33 / 81
第3章:コッシローとの邂逅
10:望郷
しおりを挟む
2人と1匹は遅めの昼食にありついていた。ロージーとクロードは稗と粟が半々のご飯、目玉焼きとカリカリベーコン。そして、豆腐とわかめの味噌汁をいただく。
コッシローは相変わらず、米粉入りのパンをガリガリとかじっている。クロードがパンで喉を詰まらせて窒息されても困るので、小鉢に味噌汁のスープだけを入れて、コッシローの近くに置く。コッシローは行儀悪くピチャピチャと音を立てて、味噌汁を飲んで、ご満悦といった表情だ。
「ちゅっちゅっちゅ。こんなご馳走をもらえるなんて、ありがたい限りなのでッチュウ。ハジュンの小僧は黒い湖の大魔導士であるボクに優しくしてくれないのでッチュウ! あいつ、ボクを使いぱしり程度にしか考えて無いのでッチュウ!」
お腹がふくれたコッシローがテーブルの上でゴロリと寝ころび、腹を両手でさすりながら、四大貴族のひとり、ハジュン=ド・レイへ文句を言っているのであった。
ロージーたちは、ハジュンさまとこのネズミが既知の仲であろうことは予測できたのだが、ハジュンさまが、このネズミを餌付けしていないことから、主従の仲では無いことが伺い知れたのであった。
「コッシローは普段、どこで寝泊まりしてるんだ? ハジュンさまのところに厄介になっているんじゃないのか?」
クロードの疑問も当然であった。わざわざ浮島から転移門を使い、下界に降り立ち、1週間近くもかけて、自分たちの住む一軒家へとコッシローはやってきたのである。そんな苦労をするのであるから、ハジュンさまは何かしら、このコッシローに食事なり、寝床を用意しているかにも思っていたのだが、そんな雰囲気を眼の前のネズミからは感じられないのである。
「ちゅっちゅっちゅ。ハジュンの小僧とは利害が一致したゆえに、今回は手を組んでいるだけでッチュウからね。ボクはハジュンの小僧に飼われているわけではないでッチュウ。だから、普段はハジュンの屋敷の敷地内で勝手に寝床を作って、勝手に食事にありついているといったところでッチュウ」
「誇り高いのか、卑屈なのか、判断がつきにくいわね……。いっそのこと、ハジュンさまに飼われちゃったほうが、良い生活を送れそうな気がするんだけど?」
ロージーがそう言うと、コッシローは右手を左右に振って、ちゅっちゅっちゅと鳴き、ロージーに否定の意思を示す。
「わかってないでッチュウね? 今はこんなネズミの姿でッチュウけど、ボクはこのポメラニア帝国周辺では3本指に入るほどの大魔導士なのでッチュウ。そんな誇り高きボクが誰かの下につくわけにはいかないのでッチュウ!」
(ネズミの割りには存外、誇り高いわね……。でも、そもそもとして黒い湖の大魔導士なんて、聞いたこともないんだけど……。ポメラニア帝国周辺と言っているから、余所の国出身なのかしら?)
