111 / 112
淑女マーレイの恋愛指南2※
しおりを挟む
熱い吐息がマーレイの唇から零れ落ちる。
サーフェスはつい先日まで童貞だったとは思えないくらいに巧みだ。
「な、何故? 」
マーレイは息も切れ切れに、ようやく疑問を口にした。
「『或る愛の軌跡』には、こんなシーンはなかったわ」
ソファに座って致すシーンなど、記憶の中にあるページを幾ら繰ろうと出てこない。恋愛指南のために熟読して、暗記には自信がある。
「私だって勉強くらいはするのだよ、マーレイ」
サーフェスはニタリと頬を歪めるや、スカートの中へと手を差し入れた。
「官能小説家はオスカー夫人一人ではない」
大きな手のひらが太腿を円くなぞり、びくり、とマーレイの尻が浮く。
「も、もしや」
「ご名答」
サーフェスは、マーレイの心の声を読み、ニンマリと笑った。
「今、世の女性陣はミス・アリスン・プティングの『愛と熱情の夜想曲』に夢中だよ」
官能小説は『或る愛の軌跡』一冊しか知らないマーレイには、聞いたこともない作家と著書だ。
「わ、私よりも詳しいなんて」
「謙遜するな。先生」
いつしかサーフェスの方が先に進んでいたことがショックで、マーレイは拗ねて口を尖らせる。
そんな彼女の横を向いた顎先を、節張った長い指先が掴んで引き戻された。
「そろそろ君の素顔を見せてはくれないか? 」
そのまま彼は指の先をマーレイのつけていた仮面に掛けた。
テーブルの上に、ダイヤモンドと羽毛で飾られた仮面が置かれる。
「あ、あまり見つめるのはおやめになって」
まともに目が合って、マーレイ場気恥ずかしさでさっとサーフェスの視線から逃れた。
「まるで処女のような初々しさだな」
「か、揶揄わないでくださいませ」
「君がこれほど可愛らしい乙女だとは、世の中の男共は知ることもないのだな」
今、誰かにドアを開けられでもすれば、言い訳の仕様がない。男性の膝に腰を下ろして、ドレスのボタンが外され、下着が丸見えなんて。しかも、彼の手はスカートの中でモゾモゾしている。
「さあ。ドアの方ばかり気にするのはやめて、こちらに顔を見せたまえ」
「で、ですが」
「安心しろ。閂を掛けてある。鍵は家令が管理しているし、口うるさいが頭の回る男だから何があろうと開けることはしない」
「あっ! ああ! 」
リネンの下着まで伸びた手が、しっとりと湿った部分に行き当たる。感じやすい部分を探り当てたサーフェスは、躊躇なく薄いドロワーズの生地をビリビリと引き裂いた。敏感な部分が剥き出となる。
「ひ、酷いわ。ズロースを破るなんて」
「悪かったよ。つい」
「わ、私に下着なしで帰れと仰るの? 」
幾らドレスで隠れているとはいえ、心地悪い気分で帰らなければならない。
だが、サーフェスは悪びれもせず、むしろ挑発的に切れ長の目を細めた。
「君の優秀なレディーズメイドから、替えの下着とドレスを従僕を通じて預かっているよ。安心したまえ」
「ま、まあ! ケアランから! 」
素っ頓狂な声をあげてしまった。
「君のレディーズメイドは何でもお見通しだな」
屋敷を出発するとき、見送りのケアランが御者に大きな鞄を預けていたのはチラリとは見たが。ジゼルとしてサーフェスとの対峙に気を張るばかりで、気にも留めなかった。まさかケアランが、ここまで見透かして周到だったなんて。
「さあ。お喋りは終わりだ」
「ん! 」
引き裂かれた布地の隙間から指が潜り込んでくる。
心とは裏腹に体は興奮しきりで、すっかり潤っており、彼の指先を取り込もうと収縮していた。
「い、いけないわ。このような場で」
マーレイは目を閉じると、頑張って本能を隅へ押しやり、理性を引っ掴む。
「ベッドへ行きましょう」
「いや。ここだ」
サーフェスは語気を強めた。
「マーレイ。こっちに集中して」
耳朶にかかる吐息が甘く揺れる。
「あ、ああ。サーフェス様」
引っ掴んだ理性が、本能に蹴り飛ばされる。
スカートの中で煌めく滑りが糸を引き、指二本を易々と飲み込む。彼の太さをすっかり覚えこんだ内壁は、これでは物足りないと言わんばかりに痙攣した。
「マーレイ。これからは恋愛指南ではなく、妻として私を指南してくれ」
彼の指を奥へと奥へと引き込んでいく。
「ああ。サーフェス様」
サーフェスを知ってしまった体は貪欲に彼を求めた。
サーフェスはつい先日まで童貞だったとは思えないくらいに巧みだ。
「な、何故? 」
マーレイは息も切れ切れに、ようやく疑問を口にした。
「『或る愛の軌跡』には、こんなシーンはなかったわ」
ソファに座って致すシーンなど、記憶の中にあるページを幾ら繰ろうと出てこない。恋愛指南のために熟読して、暗記には自信がある。
