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[No45]

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その後、皇帝達一行は、魔法大臣を残して帰って行った。
もちろん、チェリーを残してだ。
(別れ際、かなり纏わり付き、泣きを入れていだが、統括騎士団長に、引きづられる様に連れて行かれた。)

国王は、今回の王家の失態により、国の危機を招いた事について、貴族達に詫た。
貴族達は、それを聞いて、大部分は城を後にしたが、伯爵を初め、前王妃一派は、城に残され、取り調べの為に拘束された。

その者達は、ディランが先頭に立ち、処理にあたる事になった。

国王と王妃、第二王子はチェリーに、謝罪と感謝を述べた。チェリーは、これを受け入れた。そして、今は後処理が、忙しいだろうから、自分は帰るといい、後日、ゆっくり皆でお茶の時間を…と伝えてラルフに、連れられ図書館の私室へ戻った。

今はラルフと一緒に、図書館の私室にいる。

ラルフは言った。

「チェリー、皇帝が来るなら、先に言っといて欲しかったな。一時はどうなるかと、焦ったよ」

チェリーも少し、不貞腐れて、ラルフに言う。

「私だって、驚いたのよ?突然、ルルさんがここに来て、ランパパ達と、一緒だったんだから!こっちの魔塔の、影さん達も慌ててたわよ。ふふっ…。

それで、ランパパと話し合って、会場に向かったの。中の様子は、ほら…アンジーの婚約者のお父様が力を貸してくれてね。

ランパパが、(ゾルフィ王国を滅ぼす様な真似はしない。アンジェリカ嬢とキャロライン嬢を悲しませる事をしたら、チェリーに嫌われる)と言ってね」

ラルは頷いた。
「あぁ…あの方なら、そうですね。じゃあ、中の様子も解ってたんだね?」

「そうだよ。ディ様が、ラル兄様の事を話してる辺りだよ?ラル兄様、伯爵に対して、辛辣だったね~。容赦のない態度だったよ。
ラル兄様、怒らせたら恐いの、知らないからね~。クスクス…」

ラルはニッコリ笑ってチェリーに言う。
「あたり前でしょ?私の可愛いお姫様に、対してあの言葉!出来る事なら、あの場でサクっと、消してやろうと思ったよ。虫ケラに、言葉は通じないからね」

「まぁ…、これで、私とチェリーも、厄介事を押し付けられなくて、良かったですね。
チェリーも、今後、ゾルフィ王家の、一員になっても安心だし。アーサーも、少しは役にたったかな。奴に酷い目に、遭った者達にも、見舞金が出されるだろうしね…」

「それは、良かったわね。これで学園も、過ごしやすくなるわね」

「勿論だよ。チェリーが楽しく安全に過ごす事が一番だからね。あぁ…私も、そろそろ行かないと、貴方が怒り出すから行くね。チェリー、一人で大丈夫かい?多分、帰りは、遅くなると思うよ?」

チェリーは笑って、手をヒラヒラ振った。

「うん。大丈夫♪ラル兄様も、疲れてるんだから、早く帰って休んでね」

またね……と言ってラルは出て行った。


深夜にディランは、私室に戻って来た。
目の前には、愛しい人が、ソファーの上で、クッションを抱えて、丸まって寝ている。
遅く帰る時は、先にベッドで、寝てる様に言っても、いつもソファーで、丸まって寝ている。

ディランは、リィを抱き上げて、自分の部屋に移動して、ベッドに寝かせた。
布団をかけて、浴室に向かい、シャワーを浴びる。

軽めのワインを片手に、部屋へ戻り、自分の側で寝ている、愛しい人の頭を撫でながら、ワインを飲み干す。

今日は、流石に皇帝が、統括騎士団長と騎士、魔法大臣と魔術師を、連れて来た時は、ゾルフィ王国は、終わりだと思った。チェリーは、皇帝の腕の中にいる。奪い返して、二人で逃げる事も考えた。

だが、チェリーは微笑んでいたので、成り行きを、見守る事にした。結果的には、ゾルフィ王国には、お咎めもなく、チェリーと私が、今後王家と適切な距離を保ち、暮らして行きやすい様に、取り謀られた形になった。

