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第12章:陽が沈む地へ
第10話:ゴブリンとオーグ
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「チュッチュッチュ。クルスとマリアが魔物出てこい出てこいと念じていたせいで、思わぬ大物が出てきたでッチュウ。デーブ、エクレア、お前たちふたりは小鬼が荷馬車を襲わないようにしろでッチュウ!」
「じゃあ、わたしは大物のほうを始末するわ。クルス、マリアちゃんは自分の身を護ることだけを心掛けて」
レオナルト=ヴィッダー一行は順調な旅路を進んでいたと思われたが、それもオールドヨークから外に出て、ちょうど1週間となる昼までであった。2つの町、3つの村を越えた。そして4つ目の村でこのまま西にに進むのはやめておけと、その村を護衛している衛兵から言われていた。
しかし、ここまでの道中に戦いをしかけてきていたコボルトのちょっとした群れを撃退しつづけてきていたレオナルト=ヴィッダーたちの中で、特にクルス=サンティーモとマリア=アコナイトは調子づいていた。リリベル=ユーリィはコボルトが30匹、束でかかってこようが無双できるほどの剣術の持ち主である。そして、ここまでの道中、多くても一度に5~6匹程度のコボルトしか出現しなかった。
リリベル=ユーリィはレオナルト=ヴィッダーと相談し、クルス=サンティーモとマリア=アコナイトが実践慣れするためにもと、コボルト1匹に対して、クルス=サンティーモとマリア=アコナイトのふたりで対峙してもらうことにしていた。それが彼女らを調子づける結果になるのは皮肉としか言いようがなかった。
オールドヨーク、フィランディル地方、そしてワジントーン地方へと足を踏み入れたレオナルト=ヴィッダーたちの眼の前に小鬼の群れを引き連れた大鬼が現れたのだ。小鬼は地方によっては性的なイタズラが大好きな妖精だと伝えられている。地獄に住む餓鬼のような容姿であるが、餓鬼は飽くなき食欲を持っているのに対し、小鬼は抑えようのない性欲に心を支配されていた。
そして、その性欲を主張するように小鬼たちは股間部分にそそり立つおちんこさんケースを付けている。その突起物だけでも凶悪だと言うのに、ボロボロの刃を持つ短槍を両手で振り上げていた。どこの蛮族だよとツッコミを入れたくなる容姿から、学者連中からは、大昔に北ラメリア大陸の端に追いやられた先住民が魔物に堕ちたその後の姿だという主張がある。
ことの真偽は置いておこう。小鬼たちは伸長1ミャートルも無いほどに小柄であるが、そのおちんこさんケースは醜悪そのものの意匠が為されている。クルス=サンティーモとマリア=アコナイトは顔に忌避感をありありと映し出してた。
コッシロー=ネヅはクルス=サンティーモの蒼髪オカッパの頂点でどっしり構えて、皆に的確な指示を出す。デーブ=オクボーンは馬を護るために、エクレア=シューは荷馬車の荷台部分を護るために、それぞれの位置に着く。そして、大鬼という大物が出てきた以上、レオナルト=ヴィッダーも荷台に寝転がっている余裕は無くなり、荷台部分から降りる。そんな彼を護る位置にいるのがクルス=サンティーモと、マリア=アコナイトであった。
「レオナルトとクルス、マリアの3名は出来る限り、小鬼の数を減らすでッチュウ! リリベルが大鬼を倒すまでの時間を稼ぐのでッチュウ!」
「ああ、わかった。素戔嗚よ、俺に呪力を寄こせっ!!」
レオナルト=ヴィッダーは右腕に装着している前腕固定型杖に体重を預けつつ、左腕を小鬼たちに向かって、真っ直ぐ突き伸ばす。レオナルト=ヴィッダーの左の腕先に食い込んでいる紅い波模様が走る黒を基調とした手甲が吼える。それと同時に黒くて長細い大蛇が現出し、荒縄のように小鬼たちの手足を縛り、さらには宙づりにしていく。
宙に吊るされた小鬼たちにトドメを差す役目を担ったのがクルス=サンティーモとマリア=アコナイトであった。クルス=サンティーモは9本の尾を持つ牛革製の鞭でビシバシと小鬼をめった打ちにする。荒縄で自由を奪われ、さらに鞭打たれる小鬼は性欲を満たされて、おちんこさんケースの先端部分から大量のスペル魔を放出した後、光の泡となり消えていく。
