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第8章:地上の楽園
第3話:騎士道と戦士道
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(散々に相手を挑発していたのも納得ね。エクレアは徹底的な防御からのカウンター攻撃に特化しているわけね)
リリベル=ユーリィはやるわねという素直な感想を抱く。海色の魔術障壁からハリネズミのように飛び出した太い棘により、串刺しになった青銅製の戦士B~Fが粉々に砕け散る。残された青銅製の戦士リーダーがグヌヌ……と唸っている。どう攻めて良いのかわかっていないという感じだ。同じ感想はリリベル=ユーリィも抱いている。こちらから攻撃すれば、反撃が確実に待っている。それがわかっている以上、手が出せなくなるのも当たり前の話だ。
「ふう……。魔術障壁を張り続けるのはとっても疲れるのです~~~」
攻めてこない相手に対して、エクレア=シューは海色の魔術障壁を解いてしまう。なにやってんのよ! とついリリベル=ユーリィは怒鳴ってしまう。しかしながら、エクレア=シューはふうふうと荒い肩での呼吸を繰り返す。リリベル=ユーリィはエクレア=シューの弱点を自然と理解してしまう。相手の攻撃を防ぎ、さらにはカウンター攻撃を繰り出すあの魔術障壁は魔力の消費がリリベル=ユーリィが思っている以上に激しいことを。そのため、短時間しか魔術障壁を展開できないのだと。
「エクレア。交代する? 残りはリーダー格だけだし」
「出来ればお願いしたいのです~~~。実践で使うにはまだまだ練習と経験が足りなかったのです~~~」
エクレア=シューがリリベル=ユーリィのほうに顔を向けながら、そう言う。しかし、それがいけなかった。青銅製の戦士リーダーもその機を逃すほど、バカではない。好機と見るや否や、エクレア=シューとの距離を詰め、その手に持つ青銅製の幅広直剣を両手で振り下ろす。
リリベル=ユーリィは少しだけ青ざめるが、ぼよよ~~~んという音とともに青銅製の戦士リーダーがが振り下ろした幅広直剣は弾き返されることとなる。青銅製の戦士リーダーはグヌゥとまたもや唸ってしまう。エクレア=シューは完全に魔術障壁を解いていたわけではなかった。厚みはほとんどないが、一撃を防げる程度には魔術障壁を展開し続けていたのだ。
しかしながら、魔術障壁で衝撃を全て受け止められたわけでもなく、エクレア=シューもまた、重い一撃で吹き飛ばされ、リリベル=ユーリィに抱きかかえられることとなる。リリベル=ユーリィはゆっくり休んでいてとエクレア=シューに言う。エクレア=シューは額から鈍い汗を流しつつ、素直にコクリとリリベル=ユーリィに頷き返す。
「騎士風に振る舞っておきながら、視線を外すや否や、攻撃してくるなんて、なかなかに誇りを感じないわねっ!」
「フンッ! 戦いの場で悠長におしゃべりしているほうが悪イ。殺されなかっただけでもマシだと思エ!」
リリベル=ユーリィは眼の前でふんぞり返る青銅製の戦士とは通じ合えないと思った。自分は騎士であり、相手は戦士だ。戦いの美学はそれぞれに違う。向こうは勝てば良いという雰囲気を青銅製の身体全体から匂わせている。リリベル=ユーリィは警戒心をおおいに膨らませながら、石畳の上に足を踏み入れる。それと同時に青銅製の戦士リーダーはニヤリと口の端を歪ませる。
「カカッタナッ! ワレの領域に、無警戒に足を踏み入レタッ!」
リリベル=ユーリィが石畳の闘技場の中央へと歩を進み続け、青銅製の戦士リーダーとの距離を縮める。するとだ、青銅製の戦士リーダーは碧玉色の魔力をその身体から噴き出す。すると、粉々になった青銅製の戦士A~Fの破片が舞い上がり、四方八方からリリベル=ユーリィに向かって飛んでいく。
しかしながら、リリベル=ユーリィはふんっと面白くもなんともないと言った感じで鼻を鳴らす。リリベル=ユーリィは腰の左側に佩いた薔薇乙女の細剣を抜き出すや否や、彼女の足元からつむじ風が天に向かって舞い上がる。そのつむじ風が自分に向かってくる青銅製の破片のことごとくを巻き上げる。そして、それだけで終わらずに、リリベル=ユーリィは破片群を青銅製の戦士リーダーに向かって、全てを投げ飛ばす。
