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第4章:ヴァルハラへの道
第7話:始まりの一歩
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呼び鈴から発せられる虹色の光はある一点へと集中していく。レオナルト=ヴィッダーたちが居る部屋の壁に虹色の光線がぶち当たる。そこを中心として、水面に油を一滴零した時と同じように、波紋が中心部から外側へ向かって広がっていく。壁の一点から虹色の光線が部屋の壁一面に広がる。
虹色の光線を喰らった部屋の壁自体がゆらゆらと揺れ始める。レオナルト=ヴィッダーは眼を細めながらも、壁に出入り口らしきものが現出していくのを見守る。数分後には壁全体におきた揺らぎは収まっていき、不安定だった長方形に近しい出入り口も固定される。
「ふゥ……。うまくいきましたァ。禍々しいオーラを放っていますけど、その空間をくぐり抜ければ、桃源郷へ続く回廊へと足を踏み入れれるはずなのですゥ」
「もし、この出入り口が桃源郷へと上手く繋がってない場合はどうなるんだ?」
「失敗しても天国のどこかだと思うのですゥ。間違っても地獄には落ちないはずなのですゥ」
レオナルト=ヴィッダーはクルス=サンティーモがいかがわしいオーラを放っている金属製の扉付きの出入り口の先にあるのが天国だと聞き、じゃあ、俺はこの出入り口をくぐれば、死ぬことになるのか? と、つい、クルス=サンティーモに問いただしてみせる。しかしながら、問われた側のクルス=サンティーモは、きょとんとした顔つきになり、さらには首を傾げてみせる。何故にそんな所作をしてきたのかと、レオナルト=ヴィッダーはこの時はあまり気にかけなかった。問うた相手がクルス=サンティーモであったことも大きい。
クルス=サンティーモ相手に要領の得ない答えが返ってくることはたびたちあることだ。だから、今回もそういうことなんだろうと決めつけてしまったレオナルト=ヴィッダーであった。結果的に『桃源郷』にたどり着ければ良いのである。レオナルト=ヴィッダーはこれで『天使の嬉し涙』を手に入れるための最低限の一歩目を踏み出せたことになる。
「では、あちらに着くまでの道案内は、ぼくが担当させてもらうのですゥ。お客様はどうぞ、ぼくの手をしっかりと握っていてほしいのですゥ」
クルス=サンティーモはレオナルト=ヴィッダーと手を繋ぎ、クルス=サンティーモが先に金属製の扉を開き、その先で真っ黒とした出入り口へと入っていく。クルス=サンティーモは慣れっこなのか、明らかにいかがわしいオーラをその真っ黒な穴から放っているというのに、全く臆せずに、自分の身体を向こう側へと持っていく。レオナルト=ヴィッダーが『向こう側』へ消えていくクルス=サンティーモを見て、足を止めてしまう。先に『向こう側』へ侵入しようとしていたクルス=サンティーモが出入り口から『こちら側』へ顔を出してくる。
「どうしたんですゥ? 早く行きましょうよォ」
「あ、ああ。あちらに行っても戻ってこれるんだな……。ちょっと安心したよ」
クルス=サンティーモはいつものようにきょとんとした顔つきのままに首を傾げてみせる。レオナルト=ヴィッダーは、クルス=サンティーモのこの一連の動作により、この部屋を出て、トイレに行き、また部屋に戻ってくるくらいに、クルス=サンティーモにとっては日常的なことであることを知る。足を止めていたレオナルト=ヴィッダーは緊張でドックンドックンと強めに鼓動を打つ心臓にドスンと右手を当てる。
(沈まれ、俺の心臓。ここはまだ始まりの一歩にしかすぎないぞっ!)