小鬼が性欲の塊の妖精と言われる由縁はここにあるとも言えた。クルス=サンティーモに鞭でしばかれる小鬼たちは次々と白いおしっこを噴射しつつ、光の泡と化していく。クルス=サンティーモの雄姿に勇気づけられたマリア=アコナイトは自分も頑張らなければと、両手に持つ2本の出刃包丁を縦横無尽に振り回す。
「ピギャアアア!」
身体中を出刃包丁で傷つけられた小鬼は歓喜の声をあげつつ、白いおしっこを今ままで以上におちんこさんケースの先端から噴射させる。しかし、クルス=サンティーモと違い、小鬼たちが光の泡となることはなかった。もっともっと、傷つけてくれと歓喜の声をあげてしまうのだ。マリア=アコナイトは余りにもの気持ちの悪さに、ヒッ! という短い悲鳴をあげてしまう。
「マリア、何をやっているのでッチュウ! いたずらに傷をつけると、小鬼は性的に強化するのでッチュウ! トドメをしっかり刺すのでッチュウ!!」
コッシロー=ネヅはクルス=サンティーモの頭に乗っかたまま、マリア=アコナイトに怒声を飛ばす。叱り飛ばされたマリア=アコナイトは両手に力を込め直す、宙づりになっている小鬼の頸動脈を左手に持つ蝶の短刀・蒼で切り裂き、右手に持つ蝶の短刀・紅を小鬼の左わき腹にぶっこむ。蝶の短刀・紅は小鬼の肉と内蔵を突き破り、心臓にまで刃の先端が届く。
頸動脈を裂かれ、心臓を冷たい刃で貫かれたことで、小鬼はようやく性的満足感に満たされて、光の泡へと変わっていく。マリア=アコナイトは左の腕先で零れ落ちそうになる涙を拭い、次の得物へと向かっていく。
レオナルト=ヴィッダーたちは30匹以上の小鬼に取り囲まれていた。その大半はエクレア=シューが創り出した海色の魔術障壁に阻まれて、荷馬車に繋がれた馬や、荷台部分にまで到達出来ないでいた。そして、レオナルト=ヴィッダー、デーブ=オクボーン、クルス=サンティーモ、マリア=アコナイトはエクレア=シューの魔術障壁の効果時間が1秒でも長くなるように、|魔術障壁へと突撃を繰り返してくる小鬼の数を減らし続けたのだ……。
「じゃあ、わたしは大物のほうを始末するわ。クルス、マリアちゃんは自分の身を護ることだけを心掛けて」
レオナルト=ヴィッダー一行は順調な旅路を進んでいたと思われたが、それもオールドヨークから外に出て、ちょうど1週間となる昼までであった。2つの町、3つの村を越えた。そして4つ目の村でこのまま西にに進むのはやめておけと、その村を護衛している衛兵から言われていた。
しかし、ここまでの道中に戦いをしかけてきていたコボルトのちょっとした群れを撃退しつづけてきていたレオナルト=ヴィッダーたちの中で、特にクルス=サンティーモとマリア=アコナイトは調子づいていた。リリベル=ユーリィはコボルトが30匹、束でかかってこようが無双できるほどの剣術の持ち主である。そして、ここまでの道中、多くても一度に5~6匹程度のコボルトしか出現しなかった。
リリベル=ユーリィはレオナルト=ヴィッダーと相談し、クルス=サンティーモとマリア=アコナイトが実践慣れするためにもと、コボルト1匹に対して、クルス=サンティーモとマリア=アコナイトのふたりで対峙してもらうことにしていた。それが彼女らを調子づける結果になるのは皮肉としか言いようがなかった。
オールドヨーク、フィランディル地方、そしてワジントーン地方へと足を踏み入れたレオナルト=ヴィッダーたちの眼の前に小鬼の群れを引き連れた大鬼が現れたのだ。小鬼は地方によっては性的なイタズラが大好きな妖精だと伝えられている。地獄に住む餓鬼のような容姿であるが、餓鬼は飽くなき食欲を持っているのに対し、小鬼は抑えようのない性欲に心を支配されていた。
そして、その性欲を主張するように小鬼たちは股間部分にそそり立つおちんこさんケースを付けている。その突起物だけでも凶悪だと言うのに、ボロボロの刃を持つ短槍を両手で振り上げていた。どこの蛮族だよとツッコミを入れたくなる容姿から、学者連中からは、大昔に北ラメリア大陸の端に追いやられた先住民が魔物に堕ちたその後の姿だという主張がある。
