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第25章:七人の天使
第1話:デーブの愛
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「いやあ、今日は良い風が吹いてやがる。これは良い船旅になりそうだ。皆、久しぶりの出番だからって、はりきりすぎるんじゃねえぞっ!」
ホワイトウルフ号の船長であるルイ=マッケンドーは水夫たちに帆を降ろさせ、碇を上げるように命令を下す。水夫たちは合点承知! と軽快に受け答えをし、自分たちの作業に入っていく。この船に乗っているのはレオナルト=ヴィッダーたちはもちろんのこと、ハージニア王国に一泡吹かせてやろうと企む第六天魔皇・波旬であった。
「久方ぶりに血が騒ぐのである。我の呪力を最大限に発揮してやろう。ああ。バージニア王国に住む男の娘を全員、さらってやるのであるっ!」
魔皇はやる気満々であった。紅と黒を基調とし、紫色の装飾が為された全身鎧に身を包み、船首にて威風堂々と仁王立ちしていた。そんな魔皇の姿を見て、震えあがっているのはマリア=アコナイトであった。
「いくらなんでも無茶なんじゃないのですニャン? 魔皇様ひとりでバージニア王国全体に喧嘩を売る気満々ですニャン……」
「チュッチュッチュ。マリアは心配性なのでッチュウ。こちらには魔皇だけでなく、白銀の獣皇ことシロちゃんも居るのでッチュウ。四皇のうち、ふたりもこっちに居るのに、どうやってバージニア王国に負けるのかと、僕のほうが不思議なくらいなのでッチュウ」
蝙蝠羽付きのコッシロー=ネヅがマリア=アコナイトの不安を吹き飛ばすかのような発言をする。しかしながら、マリア=アコナイトの表情は余計に曇ってしまう。聖地に住む教皇がバージニア王国に対して、仕置きをすると宣言したのは良いが、聖地から出向いた戦力は魔皇ひとりである。その魔皇はホワイトウルフ号に乗り込み、レオナルト=ヴィッダーたちを伴って、船を南下させ始めた。
マリア=アコナイトは自分の実力がどれほどのものかをしっかりと把握している。皆と協力することで、なんとかコボルトや小鬼、そして豚ニンゲンの群れ100匹程度をどうにか出来るほどの実力しか無いと自覚している。
しかしながら、バージニア王国全体を敵に回すと言うことは、少なくとも数万の正規兵を相手にすることである。とでもではないが、魔皇がやろうとしていることは無茶も無茶すぎるのである。それでも、コッシロー=ネヅは大船に乗っている気分になっていれば良いと豪語する。マリア=アコナイトはどう考えても泥船だろうとツッコミを入れたくて仕方が無い。
「マリア。心配するな。お前にはデーブ=オクボーンを常に護衛としてつけるからさ。クルス共々、デーブを盾にしてりゃいいぞ」
「そうは言いますけど、あちきは不安で不安でしょうがないですニャンッ! デーブさんの脂肪の厚さでも、向こうの槍や剣の全てを防ぎきれるとは思いませんニャンッ!」
デーブ=オクボーンにはすでにコッシロー=ネヅが幻惑術を施してあり、デーブ=オクボーンは自分自身が伝説に謳われる絶対不可侵の盾だと思いこんでいる。デーブ=オクボーンはぶつぶつと俺様はクルスとマリアを護るための存在デブ―、デブ―と呪文のように繰り返している。
デーブ=オクボーンはクルス=サンティーモとマリア=アコナイトの後ろをぴったりとくっつき歩き、彼女たちが食事をする時、トイレで用を足す時も、まるでストーカーのように付きまとうようになっていた。デーブ=オクボーンの存在自体は非常にありがたいのだが、それでもマリア=アコナイトは心に忍び寄る不安感を完全には払拭出来なかった。
「クルス師匠は不安じゃないのですかニャン? あちきは心細くて、食事も喉を通らないですニャン」
「ぼくですかァ? ぼくもマリアさん同様に不安を抱いていますゥ。でも、ぼくは自分が傷つき、命を失う心配よりも、レオン様に置いていかれることのほうがよっぽど不安を抱いてしまいますゥ。怖いことは怖いですけど、ぼくはレオン様と離れ離れになることのほうがよっぽど怖いですゥ」
レオナルト=ヴィッダーはクルス=サンティーモとマリア=アコナイトのふたりに、聖地で残っていても良いんだぞ? と言ったことがある。だが、クルス=サンティーモが今、言った通り、レオン様の御側から離れるほうが嫌だと思った。それゆえに死地に飛び込むことになろうが、レオン様と共に行く道を選んだのである。