レオナルト=ヴィッダーは左胸に3度、右手を握り込んで叩いてみせる。さらに眼を閉じて、深呼吸を3度行い、再び、まぶたを開く。レオナルト=ヴィッダーから迷いは無くなっていた。黒金剛石ように輝く彼の両目には折れぬ意思を象徴するように炎を形取り、めらめらと燃え上がっていた。
「そこまで思い詰める必要なんてないんですゥ。ぼくにとっては里帰りみたいなものなのですゥ。レオン様は、ぼくの帰郷に付き合ってくれる気の利いたご主人様みたいな感じで振る舞っておけば良いのですゥ」
クルス=サンティーモはあくまでも、普段通りであった。レオナルト=ヴィッダーが部屋の壁に出来上がった長方形に近しい出入り口に身体全体を通すと、そこには奇妙な空間が広がっていた。大空はいかがわしい色に染まり上がっており、岩と砂、そして石がレオナルト=ヴィッダーたちの左右に切り立った壁を創り出していた。金属製の扉の向こうから漏れだしていたのは、この空間の大空の色が原因だったことは一目瞭然であった。
そして、クルス=サンティーモがいうところの『回廊』をレオナルト=ヴィッダーとクルス=サンティーモはどんどん先へと進んでいく。分かれ道に到達するたびに、クルス=サンティーモがキョロキョロと左右に頭を振り、次いで首を左右に何度か傾げた後、こっちですゥと言うものだから、レオナルト=ヴィッダーの顔は段々と渋いモノへと変わっていってしまう。
しかし、レオナルト=ヴィッダーが最後までクルス=サンティーモの案内を信じられたのは、『回廊』を先に進むほどに、クルス=サンティーモの頭の上にある輪っかと、背中から生える白い翼が、レオナルト=ヴィッダーの衰え始めた視力をもってしも、彼の瞳にはっきりと鮮明に映し出されるようになってきていたからだ。
「なんか、忘れがちだけど、クルスの半分は天使だったんだよな」
「そうなんですゥ。ここ2週間、ずっと忙しかったから、御奉仕できてなくて申し訳ないのですゥ……」
「あ、ああ……。その、なんだ、すまん」
クルス=サンティーモの身体には淫婦の天使の血が流れている。そのため、生まれつき男性のスペル魔を定期的に摂取しなくてはならない身体であった。半分は亜人族の血が流れているためか、スペル魔への衝動は他の淫婦の天使よりかはマシだという話をレオナルト=ヴィッダーはクルス=サンティーモ本人から聞かされている。
2年間の兵役にレオナルト=ヴィッダーが就いていた時は、レオナルト=ヴィッダーはクルス=サンティーモをアイリス=クレープス本人として扱ってきていた。そのため、戦争中の小休止の時は、そこらへんの雑木林に潜りこみ、レオナルト=ヴィッダーはクルス=サンティーモの身体を散々にもてあそんできた経緯がある。
しかし、その行為もレオナルト=ヴィッダーがその眼に本物のアイリス=クレープスを映してからは、レオナルト=ヴィッダーはクルス=サンティーモに一切、手を出さなくなってしまった。そのため、クルス=サンティーモの体内に蓄えられたスペル魔は日に日に目減りしていたのである。だが、それでもクルス=サンティーモは文句のひとつも言わずにレオナルト=ヴィッダーに別の意味での御奉仕をし続けていた。
「レオン様がもしあの時、桃源郷に居なかったら、ぼくはとっくの昔に命を落としていたのですゥ。だから、レオン様が気にすることなんて、何一つ無いんですゥ」
クルス=サンティーモは少しだけ足を止め、後ろをついてくるレオナルト=ヴィッダーに向かって振り向き、天使の笑顔でそう言ってみせるのであった……。
虹色の光線を喰らった部屋の壁自体がゆらゆらと揺れ始める。レオナルト=ヴィッダーは眼を細めながらも、壁に出入り口らしきものが現出していくのを見守る。数分後には壁全体におきた揺らぎは収まっていき、不安定だった長方形に近しい出入り口も固定される。
「ふゥ……。うまくいきましたァ。禍々しいオーラを放っていますけど、その空間をくぐり抜ければ、桃源郷へ続く回廊へと足を踏み入れれるはずなのですゥ」
「もし、この出入り口が桃源郷へと上手く繋がってない場合はどうなるんだ?」
「失敗しても天国のどこかだと思うのですゥ。間違っても地獄には落ちないはずなのですゥ」
レオナルト=ヴィッダーはクルス=サンティーモがいかがわしいオーラを放っている金属製の扉付きの出入り口の先にあるのが天国だと聞き、じゃあ、俺はこの出入り口をくぐれば、死ぬことになるのか? と、つい、クルス=サンティーモに問いただしてみせる。しかしながら、問われた側のクルス=サンティーモは、きょとんとした顔つきになり、さらには首を傾げてみせる。何故にそんな所作をしてきたのかと、レオナルト=ヴィッダーはこの時はあまり気にかけなかった。問うた相手がクルス=サンティーモであったことも大きい。
クルス=サンティーモ相手に要領の得ない答えが返ってくることはたびたちあることだ。だから、今回もそういうことなんだろうと決めつけてしまったレオナルト=ヴィッダーであった。結果的に『桃源郷』にたどり着ければ良いのである。レオナルト=ヴィッダーはこれで『天使の嬉し涙』を手に入れるための最低限の一歩目を踏み出せたことになる。
「では、あちらに着くまでの道案内は、ぼくが担当させてもらうのですゥ。お客様はどうぞ、ぼくの手をしっかりと握っていてほしいのですゥ」
クルス=サンティーモはレオナルト=ヴィッダーと手を繋ぎ、クルス=サンティーモが先に金属製の扉を開き、その先で真っ黒とした出入り口へと入っていく。クルス=サンティーモは慣れっこなのか、明らかにいかがわしいオーラをその真っ黒な穴から放っているというのに、全く臆せずに、自分の身体を向こう側へと持っていく。レオナルト=ヴィッダーが『向こう側』へ消えていくクルス=サンティーモを見て、足を止めてしまう。先に『向こう側』へ侵入しようとしていたクルス=サンティーモが出入り口から『こちら側』へ顔を出してくる。
「どうしたんですゥ? 早く行きましょうよォ」
「あ、ああ。あちらに行っても戻ってこれるんだな……。ちょっと安心したよ」
クルス=サンティーモはいつものようにきょとんとした顔つきのままに首を傾げてみせる。レオナルト=ヴィッダーは、クルス=サンティーモのこの一連の動作により、この部屋を出て、トイレに行き、また部屋に戻ってくるくらいに、クルス=サンティーモにとっては日常的なことであることを知る。足を止めていたレオナルト=ヴィッダーは緊張でドックンドックンと強めに鼓動を打つ心臓にドスンと右手を当てる。
(沈まれ、俺の心臓。ここはまだ始まりの一歩にしかすぎないぞっ!)
