貴方は私の所有物♡

みのる

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大型連休初日の夕食

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テレビという『文明の利器』の無いこの空間に、先輩は少しソワソワして落ち着かなさそうだ。

……………………………………………………………………
気まずい。

一度家を出る際に、『あんな事』を先輩に言ってしまった手前、今更「先輩♡今までどうしていたんですかァ⁉」的な事……聞ける訳が無いではないか。

手持ち無沙汰な二人の間を、ひたすらと流れる沈黙。
………もうかれこれ!一時間は経過しているであろうか。

そ、そうだ!

『せ……先輩。き、今日の晩ご飯は……何が食べたいですか⁉』

先にその沈黙を打破したのは僕であった。
その問いかけに、先輩は悩み……答える。

『そうねぇ……パスタがイィわ♡』

パスタか……よし!
僕は先輩を、

『それじゃあ、買い物に行きましょうか?』

とお誘いする。


てか……僕は東の都に異動になってから、「スーパー」なるところに出向いた事が無い。
少し出費はかさむが……その理由は分かってくれるだろう?
この日も僕は、何時ものコンビニに行くつもりだった。

コンビニに何時も通りに入ろうとする僕を先輩は引き止める。

『遥君……余計なお世話かもしれないけれど……「スーパー」で買い物する方が、ずっとお得なんじゃあ無いの?』

……………それもそうだ。佳美がもう居ない今、コンビニ此処に通い詰める意味無いし……

そうして僕達は上京して、初めて「スーパー」なるところに出向く。
(一応、万が一の為に場所は抑えている!)


そうして着いた、『激安スーパーみのり』。噂には聞いていたが、此処は何もかもがべらぼうに安いらしい。
その想定を遥かに超える激安価格に僕達は唖然とする。

『しめじ………ひと袋10円ですって…………』

『コッチのベーコンは、1パック100円(※300g)…………』

とにかく目についたあらゆる食材を買い占め、“この大型連休はもう買い物しなくても生活出来んじゃね?”って程に買ったのに!

『3267円になりまぁす♪ありがとうございまぁす!』

…………いやいやいや!こちらこそ、ありがとうございますだ‼(驚愕)

少し遠出をしてこのスーパーに買い物に来たのだが……得られた物は充分過ぎる程にあった♪
そして両手に大袋という超!荷物な僕達は、また電車に揺られ、無事に霞荘へと辿り着いた。


て、家に着いたらもう!夕方である。僕は実家から持ってきた愛用のエプロンを颯爽と身に纏い、晩メシの仕度を始める。

『…………………ひとりで座っていても、する事無いから……』

そう言って、先輩が僕の隣に近付いて来たではないか⁉

なんと!先輩が僕を‼手伝ってくれると言うのか⁉
(コノウエナイシアワセ)

が、先輩は実に想定外な事をサラっと言ってのけたのだ。OTL

『私は、遥君が料理に勤しむ様子を見守っててアゲルから♡』


僕が一から十まで晩メシを手がけている間、先輩は一切‼その(手持ち無沙汰そうな)手を貸そうとはせず!僕が食材と闘っている様子を…………ただ!じっと見ていた。


『………先輩……、あの…出来たんですが…………、運ぶのを…………』

そこまで言うと、さすがの先輩でも!気づいてくれるかな♪って…………予測した僕が浅はかだったみたいです………OTL

『あぁ、私とした事が!…気づかなかったわ‼』

そう言うと、ひとり先に食卓へと向かい、「さぁ!私はいつでも食べられるわよ♡」と言わんがばかりに待機スタンバイ体勢をととのえ始めたのだ!(悲)

………あの昼間のアレはもしや幻覚であったのか………?

僕はあの、「昼間の珍事」をもはや幻だと思う他は出来なかったのであった。。。


『んまぁ♡♡♡なんて美味しそう………』

僕があみだしたアレンジパスタを目にして、とても満足そうな先輩。

少し旬を外した気もするが、たっぷりの春キャベツと激安しめじ、それからベーコンを味付けした……(※味の付け方は企業秘密☆)
名付けて「春野菜のパスタ」の完成だ。
そしてもっと野菜も摂ってね♡とばかりにこれまた!茹でた春キャベツをふんだんに使用した、「彩サラダ」である。
(春キャベツ以外も無論!色々と野菜のオンパレードである)

『いただきます。(合掌)』

そうして僕達の晩メシの時間は始まった。

しかし……先輩もひとり暮らしだから……おさんどんくらい、出来るハズなんだけどなぁ……(疑問)
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