しかし、そうは言っても、やはり命の危険が迫っているとなれば、心は揺らぐ。マリア=アコナイトはレオン様と離れ離れになりたくないし、命を落として、レオン様と離れ離れになることの両方が嫌であった。
「デーブ。頼むぞ。お前がクルスとマリアの盾となって、命を落としたら、墓前には骨付き肉を毎日のようにお供えさせてもらうからなっ!」
「おぅ~~~。おいらは命に代えても、クルスとマリアを護る絶対不可侵の盾なんだブ~~~」
デーブ=オクボーンは両腕をクルス=サンティーモとマリア=アコナイトに回し、彼女たちを抱きかかえる。そして、クルス=サンティーモとマリア=アコナイトの頬にぶちゅぶちゅっ! とキスの嵐をし始める。クルス=サンティーモたちはくすぐったい感覚を頬に覚え、デーブ=オクボーンに離してくれるようにと頼む。
「ダメだぞ~~~。おいらはおまえらの絶対不可侵の盾なんだブ~~~。おいらにおまえたちを護らせてくれなんだブ~~~」
デーブ=オクボーンはまるで蜂蜜が大好きな心優しいクマのようであった。その身体に詰まっている脂肪でクルス=サンティーモとマリア=アコナイトを包み込む。豚ニンゲンのようなデーブ=オクボーンの体温に包み込まれることによって、クルス=サンティーモたちはようやく、不安から脱することになる。
「デーブさんの温かさが身体だけじゃなくて、心に伝わってくるのですゥ」
「あちきは幸せ者なのですニャン。デーブさんの命を盾にすることを許してくださいニャン」
「おぅ~~~。おいらもおまえたちのために傷つくことをこの上無い名誉だと思っているブ~~~」
デーブ=オクボーンはぶちゅぅぶちゅぅとクルス=サンティーモたちのほっぺたにキスをし、さらには頬ずりしまくっている。デーブ=オクボーンにとって、この小さい命は絶対に護らなければならない対象であった。それと同時にこの世で一番に愛しい命でもあった。デーブ=オクボーンの心には一切の迷いが無い。そして、心の奥底から溢れる愛情を惜しみなく、包み込んでいるふたつの命に注ぎ込む。
そんな3人のじゃれ合う姿を見て、レオナルト=ヴィッダーは感謝しかなかった。魔皇と共にバージニア王国に喧嘩を売ることになったが、自分を慕ってくれる5人娘たちの誰ひとりとて、傷ついてほしいとは思ってはいない。だが、その5人娘たちは誰ひとりとして、レオナルト=ヴィッダーだけを送りだそうとはしなかった。
ホワイトウルフ号の船長であるルイ=マッケンドーは水夫たちに帆を降ろさせ、碇を上げるように命令を下す。水夫たちは合点承知! と軽快に受け答えをし、自分たちの作業に入っていく。この船に乗っているのはレオナルト=ヴィッダーたちはもちろんのこと、ハージニア王国に一泡吹かせてやろうと企む第六天魔皇・波旬であった。
「久方ぶりに血が騒ぐのである。我の呪力を最大限に発揮してやろう。ああ。バージニア王国に住む男の娘を全員、さらってやるのであるっ!」
魔皇はやる気満々であった。紅と黒を基調とし、紫色の装飾が為された全身鎧に身を包み、船首にて威風堂々と仁王立ちしていた。そんな魔皇の姿を見て、震えあがっているのはマリア=アコナイトであった。
「いくらなんでも無茶なんじゃないのですニャン? 魔皇様ひとりでバージニア王国全体に喧嘩を売る気満々ですニャン……」
「チュッチュッチュ。マリアは心配性なのでッチュウ。こちらには魔皇だけでなく、白銀の獣皇ことシロちゃんも居るのでッチュウ。四皇のうち、ふたりもこっちに居るのに、どうやってバージニア王国に負けるのかと、僕のほうが不思議なくらいなのでッチュウ」
蝙蝠羽付きのコッシロー=ネヅがマリア=アコナイトの不安を吹き飛ばすかのような発言をする。しかしながら、マリア=アコナイトの表情は余計に曇ってしまう。聖地に住む教皇がバージニア王国に対して、仕置きをすると宣言したのは良いが、聖地から出向いた戦力は魔皇ひとりである。その魔皇はホワイトウルフ号に乗り込み、レオナルト=ヴィッダーたちを伴って、船を南下させ始めた。
マリア=アコナイトは自分の実力がどれほどのものかをしっかりと把握している。皆と協力することで、なんとかコボルトや小鬼、そして豚ニンゲンの群れ100匹程度をどうにか出来るほどの実力しか無いと自覚している。
しかしながら、バージニア王国全体を敵に回すと言うことは、少なくとも数万の正規兵を相手にすることである。とでもではないが、魔皇がやろうとしていることは無茶も無茶すぎるのである。それでも、コッシロー=ネヅは大船に乗っている気分になっていれば良いと豪語する。マリア=アコナイトはどう考えても泥船だろうとツッコミを入れたくて仕方が無い。