レオナルト=ヴィッダーは左胸に3度、右手を握り込んで叩いてみせる。さらに眼を閉じて、深呼吸を3度行い、再び、まぶたを開く。レオナルト=ヴィッダーから迷いは無くなっていた。黒金剛石ように輝く彼の両目には折れぬ意思を象徴するように炎を形取り、めらめらと燃え上がっていた。
「そこまで思い詰める必要なんてないんですゥ。ぼくにとっては里帰りみたいなものなのですゥ。レオン様は、ぼくの帰郷に付き合ってくれる気の利いたご主人様みたいな感じで振る舞っておけば良いのですゥ」
クルス=サンティーモはあくまでも、普段通りであった。レオナルト=ヴィッダーが部屋の壁に出来上がった長方形に近しい出入り口に身体全体を通すと、そこには奇妙な空間が広がっていた。大空はいかがわしい色に染まり上がっており、岩と砂、そして石がレオナルト=ヴィッダーたちの左右に切り立った壁を創り出していた。金属製の扉の向こうから漏れだしていたのは、この空間の大空の色が原因だったことは一目瞭然であった。
そして、クルス=サンティーモがいうところの『回廊』をレオナルト=ヴィッダーとクルス=サンティーモはどんどん先へと進んでいく。分かれ道に到達するたびに、クルス=サンティーモがキョロキョロと左右に頭を振り、次いで首を左右に何度か傾げた後、こっちですゥと言うものだから、レオナルト=ヴィッダーの顔は段々と渋いモノへと変わっていってしまう。
しかし、レオナルト=ヴィッダーが最後までクルス=サンティーモの案内を信じられたのは、『回廊』を先に進むほどに、クルス=サンティーモの頭の上にある輪っかと、背中から生える白い翼が、レオナルト=ヴィッダーの衰え始めた視力をもってしも、彼の瞳にはっきりと鮮明に映し出されるようになってきていたからだ。
「なんか、忘れがちだけど、クルスの半分は天使だったんだよな」
「そうなんですゥ。ここ2週間、ずっと忙しかったから、御奉仕できてなくて申し訳ないのですゥ……」
「あ、ああ……。その、なんだ、すまん」
クルス=サンティーモの身体には淫婦の天使の血が流れている。そのため、生まれつき男性のスペル魔を定期的に摂取しなくてはならない身体であった。半分は亜人族の血が流れているためか、スペル魔への衝動は他の淫婦の天使よりかはマシだという話をレオナルト=ヴィッダーはクルス=サンティーモ本人から聞かされている。
2年間の兵役にレオナルト=ヴィッダーが就いていた時は、レオナルト=ヴィッダーはクルス=サンティーモをアイリス=クレープス本人として扱ってきていた。そのため、戦争中の小休止の時は、そこらへんの雑木林に潜りこみ、レオナルト=ヴィッダーはクルス=サンティーモの身体を散々にもてあそんできた経緯がある。
しかし、その行為もレオナルト=ヴィッダーがその眼に本物のアイリス=クレープスを映してからは、レオナルト=ヴィッダーはクルス=サンティーモに一切、手を出さなくなってしまった。そのため、クルス=サンティーモの体内に蓄えられたスペル魔は日に日に目減りしていたのである。だが、それでもクルス=サンティーモは文句のひとつも言わずにレオナルト=ヴィッダーに別の意味での御奉仕をし続けていた。
「レオン様がもしあの時、桃源郷に居なかったら、ぼくはとっくの昔に命を落としていたのですゥ。だから、レオン様が気にすることなんて、何一つ無いんですゥ」
クルス=サンティーモは少しだけ足を止め、後ろをついてくるレオナルト=ヴィッダーに向かって振り向き、天使の笑顔でそう言ってみせるのであった……。
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