からだにおいしい料理店・しんどふじ ~雨のち晴れときどき猫が降るでしょう~

景綱

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雨のち晴れときどき猫が降るでしょう

タバコ屋のフミと白猫ぷく

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「ぷく、いいかよく聞けよ。今度こそ俺にも大当たりを頼むぞ」
「どうだかねぇ。仕事を怠けて宝くじを買いに来る黒部さんには大当たりはこないんじゃないかねぇ」
「なんだよ、フミさん。怠けてなんかないよ。今はちょっと休憩中なだけだ。それに俺はフミさんじゃなくてぷくにお願いしているんだ」
「はい、そうですか。そんなことよりも息子さんに任せて油を売っていていいのかねぇ」

 黒部は黙ってしまった。どうやら申し訳ないという気持ちは持ち合わせているようだ。黒部写真館は息子のおかげでつぶれずに済んでいると言っても過言じゃない。黒部の息子は真面目で父親に似なくてよかったとつくづく思う。人の家のことをとやかく言うつもりはないが、もうちょっと黒部も息子を見倣ってほしいものだ。

「そんな話はいいから、宝くじを十枚頼む。なあ、ぷく。どれが大当たりすると思う。選んでくれな」

 ぷくに手を合わせる黒部。
 白猫のぷくはチラッと黒部を見遣るとグゥーッと背中を持ち上げたかと思うと大欠伸をして宝くじの置かれた入れ物の中のひとつにポンと手を置いた。

「おっ、それか。それが大当たりか」

 意気込む黒部とは違いぷくは香箱座りをすると再び目を閉じて寝てしまった。

「これでいいかい」
「おお、それをくれ。今度こそ大当たりだ」
「はたしてそうなるかねぇ」
「なんだよ、フミさん。そんなこと言わないでくれよ」
「ぷくは人を見るんだよ。真面目に一生懸命働いている人にだけ幸運を分け与えてくれるんだよ。黒部さんはちょっとねぇ」
「真面目にやりゃいんだろう。わかったよ。それじゃまた」

 しかたがない人だ。箕田みのだフミは苦笑いを浮かべて見送った。まったく、人の話は最後まで聞くものだ。それもできないようじゃ、今回もハズレくじだろう。

「ぷく、さっきの宝くじだけどさ。大当たりはしないだろう」

 フミのつぶやきにぷくは目を開きチラッとだけ目を合せてくるとまた寝てしまった。このぷくの態度は間違いなく大当たりくじじゃないだろう。フミは優しくぷくの頭を撫でて黒部の後姿を眺めた。

 もしも黒部が大当たりしてしまったら、きっと最悪の人生を辿るに違いない。株や投資にでも手を出して大損して借金を作って頭を抱えている姿が想像できる。そんな黒部にぷくが大当たりくじを選ぶはずがない。まあ、ぷくが大当たりの番号を知っているはずもないけど。だからこそ、不思議だ。いくつかの大当たりくじを言い当てたぷくには神様の声が聞えているのかもしれない。
 そんな猫だ、ぷくは。

 おや、いい香りがしてきたじゃないか。これは味噌汁の香りだ。

「今日から安祐美の店がはじまるねぇ。ぷくも応援してやってくれよ」

 ぷくは尻尾をゆらゆらさせるだけで眠り続けていた。
 からだにおいしい料理店とは考えたものだ。このタバコ屋を狭めて作った店だ。カウンター席しかない小さな店だけど大丈夫だろうか。まあ、一人で切り盛りするには丁度いいのかもしれない。孫の安祐美も苦労人だから、この先運が上向きになってほしいものだ。

 それにしてもいい香りだ。
 味噌も醤油もわが家の手作りのものだ。米も野菜も息子の良一が作ったもので新鮮だし、一度食べればまた食べたくなる味だと太鼓判を押せる。大丈夫、うまくいくはずだ。

「いい匂いだね、フミさん」
「なんだい、ふじさん。あんたまでサボって来ちまったのかい」
「人聞き悪いこと言わないでくれよ。安祐美ちゃんの店が気になって来ちまったんじゃないかい」
「そうなのかい。それは嬉しいねぇ」

 本当にそうなのかは疑わしい。藤は調子がいい人だから。

「だってさ、ここの店の名前がいいじゃないか。『しんどふじ』だろう。藤と名乗っている俺としちゃ、気になるってもんだよ」
「馬鹿言うんじゃないよ。あんたの名前からつけたんじゃないよ」

