干し草系OL、霊魂共存されましたけど復讐のチャンスですか?──幽霊と始めるリベンジライフ開幕!

鼻血の親分

文字の大きさ
22 / 37

22話 推しは渡さない!厚化粧お局と戦う、逆襲OLの一日戦争!

しおりを挟む
お局がエスカレーター前でそわそわしていた。まるで誰かを待っているみたいだ。

……面倒くさいなあ。こっちはこっちで、〝神〟の異名を持つ池園専務をお迎えに行かなきゃいけないってのに。

『ララ様、お局……何か企んでるんでしょうか?』
『決まってるでしょ。男待ちよ、男』
『えっ、お局に……男性なんていたんですか?』
『ふふん。今日の彼女、明らかに気合い入った厚化粧じゃない。張り切ってる証拠よ~。こりゃ面白くなってきたわね』

彼女に関しては、浮いた話など聞いたことがない。少なくとも、絵梨花グループの盗撮・盗聴記録(通称:闇ログ)ではゼロ件だった。

じゃあ一体、誰を……?

そのとき、不意にスマホが震えた。翔様からのメッセージだった。

──「花さん、今ホテルに着きました」

……わ、わざわざ報告くれるなんて……うれしい。私も早く会いたいな。専務が来る前に少しだけでも会えたらいいのに……

そう思った次の瞬間、エスカレーターの方からひときわ甲高い声が響いた。

「翔くーーんっ!」

……はいぃぃぃ!?翔くん、ですって!?
いやちょっと待って、それ、うちの翔様では!?

『やっぱりね。あの人、翔のファンなのよ』
『えっ、どういうことですか!?』
『翔から聞いたことがあるの。書道クラブの先輩にずっと好かれてるって』

……あっ、思い出した。翔様とお局、そういえば繋がってたんだ。

『でも当然、翔はまったくその気なし。だから花、見せつけてやんなさい。ついでに東薔薇にもアピールしときなさい!』
『えっ、み、見せつけるって何をですか!?』

急にそんなミッション振られても困る……けど、私もそろそろエスカレーター前に向かわなきゃいけない。神(=池園専務)をエスコートする大任があるのだ。

……できればお局の近くは避けたかったけど、これはもう運命と割り切るしかない。

やがて、エスカレーターの上から現れた翔様。その瞬間──

「まぁ!なんて素敵なスーツなの~!」

お局、もう完全に舞い上がってる。
近所の叔母さんがイケメン俳優に遭遇したみたいなテンションだ。

「お久しぶりです、山本さん」
「ようこそいらっしゃいました~。えへへ」

あんなデレデレ顔のお局、初めて見たわ。
いつも怒鳴ってばかりの〝鋼鉄の女〟が、今日はすっかり溶けてるじゃないの。

彼女──つまりお局が、翔様にベタベタ張り付いたまま会場の方へ振り向いた、その瞬間。

……ばっちり目が合った。

私がエスカレーター前で仁王立ちしてるのが視界に入ったらしく、さっきまでのデレ顔が一瞬で「般若」に変化!

「どきなさいよ!!」って全力で言いたげな目線に、つい反射で一歩後ずさった。

こ、こわっ……!
でもそのとき──

「わぁ~、花さんだ~!」

翔様の朗らかな声が、私の不安を一掃してくれた。

「えっ!?し、翔く……ん?」

お局の悲鳴(未遂)をBGMに、ラブコメタイム開幕。

見せつけてやるチャンス、まさかの到来。自信はそんなにないけど──いま行くしかない。

「翔さん、ご連絡ありがとうございます。お待ちしてました」
「あっ、そのドレス……?」
「お姉様のを借りました。ちょっと派手すぎる気もしてますけど」
「いや、すっごく似合ってるよ。めちゃくちゃ綺麗だ」

……うそでしょ、もう完全に二人の世界じゃない。
お局はその場でフリーズ、口をぽかんと開けたまま石像化してるし。

もはや専務のお迎えなんてすっかり忘れて、私は翔様の腕に自然と手を添えてしまっていた。

その後ろを、オロオロしながらついてくるお局。
耳元には、ララ様の痛快な一言が。

『うふふ、動揺してるわね~。お局ったら見事に撃沈』

さらに──
翔様と楽しそうに話す私の姿は、しっかり絵梨花と東薔薇主任の目にも焼き付けられたようで。

「あっ……」
東薔薇主任、明らかに目で私を追ってる。うそ、ほんとに注目されてる……?

