甘く蕩ける程に愛して

みのる

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佐伯邸での生活の始まり

世代交代(?)

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佐伯邸に到着した私達達3人は、それまでとは掌を返したかのようにみんなから歓迎された。
中でも、私を待ち焦がれていたのは…

『お嬢様ぁ~っ!ずうっと、ずうっと私、待っていましたよォっ⁉こんなに長くなるなんてぇ聞いてませんでしたが⁉』

そう、私の影武者を言い渡された『ミツキ』である。
元私の部屋でむすっと風船のように膨れてるミツキ。
私は必死になって膨れるミツキに謝り続ける。

『ご…ごめんなさい、ミツキ…その…直ぐに戻る予定ではあったのよ⁉本当よ?(ダラダラ…う、嘘だけど……)』

それでも直らない、ミツキのご機嫌。

『ごめんね……そうだ!お父様に話して、3日特別休暇を貴女にだけ出して貰うようにするから……(ご機嫌直して……(滝汗))』

すると、「特別休暇」が効いたのか…途端に笑顔になる彼女。(しかもものすごく嬉しそう……)

『本当ですかぁ⁉GWも近いけど…私だけそんな扱い受けても良いのかなぁ?(ウキウキ)……ちょっと早く、智裕に逢える♡』

1人浮かれてるミツキは放っておいて、私は栗栖とお父様と話しに応接室に行く。
(かもめはカグラに面倒を見るように頼んだ)

今日は土曜日。お父様は仕事が休みで、屋敷にて私達の到着を待っていた。既に応接室にてお待ちで、何となくそこの空気は張り詰めていた。

『架苗。良く帰って来たな…私はずっとお前達を待っていた』

私は告げる。

『そんな建前はどうでも良いのです。私達を待っていたのは……全て仕事の為。本音はそうおっしゃりたいのでしょう?』

お父様は「敵わないな」と言わんがばかりに首を竦める。

『ならば要件を述べよう。月曜日から早速、私とともに仕事に出向いてくれるのは架苗か?栗栖か?』

栗栖がお父様に何か言いたそうではあったが、代わりに私が答えた。

『私が参ります!その間……栗栖には…また使用人として働いて貰いたいのです。我が娘、かもめを”次期お嬢様“として養って欲しいのです!』

お父様は、その件に関しては異存は無いようだ。

『そうだな、架苗が私のパートナーとなるのならば…私もそれを願う』

栗栖……貴方の「専属(家事無し)主夫」は決定したわね?(フフフ)
当の本人は……あれ?まさか…事態についていけてない⁉なんか…「オレには!難しい話は無理です‼」みたいな顔してる(滝汗)

あ!そうだった‼(危うく忘れるところだったわ……)

『使用人ミツキに3日程「特別休暇」を与えたいのですが…家にも帰りたいみたいですし…』

お父様は何でもない事のように、アッサリと答えた。

『うむ、良いだろう。その代わりに、栗栖にはしっかりと働いて貰わねばな(笑)』

てか栗栖、ヘタしたらミツキの代わりに食事の手伝いもしないとならないかもよ?(アーララ、お気の毒に)

栗栖……その話はちゃんと理解出来たのね…フリーズしてるわよ?

『では、架苗!月曜日からはしっかり頼んだぞ?仕事の手順はおいおい覚えて行けばいい』

そう言うと、お父様は応接室から出ていった。

さぁ、栗栖!月曜日からしっかりとかもめのお世話を頼んだわよ?
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