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雨のち晴れときどき猫が降るでしょう
からだにおいしい料理
しおりを挟む「あれ……、えっと……」
えっ、なに。こっちを指差してどうしたのだろう。
「あっ、思い出した。あなた淵沢くんでしょ」
突然そう呼ばれてドキンと心臓が跳ね上がる。先輩とはそれほど親しくはなかったのに名前を憶えていてくれたなんて幸せ気分でいっぱいだ。それなのに嫌な記憶が邪魔をしてくる。
空手部の勧誘に捕まってしかたがなく入部したものの二ヶ月でギブアップした恥ずかしい記憶がふと蘇る。ああ、もうそんな記憶はどこかへ行け。そうそう、やめたあとも「元気にしている」なんて気軽に声をかけてくれたこともあった。存在感の薄い自分をまさか憶えているなんて。
なんだか泣けてくる。もちろん、本当に泣いたりはしない。そこはグッと堪えた。どうやら自分は思っているよりも心に傷を負っているようだ。以前だったらこんなことで目頭が熱くなることなんてなかった。涙もろくなってしまった。けどやっぱり幸せじゃないか。これって。
優しさが心に沁みてくる。いや、優しさじゃないか、これは。名前を憶えてくれていただけだ。けど、嬉しいじゃないか。
「あれ、ママ。知っている人なの」
「まあね。懐かしいわね。相変わらずおじさん顔だけど」
おじさん顔っていうのは余計だ。高まっていた気持ちが一気に下っていく。先輩はすでに結婚している。こんな可愛い娘もいる。これが現実だ。
「安祐美、失礼だよ」
「あっ、ごめんなさい」
謝られるのもなんだかいい気はしない。『失礼』との言葉もどうかと思う。
「まあ、まあ、ここは嫌なことは忘れてだね。早く美味しい料理を食べさせてくれないかい」
「木花の大旦那さん。来てくれたんですね」
「楽しみにしていたからね」
なんだろう。この感じ。なんか胸の奥がモヤモヤする。けど、いいか。名前を憶えていてくれたのだから、それだけでいい。そんな自分は先輩の名前を忘れている。自分のほうが失礼だろう。
『アユミ』って呼んでいるから先輩の名前は『アユミ』なのだろう。苗字は……。いまだに出てこない。そう思っていたら『安祐美』という文字が思い出された。この調子で苗字も思い出せ。うーん、ダメか。下の名前で呼ぶわけにはいかない。それほど親しくはないし、人妻だ。旦那が出てきてどやされる。それだけで済めばいいけど半殺しにされかねない。いやいや、そんな人じゃないだろう、きっと。安祐美先輩がそんな男に惚れるはずがない。本当にそうなのか。先輩のことよく知らないじゃないか。都合のいいように記憶を美化しているだけかもしれないじゃないか。
「ちょっと淵沢くん。淵沢くんってば」
えっ、なに。
「どうしたんだい。ボウッとして」
安祐美先輩と木花の大旦那が心配そうにみつめてくる。
「あっ、いやちょっと考え事をしていただけです」
「本当にそうなのかな。うーん、顔色悪いし」
突然、安祐美先輩が顔を近づけてそう告げた。またしても心臓が跳ね上がる。
「おじさん、顔色悪いよね。ママの料理で元気にしてあげて」
「そうね。淵沢くん。私の料理、食べてくれる」
またまた心臓が跳ね上がる。『私の料理、食べてくれる』の言葉が頭の中を駆け巡る。なんだか特別な意味にとってしまった。料理屋で料理を食べる。ただそれだけのことなのに。
「はい、いただきます」
「じゃ、どうぞ」
そのあと、裕は自分の不遇な出来事のことを話していた。話し辛い話なはずなのに不思議とすんなりと口にしていた。
「淵沢くんもいろいろと大変だったのね。で、なにか食べたいものはあるかな。本当は日替わりのおまかせ料理しかないんだけど、今日は特別に食べたいもの作ってあげる」
神妙な顔で話を聞いてくれたわりにはあっさりと話を変えた安祐美に裕は拍子抜けしてしまう。そのせいか、自分の身に起きた出来事は大したことがなかったのかもと思えてしまった。大したことあるのだけど。死の淵を彷徨っていたのだから。
それでも、まあいいかと思わせてしまうところは安祐美の凄いところなのかもしれない。『特別に』って言葉が利いているのだろう。
あれ、いつのまにか先輩が昔からの親友のように感じている。いや、それ以上に親しい存在になりたいのかも。ダメだ、ダメ。人妻だ。不倫とかありえない。