『いいわね、花。ジェラシーの炎があちこちで燃え上がってるわよ』
『は、はい……(燃やされないように気をつけなきゃ)』

まさかこんなことが起こるなんて、自分でも信じられない。でも──

驚いてる場合じゃない。
今日こそ、絵梨花とお局を〝完膚なきまでに叩きのめす〟と決めてるから。

私の逆転劇は、まだ始まったばかりだ!


しおりを挟む
感想 28

あなたにおすすめの小説

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある

柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった 王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。 リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。 「わかりました。あなたには、がっかりです」 微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

さようなら、私を「枯れた花」と呼んだ貴方。~辺境で英雄を救って聖女と呼ばれたので、没落した元婚約者の謝罪は受け付けません~

阿里
恋愛
「お前のような見栄えの悪い女は、俺の隣にふさわしくない」 婚約者アレクに捨てられ、辺境へ追いやられたセレナ。 けれど、彼女が森で拾ったのは、アレクなど足元にも及ばないほど強くて優しい、呪われた英雄ライアンだった。 セレナの薬草が奇跡を起こし、王都を救う特効薬となったとき、かつて自分を捨てた男との再会が訪れる。 「やり直そう」と縋り付くアレクに、セレナは最愛の人と寄り添いながら静かに微笑む。 ――あなたが捨てたのは、ただの影ではなく、あなたの未来そのものだったのですよ。

今さら泣きついても遅いので、どうかお静かに。

阿里
恋愛
「平民のくせに」「トロくて邪魔だ」──そう言われ続けてきた王宮の雑用係。地味で目立たない私のことなんて、誰も気にかけなかった。 特に伯爵令嬢のルナは、私の幸せを邪魔することばかり考えていた。 けれど、ある夜、怪我をした青年を助けたことで、私の運命は大きく動き出す。 彼の正体は、なんとこの国の若き国王陛下! 「君は私の光だ」と、陛下は私を誰よりも大切にしてくれる。 私を虐げ、利用した貴族たちは、今、悔し涙を流している。

【完結】私が愛されるのを見ていなさい

芹澤紗凪
恋愛
虐げられた少女の、最も残酷で最も華麗な復讐劇。(全6話の予定) 公爵家で、天使の仮面を被った義理の妹、ララフィーナに全てを奪われたディディアラ。 絶望の淵で、彼女は一族に伝わる「血縁者の姿と入れ替わる」という特殊能力に目覚める。 ディディアラは、憎き義妹と入れ替わることを決意。 完璧な令嬢として振る舞いながら、自分を陥れた者たちを内側から崩壊させていく。  立場と顔が入れ替わった二人の少女が織りなす、壮絶なダークファンタジー。

「君は有能すぎて可愛げがない」と婚約破棄されたので、一晩で全ての魔法結界を撤去して隣国へ行きます。あ、維持マニュアルは燃やしました。

しょくぱん
恋愛
「君の完璧主義には反吐が出る」――婚約者の第一王子にそう告げられ、国外追放を命じられた聖女エルゼ。彼女は微笑み、一晩で国中の魔法結界を撤去。さらに「素人でも直せる」と嘘を吐かれた維持マニュアルを全て焼却処分した。守護を失いパニックに陥る母国を背に、彼女は隣国の軍事帝国へ。そこでは、彼女の「可愛くない」技術を渇望する皇帝が待っていた。

処理中です...