ポメラニア帝国はエイコー大陸の西に位置する帝国であった。ロージーが今、住んでいる火の国:イズモ。前に住んでいたのが水の国:アクエリーズ。そしてクロードの出身地である1年中寒い風の国:オソロシア。さらにロージーの母親の生地である乾燥地帯の土の国:モンドラ。この四か国と4つの浮島。さらに岩石で出来た巨人が抱え上げている半球状の岩盤。この岩盤の上には帝が住まう宮殿がある。
それら全てを合わせて、ポメラニア帝国となっている。しかし、このポメラニア帝国内で【黒い湖の大魔導士】という名はロージーが今まで読んだどの書物にも書かれていなかったし、人々の噂話でも聞いたことが無かったのであった。
「ねえ、コッシロー? あなたはどこの国の出身なの? ポメラニア帝国内では無い気がするし……。悪いんだけど、わたしは黒い湖の大魔導士なんて聞いたことがないんだけど?」
「ああ、ロージー。俺もそれはずっと気になってたんだ。そもそも、黒い湖ってどこにあるんだ?」
ロージーがコッシローに疑問を呈すると、クロードも続けざまにコッシローに質問を上乗せするのであた。疑問を投げかけられた側のコッシローは、ふと、2人から視線を外す。そのコッシローのからし色の双眸は、どこか望郷を漂わせる色合いへと変化していたのであった。
コッシローは右手で右目を一度、こすったあと
「ポメラニア帝国成立前に【戦国の世】と呼ばれた時代があったことは知っているでッチュウ?」
「ええ……。それはさすがに知っているわよ。今から遡ること約250年前まで行われていた、ポメラニア帝国が属するエイコー大陸中で行われた【戦国時代】のことよね?」
「そうでッチュウ……。その【戦国の世】は100年続き、ポメラニア帝国の初代の帝であるアキータ帝がこの地方を統一したのでっちゅう。しかしでッチュウ。あのアキータ帝はこともあろうに、ボクの住処であった黒い湖の上に岩石で出来た巨人を配置し、さらにはその上に宮殿を建てやがったでッチュウ!」
「えっ? じゃあ、あの岩の巨人の足が太ももの中ほどまで地面に埋まっているのは……」
宮殿が建っている半球状の岩盤を支える岩石で出来た巨人。その巨人はひざまずいた格好で、首の付け根を支点に半球状の岩盤を抱え上げている姿であった。しかしながら、何故か、足首から膝、そして太ももの中ほどまで地中に埋まっている様相となっていたのである。
その理由は、地中に出来た大穴から悪魔と呼ばれるモノたちが湧き出ていたために巨人が穴を塞ぐためにああなっているのだとポメラニア帝国では伝承されている。しかし、真実は別にあったのである。
「黒い湖からはこんこんと水が湧き出ているのでッチュウ。浮島やあの半球状の岩盤の上で、何故、水が湧き出る噴水や井戸があると思うのでッチュウ? あれは、岩の巨人が黒い湖から水を吸い上げているからでッチュウ!」
「そ、そんな……。じゃあ、ポメラニア帝国の初代:アキータ帝はわざわざ浮島や自分が住む宮殿をあんなところに建てるために、コッシローの住処を潰して、さらには黒い湖の存在自体を隠したってことなの?」
「それらはアキータ帝が自分の権威を誇示するために造られただけでッチュウ……。最も重要なのはポメラニア帝国を流れる河川のほぼ全ては、黒い湖が源泉だと言うことなのでッチュウ! アキータ帝の本当の狙いはポメラニア帝国領土内に流れる水の全てを自分の手中に収めることにより、ポメラニア帝国領土内の争いを鎮めることだったのでッチュウ! あいつは希代の英雄であると同時に帝国領土内全ての命を握った簒奪者なのでッチュウ!」
コッシローは相変わらず、米粉入りのパンをガリガリとかじっている。クロードがパンで喉を詰まらせて窒息されても困るので、小鉢に味噌汁のスープだけを入れて、コッシローの近くに置く。コッシローは行儀悪くピチャピチャと音を立てて、味噌汁を飲んで、ご満悦といった表情だ。
「ちゅっちゅっちゅ。こんなご馳走をもらえるなんて、ありがたい限りなのでッチュウ。ハジュンの小僧は黒い湖の大魔導士であるボクに優しくしてくれないのでッチュウ! あいつ、ボクを使いぱしり程度にしか考えて無いのでッチュウ!」
お腹がふくれたコッシローがテーブルの上でゴロリと寝ころび、腹を両手でさすりながら、四大貴族のひとり、ハジュン=ド・レイへ文句を言っているのであった。
