黒髪が王族の証という異世界に転移しました、自重は致しません。

クレハ

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三章

三人VSレオン(レオンside)

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どうしよう、二人とも行ってしまった...

心臓の音がドクドクとうるさい

「レオン君、大丈夫ですか?」

トマスさんに心配かけてしまった、どうしよう...

お兄ちゃんが何としてもトマスさんを守れって言ってた

それにお兄ちゃんは俺やセドに分不相応な敵と戦わせたりはしない。

と言うことは俺ならトマスさんを守りながら敵を倒すことが可能だと思ってこの場所を任せたんだ。

俺も期待に応えたい

ガサッ

草むらから出て来たのは三人の男たちだった

「おー、こっちはガキ一人か!これは楽な仕事だなぁ!しかもツラがいい、どこかに売り飛ばすか!」

そう言いながら仲間の二人と一緒にギャハハと下品に笑いながら剣を抜いた

ヒュッ!

キィィンッ!

弓矢が飛んできたのを俺の風の檻が弾く

二人と離れてからすぐにトマスさんと自分の周りに展開した魔法だ

「チッ、魔法使いか!魔力切れ狙うぞ!」

カツンッ

ズバッ

ゴトッ

魔力切れを狙うと言った男の首を風の魔法ではね落とす

「クソッ!無詠唱かよ!魔法使いなら近接戦闘に持ち込めばこっちのもんだ!」

そう言ったもう一人は気がつくと目の前にいた

身体強化か何かかな...

でも俺もお兄ちゃんやアリア師匠に短剣を使えるようにとみっちりと教え込まれている

ギイィィィンッ

「なっ!バカなっ!!」

そう言って相手が驚いているうちにトマスさんの風の障壁はそのままにして自身の足に風を纏わせて瞬時に相手の所まで移動し、短剣に風魔法を重ねがけし刃の鋭さを増し、頸動脈を切る

プシャァァァッ!!

「チッ!ぶが悪いなここは一旦ひくかっ!?」

ゴンっと逃げようとしていた人が俺の作った風の壁にぶつかる

「にが...さない。」

「チッ!クソガキがぁぁぁっ!」

ヤケになったのか他の二人より動きが雑だ

カツンッ

杖を鳴らすと共に目の前の男の首と胴体が離れた

「さよ...なら。」

トマスさんが乗っている荷馬車の風の檻はそのままにしてトマスさんに話しかける

「だい...じょぶ?けが...ない?」

「ええ、私は大丈夫です、守ってくれて有難うございますレオン君。レオン君も怪我はないですか?」

「ん、だい...じょうぶ」







「レオン!トマスさん!!大丈夫ですか!?」

「はい、レオン君が守ってくれましたので。」

「レオンは?大丈夫か?」

「......ん」

うそだ、本当は怖かった。

まだ杖から手が離れてくれない

怖かった。

人の命を奪うのはとても怖かった

ポロッ

「...レオン」

ポロッ

「あ...れ?」

ポロポロ

「ウック、ヒックッ!うえぇぇぇんっ!」

「っ!レオン!」

セドがギュッと抱きしめてくれる

「大丈夫だ、もう終わったんだ、それにレオンは立派にトマスさんを守ったんだ!自信持ってイサギさんに話そう!」

「そうですよ、レオン君、こんな幼いのに私を守ってくれて有難うございます。」

そっか、俺、守れたんだ。

守ってもらうばかりの俺がトマスさんを守れたんだっ!

誰かを俺も守れるんだ!

「うえぇぇぇんっ!セドっ、トマス...さんっ!まも...っ、守れた?俺、っ、守れた....?」

「守れたよ、レオン」

「とても頼もしかったです、有難うレオン君」

良かった、良かった...







「レオン!セド!無事!?」

「イサギさん!」

「おに...ちゃ!」

「こっちは盗賊の排除五人出来たよ」

「怪我とかはない?」

「うん、大丈夫!イサギさんは大丈夫?」

「うん、こっちは大丈夫、全員始末した、それで?レオンはなんで泣いてるのかな?」

俺はお兄ちゃんにギュッと抱きつく

「レオン?」

ギューーッ!

「怖かった?」

コクリ

「でもレオンなら大丈夫だと思って任せたんだ、流石ワシとセドのレオンだ、トマスさんを守ってくれて有難うレオン」

コクリ

お兄ちゃんを目の前にすると沢山話したいのになんだか言葉が出てこない

お兄ちゃんは俺を抱っこして背中をトントンと摩ってくれる

「寝ていいよ、レオン。ワシはトマスさんと少しお話しするから、ね?」

コクリ

お兄ちゃん、いい匂い...

あぁ、なんか瞼が落ちて来た

ね...る...

そこで俺の意識がブラックアウトした。







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