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第17章:ヨン=ウェンリー

第3話:変態

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 女性には『全部あの夏のせい』と言ってしまいたくなる、流されちゃったけど、まあ、それはそれでいいかな? って思えてしまう一過性の動物的メスの一面を持っている。それは、男も同様に持っていた。だが、男の場合は年がら年中、発情しているせいもあってか、逆にどうしようもなく疲れ切った時に、そのような『お疲れマラ』といった生物的なオスの現象が起きる。

 エーリカの記憶の中にはタケルお兄ちゃんの勃起姿が存在しなかった。しかしながら、タケルお兄ちゃんのソコに視線を集中させると、タケルお兄ちゃんはもじもじと可愛らしく身体を揺らす。そして、もっと見てほしいのかな? と思わせるほどに、タケルのソコは変化量を増やしていく。

「うわ……。うわ……。うわ……」

 タケルはエーリカがおちんこさんの変化を言葉で表現できなくなってしまっていることに可愛らしさを覚えた。お疲れマラモードのタケルの脳内にはいつものように『警鐘』が鳴り響いている真っ最中である。その警鐘が鳴り響くことで、タケルのおちんこさんが連動してしまっている。それゆえに、エーリカはますます言葉で表現することが難しくなっていった。

 エーリカはタケルお兄ちゃんのあそこを見ているだけでも恥ずかしさを覚えたのか、タケルお兄ちゃんと結んでいた手を離してしまう。だが、そんな可愛らしさ全開のエーリカをイジメたくなってしまうのがタケルお兄ちゃんである。

「ほら、罰ゲームなんだろ。俺と手を握らないと……」

「それ、手じゃない……。熱くて固い……」

 タケルはあろうことかエーリカの左手を自分の右手でおちこさんに導いたのだ。エーリカはその熱い棒に左手が触れるかどうかの場所で、びくっと身体を固めさせた。だが、タケルはエーリカを逃そうとはしなかった。エーリカの左手を強引に引っ張り、エーリカに自分が男であることを主張しまくったのである。

「エーリカ。すまん、疲れすぎて、もうぅ!!」

「えっ? えっ??」

 タケルはエーリカの豆だらけであったとしても柔らかい左手におちんこさんが掴まれているという状況だけで果てそうになる。だが、タケルは身体の隅々からおちんこさんに一点集中していく快感の向きをエーリカの剥き出しのへそへと向けたのだ。エーリカはへその穴にタケルお兄ちゃんの男のシンボルの先端を押しつけられる。

 エーリカはお腹の中に発射されたわけでもないのに、へその穴を中心として、タケルお兄ちゃんの熱にやられてしまうことになる。エーリカはへその穴を中心に非常に粘度が高くて、さらには栗の花がへその穴から咲き誇ったのかと思ってしまうほどの濃厚なスペル魔の匂いに頭までもがやられてしまうことになる。

 しかし、タケルはそれだけで終わろうとはしなかった。暗くなっていく視界と意識の中、草地の上に広げた毛布の上で、タケルはエーリカの身体を抱きしめた。エーリカは身体と心がぽかぽかと温まっていく。この温かさをタケルお兄ちゃんに知ってもらいたいと思ったエーリカはタケルお兄ちゃんの太ももに足を絡ませる。

「あったけぇ……。エーリカって変態すぎるだろ。もしかして、おしっこするたびに、俺に引っかけたやりたいと思ってたのか?」

「う、うるあさぃぃぃ。あたしだって、死ぬほど恥ずかしぃんだからぁ……」

 エーリカはタケルお兄ちゃんの太ももを自分の黄金水で汚しながらも、自分が変態では無いとタケルお兄ちゃんに言ってのける。そもそも、自分を臭くて汚くて、べっとりとした子宝液で汚したのはタケルお兄ちゃんなのである。それを受けて、自分はお返しをしたまでだ。

