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第15章:愛を知らぬ男
第7話:談笑
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「ウオオオォォォン!!」
黒い太陽の中心部から終末の獣の鼓動と吼え声が周囲にこだまする。雷の太陽が巻き起こす爆音と衝撃波の全てを跳ね返し、自分はまだ生きていると主張してやまなかった。
「ふんっ。今更、吼えたところで、お前を含め、俺様が死ぬ運命は変えられない……。レオナルト=ヴィッダー。俺様と共に冥府に堕ちるぞ」
ジルバ=フリューゲルは邇邇芸《ニニギ》に心と身体をほぼほぼ完全に明け渡したことで、存在自体が希薄になっていた。彼の身体を包み込んでいた黄金色の全身鎧は雷へと変換を終えていた。そして、ジルバ=フリューゲルの身体自体も陽炎のように揺らめいていた。ジルバ=フリューゲルはヒトを超越した代わりに、ヒトとしての身体を失い始めていた。ただ、陽炎がまだジルバ=フリューゲルの形を取っていただけであり、あと数分もしないうちにジルバ=フリューゲルそのものがこの世から消え去ってしまおうとしていた。
「諦めんじゃねぇよっ! てめえは勝ち逃げする気かっ! 生きることこそ戦いだ! てめえはヒトとしての本分を忘れてやがるっ!!」
ジルバ=フリューゲルはどこからともなく聞こえてくるレオナルト=ヴィッダーの声に、フッ……とあきらめに似たため息をつく。自分がレオナルト=ヴィッダーに言われたいことが幻聴として聞こえたに過ぎないと思ってしまったのだ。
だが、ジルバ=フリューゲルは次の瞬間、両目を剥くことになる。なんと、黒い陽炎がゆらゆらと眼の前に現れ、右の拳を自分の左頬にぶちこんできたからだ。さらには紅い陽炎も現れて、その紅い陽炎は下からすくい上げるように前蹴りをジルバ=フリューゲルの子宝袋に喰らわす。
「て、てめえらっ! 俺様を誰だと思ってやがるっ!」
「文句を言うだけの意識はまだあるのね。あんたはレオの親友でしょ? 親友ってのは、同時にライバル関係にあるって聞くもの。レオが生きようと必死にもがくなら、あんたも生きて生きぬきさいよ」
「言いたいことをずけずけと言いやがって! だから、てめえは最高に嫌な女だっ!!」
光り輝く陽炎は芋虫のように地面をはいつくばりながらも、紅い陽炎に向かって捨て台詞を吐く。紅い陽炎は光り輝く陽炎に嫌な女だと言われたのに、何故か胸を張っている。ジルバ=フリューゲルはチッ……と舌打ちしつつ、痛む子宝袋をさすりながら、立ち上がろうとする。
「リリベル様は本当にいやらしい性格をしているのです~~~。ほら、立ってください~~~。レオン様はあなたのことを悪く言ってはいても、本当の意味では恨んではいないのです~~~」
今度は海色の陽炎が現れる。海色の陽炎は片膝をつき、そっと右手をジルバ=フリューゲルに差し出す。ジルバ=フリューゲルは苦々しい表情になり、差し出された右手を左手で払ってやろうとさえ思ってしまう。だが、海色の陽炎はなかなか自分の右手を掴んでくれないために、その右手をジルバ=フリューゲルの左頬にそっと添える。
「親友とは殴り合ってこそ、仲を深めるというのです~~~。先ほどの一撃はレオン様の愛がつまっているのです~~~」
「へっ。てめえはリリベルとは違って、良い女だな。俺にも慈悲を与えてくるってか」
「はい。なんたって、あたしは海皇の73番目の娘ですから~~~。母なる海に相応しい女なのです~~~」
ジルバ=フリューゲルは、ハハッ! と笑ってみせる。その後、差し出された右手に自分の左手を添え、ボロボロと大粒の涙を流す。
「レオナルト……。俺様はお前が羨ましくてしょうがねえ……。俺様が持っていないものをお前は持っていやがる」
「それを言ったら、俺もお前が持っているものが欲しくてしょうがなかったぜ? なんで、こいつはこんなに出来る男なのかと、俺はいつも心に焦りを持っていた。だからこそ、俺はあの時点でアイリスを孕ませちまおうとしちまったんだろうな……」
黒い陽炎もまた、ジルバ=フリューゲルに右手を差し伸べていた。ジルバ=フリューゲルは後悔の念に心を支配され、未だに大粒の涙を流し続けていた。憎くて憎くてしょうがない相手に慈悲を与えられることで、自分の矮小さを思い知らされてのことだ。
「俺様を救ったところで、レオナルト、てめえを二度と襲わない保証は無いぞ?」
「ああ、俺はそれでもかまわねえ。親友ってのは殴り合ってこそだろ。俺はどこまでいってもバカだからなっ!」