「私だって勉強くらいはするのだよ、マーレイ」
サーフェスはニタリと頬を歪めるや、スカートの中へと手を差し入れた。
「官能小説家はオスカー夫人一人ではない」
大きな手のひらが太腿を円くなぞり、びくり、とマーレイの尻が浮く。
「も、もしや」
「ご名答」
サーフェスは、マーレイの心の声を読み、ニンマリと笑った。
「今、世の女性陣はミス・アリスン・プティングの『愛と熱情の夜想曲』に夢中だよ」
官能小説は『或る愛の軌跡』一冊しか知らないマーレイには、聞いたこともない作家と著書だ。
「わ、私よりも詳しいなんて」
「謙遜するな。先生」
いつしかサーフェスの方が先に進んでいたことがショックで、マーレイは拗ねて口を尖らせる。
そんな彼女の横を向いた顎先を、節張った長い指先が掴んで引き戻された。
「そろそろ君の素顔を見せてはくれないか? 」
そのまま彼は指の先をマーレイのつけていた仮面に掛けた。
テーブルの上に、ダイヤモンドと羽毛で飾られた仮面が置かれる。
「あ、あまり見つめるのはおやめになって」
まともに目が合って、マーレイ場気恥ずかしさでさっとサーフェスの視線から逃れた。
「まるで処女のような初々しさだな」
「か、揶揄わないでくださいませ」
「君がこれほど可愛らしい乙女だとは、世の中の男共は知ることもないのだな」
今、誰かにドアを開けられでもすれば、言い訳の仕様がない。男性の膝に腰を下ろして、ドレスのボタンが外され、下着が丸見えなんて。しかも、彼の手はスカートの中でモゾモゾしている。
「さあ。ドアの方ばかり気にするのはやめて、こちらに顔を見せたまえ」
「で、ですが」
「安心しろ。閂を掛けてある。鍵は家令が管理しているし、口うるさいが頭の回る男だから何があろうと開けることはしない」
「あっ! ああ! 」
リネンの下着まで伸びた手が、しっとりと湿った部分に行き当たる。感じやすい部分を探り当てたサーフェスは、躊躇なく薄いドロワーズの生地をビリビリと引き裂いた。敏感な部分が剥き出となる。
「ひ、酷いわ。ズロースを破るなんて」
「悪かったよ。つい」
「わ、私に下着なしで帰れと仰るの? 」
幾らドレスで隠れているとはいえ、心地悪い気分で帰らなければならない。
だが、サーフェスは悪びれもせず、むしろ挑発的に切れ長の目を細めた。
「君の優秀なレディーズメイドから、替えの下着とドレスを従僕を通じて預かっているよ。安心したまえ」
「ま、まあ! ケアランから! 」
素っ頓狂な声をあげてしまった。
「君のレディーズメイドは何でもお見通しだな」
屋敷を出発するとき、見送りのケアランが御者に大きな鞄を預けていたのはチラリとは見たが。ジゼルとしてサーフェスとの対峙に気を張るばかりで、気にも留めなかった。まさかケアランが、ここまで見透かして周到だったなんて。
「さあ。お喋りは終わりだ」
「ん! 」
引き裂かれた布地の隙間から指が潜り込んでくる。
心とは裏腹に体は興奮しきりで、すっかり潤っており、彼の指先を取り込もうと収縮していた。
「い、いけないわ。このような場で」
マーレイは目を閉じると、頑張って本能を隅へ押しやり、理性を引っ掴む。
「ベッドへ行きましょう」
「いや。ここだ」
サーフェスは語気を強めた。
「マーレイ。こっちに集中して」
耳朶にかかる吐息が甘く揺れる。
「あ、ああ。サーフェス様」
引っ掴んだ理性が、本能に蹴り飛ばされる。
スカートの中で煌めく滑りが糸を引き、指二本を易々と飲み込む。彼の太さをすっかり覚えこんだ内壁は、これでは物足りないと言わんばかりに痙攣した。
「マーレイ。これからは恋愛指南ではなく、妻として私を指南してくれ」
彼の指を奥へと奥へと引き込んでいく。
「ああ。サーフェス様」
サーフェスを知ってしまった体は貪欲に彼を求めた。
134
あなたにおすすめの小説
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結保証】
星森 永羽
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
【完結160万pt】王太子妃に決定している公爵令嬢の婚約者はまだ決まっておりません。王位継承権放棄を狙う王子はついでに側近を叩き直したい
宇水涼麻
恋愛
ピンク髪ピンク瞳の少女が王城の食堂で叫んだ。
「エーティル様っ! ラオルド様の自由にしてあげてくださいっ!」
呼び止められたエーティルは未来の王太子妃に決定している公爵令嬢である。
王太子と王太子妃となる令嬢の婚約は簡単に解消できるとは思えないが、エーティルはラオルドと婚姻しないことを軽く了承する。
その意味することとは?
