【R18】俺は悪くねえ! ~愛しのお姫様が女騎士に変化しているのを知らずに後ろの穴を穿ってしまいました~

ももちく

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第23章:魔皇

第2話:愉悦に浸る魔皇

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「そもそも、マロとて、天界には腹立たしい気持ちを抱いておる。いくら竜皇の庇護下にあるとは言え、天界はバルト帝国の皇帝にばかり預言を託される。マロは常々、その状況をよろしくは思ってはいないのだ。そこでだ、レオナルト=ヴィッダーよ。マロの代わりに天界への使者となってはくれまいか?」

 教皇の言葉にやっぱりそうかと思ってしまうソフィア=グレイプであった。明けの明星と呼ばれる天使が何者かは判明してはいないが、天界の大御所であることは何となく察しているソフィア=グレイプであった。そして、それに牙を剥いたレオナルト=ヴィッダーを良いように扱おうとする教皇にため息が漏れそうになってしまう。

「マロはレオナルト=ヴィッダーに死んで詫びろとは言っていないのだ。聖地と教皇であるマロに泥を塗った分、キミに償ってほしいと言いたいのだよ」

「へっ……。俺を天界に送り込んだところで、俺のやることは決まってるぜ? それが教皇様の役に立つとは到底思えないけどな!?」

「事後処理では、血気に逸んだ若者がひとり、大暴れしたと歴史書に綴らせてもらおう。どうだ? マロの提案は素晴らしいだろう?」

「ありがたくて涙が出てくるぜ……。でも、俺がやりたいのはそれじゃない。俺はアイリスを孕ませることが第一なんだよっ!」

 レオナルト=ヴィッダーのその言葉にリリベル=ユーリィは思わず、潤ッと尻穴が濡れてしまうこととなる。そんなリリベル=ユーリィの様子も知らずにレオナルト=ヴィッダーは言葉を続ける。

「アイリスを孕ませたら、次はリリベルだっ! そして、続けざまにクルス、エクレア、マリアだっ! 俺には嫁がたくさんいるから大変だぜっ!」

「レオ……。わたしを第二夫人においてくれるのね……」

「それは異議有りなのですゥ! レオン様の一存で勝手にリリベル様を第二夫人に据えないでくださいィィィ!」

「あたしも納得できなのです~~~! レオン様はひどいのです~~~!」

「うぅ……。あちきは第二夫人は無理そうだって、自分自身でもうっすら気づいていたのですけど、こうもはっきりと言葉にされると悲しくなっちゃうのですニャン」

「ほら、マリアさんだって悲しんでいるのですゥ! 今からでも遅くないから、どうか再考してほしいのですゥ!」

 今のいままで黙ってレオナルト=ヴィッダーと教皇のやりとりを見守っていた4人娘たちがついに参戦することになる。アイリス=クレープスが正妻の座なのは決まっていることだとしても、誰しもが第二夫人の座を諦めているわけではない。リリベル=ユーリィは満足かもしれないが、クルス=サンティーモ、エクレア=シュー、マリア=アコナイトにとっては、聞き捨てならない台詞であった。

「クッ! 俺だって悩みに悩んでんだっ! お前らは誰しもが可愛くて、美して、いやらしい……。しかしだ。リリベルのケツ穴を想像するだけで、俺のおちんこさんはビッキビキになっちまうんだよっ!」

「レオ……。後でゆっくり、わたしのケツ穴を見てね? 決して、新入りのソフィアのケツ穴を注視しないでね?」

 リリベル=ユーリィのこの一言で固まるのがレオナルト=ヴィッダーらしいといえばらしい。レオナルト=ヴィッダーはギギギと錆びたドアのように首の角度を変えていく。自分の固まった表情をリリベル=ユーリィに見せないためだ。

「教皇様。ちょっと、わたしの拘束を解いてもらえるように近衛兵に命令してくださいませんか? 夫に対して、制裁を加えたいのです」

「ほっほっほ。後で煮るやり焼くなり好きなようにせい。こちらとレオナルト=ヴィッダーとの話し合いが終わった後でじゃ。嫁が多いと大変だのう?」

「くっ! 俺は断じて悪くねえっ! ソフィアの締まりの良い尻肉を見た後じゃ、俺だって自分をどうにか出来る自信なんか持ってないだけなんだっ!!」

「な、な、何を言っている!? あれはリリベル殿たちに無理やりあのような恰好をさせられただけです! 決して、自分からお、お、お尻の穴を貴方に見せつけたわけではありませんっ!」

 混沌としてきた謁見の間で、ひと際大きく魔皇がガッハッハ! と高笑いしてみせる。そして、腰に手を当てた格好で魔皇は踏ん反りかえりながら口から言葉を紡ぐ。

われはこの場がにぎわってきたことにおおいに満足しておる。さあ、もっと騒ぎ立てろ、レオナルト=ヴィッダー。われはそれを肴に、供された男の娘を愛でようではないかっ!」

 魔皇が高笑いをしている中、レオナルト=ヴィッダーたちは一斉に魔皇から視線を逸らす。魔皇はそんなことをしだしたレオナルト=ヴィッダーたちに向かって、ん? と疑問符を口から漏らす。

「あれ? 波旬はじゅんっちには、誰も言ってないんッスか? 今年のニエが男の娘じゃなくて、男装趣味のソフィア=グレイプってことを」

「おい、シロちゃん。種明かしはもう少し引き伸ばしてほしかったでッチュウ。波旬はじゅんのアホがもっとご満悦な時にかますネタでッチュウ」

「おっとぉ! 俺っちとしたことがやらかしたッスワン! コッシローっち、それならそうと、俺っちと打ち合わせしておいてほしかったッス!」

 蝙蝠羽付きの白いネズミこと、コッシロー=ネヅがシロちゃんこと白銀の獣皇にツッコミを入れたが、そもそもとして、シロちゃんがやらかし発言をいつしてくれるのかを心待ちにしていたのだ。それゆえにシロちゃんが言うように事前の打ち合わせなど、最初からする気もなかったのだ。

 そして、コッシロー=ネヅはニヤニヤとした笑顔で、固まってしまっている魔皇を見ることになる。コッシロー=ネヅの心は愉悦で満たされることとなる。さらに魔皇は動いたと思えば、両手で自分の頭を抱え込みながら、一歩、二歩と後ろへと後退していく。そして、わなわなと身体を震わせつつ

われがたぶらかされた……だと!? われはこの日のために、性的指向を男の娘へと全振りしてきたのだぞ!? われは男の娘でもおちんこさんを八岐大蛇やまたのおろちへと変貌されるように調整してきたのだぞっ!?」

「ま、魔皇様、落ち着いてくだされっ!」

「うるさいわいっ! 教皇よっ! 何が天界だっ! まずはバージニア王国に制裁することぞっ!」

「お待ちくだされ、魔皇様っ! バージニア王国には我が弟が大法官を務めておりますのじゃっ! これは何かの行き違いのはずですぞ!」

 教皇が慌てふためきながら、魔皇を諫める形となる。とんでもない事態に発展する鍵を持っているのが、ソフィア=グレイプであることなど、露とも知らなかったのは教皇も同じであった。教皇は白鳥騎士団の団長であるトーマス=ロコモーティブが生死不明になったがゆえに、今の代表者である副長のソフィア=グレイプを謁見の間に招き入れただけである。

 とんでもない火薬樽を自ら懐に入れていたことに教皇は愕然となる他無かった。しかし、教皇以上に混乱したのは、彼の後ろ盾となっている魔皇である。そして魔皇は混乱しつつも、怒りの矛先を天界では無く、バージニア王国へと向け始めた……。
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