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劣情の雨が降る5※

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 シェルビーはぐったりと枕に顔を埋める。
「うん。もう指を四本飲み込めるようになってるよ。姿見で確かめてみる? 」
「み、見せるな。そんなもの」
「恥ずかしがり屋だな。可愛い」
「う、うるさい! 」
 と言いつつ、チラリと目線を流せば、姿見には信じられないものが映り込んでいた。
 空洞だった場所に、指四本ががっちり収まっている。まるで最初から生えていたかのように。
 その指の隙間からは、粘液の光りが染み出していた。 
 またもや、シェルビーの子宮が微かに跳ねた。
「そろそろだな」
 シェルビーの準備が整ったらしい。ザクシスは独りごちた。
「二時間近くほぐしていたんだな。もう待ちきれない」
 いよいよだ。
 シェルビーの喉が上下した。
 いよいよ、ザクシスの凶器が体内を侵すのだ。
「ザ、ザクシス」
「うん? 」
「怖い」
「大丈夫。壊したりしない。約束する」
「そうじゃなくて。私が変わってしまいそうで」
「シェルビーは何も変わらないよ。シェルビーはシェルビーのまま。今までも、これからも」
「本当に? 」
「ああ。僕を翻弄させる悪魔だよ」
「あ、悪魔だなんて。酷い」
 言い終わらないうちに、侵入口が歪んだ。彼の張り出した先が入り込もうとしている。
「あ、あああああ! 」
 一番嵩のある部分を呑み込めず、皮膚が引き攣れる。このままでは裂けてしまう。そのあまりの痛みに、いやいやとシェルビーは首を横に振り、逃げようと腰を退いた。
 だが、ザクシスは許してくれない。
 シェルビーの腰を掴むや、体を密着させる。
 いとも容易く、引っ掛かっていた部分が入り込んだ。
 貫かれ、膣壁が蠕動する。シェルビーの理性と本能が切り離される。どんどん侵入するそれを拒むどころか逃すまいと収縮した。痛くて痛くて仕方ないのに。
「ふ……うう……ああ……ん」
 こんないやらし喘ぎ、自分じゃない。いやいやと首を振って否定するも、零れ落ちる声は止められない。
「うっ……凄いな。中が畝って、喰らいついてくる」
 あまりの締め付けに、ザクシスが苦悶の息を吐いた。
「ほら、僕の形をちゃんと覚えて」
 うっすらと唇に笑みを浮かべながら、腰を打ちつけてきた。
「半分飲み込めた。もう少しだよ」
 言いながらシェルビーの手を取り、結合部にゆるゆると指を這わさせる。
 こんなに苦しいのに、まだ半分しか入っていない。全てを収めたら、破裂してしまうのではないか。
 恐ろしさが、シェルビーの内部を余計に縮ませる。と、さらに彼が怒張したのは気のせいではない。
 ふと彼の進入が止む。
 シェルビーの内壁はもうこれ以上広がらないくらいにぱんぱんに伸び、しっかり彼の形通りに変形している。
「ああ、子宮口に当たったよ。ほら、わかる? 」
 一際、強く穿たれる。
「あああああ! 」
「ぎゅうぎゅう押したら、子宮が形を変えてしまうな。どう、苦しい? 」
「く、苦しい」
「嘘つき。ここを突けば」
「あああ! 」
 ぐずぐずに蕩けた子宮口が先端に吸い付く。
 シェルビーの頭に閃光が走った。
 ザクシスは腰を引いて自身を膣口まで抜いたかと思えば、間髪入れずにぐりぐりと抉って深く潜る。その度に、破瓜の血と愛液の混じる雫が僅かな隙間から染み出し、さらにシーツに濃い跡をつけた。
 こんな快楽は知らない。
 エミリーは教えてくれなかった。
「ああ、やばいな。イキそう」
 恍惚の表情はまさに雌を組み敷いた雄特有の満足感に溢れて、いつもの頑固で気の弱そうな坊ちゃんの顔ではなかった。
「あああああ! 」
 まともに見てしまったのがいけなかった。
 たちまちシェルビーの頭の中が白く爆ぜる。潮が吹き出し、絶頂に達してしまった。
 焦点が合わず、ぐにゃりと力が抜けていく。弓形に反る背を、ザクシスの逞しい腕が支えた。
 絶頂の痙攣は、ザクシスのギリギリ保っていた理性の壁をぶち破った。
 子宮口を彼の太い亀頭ががんがんと叩きつける。
「痛い! 痛い! 」
 内壁を擦られ、ヒリヒリとした痛みに抗議すれば、何故かそれを合図のようにさらに律動が激しくなる。
 彼の押し付けてくる鈴口で、子宮がひしゃげてしまったようだ。
 大概のことなら我慢のきくシェルビーだが、快楽が大半の痛みなど人生初で、もうどう対処して良いのかわからない。
 シェルビーの涙が肌を濡らす。
 ザクシスはお構いなしで、獣になって嬲るばかり。
「孕ませたい」
 耳元での唸りに、シェルビーは身震いした。
「シェルビー」
「や、やだ。中は」
「わかってる。本当はあなたの中にぶち撒けてしまいたいけど」
「や、やめろ! 」
「まだ時期尚早だからね」
 ハアハアと、とてつもない何かを堪えるように荒い呼吸を繰り返しながら、ザクシスは勢い良く引き抜いた。
 同時に白濁が飛び散った。
 まともにそれを臍で受け止めたシェルビーは、その気味悪いくらいの生温かさに反射的に息を呑むしかなかった。
 
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