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ファン第一号と片思いの相手
第26話 早見ちゃんからのお礼
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昼休憩ーー。
俺はやっと一息つく事が出来た。
午前中は、溜まっていた仕事に上司や同僚、部下達から土曜日の事について話を聞かせてくれと引っ張りだこだったからなかなか休まる時間が無かったのだ。
「さて、心愛からの差し入れを食べるとするか」
デスクの上に心愛から差し入れで貰ったピンク色の弁当箱を出す。
そして蓋を開け、中身を確認する。
「すげぇ。ちゃんと弁当だ」
予想以上にしっかりとしていた中身に、思わず声を出して感動してしまった。
ええと、これは卵焼きでこっちはハンバーグか。
他にも、おにぎりにミートボール、エビフライも入っている。
朝から俺の為に、相当頑張って作ってくれた事が弁当を見てとても伝わってきた。
じっくりと味わって食べないとな。
そう思いながら、心愛の弁当を食べる。
美味いぞ!
こっちも美味い!
どの具材もしっかりと味付けがされており、心愛の料理技術が改めてすごいんだなと実感した。
そんな感じで心愛の弁当を楽しんでいた時、後ろから女性が話しかけてきた。
「せんぱい。ちょっといいですか?」
「早見ちゃんか。別にいいが……」
話しかけてきたのは、土曜日の事件で俺と一緒に被害に遭った早見ちゃんだった。
今日も変わらず地雷系ファッションと化粧で、気合バッチリと言う感じだ。
だが、表情がいつもとは違った。
いつもはもっと、俺を蔑むような馬鹿にしているような感じだったはず。
しかし今日は少し照れ臭そうにしていた。
そして俺は、弁当を食べるのを一旦やめ早見ちゃんとの話に集中する。
「あの……土曜日は、ありがとうございました」
「い……いや、早見ちゃんが無事でよかったよ」
早見ちゃんが何故か緊張しながら、お礼を言ってきた。
その緊張が俺にも伝染して、返答の声が裏声になってしまった。
「せんぱいのお陰ですよ。ほんとに助かりました」
「上司として部下を守るのは当たり前だ」
「せんぱいって、実はすごく頼りになる人だったんですね」
「今までは頼りないと思われていたのか」
「過去の事は覚えてません」
「嘘つけ!それにそこまで過去でもないぞ」
早見ちゃんと普通に会話が出来ている。
その事に、猛烈な感動を感じていた。
だが何故急に、俺への態度が変わったんだ?
思い当たる理由としては、やはりあの事件しかないのだが……。
「それでせんぱい、今回のお礼として手作りのお弁当を作ってきたのでよかったら食べて下さい♪」
「手作りの弁当!?」
「あれ?手作りとかダメな感じでした?」
「いや……そうじゃないんだが……」
どうすんだよこの状況!
今俺のデスクの上には、心愛から貰ってる弁当が広がっているんだぞ。
まさかここで早見ちゃんからそんなサプライズがあるとは……。
しかしだ。
早見ちゃんからは上手い具合に俺が死角となって机の上は見えていない。
となると、何とか早見ちゃんにはバレないように心愛の弁当をしまえば万事うまくいくんじゃ……。
「じゃあ何ですか?私のお弁当は嫌なんですか?」
「ええと……、あ!早見ちゃん!翔がなんか呼んでたぞ!」
死に物狂いで必死に嘘をついた。
とてもわざとらしいのは自分でも分かったが、今出来る最善の策だ。
「何で今それを言うんですか?今は私とせんぱいが話しているのに」
「そ……そうだよな。悪かった」
嘘だろ……。
翔が呼んでいるって言ってんのに、何で全くの無関心なんだよ。
いや、今はそんな事を考えている場合ではない。
どうにかこの状況を打破しないと……。
そんなピンチに苦しんでいた時、一人の男が俺の席にやって来た。
「早見さん、悟お疲れ様」
「お疲れ様です……翔さん」
「……お疲れ」
その男とは、俺の同僚で中性的な雰囲気のあるイケメン、一ノ瀬翔だ。
翔の登場に、早見ちゃんも戸惑っている様子。
このまま翔が、早見ちゃんを一旦何処かに連れて行ってはくれないだろうか。
そんな事を心の中で願い続けていた。
俺はやっと一息つく事が出来た。
午前中は、溜まっていた仕事に上司や同僚、部下達から土曜日の事について話を聞かせてくれと引っ張りだこだったからなかなか休まる時間が無かったのだ。
「さて、心愛からの差し入れを食べるとするか」
デスクの上に心愛から差し入れで貰ったピンク色の弁当箱を出す。
そして蓋を開け、中身を確認する。
「すげぇ。ちゃんと弁当だ」
予想以上にしっかりとしていた中身に、思わず声を出して感動してしまった。
ええと、これは卵焼きでこっちはハンバーグか。
他にも、おにぎりにミートボール、エビフライも入っている。
朝から俺の為に、相当頑張って作ってくれた事が弁当を見てとても伝わってきた。
じっくりと味わって食べないとな。
そう思いながら、心愛の弁当を食べる。
美味いぞ!
