【R18】俺は悪くねえ! ~愛しのお姫様が女騎士に変化しているのを知らずに後ろの穴を穿ってしまいました~

ももちく

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第8章:地上の楽園

第5話:性の対象

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 大きめの池のほとりでの休息を終えたレオナルト=ヴィッダー一行は緋色の大鳥が降りたと思われる場所に向かって、真っ直ぐに進んでいく。そもそもとして『地上の楽園』にはヒトのための道など存在せず、あったとしても中型の動物が通り道にしている獣道くらいしか痕跡はなかった。

 レオナルト=ヴィッダーは森の奥深くに足を踏み入れるほど、森の住人達からの視線を痛いほどに感じてしまう。そこらの草木から飛び出してきて、レオナルト=ヴィッダーたちを襲うまでの雰囲気は感じないが、それでも警戒心が最大限まで膨らんでいることを、左腕に装着している素戔嗚スサノオから感じ取れた。

(そりゃ、虫が良いことを言っているのはわかってんだが、いい加減、機嫌を直してくれないものかなあ?)

 レオナルト=ヴィッダーが受けている視線の中でも一番に強力だったのは、自分の後ろを警戒してくれているリリベル=ユーリィからのものであった。彼女はぶつくさと何か小さく言いながらも、周囲警戒を怠ることはなかったが、明らかに自分に向けての小言だということはわかるレオナルト=ヴィッダーであった。レオナルト=ヴィッダーはほとほとに参ったと思うと同時に、何故、恋人がいると宣言している男に近づいてくる人物が3人も居るのかがわからない。

 アイリスからは、ヒトのものほど欲しがる性格の女性は存外に多いから、そういう女性には注意しろと言われたことがある。しかし、それをエクレア=シューからは感じ取れても、クルス=サンティーモ含め、リリベル=ユーリィからは違った感じを受けてしまう。クルス=サンティーモは運命の男の娘であり、リリベル=ユーリィに至っては、レオナルト=ヴィッダー自身としても心の整理がつかない状態であった。

 もしもの場合の話だが、レオナルト=ヴィッダーは自分に恋人がいなかったら、リリベル=ユーリィと付き合っても良いと思えてしまう。彼女にはそれだけの魅力があり、そして、おしとやかすぎるおっぱいはレオナルト=ヴィッダーの性癖に直結していた。

(いかんいかんッ! 俺は何を考えてやがるっ! 俺にはアイリスが居れば、それだけで十分なんだっ!)

 しかし、そう考えれば考えるほど、昨晩のリリベル=ユーリィの尻を好きなように凌辱してしまった自分を思い出してしまう。いくら素戔嗚スサノオに身体を乗っ取られていた状態であったとしても、おちんこさんを通して得られる快感はレオナルト=ヴィッダーの脳みそを焼いてしまっている。レオナルト=ヴィッダーはやましい心を消すためにも、あれはアイリスの尻穴だったと思うことにする。そうすることで、やましい気持ちを少しでもやわらげようとした。

「えっと……。レオン様? 熱い視線をぼくのお尻に降り注いでくると、ぼく、濡れてきちゃうんですけどォ」

「ううん!? 俺はいつの間にか、クルスの尻をガン見してたか!?」

「は、はい……。なんかぶつくさ言ってるなあって、気になってはいたんですけど、ついにはぼくのお尻の穴がむずがゆくなるほどの目力めぢからを発揮されてますゥ」

 レオナルト=ヴィッダーは冷や汗が身体中から噴き出してしまう。そして、恐る恐る後ろを振り向けば、案の定、リリベル=ユーリィがコメカミに青筋を2本くっきりと立てている。リリベル=ユーリィは両手を揉みくだしながら、ペキポキパキと手の骨が鳴る音を奏でる。その音が鼓膜に突き刺さされば刺さるほど、レオナルト=ヴィッダーの身体に流れる冷や汗の量は増すばかりであった。

 レオナルト=ヴィッダーは自分が抱くリリベル=ユーリィに対してのいかがわしい想いを振り払うこと自体は成功していたが、代わりに性の対象がいつの間にやら、自分の前を歩いているクルス=サンティーモに移っていたことは誤算であった。レオナルト=ヴィッダーはゴホンとわざとらしい咳をつき、クルス=サンティーモにすまんと一言謝る。そして、リリベル=ユーリィには自分から気を逸らしてもらうためにも

「周囲から見られている気配を感じて、しょうがないんだが、リリベルは何か思うところはあるか?」

「ふーーーん、見られてる……ねえ。確かに監視されている気分にはなるけど、向こうからは手を出してくる気は無いみたい。門番たちをなぎ倒したわたしとエクレアが居るせいもあって、うかつには襲いかかってくることはないんじゃない?」

 レオナルト=ヴィッダーはなるほどと思う。さすがは自然と共に生きると言われているダークエルフだ。自然界の掟にも詳しいのはありがたい話だ。森の動物たちは序列を重んじる。単純な力比べで勝てる相手では無いことを知っている以上、向こうからは手を出してこないとリリベル=ユーリィは言っているのだ。そういうところも踏まえて、自分とほぼ同じ意見を持っていることにレオナルト=ヴィッダーは安心感を覚えてしまう

「じゃあ、リリベル。なるべく俺の背後だけでなく、もっと周りにも気を回してくれ。そうすれば、あっちはよっぽどのことが無い限り、襲ってくることはなくなるだろうし」

「ええ、わかった。その言葉を今は鵜のみにしておくわ。でも、あとでタイキックね」

 レオナルト=ヴィッダーは上手いこと話を逸らせるものだと思っていたが、リリベル=ユーリィは女性らしく、レオナルト=ヴィッダーの前へと先回りをしていた。そして、アイリス=クレープスのようにお仕置きはタイキックとの一言で締めくくられることとなる。アイリスはこのダークエルフの騎士に、何を忠告しておいたのだろうと、心胆寒くするしかないレオナルト=ヴィッダーであった。

(アイリスのタイキックなら、俺は耐えきれる自信はあるが、リリベル相手だと、尻の穴がバカになりかねん……)

 レオナルト=ヴィッダーはこの時点で勘違いしていた。レオナルト=ヴィッダーが2年間の兵役に努めている間、アイリス=クレープスは何も変わっていないと彼は思い込んでいたのだ。アイリス=クレープスは剣技だけでなく、体技も習熟しており、リリベル=ユーリィの身でなくても、アイリス=クレープスの肉体に宿った膂力と技術で、レオナルト=ヴィッダーのお尻がおかしくなるくらいの威力を持つタイキックを放てるほどまでに成長していた。

 そして、リリベル=ユーリィという肉体を得て、アイリス=クレープスは元の身体の時の3倍の威力を持つタイキックを放てるようになっている。その威力のほどを知るのは、今のこの時点からそれほど間を置くこともなかった……。

「ちなみにタイキックする時は、脚絆きゃはんを外してくれるんだよな?」

「まあ、その時になってみないとわからないとしか。わたしは蹴りたいと思った時には蹴り終わっている気がしますので、脚絆きゃはんをつけているかどうかは運しだいでは?」
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