青銅製の戦士リーダーは破片群によって、その身をボロボロにされてしまう。グオオオ! と苦悶の声をあげて、その身を破片群で切り刻まれる。しかしながら、それでもファイティングポーズは解かずに、青銅製の幅広直剣をリリベル=ユーリィの頭頂部に向かって振り下ろす。リリベル=ユーリィはまたしてもふんっと面白くもなんともないといった感じで鼻を鳴らし、身体を少し横にスライドさせて、その重い一撃をかわしてしまう。
そして、リリベル=ユーリィは青銅製の戦士リーダーのフトコロ深くに飛び込み、薔薇乙女の細剣を縦横無尽に10回振り回し、青銅製の戦士リーダーを30分割以上にしてしまう。そして、宙を舞う青銅製の戦士リーダーの首級に向かって、まっすぐ薔薇乙女の細剣の切っ先をぶっこみ、串刺しにしてしまう。
「騎士道を知らぬあなたがわたしに勝つなんて1000年早いわ。土に返って反省することね」
「ワレがここまで完膚無きにまで叩きのめされるトハ。フンッ。先に進むがヨイ。ワレがお前たちを認めヨ!?」
穴が開いた首級だけとなったというのに減らず口を叩く青銅製の戦士リーダーであったが、決め台詞を吐くと同時にリリベル=ユーリィに足蹴にされてしまう。そして、そのままゴロンゴロンと石畳の闘技場の上を転がり回る。さらにはリリベル=ユーリィが薔薇乙女の細剣を振り回し、青銅製の戦士リーダーの首級を4分割にしてしまう。
さすがにここまでされると、青銅製の戦士リーダーもしゃべることが出来なくなり、リリベル=ユーリィはふぅ~~~と満足気に息を吐くこととなる。
「さて……と。門番というには物足りないけど、ちゃちゃっと倒しましたわ。先に進みましょ?」
「あ、ああ……。しかし、もう少し手加減して、情報を引き出してもよかった気がするけどな」
「騎士の誇りも持ち合わせていないような相手の情報なぞ、信用に値しません。こちらを混乱させるだけさせて、迷い道へと誘うだけだと思うの」
リリベル=ユーリィは自分の主張を貫く。エクレア=シューが不意打ちで一撃を入れられた。それにより、リリベル=ユーリィは怒っていたのだ。それゆえにしゃべらす価値もないとばかりにリリベル=ユーリィは青銅製の戦士リーダーを散々に切り刻んだのであった……。
リリベル=ユーリィはやるわねという素直な感想を抱く。海色の魔術障壁からハリネズミのように飛び出した太い棘により、串刺しになった青銅製の戦士B~Fが粉々に砕け散る。残された青銅製の戦士リーダーがグヌヌ……と唸っている。どう攻めて良いのかわかっていないという感じだ。同じ感想はリリベル=ユーリィも抱いている。こちらから攻撃すれば、反撃が確実に待っている。それがわかっている以上、手が出せなくなるのも当たり前の話だ。
「ふう……。魔術障壁を張り続けるのはとっても疲れるのです~~~」
攻めてこない相手に対して、エクレア=シューは海色の魔術障壁を解いてしまう。なにやってんのよ! とついリリベル=ユーリィは怒鳴ってしまう。しかしながら、エクレア=シューはふうふうと荒い肩での呼吸を繰り返す。リリベル=ユーリィはエクレア=シューの弱点を自然と理解してしまう。相手の攻撃を防ぎ、さらにはカウンター攻撃を繰り出すあの魔術障壁は魔力の消費がリリベル=ユーリィが思っている以上に激しいことを。そのため、短時間しか魔術障壁を展開できないのだと。
「エクレア。交代する? 残りはリーダー格だけだし」
「出来ればお願いしたいのです~~~。実践で使うにはまだまだ練習と経験が足りなかったのです~~~」
エクレア=シューがリリベル=ユーリィのほうに顔を向けながら、そう言う。しかし、それがいけなかった。青銅製の戦士リーダーもその機を逃すほど、バカではない。好機と見るや否や、エクレア=シューとの距離を詰め、その手に持つ青銅製の幅広直剣を両手で振り下ろす。
リリベル=ユーリィは少しだけ青ざめるが、ぼよよ~~~んという音とともに青銅製の戦士リーダーがが振り下ろした幅広直剣は弾き返されることとなる。青銅製の戦士リーダーはグヌゥとまたもや唸ってしまう。エクレア=シューは完全に魔術障壁を解いていたわけではなかった。厚みはほとんどないが、一撃を防げる程度には魔術障壁を展開し続けていたのだ。