ことの真偽は置いておこう。小鬼たちは伸長1ミャートルも無いほどに小柄であるが、そのおちんこさんケースは醜悪そのものの意匠が為されている。クルス=サンティーモとマリア=アコナイトは顔に忌避感をありありと映し出してた。
コッシロー=ネヅはクルス=サンティーモの蒼髪オカッパの頂点でどっしり構えて、皆に的確な指示を出す。デーブ=オクボーンは馬を護るために、エクレア=シューは荷馬車の荷台部分を護るために、それぞれの位置に着く。そして、大鬼という大物が出てきた以上、レオナルト=ヴィッダーも荷台に寝転がっている余裕は無くなり、荷台部分から降りる。そんな彼を護る位置にいるのがクルス=サンティーモと、マリア=アコナイトであった。
「レオナルトとクルス、マリアの3名は出来る限り、小鬼の数を減らすでッチュウ! リリベルが大鬼を倒すまでの時間を稼ぐのでッチュウ!」
「ああ、わかった。素戔嗚よ、俺に呪力を寄こせっ!!」
レオナルト=ヴィッダーは右腕に装着している前腕固定型杖に体重を預けつつ、左腕を小鬼たちに向かって、真っ直ぐ突き伸ばす。レオナルト=ヴィッダーの左の腕先に食い込んでいる紅い波模様が走る黒を基調とした手甲が吼える。それと同時に黒くて長細い大蛇が現出し、荒縄のように小鬼たちの手足を縛り、さらには宙づりにしていく。
宙に吊るされた小鬼たちにトドメを差す役目を担ったのがクルス=サンティーモとマリア=アコナイトであった。クルス=サンティーモは9本の尾を持つ牛革製の鞭でビシバシと小鬼をめった打ちにする。荒縄で自由を奪われ、さらに鞭打たれる小鬼は性欲を満たされて、おちんこさんケースの先端部分から大量のスペル魔を放出した後、光の泡となり消えていく。
小鬼が性欲の塊の妖精と言われる由縁はここにあるとも言えた。クルス=サンティーモに鞭でしばかれる小鬼たちは次々と白いおしっこを噴射しつつ、光の泡と化していく。クルス=サンティーモの雄姿に勇気づけられたマリア=アコナイトは自分も頑張らなければと、両手に持つ2本の出刃包丁を縦横無尽に振り回す。
「ピギャアアア!」
身体中を出刃包丁で傷つけられた小鬼は歓喜の声をあげつつ、白いおしっこを今ままで以上におちんこさんケースの先端から噴射させる。しかし、クルス=サンティーモと違い、小鬼たちが光の泡となることはなかった。もっともっと、傷つけてくれと歓喜の声をあげてしまうのだ。マリア=アコナイトは余りにもの気持ちの悪さに、ヒッ! という短い悲鳴をあげてしまう。
「マリア、何をやっているのでッチュウ! いたずらに傷をつけると、小鬼は性的に強化するのでッチュウ! トドメをしっかり刺すのでッチュウ!!」
コッシロー=ネヅはクルス=サンティーモの頭に乗っかたまま、マリア=アコナイトに怒声を飛ばす。叱り飛ばされたマリア=アコナイトは両手に力を込め直す、宙づりになっている小鬼の頸動脈を左手に持つ蝶の短刀・蒼で切り裂き、右手に持つ蝶の短刀・紅を小鬼の左わき腹にぶっこむ。蝶の短刀・紅は小鬼の肉と内蔵を突き破り、心臓にまで刃の先端が届く。
頸動脈を裂かれ、心臓を冷たい刃で貫かれたことで、小鬼はようやく性的満足感に満たされて、光の泡へと変わっていく。マリア=アコナイトは左の腕先で零れ落ちそうになる涙を拭い、次の得物へと向かっていく。
レオナルト=ヴィッダーたちは30匹以上の小鬼に取り囲まれていた。その大半はエクレア=シューが創り出した海色の魔術障壁に阻まれて、荷馬車に繋がれた馬や、荷台部分にまで到達出来ないでいた。そして、レオナルト=ヴィッダー、デーブ=オクボーン、クルス=サンティーモ、マリア=アコナイトはエクレア=シューの魔術障壁の効果時間が1秒でも長くなるように、|魔術障壁へと突撃を繰り返してくる小鬼の数を減らし続けたのだ……。
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