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大型連休
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僕の職場の大型連休は、今年は5月1日から5月5日までである。
もちろん!久々に家族に逢いたい気持ちは大いにあったのだが……先輩の元に戻る事になると思うと…躊躇う自分がいた。
ー今年は涙を飲んで耐え忍ぼうー
僕は此処「霞荘」にひとり残る事をチョイスした。
ーそして訪れた大型連休初日ー
「此処に残る」と言えど、僕は特にこれと言って予定も無いので……せっかくの休みを満喫するが如くに睡魔が満足するまで寝倒す事を決めた。
すると呼び鈴を押す何者か。
しかもけたたましくもピンポンダッシュ!
あまりのうるささにしっかりと覚醒した僕。
おもむろに布団から出るとノシノシと呼び鈴のする方へ。
『……………どなたですか‼』
…………………………………………………………………………
そのパターンは想定外であった…
読者の皆様には安易に!想像済みであったかも知れないが、玄関のドアを開けた先には…………僕が今一番逢いたくない人が立っていた。
ーその頃遥家ではー
『ねぇ!かなた兄はこのGW、帰ってこないのォ?』
詩音のシビレを切らしたような一言。
『そういやァ……かなた兄、帰ってくるって聞いてねぇなぁ……』
昼メシ待ちで腹を空かせた奏大。
『きっとアッチで桃香さん以上の美人さんを捕まえたんだよ』
漫画を読みながら適当(?)な事をかます奏。
※因みに歌音はまた、前の男とは違うメンズと旅行に出ている。
三人『かなた兄の卵の割れたオムライス……食いてぇなぁ(食べたいなぁ)……(落胆)』
長男・次女不在の遥家は今日も平和ではあった。
『………お邪魔するわね……』
その人は!これから海外旅行?って聞きたくなるほどの大荷物であった。
…………てか……先輩、何で此処に来たの?この前、僕に彼女がいるって……分かってるハズなのに……?
僕は何もかもが謎でしょうがなかった。
そんな先輩は僕のマヌケ顔を一視してから言う。
『……あら?こないだのかぁわいい彼女さんの姿が見えない様だけど……あぁ!この私に恐れをなして逃げたのね?』
そうして愉快そうに笑った。
僕は佳美の……彼女の悪口を言う先輩が憎かったのだと思う。
佳美は連れ去られた訳だから……彼女の生活感はそのまんま、残されている。
彼女が使っていた歯ブラシ、コップ、洋服、彼女のお気に入りの小物……etc………
日向先輩は目敏くそれらに目を着けると、僕に言った。
『ゴミ袋を何枚か用意してちょうだい』
僕は先輩に言われるがままに……可燃物のゴミ袋を数枚用意していた。
(悲しき昔の習性)
『ありがとう。……ところで、この女物の私物………もう要らないわよね?』
先輩は僕にろくに確認もしないで、佳美の私物を手に持つ袋に次々と放り込み始めたのだ!
僕と佳美の……甘い想い出が……
僕はただ……美しい想い出が踏みにじられて行くのを、ただ見ていた。
何か、全ての感情がピークを超えると……どうでも良くなるのかな?
完全に怒る気も失った。
『コレで!全てあの女のモノは処分したわ……遥君、何処に行くの?』
先輩は佳美の物を全て片付けると、黙って自分の部屋を出ていこうとする僕を引き止める。
『…………先輩が此処に居るというなら、僕はその間…他所に身を置くだけの話です』
※出来るだけ冷たく言い放ちました。
『やはり、アナタ……私が許せないのね?アレは……俊との事は………タダの気の迷いだったのよ。私はもうアイツに何の想いも寄せていない。だから………』
『そんな事‼そんな事………今更信用出来ると思っているのですか?あの男の上に跨って……それは気持ち良さげに腰を振っていたではないですか⁉』
そう僕がイヤミを込めて先輩に言葉をぶつけると、先輩は黙り込んだ。
『遥君………』
『僕に触らないで‼』
※出来るだけ厳しく言いました。
先輩は目を見開き、僕を見る。
僕は簡単に荷物をバッグに詰め込むと、家の鍵を先輩に渡し…
『この大型連休、僕は外で過ごします。あんなにも……あんな簡単に、僕の大切な想い出をゴミ扱いした…先輩とは共に居られない‼』
そう言い放つと、僕は部屋を出て行った。
もちろん!久々に家族に逢いたい気持ちは大いにあったのだが……先輩の元に戻る事になると思うと…躊躇う自分がいた。
ー今年は涙を飲んで耐え忍ぼうー
僕は此処「霞荘」にひとり残る事をチョイスした。
ーそして訪れた大型連休初日ー
「此処に残る」と言えど、僕は特にこれと言って予定も無いので……せっかくの休みを満喫するが如くに睡魔が満足するまで寝倒す事を決めた。
すると呼び鈴を押す何者か。
しかもけたたましくもピンポンダッシュ!
