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閑話 勇者マークの視点。
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勇者マーク視点
騒がしい勇者達の詰所から少し離れたギルドマスターユーノの部屋はいつも綺麗に片付いている。
「これが新しい魅了魔法のアイテム?」
濃い茶色の髪をした年嵩の厳つい男がテーブルの上にある箱に入った黒い宝石を見る。
「見た目も使い方も以前のと同じだが、安価だし精度が高い」
ギルドマスターユーノの言葉に俺は眉唾物だ、と思っていたが恩も借りもあるユーノの依頼を断る理由はない。
「分かった。暴走した精霊が出たら使ってみる」
俺達勇者は暴走した精霊と戦う。魔獣と戦うのは冒険者の役割だ。
全く以前のものと変わらないアイテムを手にした時、些細なだが確かな違和感を感じた。
「ギルドマスター、こいつの力、前のと違う気がするが」
「流石マーク。効果の報告、楽しみにしてるよ」
何かを隠している様だが悪い事では無さそうだ、と判断した俺は諦めた様に溜息を吐く。
「だが、都合良く暴走した精霊が出るとは……」
限らない、と言おうとした時、若い勇者がギルドマスターの部屋に走り込んで来た。
「ギルドマスター、暴走した精霊が……」
「種類は?数はどのくらいだ」
「種類はサラマンダー。数は3体です」
伝令に走り込んで来た若い勇者の言葉に勇者の詰め所がざわつき始めた。
「マーク、頼んだぞ」
ユーノがチラリ、と俺を見た。
「サラマンダーが暴走とか、有り得ねーだろう」
知性の高い火の精霊サラマンダーの暴走は勇者でも滅多に出会わない案件だ。
だが、文句を言う暇は無い。
俺はアイテムと剣を握りしめて若い勇者と共にギルドを走って出た。
結果から言うと新しい魅了魔法のアイテムの効果は素晴らしかった。
俺達勇者は必死にサラマンダーの暴走を抑えつつ、期待しないで新しいアイテムを使った。
途端、あれ程荒れ狂っていたサラマンダーに理性が戻り、交渉がすんなりと出来たのだ。
しかも以前のものと違い、精霊の方にも負担が少ないらしく別れる時、サラマンダーの方から他の精霊達が暴走した時はこれを使って欲しい、と大量の火魔石を渡されながらガッツリ要望された。
「これは最高のアイテムだ」
俺は今渡された火魔石を仲間に渡し、まだ使える魅了魔法のアイテムを大事に胸のポケットに入れた。
騒がしい勇者達の詰所から少し離れたギルドマスターユーノの部屋はいつも綺麗に片付いている。
「これが新しい魅了魔法のアイテム?」
濃い茶色の髪をした年嵩の厳つい男がテーブルの上にある箱に入った黒い宝石を見る。
「見た目も使い方も以前のと同じだが、安価だし精度が高い」
ギルドマスターユーノの言葉に俺は眉唾物だ、と思っていたが恩も借りもあるユーノの依頼を断る理由はない。
「分かった。暴走した精霊が出たら使ってみる」
俺達勇者は暴走した精霊と戦う。魔獣と戦うのは冒険者の役割だ。
全く以前のものと変わらないアイテムを手にした時、些細なだが確かな違和感を感じた。
「ギルドマスター、こいつの力、前のと違う気がするが」
「流石マーク。効果の報告、楽しみにしてるよ」
何かを隠している様だが悪い事では無さそうだ、と判断した俺は諦めた様に溜息を吐く。
「だが、都合良く暴走した精霊が出るとは……」
限らない、と言おうとした時、若い勇者がギルドマスターの部屋に走り込んで来た。
「ギルドマスター、暴走した精霊が……」
「種類は?数はどのくらいだ」
「種類はサラマンダー。数は3体です」
伝令に走り込んで来た若い勇者の言葉に勇者の詰め所がざわつき始めた。
「マーク、頼んだぞ」
ユーノがチラリ、と俺を見た。
「サラマンダーが暴走とか、有り得ねーだろう」
知性の高い火の精霊サラマンダーの暴走は勇者でも滅多に出会わない案件だ。
だが、文句を言う暇は無い。
俺はアイテムと剣を握りしめて若い勇者と共にギルドを走って出た。
結果から言うと新しい魅了魔法のアイテムの効果は素晴らしかった。
俺達勇者は必死にサラマンダーの暴走を抑えつつ、期待しないで新しいアイテムを使った。
途端、あれ程荒れ狂っていたサラマンダーに理性が戻り、交渉がすんなりと出来たのだ。
しかも以前のものと違い、精霊の方にも負担が少ないらしく別れる時、サラマンダーの方から他の精霊達が暴走した時はこれを使って欲しい、と大量の火魔石を渡されながらガッツリ要望された。
「これは最高のアイテムだ」
俺は今渡された火魔石を仲間に渡し、まだ使える魅了魔法のアイテムを大事に胸のポケットに入れた。
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