「マリア。心配するな。お前にはデーブ=オクボーンを常に護衛としてつけるからさ。クルス共々、デーブを盾にしてりゃいいぞ」
「そうは言いますけど、あちきは不安で不安でしょうがないですニャンッ! デーブさんの脂肪の厚さでも、向こうの槍や剣の全てを防ぎきれるとは思いませんニャンッ!」
デーブ=オクボーンにはすでにコッシロー=ネヅが幻惑術を施してあり、デーブ=オクボーンは自分自身が伝説に謳われる絶対不可侵の盾だと思いこんでいる。デーブ=オクボーンはぶつぶつと俺様はクルスとマリアを護るための存在デブ―、デブ―と呪文のように繰り返している。
デーブ=オクボーンはクルス=サンティーモとマリア=アコナイトの後ろをぴったりとくっつき歩き、彼女たちが食事をする時、トイレで用を足す時も、まるでストーカーのように付きまとうようになっていた。デーブ=オクボーンの存在自体は非常にありがたいのだが、それでもマリア=アコナイトは心に忍び寄る不安感を完全には払拭出来なかった。
「クルス師匠は不安じゃないのですかニャン? あちきは心細くて、食事も喉を通らないですニャン」
「ぼくですかァ? ぼくもマリアさん同様に不安を抱いていますゥ。でも、ぼくは自分が傷つき、命を失う心配よりも、レオン様に置いていかれることのほうがよっぽど不安を抱いてしまいますゥ。怖いことは怖いですけど、ぼくはレオン様と離れ離れになることのほうがよっぽど怖いですゥ」
レオナルト=ヴィッダーはクルス=サンティーモとマリア=アコナイトのふたりに、聖地で残っていても良いんだぞ? と言ったことがある。だが、クルス=サンティーモが今、言った通り、レオン様の御側から離れるほうが嫌だと思った。それゆえに死地に飛び込むことになろうが、レオン様と共に行く道を選んだのである。
しかし、そうは言っても、やはり命の危険が迫っているとなれば、心は揺らぐ。マリア=アコナイトはレオン様と離れ離れになりたくないし、命を落として、レオン様と離れ離れになることの両方が嫌であった。
「デーブ。頼むぞ。お前がクルスとマリアの盾となって、命を落としたら、墓前には骨付き肉を毎日のようにお供えさせてもらうからなっ!」
「おぅ~~~。おいらは命に代えても、クルスとマリアを護る絶対不可侵の盾なんだブ~~~」
デーブ=オクボーンは両腕をクルス=サンティーモとマリア=アコナイトに回し、彼女たちを抱きかかえる。そして、クルス=サンティーモとマリア=アコナイトの頬にぶちゅぶちゅっ! とキスの嵐をし始める。クルス=サンティーモたちはくすぐったい感覚を頬に覚え、デーブ=オクボーンに離してくれるようにと頼む。
「ダメだぞ~~~。おいらはおまえらの絶対不可侵の盾なんだブ~~~。おいらにおまえたちを護らせてくれなんだブ~~~」
デーブ=オクボーンはまるで蜂蜜が大好きな心優しいクマのようであった。その身体に詰まっている脂肪でクルス=サンティーモとマリア=アコナイトを包み込む。豚ニンゲンのようなデーブ=オクボーンの体温に包み込まれることによって、クルス=サンティーモたちはようやく、不安から脱することになる。
「デーブさんの温かさが身体だけじゃなくて、心に伝わってくるのですゥ」
「あちきは幸せ者なのですニャン。デーブさんの命を盾にすることを許してくださいニャン」
「おぅ~~~。おいらもおまえたちのために傷つくことをこの上無い名誉だと思っているブ~~~」
デーブ=オクボーンはぶちゅぅぶちゅぅとクルス=サンティーモたちのほっぺたにキスをし、さらには頬ずりしまくっている。デーブ=オクボーンにとって、この小さい命は絶対に護らなければならない対象であった。それと同時にこの世で一番に愛しい命でもあった。デーブ=オクボーンの心には一切の迷いが無い。そして、心の奥底から溢れる愛情を惜しみなく、包み込んでいるふたつの命に注ぎ込む。
そんな3人のじゃれ合う姿を見て、レオナルト=ヴィッダーは感謝しかなかった。魔皇と共にバージニア王国に喧嘩を売ることになったが、自分を慕ってくれる5人娘たちの誰ひとりとて、傷ついてほしいとは思ってはいない。だが、その5人娘たちは誰ひとりとして、レオナルト=ヴィッダーだけを送りだそうとはしなかった。
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