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生きる為に
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「全く……酷い目にあった……」
「大丈夫?急に倒れるからビックリしたよ」
「ビックリしたのはこっちだよ……まさか米を洗剤で洗う奴が実在するなんてな」
布団にくるまりながら、俺は嫌味たらしく言った。
洗剤の入り混じった米を食べさせられてから、時間にして五、六時間くらいだろうか。俺は激しい腹痛と戦い続ける羽目になってしまった。
家にストックしておいた腹痛薬のおかげで、今はだいぶ落ち着いたが、それでもまだ少し口内が気持ち悪い。苦虫を噛み潰したような気分だ。
「し、仕方ないじゃん!洗うって言うくらいだから普通は洗剤使うのかなって思うじゃん!」
「うん、思わない!米は洗濯物じゃねーんだよ!食べ物なんだよ!?見たことある?米がベランダに干されてるとこ!」
「だってだって!今までお米なんて洗ったこと無かったし!」
「それはそれで凄いよ、逆に。よく今まで生きてこれたね?そんな人いるんだってレベルなんだけど」
「いやぁ、それほどでも……」
「褒めてねーよ!照れんな!二十歳で米洗った事無いってどんな人間!?」
「まぁ……僕パン派だから?そこまで米にこだわる必要が無かったんだよね」
いや、いくらなんでもその言い訳は苦しいだろう。そんな事言ったら俺だってパン派だけど、流石に米ぐらいは普通に炊ける。
「それに、米の洗い方って覚える必要無くない……?」
「大アリだろ、軽く問題発言だぞ?今の」
「そんな事覚えるくらいだったら、他の事に時間使った方が有意義だと思うし……無駄な時間って言うか」
「無駄じゃないっ!米は無駄じゃない!」
「あっ!そう言えば、今日も蜂谷君に伝えておきたい事があるんだよね」
「……うん。いつもの事だけど、急に話変えるのやめよう?脳が追い付かないから」
「実は、良い知らせと悪い知らせがあるんだけど……どっちから聞きたい?」
出た、その質問。海外ドラマとかで良くあるやつだ。ちなみに言うと俺はこのセリフが嫌いだ。
なぜなら、悪い知らせがあるっていう事実がもう既に悪い知らせだし、嫌なニュースがあるのに良い知らせを聞いても嬉しくないだろう。例えるなら、授業が始まる前の休み時間の様な、そんな気分になる。(実際にはそんな甘いものでは無い)
しかし、そんな事言ってられないのもまた事実だ。ええい、面倒くさい。もうどっちからでも良い、どうにでもなれ!
「じゃあ良い知らせから」
「次の仕事は僕も一緒に行くよ!二人で頑張ろう!」
「うん……えっ、それだけ?」
「薄っす!反応薄っ!おばあちゃんの味噌汁くらい薄いっ!」
「は?」
いや分かるけどね?あるけどね?ほぼお湯じゃんって言いたくなるくらい薄い味噌汁あるけどね?もうちょっと他に良い例えあっただろ。なんで味噌汁?
「それで、悪い知らせって?」
「あぁ、それはね……」
やけに勿体ぶった様子を見せたクニハルは、やがて、ゆっくりと口を開いた。
「君の元カノ、結婚するらしいよ」
「はあ?」
「大丈夫?急に倒れるからビックリしたよ」
「ビックリしたのはこっちだよ……まさか米を洗剤で洗う奴が実在するなんてな」
布団にくるまりながら、俺は嫌味たらしく言った。
洗剤の入り混じった米を食べさせられてから、時間にして五、六時間くらいだろうか。俺は激しい腹痛と戦い続ける羽目になってしまった。
家にストックしておいた腹痛薬のおかげで、今はだいぶ落ち着いたが、それでもまだ少し口内が気持ち悪い。苦虫を噛み潰したような気分だ。
「し、仕方ないじゃん!洗うって言うくらいだから普通は洗剤使うのかなって思うじゃん!」
「うん、思わない!米は洗濯物じゃねーんだよ!食べ物なんだよ!?見たことある?米がベランダに干されてるとこ!」
「だってだって!今までお米なんて洗ったこと無かったし!」
「それはそれで凄いよ、逆に。よく今まで生きてこれたね?そんな人いるんだってレベルなんだけど」
「いやぁ、それほどでも……」
「褒めてねーよ!照れんな!二十歳で米洗った事無いってどんな人間!?」
「まぁ……僕パン派だから?そこまで米にこだわる必要が無かったんだよね」
いや、いくらなんでもその言い訳は苦しいだろう。そんな事言ったら俺だってパン派だけど、流石に米ぐらいは普通に炊ける。
「それに、米の洗い方って覚える必要無くない……?」
「大アリだろ、軽く問題発言だぞ?今の」
「そんな事覚えるくらいだったら、他の事に時間使った方が有意義だと思うし……無駄な時間って言うか」
「無駄じゃないっ!米は無駄じゃない!」
「あっ!そう言えば、今日も蜂谷君に伝えておきたい事があるんだよね」
「……うん。いつもの事だけど、急に話変えるのやめよう?脳が追い付かないから」
「実は、良い知らせと悪い知らせがあるんだけど……どっちから聞きたい?」
出た、その質問。海外ドラマとかで良くあるやつだ。ちなみに言うと俺はこのセリフが嫌いだ。
なぜなら、悪い知らせがあるっていう事実がもう既に悪い知らせだし、嫌なニュースがあるのに良い知らせを聞いても嬉しくないだろう。例えるなら、授業が始まる前の休み時間の様な、そんな気分になる。(実際にはそんな甘いものでは無い)
しかし、そんな事言ってられないのもまた事実だ。ええい、面倒くさい。もうどっちからでも良い、どうにでもなれ!
「じゃあ良い知らせから」
「次の仕事は僕も一緒に行くよ!二人で頑張ろう!」
「うん……えっ、それだけ?」
「薄っす!反応薄っ!おばあちゃんの味噌汁くらい薄いっ!」
「は?」
いや分かるけどね?あるけどね?ほぼお湯じゃんって言いたくなるくらい薄い味噌汁あるけどね?もうちょっと他に良い例えあっただろ。なんで味噌汁?
「それで、悪い知らせって?」
「あぁ、それはね……」
やけに勿体ぶった様子を見せたクニハルは、やがて、ゆっくりと口を開いた。
「君の元カノ、結婚するらしいよ」
「はあ?」
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