「あの、食べたいものないのか訊いているんですけど」
「あっ、はい、あのチャーハンが食べたいです」
ああ、今の安祐美の顔は怖かった。そういえば、空手の試合のときも同じような顔をしていた。あっ、けど今の顔は接客業をする上でやめたほうがいいと思う。隣をチラッと見たら木花の大旦那は頬を緩ませていた。
なんだか孫娘でも見ているような顔をしている。年齢的にはそうなのだろうけど。
木花の大旦那と目が合うと、「あの睨みつけるような顔がチャーミングだろう。安祐美ちゃんらしくて」と耳元で囁いてきた。
チャーミングなのか。あれ、そんなことを言うってことはしょっちゅうあんな顔を安祐美はしているってことなのか。商店街では有名なのかもしれない。いいのか、それで。気をつけたほうがいいのではないだろうか。知っている人はいいかもしれない。けど、はじめて来たお客さんにあの顔をしたら二度と来なくなりそうだ。
安祐美に話したほうがいいと思ったのだが、言い出せなかった。
そういえば、いつの間にか『安祐美』だなんて呼び捨てにしている。心の中のことだからまあいいか。
「チャーハンか。それなら、納豆玄米チャーハンがいいかな。納豆は平気だよね」
「はい、大丈夫です」
「じゃ、決まりね。あっ、それと、敬語使わなくていいからね」
敬語を使わなくていいって言われても、さっきみたいな怖い顔を見せられたら敬語になってしまう。けど、使うなと言われたらそうしたほうがいいか。そうしないとまた怖い顔になりかねない。いや、そこまで怒りっぽくはないか。子供っぽい顔があんな怖い顔になるのだから不思議だ。これもギャップと言えるのだろうか。いやいや、そんなギャップはいらない。
安祐美は隣の木花の大旦那になにやら話をしたかと思うと料理を作りはじめた。
納豆玄米チャーハンか。食べたことない。美味しいのだろうか。
話しによるとスタミナ不足に効果があるとか。だが、安祐美はこうも話した。
食べ物には身体にいい効果をもたらす栄養素があることは事実だけど、やっぱり地元の旬の食べ物を食べることが一番かもしれないと口にした。それが身体にいいのではないかと真面目な顔をして話してくれた。
『結局、旬の食材ってそのときの身体に必要な食材だったりするのよね』
安祐美の言葉はその通りなのかもしれない。
カウンター越しに料理を作る安祐美の姿は本当に高校時代と変わらない。もう七、八年は経っているというのに。空手と料理とやることは違えど、真剣に取り組むという姿勢は一緒なのだろう。
手元では長ネギに続いてピーマンをみじん切りにしている。赤いピーマンもあるのか。じっと様子を窺っていても安祐美はまったく気にする素振りをみせない。料理に集中しているのだろう。
今作っているのはチャーハンなのだろうか。それとも木花の大旦那の料理だろうか。なにを作るって言っていただろうか。シチューだっけ。あのみじん切りはシチューではないだろう。
安祐美はフライパンに油を入れてあたためると、卵を投入した。やっぱり、チャーハンだ。
炒り卵にしてさっき切った野菜も入れて炒めていく。もちろん納豆もそこに入る。なにか調味料を入れたみたいだけどなんだろう。玄米ごはんも投入してあっという間に出来上がりだ。
裕はごくりと生唾を呑み込み、目の前の湯気とともに立ち昇るいい香りの納豆玄米チャーハンをみつめた。
血行促進になると『生姜入りのキャベツの味噌汁』も出してくれた。『ハーブチキンサラダ』なるものも出してくれた。あとは『自家製キムチ』だ。
どれも絶品だった。食べていると自然に笑みが浮かんでくる。身体もあたたまった気もする。食べるってこんなに幸せな気分になるものなのかと心から思った。
料理のおかげなのか頭も冴えわたり先輩の名前をはっきりと思い出せた。箕田安祐美だ。からだにおいしい料理店か。まさにその通りだと頷けた。
五席しかない小さな店だけどどこかぬくもりのある店だ。それが安祐美の醸し出すものなのかはわからないけど、ここは通いたくなる店だということは間違いない。
ふと隣を見遣ると木花の大旦那が『キノコの炊き込みご飯』と『豆乳シチュー』と『奈良漬け』に『水菜とクルミのサラダ』を堪能していた。小鉢に入れられた煮物もある。キャベツの味噌汁もある。
シチューの具材はというとジャガイモ、ニンジン、ブロッコリー。あとはなんだろう。
