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第18章:黄金郷

第10話:筆

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 ボンス=カレーに土下座しまくり、なんとかボンス=カレーの怒りを抑えることに成功した血濡れの女王ブラッディ・エーリカの幹部たちである。これから各々の夜の生活で野菜を使うような危なすぎるプレイをする時があったとしても、その時はしっかりとその野菜を食べるようにと言うボンス=カレーであった。

 ボンスの説教を喰らった後、エーリカたちは西ケアンズに対抗するための準備に入る。村の内側と外側を決定づけている杭に横方向への丸太を括りつける作業。農具を整備し直し、それをすぐに槍へと変えれる細工。狩人ハンターであるロビンの指示の下、簡素ながらも弓を作成する。

 そんなことをしているだけで、陽はすぐに山の向こう側へと消えていく。

「エーリカ、お疲れ。コッシローもお疲れなのか、先に寝るって言ってたわ」

「タケルお兄ちゃん、ありがと。うーーーん、疲れが取れるぅぅぅ」

 大精霊使いのヨン=ウェンリーの助力のおかげで、エーリカは自分たちが住まう村に茶畑を作り、そこで茶葉を収穫できていた。井戸からくみ上げた水を沸かし、その湯で乾燥させた茶葉でお茶を淹れる。少しだけ残念なことと言えば、その茶葉の乾燥が十分ではなかったことであろう。しかしながら、1日中、働き詰めであったエーリカの心身を癒すには高級すぎる飲み物であった。

「まだ書類整理をするつもりなのか?」

「うん。カキンやボンスを筆頭に皆に仕事を回してるけど、それでもコッシローの手を借りるくらいだもん。そして、最終チェックはどうやったって、あたしが担当よ」

「セツラも、そっちの方に回したらいいんじゃねえの?」

「セツラお姉ちゃんはセツラお姉ちゃんで、伸び伸び畑仕事したいんだってー。オダーニ村の頃のことを思い出したのか、今だけでもあの時の日常に戻りたいって言ってたー」

「そうか。そりゃそうだよな……。セツラはセツラで、エーリカくらいに負担を感じてるんだ。セツラのストレス解消になるってなら、それが良いんだろうな」

 セツラの血濡れの女王ブラッディ・エーリカの団における主な仕事は、神託を皆に告げることであった。朝早くに起きて、井戸の水で自分の身体を洗い流す。神聖なその身で、亀の甲羅や鶴の骨を焼き、その割れ具合で血濡れの女王ブラッディ・エーリカの団の行く末を占う。そして、その結果を皆に告げるという責任が重すぎる役割を担っていた。

 神に使える巫女。血濡れの女王ブラッディ・エーリカの団員のみならず、流民たちまでもが、朝に発表されるセツラ=キュウジョウの言葉に一喜一憂したのだ。自分の言葉がエーリカの普段の発言以上に、皆に与える影響は大きかった。だからこそ、クロウリーはエーリカにそれを背負わせず、セツラという皆の精神的支柱という存在を作り上げ、奉ったのだ。

 今までは便宜上の代表のひとりに過ぎなかったセツラであったが、この地に入植してからというもの、エーリカとセツラで人気を2分化させていく。それがクロウリーの企み通りだったとしても、タケルは何か言ってしまいたくなっていた。

「ここまでセツラが頼もしく思えるようになったのはありがたい話なんだがな……。俺は俺でセツラに何かしてやれないのかと考えちまう」

「その言葉だけでセツラお姉ちゃんは満足してくれるわ。だから、タケルお兄ちゃんはセツラお姉ちゃんに普段と変わりない態度で接してね? ただでさえ、俗すぎるあたしと違って、セツラお姉ちゃんはこれからもっと神聖化されていくんだからっ」

 エーリカの言うことはもっともであった。タケルがセツラと一緒にいてくれと頼んだコッサンは今や、セツラを『様』づけで呼んでおり、その傍らに立つコッサンはセツラの騎士ナイト以上の存在であろうとしてくれている。本当なら、その役目はタケル本人が担わなければならなかったのかもしれない。