 大口を開けて藤は笑いながら「そんなのわかっているよ。あれはなんて意味だっけ」と首を傾げて考えてしまう藤。

「まったく情けないねぇ。『身土不二しんどふじ』は仏教用語で地元の旬の食品や伝統食が身体に良いって意味だよ。すぐに忘れるんだから、困ったものだよ」
「そうそう、それ」
「ところで藤さん。居酒屋の準備はいいのかい」
「ああ、大丈夫、大丈夫。うちの昌子と知佳がやってからさ」

 フミは溜め息を漏らしてかぶりを振った。ここの商店街の男どもは怠け者ばかりだ。さっきもパン屋の藤井の爺さんがどこかへ出かけて行ったのを見かけた。営業中なはずなのに。また海辺にでも行って誰かの世話でも焼いているのだろう。『大きなお世話なんだよ』と怒鳴られたりしないのだろうか。なにかトラブルにでも巻き込まれなきゃいいけど。

「あっ、そうそう。セブンスターをワンカートンよろしく」
「まったく、奥さんと娘さんに申し訳ないと思わないのかねぇ。私が言うことじゃないけどねぇ」

 店が気になって来たなんて口では言っているが、タバコが本当の目的なことくらい百も承知だ。

「わかっているって。二人には感謝しているさ」

 藤は頭を掻いてニヤニヤしている。本当にわかっているのか疑わしい。

「タバコ屋の私が言うのもなんだけど、タバコも少しは減らしたほうがいいと思うよ」
「そんなこと言わないでくれよ。タバコがなきゃ生きていけねぇんだからさ。どうしたって、やめらんねぇよ」
「まったく、しかたがないねぇ。はい、セブンスターワンカートン。五千円だよ」

 藤は財布から五千円札を取り出して二カッと笑う。

「ほんじゃ、フミさん。ぷくもじゃあな」

 藤を見送ると呉服屋の大旦那がこっちへ向かって歩いて来るのが見えた。

「よお、フミさんにぷくちゃん」
「いらっしゃい」
「安祐美ちゃん、頑張っているようだね」
「ええ、本当に頑張っているよ。あの子は」
「安祐美ちゃんの料理が食べたくて来ちまったよ。食べるんなら一番乗りだなって思ってよ」
「そりゃどうも」

 木花の大旦那はすでに隠居の身、ここで油を売っていても誰も文句は言わないだろう。黒部や藤とは違う。タバコも吸わないし、本当に安祐美のことを心配してくれていることが顔に滲み出ている。

「ぷく、おまえも安祐美ちゃんの料理食べたいよな」
「フニャ」
「そうか、そうか食べたいか」
「木花の大旦那、ぷくは安祐美の料理を食べられませんよ」
「そうなのかい、残念だな」

 ぷくはきっとそんなことは思っていないだろう。安祐美の料理じゃなくてもぷくにとって美味しいものはたくさんある。けど、安祐美なら猫用の料理も作れるかもしれない。今度話してみようか。

 それはいいとして確か安祐美の店の料理の基本はごはんに味噌汁に漬物だと話していた。つまり一汁一菜だ。
 それだけでもきっと満足できるものになるだろう。けど、一汁一菜だとやっぱりパッとしない。あくまでも基本だ。もちろん安祐美の店ではそれだけじゃない。そこにおかずが足されて安祐美の話す『からだにおいしい料理』の完成となる。この間、試食させてもらってびっくりした。本来の野菜の味がしっかり残っていて幸せな気分にさせてもらった。長生きしてよかったと思えたくらいだ。

 それにしても安祐美があんなにも料理が上手だとは思わなかった。あの繊細な味わいはなかなか出せるものではない。見た目は幼いし、行動は荒っぽいところもあるし繊細の『せ』の字も感じられない子だと思っていたけどたいしたものだ。それはちょっと言い過ぎだろうか。修行の賜物ってことだろうか。

 フミは安祐美が子供だったころのことをふと思い出して頬を緩ませた。

『目指せ、全国大会』

 そんな言葉を安祐美は声を張り上げて叫んでいた。一時期は空手で日本一になるなんて稽古に励んでいたけど、結局日本一にはなれなかった。怪我で断念したときのあの涙を思い出すと泣けてくる。けど、あの子はそこで落ち込むことはなかった。空手はスパッとやめてしまったかと思ったら料理人になると言い出して、びっくりさせたものだ。

