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ーその翌朝ー
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朝、ゴミを捨てようと何時もの場所に向かう佳美。
僕は朝ごはんを仕度していると突然、
『嫌です!わたくしはあの家には戻りません‼………あなた達!離しなさい‼』
外から佳美の叫びが聞こえて来た。
『佳美‼‼‼』
僕は急いで声のする方に飛び出した。
すると佳美は…おびただしい数の、如何にも「我々は使用人です」オーラを発する男達に囲まれていた。
見た目、なかなか強そうである。
僕は怖くて……ことばすら出せないでいた。
するとその使用人の中のひとりが(執事?)、
『我らが「神谷財閥」の大事なひとり娘、佳美お嬢様は確かに返していただいた。………では!』
そう言い残し、その集団は風のように姿を眩ませた。
後に残され、ただもう…頭の中が真っ白な僕。
ふと我に返り、
『佳美!佳美‼』
ひたすらと叫び、辺りを探し回る。
『おい!朝っぱらからうるせぇ‼』
隣の部屋の男(独身)に怒鳴られ、
『す………すみません‼』
とにかく平謝りな僕であった。
佳美……まだ僕は君に出逢って……三ヶ月と経っていないのに……
余りにも呆気なく訪れた突然の別れに、僕の頭がついて行かなかった。
漸く、日常生活を思い出す事が出来た僕。作りかけの朝ごはん二人分にも手をつけずに、ノロノロとスーツに着替え始めた。
『……おはようございます………』
ダークさMAXで職場に向かった僕に、東の都で知り合った同期(男)が声をかけてくる。
『よう!遥‼おはようさん☆どないしたんや?そんな朝っぱらからお先真っ暗な顔してからに』
…………喋り方で判断いただけたとは思うが、一応「某西の都」の人間である。
『………別に……何でも無いです……(暗)』
と沈みまくる僕を他所に彼は更に続ける。
『それより!お前、例のコンビニの姉ちゃんは元気にしとるんか?お前…全っっっ然‼ワイに紹介してくれへんもんなぁ!』
まさに!ドツボをつかれ、更に暗い淵へ堕ちてゆく僕……
何かマズい事を発言したと空気で察した同期。(名前を松本と言う)コントのように額から滝のような汗を流し、
『なんか分からんけど………その………すまんかった……さいなら!』
そう言って早々と姿を消した。……また後に会うことなるとは思うが💦
なんか……唐突に現れて風のように過ぎ去った、本当に一瞬な恋愛だったなぁ………
僕は、佳美の行方を追跡してまで「愛」を貫く自信など皆無であった。
あのおびただしい数の使用人を見ただけで尻込みしてたのだから……
『愛』って……奥が深いんだな……
職場の朝礼で、社員の1分間スピーチを聞き流しながらそう思った。
僕は朝ごはんを仕度していると突然、
『嫌です!わたくしはあの家には戻りません‼………あなた達!離しなさい‼』
外から佳美の叫びが聞こえて来た。
『佳美‼‼‼』
僕は急いで声のする方に飛び出した。
すると佳美は…おびただしい数の、如何にも「我々は使用人です」オーラを発する男達に囲まれていた。
見た目、なかなか強そうである。
僕は怖くて……ことばすら出せないでいた。
するとその使用人の中のひとりが(執事?)、
『我らが「神谷財閥」の大事なひとり娘、佳美お嬢様は確かに返していただいた。………では!』
そう言い残し、その集団は風のように姿を眩ませた。
後に残され、ただもう…頭の中が真っ白な僕。
ふと我に返り、
『佳美!佳美‼』
ひたすらと叫び、辺りを探し回る。
『おい!朝っぱらからうるせぇ‼』
隣の部屋の男(独身)に怒鳴られ、
『す………すみません‼』
とにかく平謝りな僕であった。
佳美……まだ僕は君に出逢って……三ヶ月と経っていないのに……
余りにも呆気なく訪れた突然の別れに、僕の頭がついて行かなかった。
漸く、日常生活を思い出す事が出来た僕。作りかけの朝ごはん二人分にも手をつけずに、ノロノロとスーツに着替え始めた。
『……おはようございます………』
ダークさMAXで職場に向かった僕に、東の都で知り合った同期(男)が声をかけてくる。
『よう!遥‼おはようさん☆どないしたんや?そんな朝っぱらからお先真っ暗な顔してからに』
…………喋り方で判断いただけたとは思うが、一応「某西の都」の人間である。
『………別に……何でも無いです……(暗)』
と沈みまくる僕を他所に彼は更に続ける。
『それより!お前、例のコンビニの姉ちゃんは元気にしとるんか?お前…全っっっ然‼ワイに紹介してくれへんもんなぁ!』
まさに!ドツボをつかれ、更に暗い淵へ堕ちてゆく僕……
何かマズい事を発言したと空気で察した同期。(名前を松本と言う)コントのように額から滝のような汗を流し、
『なんか分からんけど………その………すまんかった……さいなら!』
そう言って早々と姿を消した。……また後に会うことなるとは思うが💦
なんか……唐突に現れて風のように過ぎ去った、本当に一瞬な恋愛だったなぁ………
僕は、佳美の行方を追跡してまで「愛」を貫く自信など皆無であった。
あのおびただしい数の使用人を見ただけで尻込みしてたのだから……
『愛』って……奥が深いんだな……
職場の朝礼で、社員の1分間スピーチを聞き流しながらそう思った。
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