こっちも美味い!
どの具材もしっかりと味付けがされており、心愛の料理技術が改めてすごいんだなと実感した。
そんな感じで心愛の弁当を楽しんでいた時、後ろから女性が話しかけてきた。
「せんぱい。ちょっといいですか?」
「早見ちゃんか。別にいいが……」
話しかけてきたのは、土曜日の事件で俺と一緒に被害に遭った早見ちゃんだった。
今日も変わらず地雷系ファッションと化粧で、気合バッチリと言う感じだ。
だが、表情がいつもとは違った。
いつもはもっと、俺を蔑むような馬鹿にしているような感じだったはず。
しかし今日は少し照れ臭そうにしていた。
そして俺は、弁当を食べるのを一旦やめ早見ちゃんとの話に集中する。
「あの……土曜日は、ありがとうございました」
「い……いや、早見ちゃんが無事でよかったよ」
早見ちゃんが何故か緊張しながら、お礼を言ってきた。
その緊張が俺にも伝染して、返答の声が裏声になってしまった。
「せんぱいのお陰ですよ。ほんとに助かりました」
「上司として部下を守るのは当たり前だ」
「せんぱいって、実はすごく頼りになる人だったんですね」
「今までは頼りないと思われていたのか」
「過去の事は覚えてません」
「嘘つけ!それにそこまで過去でもないぞ」
早見ちゃんと普通に会話が出来ている。
その事に、猛烈な感動を感じていた。
だが何故急に、俺への態度が変わったんだ?
思い当たる理由としては、やはりあの事件しかないのだが……。
「それでせんぱい、今回のお礼として手作りのお弁当を作ってきたのでよかったら食べて下さい♪」
「手作りの弁当!?」
「あれ?手作りとかダメな感じでした?」
「いや……そうじゃないんだが……」
どうすんだよこの状況!
今俺のデスクの上には、心愛から貰ってる弁当が広がっているんだぞ。
まさかここで早見ちゃんからそんなサプライズがあるとは……。
しかしだ。
早見ちゃんからは上手い具合に俺が死角となって机の上は見えていない。
となると、何とか早見ちゃんにはバレないように心愛の弁当をしまえば万事うまくいくんじゃ……。
「じゃあ何ですか?私のお弁当は嫌なんですか?」
「ええと……、あ!早見ちゃん!翔がなんか呼んでたぞ!」
死に物狂いで必死に嘘をついた。
とてもわざとらしいのは自分でも分かったが、今出来る最善の策だ。
「何で今それを言うんですか?今は私とせんぱいが話しているのに」
「そ……そうだよな。悪かった」
嘘だろ……。
翔が呼んでいるって言ってんのに、何で全くの無関心なんだよ。
いや、今はそんな事を考えている場合ではない。
どうにかこの状況を打破しないと……。
そんなピンチに苦しんでいた時、一人の男が俺の席にやって来た。
「早見さん、悟お疲れ様」
「お疲れ様です……翔さん」
「……お疲れ」
その男とは、俺の同僚で中性的な雰囲気のあるイケメン、一ノ瀬翔だ。
翔の登場に、早見ちゃんも戸惑っている様子。
このまま翔が、早見ちゃんを一旦何処かに連れて行ってはくれないだろうか。
そんな事を心の中で願い続けていた。
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