ロージーたちは、ハジュンさまとこのネズミが既知の仲であろうことは予測できたのだが、ハジュンさまが、このネズミを餌付けしていないことから、主従の仲では無いことが伺い知れたのであった。
「コッシローは普段、どこで寝泊まりしてるんだ? ハジュンさまのところに厄介になっているんじゃないのか?」
クロードの疑問も当然であった。わざわざ浮島から転移門を使い、下界に降り立ち、1週間近くもかけて、自分たちの住む一軒家へとコッシローはやってきたのである。そんな苦労をするのであるから、ハジュンさまは何かしら、このコッシローに食事なり、寝床を用意しているかにも思っていたのだが、そんな雰囲気を眼の前のネズミからは感じられないのである。
「ちゅっちゅっちゅ。ハジュンの小僧とは利害が一致したゆえに、今回は手を組んでいるだけでッチュウからね。ボクはハジュンの小僧に飼われているわけではないでッチュウ。だから、普段はハジュンの屋敷の敷地内で勝手に寝床を作って、勝手に食事にありついているといったところでッチュウ」
「誇り高いのか、卑屈なのか、判断がつきにくいわね……。いっそのこと、ハジュンさまに飼われちゃったほうが、良い生活を送れそうな気がするんだけど?」
ロージーがそう言うと、コッシローは右手を左右に振って、ちゅっちゅっちゅと鳴き、ロージーに否定の意思を示す。
「わかってないでッチュウね? 今はこんなネズミの姿でッチュウけど、ボクはこのポメラニア帝国周辺では3本指に入るほどの大魔導士なのでッチュウ。そんな誇り高きボクが誰かの下につくわけにはいかないのでッチュウ!」
(ネズミの割りには存外、誇り高いわね……。でも、そもそもとして黒い湖の大魔導士なんて、聞いたこともないんだけど……。ポメラニア帝国周辺と言っているから、余所の国出身なのかしら?)
ポメラニア帝国はエイコー大陸の西に位置する帝国であった。ロージーが今、住んでいる火の国:イズモ。前に住んでいたのが水の国:アクエリーズ。そしてクロードの出身地である1年中寒い風の国:オソロシア。さらにロージーの母親の生地である乾燥地帯の土の国:モンドラ。この四か国と4つの浮島。さらに岩石で出来た巨人が抱え上げている半球状の岩盤。この岩盤の上には帝が住まう宮殿がある。
それら全てを合わせて、ポメラニア帝国となっている。しかし、このポメラニア帝国内で【黒い湖の大魔導士】という名はロージーが今まで読んだどの書物にも書かれていなかったし、人々の噂話でも聞いたことが無かったのであった。
「ねえ、コッシロー? あなたはどこの国の出身なの? ポメラニア帝国内では無い気がするし……。悪いんだけど、わたしは黒い湖の大魔導士なんて聞いたことがないんだけど?」
「ああ、ロージー。俺もそれはずっと気になってたんだ。そもそも、黒い湖ってどこにあるんだ?」
ロージーがコッシローに疑問を呈すると、クロードも続けざまにコッシローに質問を上乗せするのであた。疑問を投げかけられた側のコッシローは、ふと、2人から視線を外す。そのコッシローのからし色の双眸は、どこか望郷を漂わせる色合いへと変化していたのであった。
コッシローは右手で右目を一度、こすったあと
「ポメラニア帝国成立前に【戦国の世】と呼ばれた時代があったことは知っているでッチュウ?」
「ええ……。それはさすがに知っているわよ。今から遡ること約250年前まで行われていた、ポメラニア帝国が属するエイコー大陸中で行われた【戦国時代】のことよね?」
「そうでッチュウ……。その【戦国の世】は100年続き、ポメラニア帝国の初代の帝であるアキータ帝がこの地方を統一したのでっちゅう。しかしでッチュウ。あのアキータ帝はこともあろうに、ボクの住処であった黒い湖の上に岩石で出来た巨人を配置し、さらにはその上に宮殿を建てやがったでッチュウ!」
「えっ? じゃあ、あの岩の巨人の足が太ももの中ほどまで地面に埋まっているのは……」
宮殿が建っている半球状の岩盤を支える岩石で出来た巨人。その巨人はひざまずいた格好で、首の付け根を支点に半球状の岩盤を抱え上げている姿であった。しかしながら、何故か、足首から膝、そして太ももの中ほどまで地中に埋まっている様相となっていたのである。
その理由は、地中に出来た大穴から悪魔と呼ばれるモノたちが湧き出ていたために巨人が穴を塞ぐためにああなっているのだとポメラニア帝国では伝承されている。しかし、真実は別にあったのである。