皇帝は、ゾルフィ王国の貴族達にも、恩を売りつつ、チェリーに対しても、不敬な事など、させない様に、しっかり釘を刺した。
(青薔薇姫の後には、絶えずサイナス帝国が、付いているぞ)と。

今後、私と婚約を発表して、結婚しても喜び、歓迎しても、異を唱える者はいないだろう。全く、食えない皇帝だ。完全に、手の平で踊らされた…。

(流石、頂点に立つ、王の中の王だな。まさか皇帝自ら、乗り込んで来るとは…。それだけの強さも、自信もあるからだな)

そんな事を考えながら、愛しい妻を腕に抱き締め、暫しの仮眠を取る、ディランであった。

「んん…ディ様、お帰り…なさい」

寝ぼけながらも、そう口にして、胸にすり寄る、愛しいチェリーの頭に、口づけを落として、ディランは言う。

「ただいま。リィ…私の大切な奥さん…」



月日は流れ、今日は、学園の卒業記念祝賀会だ。異世界定番の、婚約破棄の、断罪は行われないだろう。私も、ディ様と一緒に参加します。

祝賀会では変装を解いて、青薔薇姫として、参加するのだ。断罪は、ないだろうが、身分を隠して、学園に通っていた事を、発表するのと、ディ様と婚約した事と、私の18歳の誕生日に式を上げる事の発表だ。

同じく、王太子になった、第二王子の婚約発表も、する事になっている。お相手は、勿論クリスです。クリスも、身分を隠して、私と共に、学園に通ってた事を伝える事になっている。

王太子の結婚式は、クリスの王妃教育後になるので、私達より後になるだろう。多分一年後ではないかと思う。

キャロもアンジーも、もう、結婚式の、日取りは決まっています。
一番早いのが以外にもアンジーだった。

キャロは、私達の後に式をあげます。それ以外でも、学園卒業後に、結婚式をする者が多いので、この後、結婚式ラッシュに、なるだろう。

今日の、私のドレスはディ様が、プレゼントしてくれた物です。ディ様の瞳色である、アイスブルーの色と、金糸を贅沢に使用した物だ。サイナス帝国とは違い、露出の少ない物だが、ディ様は、私が夜会に着たドレスを、とても気に入ってるので、デザイン的には、似ている。

似ていると言えば、王太子とディ様は、髪色も瞳の色も一緒なので、クリスとは、宝石の色とドレスの地色は一緒だ。

ドレスは、デザイン違いだが、身に付ける宝石の、ネックレスと、ピアスはお揃いです。

これは、王妃様のアドバイスで、ディ様と王太子で、相談したそうです。(流石王妃様ですね。女心が解ってますね。私達が気にしなくても、周りの人達が、見比べて、あれこれ勝手な事を、いいますからね)

今、私は準備が終わり、とある控室に、ディ様と、王太子様と。クリスと一緒にいます。

変装を解いて、私とクリスは、入場するので、一番最後に会場に入ります。

私はクリスに言います。

「クリス、いよいよ卒業パーティーだね。
あっと言う間の一年で、色んな事があった一年だったよ。まさか旦那様まで、ゲットするとは、思わなかったし。クスクス…」

「そうよね。私なんて、王太子妃になり、いずれ王妃に成るだなんて、夢にも思わなかったわぁ」

「でも、夢が叶ったじゃない!」

(??)

「え?どう言う事?」

「だって、前に言ってたでしょ?異世界の、最後の記憶で、今月頑張ったから、ナンバーワンは私だったのに!って。

クリスは、女帝向きだな?って、思ったから、ランパパに、クリスを王太子妃に、指名して?って、頼んだんだぁ~♪

クリスはそのうち、ナンバーワンになるのよ?王妃様にね♪今は王太子妃だから、チ~ママかな?クスクス…」

クリスも、笑いながら言った。

「ふふふっ……。今はチ~ママなの? 意外にもチ~ママは、ママより、大変なのよ?リリーも助けてね♪」

「ラジャー!!」

チェリーはそう叫んで、クリスに、グッと親指を立てた。その声を聞いて、ディ様が言った。

「リィ、ブラジャーなんて、大きな声で、叫んじゃダメたよ?リィらしいけど…。王太子がいるんだからね?後で、お仕置きだね? ふふっ…」

(な、何でそんな事で、お仕置きなのぉ~)
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