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そして……
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2月の末くらいに、僕は上司に個人的に呼び出された。
『………えっ………僕が……?』
『あぁ、入社して1年も経たないうちに栄転なんて……素晴らしいぞ!遥君‼東の都に異動だ』
『……それでは、失礼します……』
転勤………僕が?まさか家族を巻き込む訳にはいかないから……やっぱり「単身赴任」だろうなぁ……
家の事は誰がやってくれるんだろう?
そして……先輩は……?
それから僕は、どうしても日向先輩に「その事」を伝える事が出来ず、とうとう3月1日を迎えた。
『今日で遥君は、東の都に異動となる』
社内の皆へ課長からの異動の伝達。
ー朝礼の時ー
少し社内がざわついていた。
先輩の方にチラリ目をやると、その表情には一切の変化は見受けられなかった。
これから引継ぎとかあって正式な異動は7日になる。代わりに東の都から1人異動してくるらしい。
漸く仕事を終え、僕は家に帰ろうと身支度を始めた。
何時もの通り、先輩と僕の2人きりである。
日向先輩が靴音をカツカツ鳴らしながら僕のデスクに近付いて来た。
『遥君……栄転、おめでとう。……でも、私はアナタから聞いてないわよ?…もっと早くに分かっていた事じゃないの?』
僕は先輩と目を合わせず……答えた。
『えぇ……。でも、どうしても日向先輩には言えなかったんです。……何故だか分からないけれど………』
軽くため息を吐きながら先輩は僕に言った。
『………私は、アナタを待っててなんかアゲないわよ?もっとイケメンな、素敵な男を探して結婚するんだから』
そしてその言葉に僕も返事をする。
『……待ってて貰えるなんて思ってもいませんよ。どうか先輩は、こっちで僕より先輩に相応しい相手を見つけて下さい』
自分で言って、こころに棘が刺さるように痛むのを感じた。
『コレだけはこころに刻んでおくのよ。「貴方は私の所有物」なんだから……』
僕の事は「待たない」と言ってる癖に、僕は先輩の「所有物」扱いは解除されないのだな……一体、僕はどうすれば良いんだ?(滝汗)
でも僕は「先輩の所有物」である事に、こころの何処かで安心している自分がいた。
ー3月7日ー
無事に引継ぎを終えた僕は、東の都へと旅立った。
『………えっ………僕が……?』
『あぁ、入社して1年も経たないうちに栄転なんて……素晴らしいぞ!遥君‼東の都に異動だ』
『……それでは、失礼します……』
転勤………僕が?まさか家族を巻き込む訳にはいかないから……やっぱり「単身赴任」だろうなぁ……
家の事は誰がやってくれるんだろう?
そして……先輩は……?
それから僕は、どうしても日向先輩に「その事」を伝える事が出来ず、とうとう3月1日を迎えた。
『今日で遥君は、東の都に異動となる』
社内の皆へ課長からの異動の伝達。
ー朝礼の時ー
少し社内がざわついていた。
先輩の方にチラリ目をやると、その表情には一切の変化は見受けられなかった。
これから引継ぎとかあって正式な異動は7日になる。代わりに東の都から1人異動してくるらしい。
漸く仕事を終え、僕は家に帰ろうと身支度を始めた。
何時もの通り、先輩と僕の2人きりである。
日向先輩が靴音をカツカツ鳴らしながら僕のデスクに近付いて来た。
『遥君……栄転、おめでとう。……でも、私はアナタから聞いてないわよ?…もっと早くに分かっていた事じゃないの?』
僕は先輩と目を合わせず……答えた。
『えぇ……。でも、どうしても日向先輩には言えなかったんです。……何故だか分からないけれど………』
軽くため息を吐きながら先輩は僕に言った。
『………私は、アナタを待っててなんかアゲないわよ?もっとイケメンな、素敵な男を探して結婚するんだから』
そしてその言葉に僕も返事をする。
『……待ってて貰えるなんて思ってもいませんよ。どうか先輩は、こっちで僕より先輩に相応しい相手を見つけて下さい』
自分で言って、こころに棘が刺さるように痛むのを感じた。
『コレだけはこころに刻んでおくのよ。「貴方は私の所有物」なんだから……』
僕の事は「待たない」と言ってる癖に、僕は先輩の「所有物」扱いは解除されないのだな……一体、僕はどうすれば良いんだ?(滝汗)
でも僕は「先輩の所有物」である事に、こころの何処かで安心している自分がいた。
ー3月7日ー
無事に引継ぎを終えた僕は、東の都へと旅立った。
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