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地図

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「サイ。地図よこせ。」


「はい。」


部屋を出ようとした船長に言われて、机の上にあった地図を持っていく。
ちらっと見たが、今回の島は、周りに岩礁とか、船を寄せるのに困るものはないらしい。


しかも、青の洞窟の入り口は海賊の中では有名らしく、場所もわかっている。
ということは、前回のような小舟で酔いながら島の周りを捜索する必要はないわけだ。


助かった~。
あれは、マジで辛いんだって。


「嬉しそうだが、探査の船は出すぞ?」


ウキウキしながら地図を渡した俺に、船長が残酷なことを言う。
ドアの前にいたヤジスさんも苦笑いだ。


「あ~。サイ?悪いんだけどな?この地図、ちぃと古いんだわ。浅瀬が結構広いから、船の残骸やらがないとも限らねえしさ?念のため、見に行くのよ。俺らが。」


うええ。マジかよ。
俺、ちっさい船は弱えんだって。


「は。海の男があんな小せえ船でぎゃーぎゃー言うな。」


船長嬉しそうっすね。
俺がグロッキーになるの笑う気でしょ?


ああ。大きい船なら大丈夫なのになあ。
おやっさんに酔い止め作ってもらわないと。


「はい。」


文句を言っても仕方ないので、頷くしかない。
ちくしょう。今回は大丈夫だと思ったんだけどなあ。


そんな俺を置いて、船長とヤジスさんは先に行っちまう。
コンパスが違うから、気をぬくと置いてかれんだよな。


走るのは禁止だから、早足で必死に後を追う。
うわああ。追いつけねー。


「遅え!」


必死に甲板にたどり着いた俺に、船長から蹴りが一発。
痛え。でも、何とか身体を起こして謝る。


「すみません。…けほ。」


「ぼうっとしてんじゃねえ。中継ぎの島が見えた。買い出しと情報集め、一日でやるぞ。」


「「はい!」」


島?結構大きい島だ。
あれが、中継する島か。


食料や燃料の買い出しに行かなきゃならない。
今回もアサイー帝がらみだと、皆には伝えられてて、気合いが入っている。


ついでに、目的地の島に変化はないか、噂も集める。
俺が担当するのはこっちだな。


「今回はサイも連れて行くんだわ。よろしくな。」


「あ、はい!よろしくお願いします。」
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