「黒い湖からはこんこんと水が湧き出ているのでッチュウ。浮島やあの半球状の岩盤の上で、何故、水が湧き出る噴水や井戸があると思うのでッチュウ? あれは、岩の巨人が黒い湖から水を吸い上げているからでッチュウ!」
「そ、そんな……。じゃあ、ポメラニア帝国の初代:アキータ帝はわざわざ浮島や自分が住む宮殿をあんなところに建てるために、コッシローの住処を潰して、さらには黒い湖の存在自体を隠したってことなの?」
「それらはアキータ帝が自分の権威を誇示するために造られただけでッチュウ……。最も重要なのはポメラニア帝国を流れる河川のほぼ全ては、黒い湖が源泉だと言うことなのでッチュウ! アキータ帝の本当の狙いはポメラニア帝国領土内に流れる水の全てを自分の手中に収めることにより、ポメラニア帝国領土内の争いを鎮めることだったのでッチュウ! あいつは希代の英雄であると同時に帝国領土内全ての命を握った簒奪者なのでッチュウ!」
0
あなたにおすすめの小説
「地味ブス」と捨てられた私、文化祭の大型スクリーンで王子様の裏の顔を全校生に配信します
スカッと文庫
恋愛
「お前みたいな地味女、引き立て役にもならないんだよ」
眼鏡にボサボサ頭の特待生・澪(みお)は、全校生徒が見守る中、恋人だった学園の王子・ハルトから冷酷に捨てられた。
隣には、可憐な微笑みを浮かべる転校生・エマ。
エマの自作自演により「いじめの犯人」という濡れ衣まで着せられ、学園中から蔑まれる澪。
しかし、彼女を嘲笑う者たちはまだ知らない。
彼女が眼鏡の奥に、誰もが平伏す「真実の美貌」と、学園さえも支配できる「最強の背景」を隠していることを――。
「……ねぇ、文化祭、最高のステージにしてあげる」
裏切りへのカウントダウンが今、始まる。
スクリーンの裏側を暴き、傲慢な王子と偽りのヒロインを奈落へ突き落とす、痛快・学園下剋上ファンタジー!
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?
来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。
そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった!
亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。
「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」
「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」
おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。
現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。
お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、
美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
【大賞・完結】地味スキル《お片付け》は最強です!社畜OL、異世界でうっかり国を改革しちゃったら、騎士団長と皇帝陛下に溺愛されてるんですが!?
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞で大賞をいただきました】→【規約変更で書籍化&コミカライズ「確約」は取り消しになりました。】
佐藤美佳子(サトウ・ミカコ)、享年28歳。死因は、過労。連日の徹夜と休日出勤の果てに、ブラック企業のオフィスで静かに息を引き取った彼女が次に目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界だった。
新たな生を受けたのは、田舎のしがない貧乏貴族の娘、ミカ・アシュフィールド、16歳。神様がくれた転生特典は、なんと《完璧なる整理整頓》という、とんでもなく地味なスキルだった。
「せめて回復魔法とかが良かった……」
