【完結】婚約破棄された悪役令嬢は童貞公爵様の恋愛指南役となる

氷 豹人

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淑女マーレイの恋愛指南2※

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 熱い吐息がマーレイの唇から零れ落ちる。
 サーフェスはつい先日まで童貞だったとは思えないくらいに巧みだ。
「な、何故? 」
 マーレイは息も切れ切れに、ようやく疑問を口にした。
「『或る愛の軌跡』には、こんなシーンはなかったわ」
 ソファに座って致すシーンなど、記憶の中にあるページを幾ら繰ろうと出てこない。恋愛指南のために熟読して、暗記には自信がある。
「私だってくらいはするのだよ、マーレイ」
 サーフェスはニタリと頬を歪めるや、スカートの中へと手を差し入れた。
「官能小説家はオスカー夫人一人ではない」
 大きな手のひらが太腿を円くなぞり、びくり、とマーレイの尻が浮く。
「も、もしや」
「ご名答」
 サーフェスは、マーレイの心の声を読み、ニンマリと笑った。
「今、世の女性陣はミス・アリスン・プティングの『愛と熱情の夜想曲』に夢中だよ」
 官能小説は『或る愛の軌跡』一冊しか知らないマーレイには、聞いたこともない作家と著書だ。
「わ、私よりも詳しいなんて」
「謙遜するな。
 いつしかサーフェスの方が先に進んでいたことがショックで、マーレイは拗ねて口を尖らせる。
 そんな彼女の横を向いた顎先を、節張った長い指先が掴んで引き戻された。
「そろそろ君の素顔を見せてはくれないか? 」
 そのまま彼は指の先をマーレイのつけていた仮面に掛けた。
 テーブルの上に、ダイヤモンドと羽毛で飾られた仮面が置かれる。
「あ、あまり見つめるのはおやめになって」
 まともに目が合って、マーレイ場気恥ずかしさでさっとサーフェスの視線から逃れた。
「まるで処女のような初々しさだな」
「か、揶揄わないでくださいませ」
「君がこれほど可愛らしい乙女だとは、世の中の男共は知ることもないのだな」
 今、誰かにドアを開けられでもすれば、言い訳の仕様がない。男性の膝に腰を下ろして、ドレスのボタンが外され、下着が丸見えなんて。しかも、彼の手はスカートの中でモゾモゾしている。
「さあ。ドアの方ばかり気にするのはやめて、こちらに顔を見せたまえ」
「で、ですが」
「安心しろ。閂を掛けてある。鍵は家令が管理しているし、口うるさいが頭の回る男だから何があろうと開けることはしない」
「あっ! ああ! 」
 リネンの下着まで伸びた手が、しっとりと湿った部分に行き当たる。感じやすい部分を探り当てたサーフェスは、躊躇なく薄いドロワーズの生地をビリビリと引き裂いた。敏感な部分が剥き出となる。
「ひ、酷いわ。ズロースを破るなんて」
「悪かったよ。つい」
「わ、私に下着なしで帰れと仰るの? 」
 幾らドレスで隠れているとはいえ、心地悪い気分で帰らなければならない。
 だが、サーフェスは悪びれもせず、むしろ挑発的に切れ長の目を細めた。
「君の優秀なレディーズメイドから、替えの下着とドレスを従僕を通じて預かっているよ。安心したまえ」
「ま、まあ! ケアランから! 」
 素っ頓狂な声をあげてしまった。
「君のレディーズメイドは何でもお見通しだな」
 屋敷を出発するとき、見送りのケアランが御者に大きな鞄を預けていたのはチラリとは見たが。ジゼルとしてサーフェスとの対峙に気を張るばかりで、気にも留めなかった。まさかケアランが、ここまで見透かして周到だったなんて。
「さあ。お喋りは終わりだ」
「ん! 」
 引き裂かれた布地の隙間から指が潜り込んでくる。
 心とは裏腹に体は興奮しきりで、すっかり潤っており、彼の指先を取り込もうと収縮していた。
「い、いけないわ。このような場で」
 マーレイは目を閉じると、頑張って本能を隅へ押しやり、理性を引っ掴む。
「ベッドへ行きましょう」
「いや。ここだ」
 サーフェスは語気を強めた。
「マーレイ。こっちに集中して」
 耳朶にかかる吐息が甘く揺れる。
「あ、ああ。サーフェス様」
 引っ掴んだ理性が、本能に蹴り飛ばされる。
 スカートの中で煌めく滑りが糸を引き、指二本を易々と飲み込む。彼の太さをすっかり覚えこんだ内壁は、これでは物足りないと言わんばかりに痙攣した。
「マーレイ。これからは恋愛指南ではなく、妻として私を指南してくれ」
 彼の指を奥へと奥へと引き込んでいく。
「ああ。サーフェス様」
 サーフェスを知ってしまった体は貪欲に彼を求めた。



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