 だが、タケルはタケルでやることがあった。

「おっし。エーリカ。休むのも仕事のうちだ。今日はそろそろ仕事仕舞いしとけ」

「うん、わかった。今日の分はここまで! いつも通り、タケルお兄ちゃんの説教タイムに入るわね。タケルお兄ちゃん、覚悟してね? あたしはあいつらのことは許してるわけじゃないからっ!」

「はいはい。今夜はコッシローが先に寝ちまってるから、好きなだけ、俺をいじめぬいてくれ」

 タケルはそう言うと、エーリカにどんなポーズを取ればいいのかと確認する。エーリカは少しだけ頭をひねる。そうした後の数秒後にはエーリカの顔は向日葵が咲いたかのような笑顔になってしまう。タケルはヒクヒクと頬を引きつらせるしかなかった。

「山芋を突っ込むような不道徳なことは出来ないしぃぃぃ。ん~~~。この筆にしてみる?」

「おおぅ……。ちなみに筆の毛のほう? それとも固い方?」

「最初は毛の方かな? んで、頃合いを見計らって、固い方かな?」

 エーリカは仕事で使っていた筆の毛の部分をしっかりと小さい器の中にある水で洗い流す。そうした後、タケルに床で四つん這いになってもらい、さらにはズボンとパンツをずり降ろしてもらる。エーリカはそんなタケルの背中に馬乗りになり、タケルの剥き出しとなっている尻の穴を筆の先端で刺激するのであった。

「おおぅ……。何か新しい扉が開きそうなんだが!?」

「タケルお兄ちゃんって、ほんと、バカねっ! つける薬がないレベルっ! これはご褒美じゃなくて、罰なのよ? ちゃんと、申し訳なさそうな顔をしてくれないとっ」

 エーリカにそう言われても、どうしてもお尻の穴がこそばゆいタケルであった。水で濡れた筆の毛がじっくりねっとりとタケルのお尻の穴を刺激してくる。これでどうやったら申し訳ない顔になれるのか? と問い詰めたくなってしまうタケルであった。

「っっっ! こりゃ、きっついわっ!」

「大丈夫? タケルお兄ちゃん。もうやめとく?」

「いや、もう少し頑張ってみる。そしたら、ご褒美は俺がエーリカにこれ以上のことが出来るんだからよっ! っいったぁぁぁ!!」

「タケルお兄ちゃんのバーーーカ。ド変態ーーー。あたしのご褒美はお触り厳禁って言ってるでしょーーー?」

 エーリカはタケルのお尻の穴を筆の固い部分でイジメ始めていた。ちょっとつつくだけで、タケルは非常につらそうな声をあげる。それがエーリカの嗜虐心をおおいに刺激した。エーリカはテクニシャンであった。タケルをイジメるだけでなく、緩急をつけるためにも、柔らかい毛の方でタケルのお尻の穴を愛撫したのだ。

「おおぉ……。おっふぅ!」

「もう、やめてよぉぉぉ! タケルお兄ちゃんがあまりにも変な声を出すから、おかしくて、お腹が痛くなってきちゃう」

「ば、馬鹿野郎! 感じてなんかいないんだからな!? これは新しすぎる刺激に身体が敏感に反応しすぎてるだけなんだよ!?」

「ふーーーん。救いようのないド変態のくせに生意気ぃぃぃ。これはセツラお姉ちゃんに報告しないとなぁぁぁ?」

「エーリカ、お前!?」

「テクロ大陸に上陸してから、ここずっと、タケルお兄ちゃんを独占しすぎてるしなぁぁぁ。タケルお兄ちゃんはどうしたい? あたしとタケルお兄ちゃんだけの秘密をセツラお姉ちゃんにも共有してもらうってのは?」

 エーリカの提案を耳に入れたタケルはビクンッと一度、身体を鋭く跳ね上がらせた後、今度は指一本動かせないほどに固まってしまう。しかしながら、タケルは身体は動かせないものの、とある部分だけは大きくなっていった。

「もう、タケルお兄ちゃんはド変態どころか、ド外道ねぇぇぇ? いいわ。それはそれで面白そうだから、セツラお姉ちゃんに今度、聞いてみるね? でも、コッサンに知られた時は、タケルお兄ちゃんはコッサンに斬られる覚悟はしておいてね?」
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