しかしながら、魔術障壁で衝撃を全て受け止められたわけでもなく、エクレア=シューもまた、重い一撃で吹き飛ばされ、リリベル=ユーリィに抱きかかえられることとなる。リリベル=ユーリィはゆっくり休んでいてとエクレア=シューに言う。エクレア=シューは額から鈍い汗を流しつつ、素直にコクリとリリベル=ユーリィに頷き返す。
「騎士風に振る舞っておきながら、視線を外すや否や、攻撃してくるなんて、なかなかに誇りを感じないわねっ!」
「フンッ! 戦いの場で悠長におしゃべりしているほうが悪イ。殺されなかっただけでもマシだと思エ!」
リリベル=ユーリィは眼の前でふんぞり返る青銅製の戦士とは通じ合えないと思った。自分は騎士であり、相手は戦士だ。戦いの美学はそれぞれに違う。向こうは勝てば良いという雰囲気を青銅製の身体全体から匂わせている。リリベル=ユーリィは警戒心をおおいに膨らませながら、石畳の上に足を踏み入れる。それと同時に青銅製の戦士リーダーはニヤリと口の端を歪ませる。
「カカッタナッ! ワレの領域に、無警戒に足を踏み入レタッ!」
リリベル=ユーリィが石畳の闘技場の中央へと歩を進み続け、青銅製の戦士リーダーとの距離を縮める。するとだ、青銅製の戦士リーダーは碧玉色の魔力をその身体から噴き出す。すると、粉々になった青銅製の戦士A~Fの破片が舞い上がり、四方八方からリリベル=ユーリィに向かって飛んでいく。
しかしながら、リリベル=ユーリィはふんっと面白くもなんともないと言った感じで鼻を鳴らす。リリベル=ユーリィは腰の左側に佩いた薔薇乙女の細剣を抜き出すや否や、彼女の足元からつむじ風が天に向かって舞い上がる。そのつむじ風が自分に向かってくる青銅製の破片のことごとくを巻き上げる。そして、それだけで終わらずに、リリベル=ユーリィは破片群を青銅製の戦士リーダーに向かって、全てを投げ飛ばす。
青銅製の戦士リーダーは破片群によって、その身をボロボロにされてしまう。グオオオ! と苦悶の声をあげて、その身を破片群で切り刻まれる。しかしながら、それでもファイティングポーズは解かずに、青銅製の幅広直剣をリリベル=ユーリィの頭頂部に向かって振り下ろす。リリベル=ユーリィはまたしてもふんっと面白くもなんともないといった感じで鼻を鳴らし、身体を少し横にスライドさせて、その重い一撃をかわしてしまう。
そして、リリベル=ユーリィは青銅製の戦士リーダーのフトコロ深くに飛び込み、薔薇乙女の細剣を縦横無尽に10回振り回し、青銅製の戦士リーダーを30分割以上にしてしまう。そして、宙を舞う青銅製の戦士リーダーの首級に向かって、まっすぐ薔薇乙女の細剣の切っ先をぶっこみ、串刺しにしてしまう。
「騎士道を知らぬあなたがわたしに勝つなんて1000年早いわ。土に返って反省することね」
「ワレがここまで完膚無きにまで叩きのめされるトハ。フンッ。先に進むがヨイ。ワレがお前たちを認めヨ!?」
穴が開いた首級だけとなったというのに減らず口を叩く青銅製の戦士リーダーであったが、決め台詞を吐くと同時にリリベル=ユーリィに足蹴にされてしまう。そして、そのままゴロンゴロンと石畳の闘技場の上を転がり回る。さらにはリリベル=ユーリィが薔薇乙女の細剣を振り回し、青銅製の戦士リーダーの首級を4分割にしてしまう。
さすがにここまでされると、青銅製の戦士リーダーもしゃべることが出来なくなり、リリベル=ユーリィはふぅ~~~と満足気に息を吐くこととなる。
「さて……と。門番というには物足りないけど、ちゃちゃっと倒しましたわ。先に進みましょ?」
「あ、ああ……。しかし、もう少し手加減して、情報を引き出してもよかった気がするけどな」
「騎士の誇りも持ち合わせていないような相手の情報なぞ、信用に値しません。こちらを混乱させるだけさせて、迷い道へと誘うだけだと思うの」
リリベル=ユーリィは自分の主張を貫く。エクレア=シューが不意打ちで一撃を入れられた。それにより、リリベル=ユーリィは怒っていたのだ。それゆえにしゃべらす価値もないとばかりにリリベル=ユーリィは青銅製の戦士リーダーを散々に切り刻んだのであった……。
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