干し草系OL、霊魂共存されましたけど復讐のチャンスですか?──幽霊と始めるリベンジライフ開幕!

鼻血の親分

文字の大きさ
30 / 37

30話 平穏願うOL、モラハラ退場でようやく静かに暮らせると思ったのに、まさかの事件編!幽霊と一緒に犯人追跡中!?

しおりを挟む
あれから絵梨花は、ぱったり姿を見せなくなった。やっぱり、専務──いえ、御父様の出向先である子会社に異動したらしい。一族の名誉のために、優雅にフェードアウト……ってやつだろうか。

そして数日後、お局にも異動が決まった。まさかの、付属病院へ。
希望していた部署は全滅だったようだけど、病院側で事務職の緊急募集があり、なぜか秒速で採用されたらしい。意外と需要あるのね……あの圧。

そんなお局が、最後の出社日に私のもとへ挨拶に来た。

「……あ、綾坂さん。今から異動するね。本当に、これまで色々すみませんでした」
「は、はい。……どうぞお元気で」
「あの……翔くんのこと、よろしくお願いします」

……えっ、えっ!?
ちょっと待ってください。よろしくって、なに目線ですか?保護者?

たしかに私は、毎週彼のマンションに出入りしているし、外から見たら恋人っぽいかもしれない。でも実際のところは、進展ゼロ!こっちはいまも慎ましやかに、人間関係の基礎工事中なのです!

……そう言い返す間もなく、お局はダンボール抱えて、フロアからすたこら去って行った。私はただ、その背中を見送るしかなかった。

『花、これでモラハラ問題は完全にクリアねー』
『はい。これからは、人付き合いも仕事も、ちゃんと一歩ずつ頑張ります。ララ様、ご指導感謝します』

心から、そう思う。

あの偶然がなかったら、私は今も下を向いたままだったかもしれない。ララ様が宿ってくれたこの奇跡に、全力で感謝しなければね。

『──まぁ、確かにすごい偶然よねぇ。だって、〝殺人犯〟見つけちゃったんだもん』

……は?

『最初の出会い、覚えてる?わたくし、お店で太客に殺されたって言ったでしょ?』

そ、そうだった。思い出した……ララ様はその犯人を見つけ出し、復讐するために私に取り憑いたのだ。

『……え、本当ですか?ちなみに、どなたなんでしょうか?』
『驚かないでね──門前真照。この会社の、部長さんよ』
『……は、はぁあ!?じょ、冗談はやめてくださいよッ!!』

な、何言ってるんです!?あの御方が風俗狂いで、しかも殺人犯とか──いやいや、いくらなんでも人違いがすぎるでしょ!

『間違いないの。だけど時間がないわ。彼、海外出向を希望して逃げ切るつもりなのよ。花──復讐のときよ!』

い、いやいやいや……そんな昼ドラみたいな展開、現実にあります!?

『落ち着いてください。証拠、あるんですか?』
『彼、わたくしの名刺を持ってるはず。もしかしたら、スマホも……』
『名刺にスマホ……確かに、それを持ってたら怪しいけど……』

でも正直、それだけで問い詰めるのは無理がある。そもそも本人に聞いたところで素直に認めるとも思えないし、証拠品なんてとっくに処分されてるに決まってる。

『……でもやるしかないのよ。彼を問い詰めるの』
『ちょ、ちょっと待って!ララ様、仮に部長が犯人だったとして……どうするおつもりですか!?わ、私、人殺しとか絶対ムリですからね!?むーりーですからね!?』
『うふふ、大丈夫。最初はそのつもりだったけど……花を犯罪者にするのは、わたくしの美学が許さないわ。大好きなんだから、あなたのこと』

そ、それはそれでどう反応すれば……。

『とにかく、面談よ。自白させて、自首させる。それができれば、それでいいの』

う、うーん……部長と話す時間をもらうのはまだしも、証拠が薄い状態でどう切り込むのか……。

『あの……そもそも、なんで殺されたんですか?』

私はララ様のことを深く知らない。たしか、実家は茶道の家元なのに、なぜか風俗嬢をしていた──ぐらいしか。

でも、部長との面談に臨むなら、ララ様の過去をもっと知っておく必要がある。
……それに、正直言って、あの部長が人殺しなんてどうしても信じられない。

『そうね。詳しくお話する時が来たわねぇ……』

ララ様には、ここまでたくさん助けてもらった。今度は私が力にならなくちゃ。どういう結果になろうと、必ず……解決してみせようとも!





しおりを挟む
感想 28

あなたにおすすめの小説

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

夫から『お前を愛することはない』と言われたので、お返しついでに彼のお友達をお招きした結果。

古森真朝
ファンタジー
 「クラリッサ・ベル・グレイヴィア伯爵令嬢、あらかじめ言っておく。  俺がお前を愛することは、この先決してない。期待など一切するな!」  新婚初日、花嫁に真っ向から言い放った新郎アドルフ。それに対して、クラリッサが返したのは―― ※ぬるいですがホラー要素があります。苦手な方はご注意ください。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

処理中です...