【R18】ウブな小鳥と奔放な兎とツンな猫は猛獣と猛禽類と仲良くお勉強をします

枯枝るぅ

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退屈な男

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「やっと俺の番だね」


そう言って微笑むルイくんからは、明らかに他の四人とは違う雰囲気が漂っている。

どう表現したらいいのか分からないけど、なんと言うか……この人絶対何かやらかしそうだな、という感じの雰囲気。


「おいで、リン。いっぱい可愛がってあげる」


ベッドもソファも使わずに、ベッド脇の床に立って両腕を広げるルイくんにゆっくりと近付いたリンくんも、彼からただならぬ雰囲気を感じ取ったのか恐る恐るその腕の中へと収まっていった。

俯いていたリンくんの顎に手を添え、そっと上向かせたルイくんは、王子様のようにキラキラとした微笑みを浮かべながらその手で今度は髪を梳き、耳をくすぐり、ほっぺたを撫で、首筋を撫で下ろしていく。


──な、なんか、圧倒的にエロい……!


手つきもエロいけど、とにかく身に纏う空気が半端なくエロい。

そしてその手がリンくんの鎖骨に触れた瞬間。


「や、やだ……!」


ぶるりと全身を震わせたリンくんが、ルイくんの腕の中から飛び退いた。


「……もしかして、鎖骨弱いの?」

「よ、弱いって言うか……、そこ触られるの苦手なんすよ……」

「ふーん……。ねぇ、もう一回触っちゃだめ?」

「絶対無理!」


自らの鎖骨を両腕でガードしたリンくんは、警戒するようにルイくんと距離をとっている。

その様はまるで、毛を逆立てて威嚇する猫みたいだ。


「分かった分かった。触らないから。ぎゅってしていい?」

「……絶対だからな」


ルイくんはそんなリンくんを見て困ったように笑いながら、もう一度両腕を広げ、おいで、と彼を呼んだ。

そして警戒しつつもおずおずと近付いてきたリンくんを再び腕の中に閉じ込めたルイくんは、あろうことかリンくんの鎖骨にねっとりと舌を這わせた。

弱点だという箇所に、突然そんな強い刺激を受けてしまってはひとたまりもない。


「…………っ!」


声も出せず、大きな瞳を更に大きく見開いたリンくんは、ガクンと膝から崩れ落ちてしまった。


「......っと」


床にへたり込みそうになったリンくんの身体を受け止め、ゆっくりとベッドに押し倒したルイくん。


──この人……マジでやらかしやがった。


「さ、さわらないって、言った……っ」

「うん、だから触ってないよ?舐めただけ」

「そんなの屁理屈だっ」

「ごめんね。ここ触った時の反応が良かったから、ついもっと見たくなっちゃって。でも、もう絶対触らないし舐めたりもしないから。他のところ、触らせて」


その言葉通り、その後ルイくんがリンくんの鎖骨に触れることは無かった。

だけど、スイッチが入ってしまったのか、どこに触れられてもピクピクと身体を震わせるようになってしまったリンくん。

そうして残りの時間もみっちり触れられ続け、終了時間がきたことを知らせるアラームが鳴る頃には、リンくんはもうすっかり息も絶え絶になっていた。


「……この人やばい……」

「やばいだなんて心外だなぁ。ルール違反はしてないよ?あ、それとも褒め言葉だった?」

「ルイお前、エロすぎだろ……」

「クールそうに見せかけて、実はルイくんが一番エロい説」

「オレ勃ちそうだったわ……」


シュンくん、ケイくん、マサくんの言葉に、俺はコクコクと頷くことしか出来ない。

だけど、いつまでもルイくんのエロさに呆気にとられている場合じゃない。

次はいよいよ俺の番だ。

肝心の相手役のヒナくんは、ルイくんのあまりのエロさに床に落ちていたクッションを拾い上げ顔を埋めてぷるぷるしているし、本当はもう少し弟キャラで通すつもりだったけど、ここは一つ、漢を見せよう。

さっき、アホっぽいことばかり言っていたシュンくんが突然男らしい表情を見せた時に赤面していたことから察するに、きっとヒナくんはギャップに弱い筈。

今こそ、俺のギャップをヒナくんに示す絶好のチャンスだ。

一体どんなふうにして、彼のまだ見ぬ甘い表情を引き出そうか……。

とりあえず、まずは。


「ヒナくん、ベッド、行ける?」

「……む、むり……腰抜けた…………」


──……マジかよ、可愛すぎるだろ、畜生。


クッションの上からチラリと覗いた目元は真っ赤に染まり、愛らしい垂れ目にはうっすらと涙まで浮かんでいる。

いくら耐性が無いからって、他人の触れ合いを見ただけで腰を抜かして涙目になってしまうだなんて、これまでの二十二年間一体どうやって生きてきたんだろう。

まぁそんなことはさて置き、歩けないというのなら仕方がない。

ケイくん達と、ちょっとかぶっちゃうけど……。


「ちょっとごめんね、抱っこするよ」


俺はヒナくんに一言断りを入れて、背中と膝の裏に腕を差し込み、その身体を持ち上げた。

筋トレしていて良かった……と、心の底から思った瞬間だった。
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