あまりのうるささにしっかりと覚醒した僕。
おもむろに布団から出るとノシノシと呼び鈴のする方へ。
『……………どなたですか‼』
…………………………………………………………………………
そのパターンは想定外であった…
読者の皆様には安易に!想像済みであったかも知れないが、玄関のドアを開けた先には…………僕が今一番逢いたくない人が立っていた。
ーその頃遥家ではー
『ねぇ!かなた兄はこのGW、帰ってこないのォ?』
詩音のシビレを切らしたような一言。
『そういやァ……かなた兄、帰ってくるって聞いてねぇなぁ……』
昼メシ待ちで腹を空かせた奏大。
『きっとアッチで桃香さん以上の美人さんを捕まえたんだよ』
漫画を読みながら適当(?)な事をかます奏。
※因みに歌音はまた、前の男とは違うメンズと旅行に出ている。
三人『かなた兄の卵の割れたオムライス……食いてぇなぁ(食べたいなぁ)……(落胆)』
長男・次女不在の遥家は今日も平和ではあった。
『………お邪魔するわね……』
その人は!これから海外旅行?って聞きたくなるほどの大荷物であった。
…………てか……先輩、何で此処に来たの?この前、僕に彼女がいるって……分かってるハズなのに……?
僕は何もかもが謎でしょうがなかった。
そんな先輩は僕のマヌケ顔を一視してから言う。
『……あら?こないだのかぁわいい彼女さんの姿が見えない様だけど……あぁ!この私に恐れをなして逃げたのね?』
そうして愉快そうに笑った。
僕は佳美の……彼女の悪口を言う先輩が憎かったのだと思う。
佳美は連れ去られた訳だから……彼女の生活感はそのまんま、残されている。
彼女が使っていた歯ブラシ、コップ、洋服、彼女のお気に入りの小物……etc………
日向先輩は目敏くそれらに目を着けると、僕に言った。
『ゴミ袋を何枚か用意してちょうだい』
僕は先輩に言われるがままに……可燃物のゴミ袋を数枚用意していた。
(悲しき昔の習性)
『ありがとう。……ところで、この女物の私物………もう要らないわよね?』
先輩は僕にろくに確認もしないで、佳美の私物を手に持つ袋に次々と放り込み始めたのだ!
僕と佳美の……甘い想い出が……
僕はただ……美しい想い出が踏みにじられて行くのを、ただ見ていた。
何か、全ての感情がピークを超えると……どうでも良くなるのかな?
完全に怒る気も失った。
『コレで!全てあの女のモノは処分したわ……遥君、何処に行くの?』
先輩は佳美の物を全て片付けると、黙って自分の部屋を出ていこうとする僕を引き止める。
『…………先輩が此処に居るというなら、僕はその間…他所に身を置くだけの話です』
※出来るだけ冷たく言い放ちました。
『やはり、アナタ……私が許せないのね?アレは……俊との事は………タダの気の迷いだったのよ。私はもうアイツに何の想いも寄せていない。だから………』
『そんな事‼そんな事………今更信用出来ると思っているのですか?あの男の上に跨って……それは気持ち良さげに腰を振っていたではないですか⁉』
そう僕がイヤミを込めて先輩に言葉をぶつけると、先輩は黙り込んだ。
『遥君………』
『僕に触らないで‼』
※出来るだけ厳しく言いました。
先輩は目を見開き、僕を見る。
僕は簡単に荷物をバッグに詰め込むと、家の鍵を先輩に渡し…
『この大型連休、僕は外で過ごします。あんなにも……あんな簡単に、僕の大切な想い出をゴミ扱いした…先輩とは共に居られない‼』
そう言い放つと、僕は部屋を出て行った。
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