慌てて現れたラオルド第一王子との関係は?
なぜこのような状況になったのだろうか?
ご指摘いただき一部変更いたしました。
みなさまのご指摘、誤字脱字修正で読みやすい小説になっていっております。
今後ともよろしくお願いします。
たくさんのお気に入り嬉しいです!
大変励みになります。
ありがとうございます。
おかげさまで160万pt達成!
↓これよりネタバレあらすじ
第一王子の婚約解消を高らかに願い出たピンクさんはムーガの部下であった。
親類から王太子になることを強要され辟易しているが非情になれないラオルドにエーティルとムーガが手を差し伸べて王太子権放棄をするために仕組んだのだ。
ただの作戦だと思っていたムーガであったがいつの間にかラオルドとピンクさんは心を通わせていた。
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
【完結】私を捨てた皆様、どうぞその選択を後悔なさってください 〜婚約破棄された令嬢の、遅すぎる謝罪はお断りです〜
くろねこ
恋愛
王太子の婚約者として尽くしてきた公爵令嬢エリシアは、ある日突然、身に覚えのない罪で断罪され婚約破棄を言い渡される。
味方だと思っていた家族も友人も、誰一人として彼女を庇わなかった。
――けれど、彼らは知らなかった。
彼女こそが国を支えていた“本当の功労者”だったことを。
すべてを失ったはずの令嬢が選んだのは、
復讐ではなく「関わらない」という選択。
だがその選択こそが、彼らにとって最も残酷な“ざまぁ”の始まりだった。
お飾り王妃の死後~王の後悔~
ましゅぺちーの
恋愛
ウィルベルト王国の王レオンと王妃フランチェスカは白い結婚である。
王が愛するのは愛妾であるフレイアただ一人。
ウィルベルト王国では周知の事実だった。
しかしある日王妃フランチェスカが自ら命を絶ってしまう。
最後に王宛てに残された手紙を読み王は後悔に苛まれる。
小説家になろう様にも投稿しています。
王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る
家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。
しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。
仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。
そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。
王妃を蔑ろにし、愛妾を寵愛していた王が冷遇していた王妃と入れ替わるお話。
ましゅぺちーの
恋愛
王妃を蔑ろにして、愛妾を寵愛していた王がある日突然その王妃と入れ替わってしまう。
王と王妃は体が元に戻るまで周囲に気づかれないようにそのまま過ごすことを決める。
しかし王は王妃の体に入ったことで今まで見えてこなかった愛妾の醜い部分が見え始めて・・・!?
全18話。
大人になったオフェーリア。
ぽんぽこ狸
恋愛
婚約者のジラルドのそばには王女であるベアトリーチェがおり、彼女は慈愛に満ちた表情で下腹部を撫でている。
生まれてくる子供の為にも婚約解消をとオフェーリアは言われるが、納得がいかない。
けれどもそれどころではないだろう、こうなってしまった以上は、婚約解消はやむなしだ。
それ以上に重要なことは、ジラルドの実家であるレピード公爵家とオフェーリアの実家はたくさんの共同事業を行っていて、今それがおじゃんになれば、オフェーリアには補えないほどの損失を生むことになる。
その点についてすぐに確認すると、そういう所がジラルドに見離される原因になったのだとベアトリーチェは怒鳴りだしてオフェーリアに掴みかかってきた。
その尋常では無い様子に泣き寝入りすることになったオフェーリアだったが、父と母が設定したお見合いで彼女の騎士をしていたヴァレントと出会い、とある復讐の方法を思いついたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる