干し草系OL、霊魂共存されましたけど復讐のチャンスですか?──幽霊と始めるリベンジライフ開幕!

鼻血の親分

文字の大きさ
23 / 37

23話 毒舌OL、勘違い姫に左遷サプライズ贈呈中!最終宣告は録音オフで。

しおりを挟む
「綾坂さん。な~んで〝あなたごとき〟が東薔薇様と秘密を共有してるわけ?本来なら、私に報告するのが筋でしょ~?」

事前にサプライズの内容を知らされていなかった絵梨花は、明らかにご機嫌ナナメ。いや、それだけじゃない。私と主任が親しくしていたこと自体、気に入らないのだろう。
言い返したい気持ちもあったけど──サプライズが成功するまでは余計な火種を撒かない方が得策だと、ぐっとこらえた。

その時、不意にイヤホン型インカムから主任の声が響いた。

「綾坂さん、池園さん。準備、整いましたか?」

「はい」と答えようとした矢先、絵梨花の猫なで声が横から飛び込んできた。

「はぁ~い!東薔薇様~、いつでもどうぞぉ~!」

……ああもう、タイミングかぶせてこなくていいから。

すでに謝恩会は始まっている。私は用意していた花束を絵梨花に手渡し、ステージ脇で控えていた。

「綾坂さん、控室の方へ向かってください」
「かしこまりました、主任」

──部長のご挨拶を聞けないのは少し残念だけど、今は〝神〟こと専務のエスコートという大役が待っている。

まぁ、正直、こうして役割があった方が気が楽でもある。丸テーブルにちょこんと座って、周囲とうまく会話できるか不安だったから。

そんなとき、ララ様の声が耳に響いた。

『さぁ、そろそろ絵梨花に引導を渡す時間がやって来たわね~』
『はい、最終宣告のお時間です。ララ様』

控室から主任の指示どおり〝神〟こと池園専務を会場入口までご案内すると、ちょうど部長の挨拶が終わったタイミングだった。拍手と歓声がホールに響き渡っている。
絵梨花が笑顔を振りまきながら花束を渡しているが……なんだかその姿がやけに痛々しく見えた。

そして──

「池園専務取締役、ご登壇です」

主任の進行にあわせて、スクリーンが切り替わる。彼の映像が映し出されると、会場が一斉にざわつき始めた。突然の〝神の御来光〟に、出席者たちは大いに驚いた様子。…まぁ、それが狙いなんだけど。

ステージ脇からそれを見た絵梨花は、満足げにドヤ顔。花束の意味に気づけば分かりそうなものなのに。浮かれモードの彼女は分かってないみたいだ。

そして、ステージから戻ってきた彼女は──父親の威光を背に、こちらを氷のような視線で見下ろしてきた。

「……その胸、ホンモノだったのね~?てっきり〝詰め物〟でもしてるのかと思ってましたわ~、オッホホホホ!」

はいはい、ご想像にお任せします。スルー、スルー。今は相手にしても仕方ない。

「ふん。そんなに胸を強調して、男を引っかけようなんて……本当に品がないわねぇ。いやらしいったらありゃしない」

……こっちのセリフですけど!?
そちらこそ、純白のウェディングドレスもどきに、胸元パックリ大開放じゃありませんこと?気づいてないんですか、それ。

「まさか、東薔薇様を狙ってるわけじゃないでしょうね?ま、あなたには無理だと思うけど~」

悪態もそこまでくると、逆に芸術よね。最後だから黙って聞き流してあげようかと思ったけど──やっぱり、少しはお返ししておきましょうか。

「池園さん。私の服や胸のことより、御父様の〝最後のご挨拶〟に耳を傾けたらいかがです?」
「はぁ!?あんたにそんなこと言われる筋合いないんだけど!」
「でも、これは大事な〝お別れ〟ですから」

「お、別れ……?」

……ああ、やっぱり気づいてないのね。ほんとにおめでたい人だわ。うふ。

私はゆっくりと、絵梨花の目の前でボイスレコーダーのスイッチを「ピッ」と切った。

「さっきまでの品のない悪口、全部録音済みです。ご安心を。これからは〝オフレコ〟です」

「なっ……!?あ、あんた、なにそれ……!」

絵梨花の顔が見る見る青ざめていく。言葉を探してるけど、出てくるのは呼吸音だけね。

「専務──つまりあなたの御父様は、本日をもって子会社へ左遷だそうよ。感動のご挨拶、ちゃんと聞いた?……ああ、無理か。理解力が伴ってないものね」

私はにこやかに、でも一言一言に棘を仕込んで続けた。

「つまり。あなたが今まで振り回してきた〝御父様カード〟は、本日限りで無効。まさかいつまでも通用すると思ってたの?……ちょっと面白い発想ね」

そして、にっこりと微笑む。

「じゃあ池園さん。お疲れさまでしたの気持ちを込めて──その花束、しっかりお渡ししてきて。これがあなたの〝幕引き〟よ」

潮目は、もう完全に変わった。
ここからが本番だ。



しおりを挟む
感想 28

あなたにおすすめの小説

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

今さら泣きついても遅いので、どうかお静かに。

阿里
恋愛
「平民のくせに」「トロくて邪魔だ」──そう言われ続けてきた王宮の雑用係。地味で目立たない私のことなんて、誰も気にかけなかった。 特に伯爵令嬢のルナは、私の幸せを邪魔することばかり考えていた。 けれど、ある夜、怪我をした青年を助けたことで、私の運命は大きく動き出す。 彼の正体は、なんとこの国の若き国王陛下! 「君は私の光だ」と、陛下は私を誰よりも大切にしてくれる。 私を虐げ、利用した貴族たちは、今、悔し涙を流している。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

さようなら、私を「枯れた花」と呼んだ貴方。~辺境で英雄を救って聖女と呼ばれたので、没落した元婚約者の謝罪は受け付けません~

阿里
恋愛
「お前のような見栄えの悪い女は、俺の隣にふさわしくない」 婚約者アレクに捨てられ、辺境へ追いやられたセレナ。 けれど、彼女が森で拾ったのは、アレクなど足元にも及ばないほど強くて優しい、呪われた英雄ライアンだった。 セレナの薬草が奇跡を起こし、王都を救う特効薬となったとき、かつて自分を捨てた男との再会が訪れる。 「やり直そう」と縋り付くアレクに、セレナは最愛の人と寄り添いながら静かに微笑む。 ――あなたが捨てたのは、ただの影ではなく、あなたの未来そのものだったのですよ。

「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある

柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった 王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。 リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。 「わかりました。あなたには、がっかりです」 微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。

【完結】私が愛されるのを見ていなさい

芹澤紗凪
恋愛
虐げられた少女の、最も残酷で最も華麗な復讐劇。(全6話の予定) 公爵家で、天使の仮面を被った義理の妹、ララフィーナに全てを奪われたディディアラ。 絶望の淵で、彼女は一族に伝わる「血縁者の姿と入れ替わる」という特殊能力に目覚める。 ディディアラは、憎き義妹と入れ替わることを決意。 完璧な令嬢として振る舞いながら、自分を陥れた者たちを内側から崩壊させていく。  立場と顔が入れ替わった二人の少女が織りなす、壮絶なダークファンタジー。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

処理中です...