貴方は私の所有物♡

聖♡バレンタインデー※

私は戦闘体勢に入っていた。
そしてそのサンプルから買い求めるという徹底ぶり……

2月13日の夜、私の戦闘は始まった。
頭には三角巾をきっちりとしめ、そしてもちろんエプロンは忘れない。(※ちゃんと持っているのである！)しっかりと手も洗い……

いざ‼‼尋常に‼(超！真剣な眼差しな日向)
まずはチョコを溶かして……
(湯せんって……何？)

(電子レンジでチーン‼)
………溶けた……かな？

それから型に流して……あっ‼大量に零れたァっ‼‼
(チョコを買って、初めからやり直し)

……………もう一度………………
(チョコを買い直してきた日向)

(中略)

やっと………型に流せたわ……後は冷蔵庫で固めるだけね。
(えっ⁉⁉⁉……それだけ？)

ー冷やし固めたチョコー
よし！コレに……想いを…………(超！激照日向)
……今更……こっぱずかしくて、書ける訳無いじゃない‼
(何故か1人激怒な日向)

(お手本として置かれたサンプルを見て)
なんか絵でも描いて誤魔化そう。(でも手のひらサイズを2つ)

(ひたすらチョコとにらめっこな日向)

…………………何も浮かばないわよっ！えぇ、私はどうせ不器用ですけども？(そしてサンプルの真似も出来ない不器用さ)

※因みにサンプルには「LOVE♡」とお菓子ペンで書かれている(だけ)。

ーそして翌日ー
ちょっと早起きした日向。昨日のチョコをラッピング。

『出来たわ‼私に出来ない事なんて無いのよ！』

あのぉ～？……ラッピング……結構ヨレてますが……(ま、まぁ良いか💦💦)

ーそしてIN  職場ー
遥の出勤を(隠れて)今か今かと出待ちする(怪しげな)日向。

『……来たわ………✨』

おもむろに遥の前に立ちはだかり、

『ちょっと待ちなさい‼遥君！』

突然で超！慌てる遥。

『ななななな……なんですか？』

『コレ……！受け取りなさい‼むしろ返品不可よ！』

そして手渡された、昨日の日向の努力の結晶。
もちろん！生まれて初めて受け取るチョコに、こころでは祭りが繰り広げられている遥。

『あ……ありがとうございます！大事にいただきますね‼』

日向は満足気に自分のデスクに戻った。

ー一週間後ー
ふと、遥からの反応が無いのが気になって…本人を直撃する日向。

(仕事終了後)
私は遥君を呼び出し……(てか2人だからその必要は無い)彼に直接、感想を聞く。

『ちょっと遥君、「例のアレ」の……感想を聞かせてちょうだい？』

『え……「例のアレ」……、あぁ‼チョコの事ですね？まだ食べてないですよ？』

その言葉を耳にして、私は驚愕する。

『どうして？何故まだ食べてないの⁉』

私は思わず遥君に詰め寄る。
すると遥君、モジモジして……恥ずかしそうに答えた。

『だって……生まれて初めて貰ったチョコだし……そ、その……も、もったいなくって……(挙動不審)神棚に……お供えしてます……』

それを聞いた私は、途端に上機嫌になる。

『そ、そう？な、ならイィのよ♡早く食べなさいよ？』

そう言って私は(珍しく)先に帰宅した。

(更に遥家では……)
漸く神棚から丁重に下ろされた日向からのバレンタインチョコ。
きょうだいの目を忍んで僕は丁寧にラッピングを解く。
中から出てきた……2つのハート型(？)をした、手のひらサイズのチョコ。

『日向先輩からのチョコ……いただきます♡』

1つ目に手をつける。

あーーーーーん♡
がりっ☆

『ん？なんか……固い……(滝汗)』

てか………プラスチックぅぅぅううう⁉⁉

実は……誤って食品サンプルを1つ混入してしまい、ラッピングした日向。
その1つだけで……何かこころが打ちひしがれた遥が…もう1つのチョコに手をつけることは、遂に無かった。。。
(なんか気の毒な日向………)