貴方は私の所有物♡

気になるフタリのカンケイ。

『井ノ口さん、今夜良かったら2人で飲みに行かないか？』

僕はデスクワークをしながらもお耳を大きくしてしっかりと聞いていた。

『せっかくのお誘いですけどでも……私、アルコールは飲めないんです』

そういや、井ノ口さんはお酌してるだけだったな……(よし！断れ‼井ノ口さん！)←こころで懸命に呪まじないをかける遥。

そんな井ノ口さんにめげずに関谷は更に誘い続ける。

『オレ、ノンアルの種類が豊富な店をオサエたんだ♡ノンアルならイケルだろう？』

するとなんと！井ノ口さん、1度はかわした関谷のアプローチを……(嗚呼……)

『ノンアルの豊富なお店ですか……？是非！連れて行って下さい‼』

井ノ口さん……男と2人キリという大問題はスルーなの？(遥、深い悲しみにふける)
こうして仕事を早々と切り上げた関谷と井ノ口さんは、夜の街へと溶け込んで行った。


…………の遥の様子を見つめ続ける、1つの視線には全く気づかない遥であった。
(遥君ったら……絶っっっ対に‼あの子に気があるわね……でもあのまま放っておけば！井ノ口さんは必ず関谷君の手に落ちるわ……♪)

まぁ無論、日向のそんな黒い陰謀には一っっっ切‼気づく様子の無い遥。1人でやきもきしながら帰って晩ご飯を作る為に仕事を終える事に精を出す。
※最悪、僕が帰れない時は弟、奏が店屋物を取ってくれる。
(末っ子、やる時はやってくれるのである！)


ーさて、飲みに行った2人の様子を見に行こうではありませんか？ー
俺が井ノ口さんを誘った店、「あい鶏」はノンアルな飲み物が多種多様と取り揃えられている。
とりあえず俺は井ノ口さんを連れて店に入り、目を輝かせてどれを飲むか夢中で吟味する井ノ口さんに………

『お、これがイィんで無いの？』

普通に名前を聞いても飲みやすそうな物を初めのうちだけ勧めてみる。(極悪)

そんなん……俺の狙いなんか1つしかねぇよ♡(怪しい微笑い)

『井ノ口さん、何食べる？やっぱりココ来たら焼き鳥がオススメなんだけども………鶏食える？』

何時の間にそんなに飲んだのか……空のジョッキが4つも控えている！(しかも………井ノ口さん……酒臭い？？？)


私は3杯目から気づかれぬようにアルコールに手を出していた。そう！私は何気にアルコールはイケルクチである。
何故飲めないフリなどしてるのか？
ーその方が「酔わせてお持ち帰り」というパターンが起こり易いでは無いか？ー

さて、ターゲットの関谷先輩から質問を向けられた。

『私ぃ♪鶏は大好きですぅ♡』

因みに私、お酒は強い方である。………が敢えて酔ったフリ。←てか飲めないって事にしてるのに……？

飲めないのに酔ったフリ。その矛盾点に気づいていない、(どアホな)伽夜であった。

私が関谷先輩についてきた理由？そんなん1つしか無いじゃない♡←アンタらイィ付き合い出来るよ(汗)


『今日も1日お疲れ様でしたぁ！乾杯☆』

どっかの会社員も飲み会らしい。

『ささっ！加地くん‼まぁググっとやってくれたまえ』

1人の女の子が若い男に軽く飲まされていた。

頑張ってグラスを空けたのが見てるだけで分かる。

『……ごちそうさまでした☆今度は私からお返ししますね♡岡田さん』

負けじとばかりにグラスを返す女の子。

そこで飲み比べ大会的なモノが開催されていた。


『さぁ……井ノ口さん、腹はいっぱいになった？』

頃合を見計らい、俺は(何故か)上機嫌な井ノ口さんに問う。

『私ぃ♪もう大満足ですぅ☆』

会計を支払いながら俺は陰で薄く微笑う。

ー次に行く場所は1つー