戦闘にも生産にも役立たないスキルに落胆し、今度こそは静かに、穏やかに生きたいと願うミカ。しかし、そんな彼女のささやかな望みは、王家からの突然の徴収命令によって打ち砕かれる。
「特殊技能持ちは、王宮へ出仕せよ」
家族を守るため、どうせ役立たずと追い返されるだろうと高をくくって王都へ向かったミカに与えられた任務は、あまりにも無謀なものだった。
「この『開かずの倉庫』を、整理せよ」
そこは、数百年分の備品や資材が山と積まれ、あまりの混沌ぶりに探検隊が遭難したとまで噂される、王家最大の禁足地。
絶望的な光景を前に、ミカが覚悟を決めてスキルを発動した瞬間――世界は、彼女の「お片付け」が持つ真の力に震撼することになる。
これは、地味スキルでうっかり国のすべてを最適化してしまった元社畜令嬢が、カタブツな騎士団長や有能すぎる皇帝陛下にその価値を見出され、なぜか過保護に甘やかされてしまう、お仕事改革ファンタジー。
物置部屋に追いやられた伯爵令嬢ですが、公爵様に見初められて人生逆転しました〜妹の引き立て役だったのに、今では社交界の花と呼ばれています〜
丸顔ちゃん。
恋愛
伯爵家の令嬢セレナは、実母の死後、継母と義妹に虐げられて育った。
与えられた部屋は使用人以下の物置、食事は残飯、服はボロ。
専属侍女も与えられず、家の運営や帳簿管理まで押し付けられ、
失敗すれば鞭打ち――それが彼女の日常だった。
そんなある日、世間体のためだけに同行させられた夜会で、
セレナは公爵家の跡取りレオンと出会う。
「あなたの瞳は、こんな場所に閉じ込めていいものではない」
彼はセレナの知性と静かな強さに一瞬で心を奪われ、
彼女の境遇を知ると激怒し、家族の前で堂々と求婚する。
嫁ぎ先の公爵家で、セレナは初めて“人として扱われ”、
広い部屋、美味しい食事、優しい侍女たちに囲まれ、
独学で身につけた知識を活かして家の運営でも大活躍。
栄養と愛情を取り戻したセレナは、
誰もが振り返るほどの美しさを開花させ、
社交界で注目される存在となる。
一方、セレナを失った伯爵家は、
彼女の能力なしでは立ち行かず、
ゆっくりと没落していくのだった――。
虐げられた令嬢が、公爵の愛と自分の才能で幸せを掴む逆転物語。
〖完結〗終着駅のパッセージ
苺 迷音
恋愛
過去、使用人に悪戯をされそうになった事がきっかけとなり、分厚い眼鏡とひっつめた髪を編み帽で覆い、自身の容姿を隠すようになった女性・カレン。
その事情を知りながらも夫ローランは、奇妙で地味な姿の妻を厭い目を逸らし続けた。
婚姻してからわずか三日後の朝。彼は赴任先の北の地へと旅立ちその後、カレンの元へと帰省してきたのは、片手で数えるほどだった。
孤独な結婚生活を送る中。
ある冬の日に、ローランの上官であり北の地を治める領主ハルシオン公爵が、カレン夫妻の邸にやってきた。
始まりは、部下の家族を想う上司としての気遣いだった。
他愛もない会話と、節度を守ったやり取り。ほんの僅かな時間を重ねていく。
そのうちに、お互いに灯り始めた小さな心の想い。
だが二人は、それを決して明かさず語ることはなかった。
それから一年ほどたった冬の夜。
カレンから届いた手紙に、たった一度だけハルシオンは返事を書く。
そこには彼の想いが書かれてあった。
月日は流れ、カレンとローランが婚姻して三年目の冬の日。
カレンはひとつの決意と想いを胸に、北へ向かう汽車に乗った。
※微さまぁか、もしくはざまぁになっていないかもしれないです。
※舞台は近世・産業革命初頭を基にした架空世界だと思っていただけましたら有難いです。
稚拙な作品ではありますがご覧くださいましたら凄く嬉しいです。よろしくお願い致します。
お兄様、冷血貴公子じゃなかったんですか?~7歳から始める第二の聖女人生~
みつまめ つぼみ
ファンタジー
17歳で偽りの聖女として処刑された記憶を持つ7歳の女の子が、今度こそ世界を救うためにエルメーテ公爵家に引き取られて人生をやり直します。
記憶では冷血貴公子と呼ばれていた公爵令息は、義妹である主人公一筋。
そんな義兄に戸惑いながらも甘える日々。
「お兄様? シスコンもほどほどにしてくださいね?」
恋愛ポンコツと冷血貴公子の、コミカルでシリアスな救世物語開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる