黒髪が王族の証という異世界に転移しました、自重は致しません。

クレハ

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三章

指名手配の奴らだったらしい

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「トマスさん、奴ら指名手配されていたホムラって言う賊だったみたいです。少数精鋭で十一人だけの小規模な盗賊らしいです、リーダーを拷問してはかせました。他に仲間がいなかったので全員殺しましたが良かったですか?」

「ええ、イサギさんの判断にゆだねます。こちらとしても早く危険地帯を抜けれるならそうしたいので。」

「ではこのまま進みましょう。」

ホムラという盗賊の死体はワシの炎で焼き尽くしてその場を後にする。

セドとレオンが無事で良かった

「レオン君はとても強かったですよ」

ふとトマスさんが話しかけて来た

「本当ですか」

「ええ。こんなに幼いのに素晴らしい魔法の使い手ですね。瞬殺でしたが、接近戦に持ち込まれた時はヒヤッとしました、それでも接近戦の心得でもあるのか短剣を使って見事に戦っていました」

「レオンは努力家ですから。実はセドとレオンは対人戦が初めてでして、ね、セド」

「はい、うまく対処できるか不安だったけどトマスさん達を守れて良かったです。」

「なんと!初めての対人戦でこれだけ強いのでしたら心強いです。因みにお三方が戦った盗賊、聞いた事がある名前でして、それはもう残忍で非道な奴等らしくて...本当にあなたがたを護衛に雇えて良かった!」

「ふふっ、そう言っていただけると嬉しいです。ね、セド」

「はいっ、ありがとうございます!」








そうやって半月が経った。

あれからは盗賊なども出ずに魔物を討伐するくらいで特に問題は起こらなかった

せっかくなので、トマスさんにガルダス帝国はどういう所なのか勉強がてらたずねてみている。

「そうですねぇ、ガルダス帝国はまずご飯が美味しいです」

なにっ!?ご飯が...美味しいだと!?

「それは本当ですか!?」

「はい、海があるので新鮮な魚介類を食べることもできますね」

「魚介類!セド、レオン!魚介類は絶対に食べよう!」

「ははっ、イサギさんは食べるの大好きだからね」

「ん...」

コクコク

半月もすると楽に話していいよってトマスさんからお願いされたので各々失礼の無いようそこそこ砕けた話し方をするようになった。

「私はガルダス帝国のホッタテのバターソースあえが好きでしてねぇ」

「ホッタテ?」

「ええ、貝の一種です」

ホタテのような名前なのでおそらくホタテだ。

もしかしてホタテのバター醤油あえみたいなものだろうか、食べたい!是非とも食べたい!




サクッ、モグモグ

サクッ、モグモグ



因みに先ほどから横でサクモグしてるのはレオンだ

クッキーをトマスさんからもらって3人で分けたのだ。

レオンは甘いものが好きなようで無表情だが目元が嬉しそうに少し緩んでいる

「他に美味しい食べ物ってあるんですか?」

「そうだねぇ、セドさんはどの様な味が好きですか?」

「うーん、少し濃ゆ目の味付けが好きかな?」

「だったらオーク肉の煮込みシチューがオススメかな、見た目は茶色いがオーク肉がいい味を出していて柔らかくてホロホロで野菜もよく煮込んであって味が濃縮されていてとても美味しいんだ!」

「はぅあ!とても美味しそうですね!」

やばい、何を聞いても美味しそうな予感しかしない

「では、何かお土産に良い物とかあります?女性用にですけど。」

そう言ってチラリとセドを見るとセドもハッ!としたかの様に身を乗り出して話を聞く

「うーん、そうですねぇ、女性にでしたら透明で一点物の鉱石のアクセサリーとかいかがでしょう?」

「「鉱石?」」

「はい、ガルダス帝国は鉱石が取れる鉱山がたくさんあります、そこには宝石と変わらないくらいキラキラと綺麗な鉱石が取れるのですが、それが色や形がバラバラに取れるのです、それで一点物なので少し値は張りますがお土産にはとても喜ばれるかと。」

「良い情報聞いたね、セド」

「うん、それなら喜んでもらえそうだ!」

「お役に立てて何よりです。さて、そろそろ夜営地点です、降りる準備をしましょうか」








今日の夜ご飯はサンドウィッチの様なパンに何かの肉と野菜が挟まったものだった。

マグカップには果実水が入っている

「さて、みなさん今日もお疲れ様でした、後半月頑張りましょう!」

タラン商会の皆さんが乾杯とコップをカツンと合わせわいわいと話しながら夜ご飯を食べる

ワシらも三人で小さく乾杯と言いながらサンドウィッチを食べる

分厚目のお肉がボリューミーでとても美味しいし、じゅわりとした肉汁がパンと野菜に絡み合って驚きの美味しさ!

「おいひい!」

「美味しいね!イサギさん、レオン!」

「おい...し!」

コクコク

こうやって毎日ご飯を食べる時に必ず果実水が出るのだが、この果実水が本当に美味しくて、何が入ってるのか聞いてみた事があるのだが、そこは秘密らしい。

とても気になる

でも、タラン商会の商品なので向こうに着いたら是非とも買ってくださいねとウインクされた

うむ、やはり商売魂が染み付いているな、流石トマスさん。

「お三方、楽しんで食べていただけていますか?」

「トマスさん!ええ、とても美味しいです。まさか護衛依頼でこんなに美味しいご飯が毎日食べれるなんて思ってもいませんでしたよ!」

「はははっ、イサギさんはよほど美味しい食べ物に目がないとお見受けいたしました」

「美味しいものは世界を救います、ね、セドとレオン」

「うん!そうだね、イサギさん」

「ん」

コクコク

「ははっ!そうですなぁ、ガルダス帝国に着いたら是非ともタラン商会にお立ち寄りください、そしてその際にはこのカードを店員に見せてくださいね」

そう言って黒色のカードをくれた

「このカードは?」

「秘密です!」

そう言ってウインクするトマスさん

お茶目な紳士だなぁ

そんな事を思いながら受け取ったカードをマジックバックの中にしまう

「では、お食事中失礼しました、まだ沢山あるのでごゆっくりお食べくださいね!」

「ありがとうございます」



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