。そして、ラッピングして完成。
昨日疲れたしこの後はゆっくりしよう。あー、でもダンに話をしなくちゃな。時計を見ると10時。キッチンに、いるかな?部屋を出て、キッチンに向かった。扉を開けると、ダンがお茶の準備をしていた。
「ダン。後で時間が出来たら、私の部屋に来てくれない?話したい事があって。あと、お茶もらって行くね」
「お嬢様。かしこまりました。お茶をお出ししたら、伺います」
「急がなくていいからね」
キャスティナは、お茶を淹れてティーセット一式を持って部屋に戻った。ソファで寛いでいると、ノックの音がした。
「どうぞ」
「失礼します」
ダンが部屋に入ってきた。
「わざわざ、ごめんね。用件を手短に言うね。ダンは、私の事何かお父様に聞いてる?」
「お嬢様の事ですか?特に何も」
ダンは、不思議そうにしている。キャスティナは、溜息をもらす。やっぱりね。誰にも言ってないわ。お父様……。
「必要だと思うから話すけど、私婚約が決まったの。四日後に、相手方のお屋敷に行って正式な書類を作るらしいのよ。それでそのまま、私は花嫁修業として結婚式まであちらのお屋敷で暮らすの」
そこまで、一気にキャスティナはダンに言った。聞いたダンは、明らかに驚愕している。
「それは、本当なんですか?お嬢様の準備などは、どうされるおつもりなんでしょうか?」
「お父様は、何もするつもりないんじゃない?相手の方も、必要な物はこちらで準備するから何もいらないって言われたし。ただ、私はいくつか持って行きたいものがあって。そんなに大きくなくていいから、旅行カバンを用意して欲しいの」
「それは、もちろんです。すぐに用意します」
「それと、明日から三日間だけでいいからエーファを私の侍女に戻して欲しいの。この前、久しぶりにドレスで生活したら全然ダメだったのよ。淑女としての、動作が全く出来なくて。付け焼き刃でも、令嬢としてのマナーをやり直したくて。お父様には、私からお願いしてもいいし、ダンが伝えてくれてもいいしどうする?」
「それは、令嬢としての振る舞いが必要な家に行くと言う事ですよね?」
「必要なんてもんじゃないのよ。普通の子爵令嬢じゃ、足りないぐらいの家なのよ!」
「私から旦那様に、話します」
「ごめんね。いつも面倒に巻き込んで。問題は、お義母様だと思うけどそれはお父様に聞いてくれる?私の予想だと前日か当日まで話さないと思うよ」
「いえ。そんな事、お嬢様が言う必要ありません。私は、執事として先代の奥様が亡くなられてから何も出来ませんでした。本当に申し訳なく思ってます」
ダンが、キャスティナに頭を下げる。
「ダン達がいてくれたから、こんな家族でも寂しくなかったのよ。私は、お礼を言いたい。ダン、いつもいつもありがとう。このクッキーね、使用人みんなに作ったの。一人一つ食べてね。はい、ダンの分」
「大切に食べさせて頂きます。では、私は旦那様と話をしてきます。失礼します」
そう言ってダンは、部屋を出ていった。
次の日、キャスティナが目を覚ますと空がどんより曇り空。昨日晴れて、本当に良かった。今日もキャスティナは、昨日と同じように朝ごはんを食べた後にクッキーを作った。作ったクッキーを、部屋に運んで魔法をかける。そして、ラッピングして完成。
昨日疲れたしこの後はゆっくりしよう。あー、でもダンに話をしなくちゃな。時計を見ると10時。キッチンに、いるかな?部屋を出て、キッチンに向かった。扉を開けると、ダンがお茶の準備をしていた。
「ダン。後で時間が出来たら、私の部屋に来てくれない?話したい事があって。あと、お茶もらって行くね」
「お嬢様。かしこまりました。お茶をお出ししたら、伺います」
「急がなくていいからね」
キャスティナは、お茶を淹れてティーセット一式を持って部屋に戻った。ソファで寛いでいると、ノックの音がした。
「どうぞ」
「失礼します」
ダンが部屋に入ってきた。
「わざわざ、ごめんね。用件を手短に言うね。ダンは、私の事何かお父様に聞いてる?」
「お嬢様の事ですか?特に何も」
ダンは、不思議そうにしている。キャスティナは、溜息をもらす。やっぱりね。誰にも言ってないわ。お父様……。
「必要だと思うから話すけど、私婚約が決まったの。四日後に、相手方のお屋敷に行って正式な書類を作るらしいのよ。それでそのまま、私は花嫁修業として結婚式まであちらのお屋敷で暮らすの」
そこまで、一気にキャスティナはダンに言った。聞いたダンは、明らかに驚愕している。
「それは、本当なんですか?お嬢様の準備などは、どうされるおつもりなんでしょうか?」
「お父様は、何もするつもりないんじゃない?相手の方も、必要な物はこちらで準備するから何もいらないって言われたし。ただ、私はいくつか持って行きたいものがあって。そんなに大きくなくていいから、旅行カバンを用意して欲しいの」
「それは、もちろんです。すぐに用意します」
「それと、明日から三日間だけでいいからエーファを私の侍女に戻して欲しいの。この前、久しぶりにドレスで生活したら全然ダメだったのよ。淑女としての、動作が全く出来なくて。付け焼き刃でも、令嬢としてのマナーをやり直したくて。お父様には、私からお願いしてもいいし、ダンが伝えてくれてもいいしどうする?」
「それは、令嬢としての振る舞いが必要な家に行くと言う事ですよね?」
「必要なんてもんじゃないのよ。普通の子爵令嬢じゃ、足りないぐらいの家なのよ!」
「私から旦那様に、話します」
「ごめんね。いつも面倒に巻き込んで。問題は、お義母様だと思うけどそれはお父様に聞いてくれる?私の予想だと前日か当日まで話さないと思うよ」
「いえ。そんな事、お嬢様が言う必要ありません。私は、執事として先代の奥様が亡くなられてから何も出来ませんでした。本当に申し訳なく思ってます」
ダンが、キャスティナに頭を下げる。
「ダン達がいてくれたから、こんな家族でも寂しくなかったのよ。私は、お礼を言いたい。ダン、いつもいつもありがとう。このクッキーね、使用人みんなに作ったの。一人一つ食べてね。はい、ダンの分」
「大切に食べさせて頂きます。では、私は旦那様と話をしてきます。失礼します」
そう言ってダンは、部屋を出ていった。
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