甘く蕩ける程に愛して

みのる

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第三章 揺れるこころ

架苗の決意※

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4月の頭。オレが仕事から帰ると、いつものように出迎えてくれる我が愛しい家族……♡

ん?んんんーーー?(4度見)←見過ぎ。

か…かなえの、毛がねェーーーーー!??(絶叫‼)

『何なのよ…似合わないの⁉』

ちょっとキレ気味にかなえは言う。
…かなえはくりんくりんな毛な感じはそのままに←あぁ、アレ…『天パ』みたいですよ?
長かった髪の毛が…肩くらいに短くなっていた。

『い…いや…(しどろもどろ)た、ただ…ビックリして…(ダラダラ)…似合ってるとも‼…うん!』

そう言っても、何か不審げにオレを見ながら…かなえはいきなり‼オレが考えてもいなかった事を口にした。

『栗栖……、せっかく仕事に慣れてきたところ悪いんだけども……今の仕事、辞められないかしら?』

な、なんとぉぉぉぉおおおお!!?漸く!漸くオレ、今の仕事女装(?)に慣れてきたのに……⁉それを辞めろとな?(何故に?)

開いた口が塞がらないオレに、静かにかなえはオレに言った。

『佐伯の屋敷に……戻りましょう』

……やはり……!家が恋しかったのですね…っ!かなえ…←違う。

更にかなえの話は続いた。

『私!……決めたの……‼…お母様の代わりに…お父様のパートナーになる!』

オレは、かなえがオレの知らないところで…大事な決意を固めていた事に全く気づかなかった……。

……でも、オレは一体何を?(大きな謎)

『栗栖は…私の代わりに…かもめの専属使用人(?)をする事になると思うわ』

つ…つまり、オレは「家事をしない子育て主夫(?)」

『…お父様にかけ合わないとならないから…分からないけど…』

せっかく…仕事に慣れてきたのに…な?(落胆)
(でもお嬢様に逆らえない使用人魂の残る栗栖)
←結果、嫁の尻に敷かれている(笑)

でも…1人で何でも決めてしまわないで、オレにもちゃんと相談して欲しいな…(くすん)
オレ達……『夫婦』だろ?(密かにロンリー栗栖)


オレは…その月の10日に…最後のお給料をもらい、泣く泣く店主に事情を話して…その店を辞める事になった。

『栗栖さんは本当に良く働いてくれたから…こちらとしてもあまり手放したくは無いけど……仕方ないよね?約1年本当にお疲れ様でした!…栗栖くん』

最後にオレにかけてくれた店主の言葉。

『またきてくれるのか…?くりす。』

オレをじぃっと見つめながら、奥さんからも声をかけられる。
オレは内側から何かが込み上げてきて何も言う事が出来ずに、

『…………これまで…お世話になりました……さよなら…っ‼』

オレは(ちゃんとコスチュームを返し)両の目から涙を流しながら店を飛び出した。もう2度と訪れる事の無いかもしれない、この仕事場を……


そして、かなえはばぁさんにも事情を話して明くる日に荷物(ほとんど無いけど)をまとめて住み慣れた我が家を後にした。

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