「チッ……。アイリスはこんなバカのどこに惚れたんだろうな。俺様とくっついたほうが、よっぽど幸せになれるってのに」
ジルバ=フリューゲルは黒い陽炎と海色の陽炎に左手を支えられ、その場から引っ張られるようにして立ち上がる。しかし、ジルバ=フリューゲルは救い上げられたというのに、まともに黒い陽炎と海色の陽炎のほうを見ることが出来ずに、うつむきかげんであった。そんなジルバ=フリューゲルの姿勢を無理やりにまっすぐにしたのが紅い陽炎である。
「てめえっ! 俺様がしんみりしているところに、尻にタイキックたあ、どういう見解だ!?」
「そういううじうじしているところが、あんたのダメなところなのっ! レオナルト=ヴィッダーはバカだけど、凹んでもすぐに真っ直ぐに前を向いているの。レオとあんたの決定的に違うところはそこよ」
「カハッ! 確かに言われてみりゃ、レオナルトはつける薬が無いレベルのバカだったなぁ。レオナルトは旅の最中、ずっとバカを貫いてきたのか?」
「ええ、バカもバカ。真正のバカ。神聖すぎて、立ち入り禁止区域のバカよ。あんたもたまには頭をからっぽにしてバカになってみなさいよ。そしたら、憎むことだけにかまけていられなくなるわ」
紅い陽炎はあくまでもジルバ=フリューゲルに向かって、無い胸を張ってみせる。それは虚勢ではなく、真に心から思っていることを素直に言っているだけに過ぎないことを、ジルバ=フリューゲルは感じ取る。しかし、バカバカとバカにされつづけている黒い陽炎は後頭部辺りを右手でボリボリと掻き
「あのなあ……。俺はたいした教養も無い本当の意味でバカかもしれんが、真実はヒトを傷つけるんだぞ?」
「良いじゃないの。バカで。レオは誉れ高きバカなんだから、自分を卑下することは無いの。賢い雰囲気を出してるやつのほうがよっぽど愚かなことが多いんだから。レオはバカであることを自慢していいレベルなの。わかる?」
「わかるかっ! ジルバ、リリベルのことをどう思う? 俺はひどい女だと思うんだ」
「そこで俺様に話を振るんじゃねえよっ、レオナルト! 確かに、ひどい女だが、最高なのは変わりねえ……。レオナルト。こいつを手放すんじゃねえぞ。俺様がさらっちまいたくなるからな?」
4つのゆらめく陽炎が談笑しつつ、その仲を急速に深めていく。しかしながら、その会話は二度と出来ないという雰囲気も同時に醸し出していた。この世から去っていく男に対してのせめての贈る言葉であったのかもしれない……。
黒い太陽の中心部から終末の獣の鼓動と吼え声が周囲にこだまする。雷の太陽が巻き起こす爆音と衝撃波の全てを跳ね返し、自分はまだ生きていると主張してやまなかった。
「ふんっ。今更、吼えたところで、お前を含め、俺様が死ぬ運命は変えられない……。レオナルト=ヴィッダー。俺様と共に冥府に堕ちるぞ」
ジルバ=フリューゲルは邇邇芸《ニニギ》に心と身体をほぼほぼ完全に明け渡したことで、存在自体が希薄になっていた。彼の身体を包み込んでいた黄金色の全身鎧は雷へと変換を終えていた。そして、ジルバ=フリューゲルの身体自体も陽炎のように揺らめいていた。ジルバ=フリューゲルはヒトを超越した代わりに、ヒトとしての身体を失い始めていた。ただ、陽炎がまだジルバ=フリューゲルの形を取っていただけであり、あと数分もしないうちにジルバ=フリューゲルそのものがこの世から消え去ってしまおうとしていた。
「諦めんじゃねぇよっ! てめえは勝ち逃げする気かっ! 生きることこそ戦いだ! てめえはヒトとしての本分を忘れてやがるっ!!」
ジルバ=フリューゲルはどこからともなく聞こえてくるレオナルト=ヴィッダーの声に、フッ……とあきらめに似たため息をつく。自分がレオナルト=ヴィッダーに言われたいことが幻聴として聞こえたに過ぎないと思ってしまったのだ。
だが、ジルバ=フリューゲルは次の瞬間、両目を剥くことになる。なんと、黒い陽炎がゆらゆらと眼の前に現れ、右の拳を自分の左頬にぶちこんできたからだ。さらには紅い陽炎も現れて、その紅い陽炎は下からすくい上げるように前蹴りをジルバ=フリューゲルの子宝袋に喰らわす。
「て、てめえらっ! 俺様を誰だと思ってやがるっ!」
「文句を言うだけの意識はまだあるのね。あんたはレオの親友でしょ? 親友ってのは、同時にライバル関係にあるって聞くもの。レオが生きようと必死にもがくなら、あんたも生きて生きぬきさいよ」
「言いたいことをずけずけと言いやがって! だから、てめえは最高に嫌な女だっ!!」
光り輝く陽炎は芋虫のように地面をはいつくばりながらも、紅い陽炎に向かって捨て台詞を吐く。紅い陽炎は光り輝く陽炎に嫌な女だと言われたのに、何故か胸を張っている。ジルバ=フリューゲルはチッ……と舌打ちしつつ、痛む子宝袋をさすりながら、立ち上がろうとする。