 実際には料理人になる前に嫁いじまったけど。働きに行っていた店の板前といい仲になっちまったからね。けど、まさかあんなことになっちまうとは……。そのせいでというかおかげというか、ここに来て店を持つことになるなんて。人生なにが起こるかわからないっていうけど本当だ。

 安祐美は辛かっただろう。旦那が交通事故で亡くなってしまったんだから。それでも頑張れたのは旦那の夢を叶えたいとの一心だったのかもしれない。

 それにしても安祐美はついていない。神様も意地悪する。寂しいだろうに、辛かっただろうに。そんな顔を見せることなく頑張る安祐美は本当に凄い。娘の里穂がいるから頑張れるのかもしれないけど、それでも強い子だ。
 一度決めたらとことんやり抜く子だ。その意志の強さには感心する。空手で精神も鍛えられていたってことかもしれない。
 そんな安祐美だからこそ、今がある。

 大丈夫、きっと成功するはずだ。占いでもそう出ていたから問題ないだろう。
 自分で言うのもなんだが、的中率は良いほうだと思う。もちろん占いを本業にしている占い師には敵わないだろう。趣味にちょっと毛が生えた程度の占いだから。それでも少しは自信がある。そんな占いの結果で花が咲くと出た。それを信じようじゃないか。安祐美にとっていいことが待っているはずだ。

『手伝えることがあればいつでも協力するつもりでいるからねぇ』

 料理の仕込みをする安祐美に向けて壁越しだがフミは声援を送った。そのとたん、安祐美の顔が頭に浮かび少しだけ口角をあげた。

「どうしたんだい、フミさん」
「いや、ちょっと安祐美のあの幼い顔を思い出しちまってねぇ。まるで子供が料理を一生懸命やっているみたいじゃないか」
「確かにね。知らない人が来たらきっと子供が手伝っていると勘違いするだろうね」

 木花の大旦那は目尻を下げて笑みを浮かべていた。

「あっ、安祐美にはこの話は内緒だよ」
「わかっているよ」
「安祐美の料理の味は絶品だからねぇ。顔で料理の腕を判断する客がいたら乗り込んで叱ってやろうなんて思っているくらいだよ」
「フミさん、それはいけないよ」
「あっ、もちろん冗談だよ。安祐美の邪魔はしないさ」

 そうだとも、乗り込んだりしたら迷惑かけちまうからそんなことはしない。料理を一口食べればわかることだ。きっと安祐美に惚れちまうかもしれない。いやいや、それもいけない。悪い虫がつかないようにしっかり目を光らせていなきゃいけない。

「ああ、早く食べたくなってきた。開店まで待てないな」
「しょうがないねぇ。ところで木花の大旦那さん、宝くじでもどうだい」
「宝くじかい。そうだね、たまにはいいかもしれないね。じゃ十枚だけいただこうか」
「ニャ」

 ムクッとぷくが起き上がり、ペシッとひとつの宝くじの束を押さえつけた。

「さすが、ぷくだ。仕事が早いねぇ。これがいいようだよ」
「そうかい、そうかい。ぷくちゃん、ありがとう」

 木花の大旦那に首筋を撫でられてぷくは気持ち良さそうに目を細めていた。もしかしたら大当たりするかもしれない。いや、木花の大旦那には大当たりは必要ないだろうか。なら、小当たりだろうか。ぷくの反応が黒部とは違っていたから、大当たりはしなくてもある程度の当たりが出るかもしれない。

 福猫とはよく言ったものだ。白猫だから余計に縁起がいいなんてちまたでは噂されている。
 ぷく目当てにやってくる客は多い。一等を引き当てた人は今のところ出てはいないが、二等と三等の高額当選金を引き当てた幸運な人はいる。ここ三年で二等が二人、三等が六人だ。まあまあの高確率だと思う。
 ぷく様様だ。

「あっ、フミさん。開店するまでちょっと待たせてもらうからね」
「はい、どうぞ」

 タバコ屋と料理店の横にあるベンチに木花の大旦那は腰を下ろした。

「ああ、いい匂いだ。お腹の虫が騒ぎ出しそうだ。それにしても『からだにおいしい料理店・しんどふじ』とはいい名前だ」

 そんな独り言が聞こえてきてフミはフッと笑みを零した。

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