干し草系OL、霊魂共存されましたけど復讐のチャンスですか?──幽霊と始めるリベンジライフ開幕!

鼻血の親分

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36話 干し草卒業OL、霊は旅立ち乳は残る──成長したのは胸と自意識です。

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『たまたまじゃないわ。実はね……』

ララ様は、これまで語らなかった〝あの世漂流記〟をようやく打ち明けてくれた。

霊魂となったララ様は、まず自分のスマホを探して風俗店周辺をふよふよと彷徨っていたらしい。が、見つからず。人間だった頃はGPSでポチっと探せたのに、死んだらそんな便利機能は当然使えない。

『とりあえずスマホの探索は打ち切って、門前を追いかけてみることにしたの』

そんなわけで、深夜の霊界ウォーキング。門前の住むマンションにまで辿り着いたものの、彼にとってララ様の魂はノーアクセス。ドアもすり抜けられるのに、心は開かない。なんて理不尽な霊界ルール!

『霊魂って、意外と不自由なのよ?人に直接危害を加えることは基本できないし。誰かに〝入れてもらう〟しかないの』

つまり、憑依先が必要だった。でも、生きてる人間がそう簡単に〝死にかける〟わけもなく、スカウト活動は難航。

「夜が明けちゃって、門前のいる会社に行くしかないかと思ってね」

そんなララ様が会社をふらふらしていた時──ビルのフロアで、私の姿が目に留まったのだ。

……似てる。綾坂花っていうのね。

『地味で陰気な子だったけど、なんかこう……放っておけなくて』
『まぁ、否定はできませんけど……』

ララ様は私を〝興味深く〟観察したらしい。絵梨花グループに虐げられ、謝恩会の会計係にさせられて鬱屈していた私を見て、「助けたい」って思った気持ちと、「使えるかも」って気持ちがごっちゃになったという。

『花は顔もスタイルも、びっくりするくらい似てたのよ』
『だから後をつけて……』
『ええ。観察対象から、最有力候補になったの』

それで、私がヤケ酒あおって風呂場で溺れかけて──スコーンと憑依に成功したというわけ。

「これはチャンスだと思ったのよ!身体は借りるけど、恩は返すからって、心の中で何度も唱えたわ」

いや……そのあたりの記憶、あいまいだったけど……悪霊でなくて良かった。

『憑依して門前に復讐する前に、花にお礼がしたくなったの』
『それで……あんなに親身になってくれたんですね』
『ええ。あなたは本当は、すごく魅力的な子。自信がないだけだったのよ』

あの厳しさの裏に、そんな優しさがあったなんて。思い出が胸にしみる。

『これからも、自信を持って生きていってちょうだい』
『ララ様……でも、これからも一緒にいてくれるんですよね?』
『残念だけど──ここでお別れなの』

えっ。

『な、なんでですか!?』
『もう、この世に未練がなくなっちゃったの。だから、昇天タイムです』

突然、身体がふわっと軽くなる。

『え、え、えっ!?これって……!?』
『わたくしの魂が、そろそろ離れ始めてるのよ』
『ちょっ……!ま、待って!急過ぎます!行かないでください!』

涙が込み上げてくる。

『花、あなたはね、本当に素敵な女性なの。自分をもっと信じて』
『でも……寂しいです……』
『最後に一言。──その巨乳は置いていくから、あとは頼んだわね』

何その遺言!?

『それと、翔のこと。好きなんでしょう?ちゃんと告白しなさいよ。あの子、鈍感だから!よろしくねー!』

急に魂がスコーンと抜けていくような感覚が襲い、私は力が抜けて、その場にぺたんと座り込んだ。

「はぁ……はぁ……ララ様ぁ……寂しいですよお……!」

──その声に応えるように、かすかに響いた最後のひと言。

『じゃねー!』

あぁ、ララ様……。

彼女の魂が完全に抜けていったことを、全身で感じた。悲しいけれど、これが現実なんだ。

でも私はもう、引っ込み思案な〝干し草女〟じゃない。ララ様がくれた勇気と自信を胸に、ちゃんと前を向いて生きていける。

──だから、もう〝干し女〟なんて言わせない。

私は、窓からゆっくりと消えていく青い光を見つめながら、心の中で強く誓った。

さようなら、ララ様──そしてありがとう。



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