「リリベル様は本当にいやらしい性格をしているのです~~~。ほら、立ってください~~~。レオン様はあなたのことを悪く言ってはいても、本当の意味では恨んではいないのです~~~」
今度は海色の陽炎が現れる。海色の陽炎は片膝をつき、そっと右手をジルバ=フリューゲルに差し出す。ジルバ=フリューゲルは苦々しい表情になり、差し出された右手を左手で払ってやろうとさえ思ってしまう。だが、海色の陽炎はなかなか自分の右手を掴んでくれないために、その右手をジルバ=フリューゲルの左頬にそっと添える。
「親友とは殴り合ってこそ、仲を深めるというのです~~~。先ほどの一撃はレオン様の愛がつまっているのです~~~」
「へっ。てめえはリリベルとは違って、良い女だな。俺にも慈悲を与えてくるってか」
「はい。なんたって、あたしは海皇の73番目の娘ですから~~~。母なる海に相応しい女なのです~~~」
ジルバ=フリューゲルは、ハハッ! と笑ってみせる。その後、差し出された右手に自分の左手を添え、ボロボロと大粒の涙を流す。
「レオナルト……。俺様はお前が羨ましくてしょうがねえ……。俺様が持っていないものをお前は持っていやがる」
「それを言ったら、俺もお前が持っているものが欲しくてしょうがなかったぜ? なんで、こいつはこんなに出来る男なのかと、俺はいつも心に焦りを持っていた。だからこそ、俺はあの時点でアイリスを孕ませちまおうとしちまったんだろうな……」
黒い陽炎もまた、ジルバ=フリューゲルに右手を差し伸べていた。ジルバ=フリューゲルは後悔の念に心を支配され、未だに大粒の涙を流し続けていた。憎くて憎くてしょうがない相手に慈悲を与えられることで、自分の矮小さを思い知らされてのことだ。
「俺様を救ったところで、レオナルト、てめえを二度と襲わない保証は無いぞ?」
「ああ、俺はそれでもかまわねえ。親友ってのは殴り合ってこそだろ。俺はどこまでいってもバカだからなっ!」
「チッ……。アイリスはこんなバカのどこに惚れたんだろうな。俺様とくっついたほうが、よっぽど幸せになれるってのに」
ジルバ=フリューゲルは黒い陽炎と海色の陽炎に左手を支えられ、その場から引っ張られるようにして立ち上がる。しかし、ジルバ=フリューゲルは救い上げられたというのに、まともに黒い陽炎と海色の陽炎のほうを見ることが出来ずに、うつむきかげんであった。そんなジルバ=フリューゲルの姿勢を無理やりにまっすぐにしたのが紅い陽炎である。
「てめえっ! 俺様がしんみりしているところに、尻にタイキックたあ、どういう見解だ!?」
「そういううじうじしているところが、あんたのダメなところなのっ! レオナルト=ヴィッダーはバカだけど、凹んでもすぐに真っ直ぐに前を向いているの。レオとあんたの決定的に違うところはそこよ」
「カハッ! 確かに言われてみりゃ、レオナルトはつける薬が無いレベルのバカだったなぁ。レオナルトは旅の最中、ずっとバカを貫いてきたのか?」
「ええ、バカもバカ。真正のバカ。神聖すぎて、立ち入り禁止区域のバカよ。あんたもたまには頭をからっぽにしてバカになってみなさいよ。そしたら、憎むことだけにかまけていられなくなるわ」
紅い陽炎はあくまでもジルバ=フリューゲルに向かって、無い胸を張ってみせる。それは虚勢ではなく、真に心から思っていることを素直に言っているだけに過ぎないことを、ジルバ=フリューゲルは感じ取る。しかし、バカバカとバカにされつづけている黒い陽炎は後頭部辺りを右手でボリボリと掻き
「あのなあ……。俺はたいした教養も無い本当の意味でバカかもしれんが、真実はヒトを傷つけるんだぞ?」
「良いじゃないの。バカで。レオは誉れ高きバカなんだから、自分を卑下することは無いの。賢い雰囲気を出してるやつのほうがよっぽど愚かなことが多いんだから。レオはバカであることを自慢していいレベルなの。わかる?」
「わかるかっ! ジルバ、リリベルのことをどう思う? 俺はひどい女だと思うんだ」
「そこで俺様に話を振るんじゃねえよっ、レオナルト! 確かに、ひどい女だが、最高なのは変わりねえ……。レオナルト。こいつを手放すんじゃねえぞ。俺様がさらっちまいたくなるからな?」
4つのゆらめく陽炎が談笑しつつ、その仲を急速に深めていく。しかしながら、その会話は二度と出来ないという雰囲気も同時に醸し出していた。この世から去っていく男に対してのせめての贈る言葉であったのかもしれない……。
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