 お返しにはお返しが必要であったにも拘わらず、タケルはこれ以上の行動は不可能に近かった。タケルはエーリカが垂れ流しているおしっこを口に入れたい気持ちがあったが、その前にタケルの脳内に鳴り響く『警鐘』が、それを邪魔したのである。せめてもの抵抗とばかりにタケルは自分の身体で動かせる部分をなんとか動かす。エーリカのいびつな形をしている股間の花びらを左手の指でしっかりとなぞる。エーリカはビックンビックンと身体を跳ね上がらせ、熱すぎる吐息をタケルの首筋に吐きつける。

 タケルはそんなエーリカが可愛いと思いつつ、エーリカのおしっこで濡れた左手を自分の口元に持っていく。そして、人差し指と中指を口で咥えこみ、エーリカのおしっこの味を舌で感じ取った瞬間、タケルの脳内にトドメの一撃となる衝撃が走った。

 タケルとエーリカの一部始終を観測しつづけていたコッシローはようやくながら、隠形術を解き、エーリカに自分の姿を見せつけるのであった。今回のエーリカは前回とは違って、ふてぶてしい態度を取らず、コッシローに平謝りからスタートするのであった。

「本気でボクを殺す気でッチュウか!? クロウリーは今、発情期のアホ大賢者にとっ捕まっている真っ最中なのでッチュウよ!?」

「ごめんなさいね。せっかく、お互い素っ裸なのに、わたくしが介入しないと、何もなく、本当に兄と妹の関係で終わっちゃいかねなかったの。悪いのはわたくしじゃなくて、エーリカをその気にさせれないタケルさんが悪いの」

「うっさいでッチュウ! この色情魔がっ! どっちにしろ、お前はお前でタケルと良いことしかったくせに、タケルのせいにしてるんじゃないでッチュウ! あと、楽しむにしても、ノーマルのにしとけッでッチュウ! 後片付けを頼まれるのはボクでッチュウよ!?」

 前回のエーリカはタケルの猛狂うスペル魔の奔流によって、被害者はエーリカのみで収まった。だが、今回は違う。タケルがお疲れマラモードを発揮した途端、エーリカの中にある何かがエーリカの身体を完全に乗っ取ったのだ。コッシローが重い身体を引きずりながら、徐々に隠形術を解除しいている時間を使って、エーリカではない何者かが、タケルに馬乗りになって、エーリカの股間からあらん限りの勢いでタケルの身体を黄金水まみれにしたのである。

「あーあーあーあーあー。毛布がお前のおしっことタケルのスペル魔でべたべたに汚れちゃってるのでッチュウ。お前ら、加減を覚えることを知らないのでッチュウか!? 猿のほうがまだマシなレベルでッチュウ!!」

 怒りが収まらないコッシローはことを終えて、スヤスヤと気絶しているタケルの顔面を後ろ足で蹴りまくっていた。こうなってしまったタケルは例え、長剣ロング・ソードで身体を貫かれても、起きなさそうな雰囲気があった。それゆえにコッシローはタケルを罵倒しながら、タケルの顔面に後ろ足で蹴飛ばしまくったのである。

「あんまりタケルさんを怒らないであげてね? わたくしにぶつけたい怒りの分も含まれているんでしょうけど」

「まったくもってその通りでッチュウ! でも、お前を蹴っ飛ばしたところで、損をするのは、記憶がまったくないエーリカちゃんでッチュウ。ぼくはそんなエーリカちゃんを蹴り飛ばすことなんかできないでッチュウ」

「紳士で助かりますわ。そんなコッシローさんだからこそ、甘えてしまいますの。紳士面をしているクロウリーさんとは違う。そこがあなたの美点ですわ」

「ふんっ。無駄話に付き合っていられるほど、ボクの機嫌が良く無くて、さらには元気じゃないでッチュウ! とにかく今夜は1秒でも長く休みたいのでッチュウ! 麗しの眠り姫スリーピング・ビューティでッチュウ!」

 エーリカで無い者がコッシローにバイバイとばかりに右手を振ってみせる。コッシローはしばらく忙しすぎるんだから、簡単にこっち側に出てくるじゃないでッチュウ! と口酸っぱく罵るのであった。エーリカでは無い者がエーリカの魂の中に引っ込む前に、それはエーリカ自身の問題ですわと言い放ち、コッシローを憤慨させるのであった。
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