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第三章 運命を巡らせる金の環
06.繋がった金の環と『運命』
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「どうして今、記憶を思い出したのかしら?」
言い伝えによれば契約魔法で繋がった二人が出会った時に二人とも思い出したとされていたが、私は一人で日記を読んでいる時に思い出した。
不測の事態が起こっている可能性がある。
「気になるが今はこうしてはいられないわね。すぐにエドを助けに行かないと……!」
エドは《フィー》が屋敷の外に出るのを嫌がるかもしれないが、大切な人をまた戦争で失うのを、黙って見ている訳にはいかない。
今の体がどれくらいの魔力を保有しているのかはわからないが、簡単な治癒魔法ならできるだろう。
(まずは、この部屋とこの屋敷にエドが何かしらの魔法をかけていないか調べないといけないわね)
解析魔法を発動してみると、前世と同じくらいの感覚で使えるのが分かった。
もしかすると、《フィー》の体はそれなりに魔法を使いこなせるくらいの魔力を保有しているのかもしれない。
「この部屋には、私が抜け出したら感知する魔法がかかっているわね」
前世の時のようにできるのかはわからないが、魔法を解こう。
術式の網目を少しずつ解いて魔法を無効化させた。
続いてエドの部屋、この屋敷全体にかけられている魔法を解析し、私を外に出さないためにかけられている魔法を解いていく。
(驚いたわ。何重にも緻密な防御魔法がかけられているのね。道理でお貴族様になったのに騎士も護衛も置いていないわけね)
魔法同士が反発しないように組み合わせられる腕前も大したものだ。こんなことができる魔導士は、前世でも一人しか知らない。
身内贔屓かもしれないが、ダレンだけが成し得る偉業だと思っていた。
「まさか……、エドがダレンだという可能性があるのだろうか?」
エドが私室の隣に作ったあの部屋は前世でダレンが使っていた部屋に酷似している。おまけに、そこには私とダレンの本が大量に保管されているのだ。
屋台を見た時の嬉しそうな横顔や、騎士に警戒する姿。
そして、私の瞳を覗き込んで「繋がっている」のかを確認していたこと――。
(ダレンだと思う要素はたくさんあるが、彼が本当にダレンであるのかは実際に本人に訊いてみなければわからないだろうね)
エドに再会したら一番に訊いてみよう。
そう決意して、最後の魔法を解除する。
「――よし、妨げになりそうな魔法は全て無効化できた」
最後に解いたのは、私が屋敷を出れば瞬時に屋敷の中に戻してしまう転移魔法。
随分と厄介な魔法をかけていたようだ。
「このまま転移魔法を使うべきか……しかし、行先も知らないのに転移なんてできないな」
転移魔法の大前提は「行ったことのある場所」であることだ。
地名を知っていても、どのような場所であるのか知っていても、その場所に立ったことが無ければたどり着けない。
どうしたものかと頭を捻り、グランヴィル卿からもらったブローチの事を思い出す。
本棚を覗けば、きらりと輝いて己の存在を主張しているではないか。
今が助けを求めるその時なのだと、そう話しかけられているように思えた。
「……エドはとても怒るだろうな。それでも、怒られても嫌われてでもいいから助けに行こう」
転移魔法で屋敷の外に出て、ブローチに話しかける。
「グランヴィル卿、力を貸していただけませんか?」
まるで私の言葉に応えるかのように、ブローチにつけられている魔法石から銀色の光が溢れた。
言い伝えによれば契約魔法で繋がった二人が出会った時に二人とも思い出したとされていたが、私は一人で日記を読んでいる時に思い出した。
不測の事態が起こっている可能性がある。
「気になるが今はこうしてはいられないわね。すぐにエドを助けに行かないと……!」
エドは《フィー》が屋敷の外に出るのを嫌がるかもしれないが、大切な人をまた戦争で失うのを、黙って見ている訳にはいかない。
今の体がどれくらいの魔力を保有しているのかはわからないが、簡単な治癒魔法ならできるだろう。
(まずは、この部屋とこの屋敷にエドが何かしらの魔法をかけていないか調べないといけないわね)
解析魔法を発動してみると、前世と同じくらいの感覚で使えるのが分かった。
もしかすると、《フィー》の体はそれなりに魔法を使いこなせるくらいの魔力を保有しているのかもしれない。
「この部屋には、私が抜け出したら感知する魔法がかかっているわね」
前世の時のようにできるのかはわからないが、魔法を解こう。
術式の網目を少しずつ解いて魔法を無効化させた。
続いてエドの部屋、この屋敷全体にかけられている魔法を解析し、私を外に出さないためにかけられている魔法を解いていく。
(驚いたわ。何重にも緻密な防御魔法がかけられているのね。道理でお貴族様になったのに騎士も護衛も置いていないわけね)
魔法同士が反発しないように組み合わせられる腕前も大したものだ。こんなことができる魔導士は、前世でも一人しか知らない。
身内贔屓かもしれないが、ダレンだけが成し得る偉業だと思っていた。
「まさか……、エドがダレンだという可能性があるのだろうか?」
エドが私室の隣に作ったあの部屋は前世でダレンが使っていた部屋に酷似している。おまけに、そこには私とダレンの本が大量に保管されているのだ。
屋台を見た時の嬉しそうな横顔や、騎士に警戒する姿。
そして、私の瞳を覗き込んで「繋がっている」のかを確認していたこと――。
(ダレンだと思う要素はたくさんあるが、彼が本当にダレンであるのかは実際に本人に訊いてみなければわからないだろうね)
エドに再会したら一番に訊いてみよう。
そう決意して、最後の魔法を解除する。
「――よし、妨げになりそうな魔法は全て無効化できた」
最後に解いたのは、私が屋敷を出れば瞬時に屋敷の中に戻してしまう転移魔法。
随分と厄介な魔法をかけていたようだ。
「このまま転移魔法を使うべきか……しかし、行先も知らないのに転移なんてできないな」
転移魔法の大前提は「行ったことのある場所」であることだ。
地名を知っていても、どのような場所であるのか知っていても、その場所に立ったことが無ければたどり着けない。
どうしたものかと頭を捻り、グランヴィル卿からもらったブローチの事を思い出す。
本棚を覗けば、きらりと輝いて己の存在を主張しているではないか。
今が助けを求めるその時なのだと、そう話しかけられているように思えた。
「……エドはとても怒るだろうな。それでも、怒られても嫌われてでもいいから助けに行こう」
転移魔法で屋敷の外に出て、ブローチに話しかける。
「グランヴィル卿、力を貸していただけませんか?」
まるで私の言葉に応えるかのように、ブローチにつけられている魔法石から銀色の光が溢れた。
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