「シチューが食べたいのかい」
木花の大旦那にそう告げられて「あっ、いや、そのなにが入っているのか気になったもので」と返答した。
「んっ、そうかい。えっと」
木花の大旦那が言おうとしたところで安祐美が先に口にしていた。
「豆乳シチューだったら、ジャガイモ、サツマイモ、ニンジン、ブロッコリー、白菜、タマネギ、ニンニクってところね。あっ、ホタテも入っているわ。そうそう、玄米粉に塩麴も入っているんだから栄養満点よ」
説明を聞いているだけで涎が出てきそうになる。
「ほら、ちょっと味見してみなさい」
「あっ、じゃ一口だけ」
どうやらじっとシチューをみつめてしまっていたらしい。なんだか食い意地が張っているみたいで恥ずかしかった。
「どうだ、若いの。美味いだろう」
「ええ、最高です。なんだか野菜のやさしい甘味がありますね」
「そうだろう、そうだろう」
「ありがとう」
安祐美の笑みが輝いて見えた。どうしよう、本当に惚れてしまいそうだ。胃袋を掴まれるとはこういうことかもしれない。けど、無理だ。安祐美が独身だったらよかったのに。
あれ、自分はいったい何を思っているのだろう。変な考えは起こしちゃダメだ。忘れよう。
裕はふと気づいた。どこにもメニューらしきものがないことに。
「あのさ、またここに来たいなって思っているんだけど、他にはどんなメニューがあるの」
安祐美は微笑み「嬉しいこと言ってくれるじゃない。そうそう、メニューはないの。日替わりおまかせ料理を出すことにしたの。というかさっき言わなかったっけ」と睨まれた気がした。
「ごめん、そうだった」
「まあいいか。でね、『料理で健康に』がこの店のコンセプトかな。だから淵沢くんに出した料理は特別なのよ」
『特別』か。
ああ、完全に安祐美に心が持っていかれてしまった。裕は心の中で『落ち着け』との言葉を連呼した。惚れたらダメだって言っただろう。
「特別だなんて、羨ましいねぇ」
「えっ、そんな」
裕は頭を掻いて照れ笑いを浮かべた。
「淵沢くんは、本当に不健康そうだからね」
えっ、ああそうか。病み上がりだから特別料理ってことだよな。そりゃそうか。旦那がいるのに恋心があるわけないか。
それなら、木花の大旦那が食べているのが今日のメニューってことか。
「まあ、なんだ。からだにおいしい料理店ってことだな」
「そうです。木花の大旦那の言う通りです」
改めて木花の大旦那の料理に目を向ける。正直、なんの効果があるのかわからないが健康には良さそうなことはわかる。それに野菜に甘味を感じた。なにか特別な野菜を使っているのだろうか。それとも料理法でこうなるのだろうか。よくわからないけど、とにかく美味しい。それだけははっきりしている。
この店は行列のできる店になるかもしれない。
さすがだ。
きっとこの店を開くまでにいろいろと勉強したのだろう。そうだ、高校時代もこれと決めたらとことん突き詰めて取り組む人だった。あのときは空手だったけど、今は料理ってことか。
「あっ、そうそうデザートに『ニンジンゼリー』があるからね」
「おお、いいね。もらおうか」
木花の大旦那はすぐにそう応じたが、裕は迷った。今になって料金がいくらなのか気になったためだ。高かったらどうしよう。財布にいくら入っていただろうか。五千円くらいはあったと思うけど。なら、大丈夫か。
「淵沢くん、どうかした」
「あっ、いえなんでもないです」
「もしかしてお金の心配かな」
す、鋭い。
「ああ、図星みたいね。気にしないで、デザートはサービスするから。それに私の店は良心的な値段だから心配ないわよ」
「なんでもお見通しってことだな」
木花の大旦那が目尻を垂れ下げて微笑んでいた。
裕は頭を掻いてニンジンゼリーを受け取り、「ちなみに、いくら」と訊ねると安祐美は「おまかせセットで一律九百八十円なのよ。で、デザートとドリンク付きがプラス百円ね」と告げた。
なるほど、高くはないか。いや、この料理が出てくるとなると安いか。
「おお、このゼリーも美味しいね」
「ありがとうございます。このニンジンゼリーは商店街の竹林さんでも売っていますから、気に入ったらそちらでも購入してみてくださいね」
スプーンで掬い口に入れると、優しい甘さが口に中に広がった。これはニンジンだけじゃないかも。
「先輩、これもしかしてリンゴも入っていますか」
あっ、敬語になってしまった。まあいいか。
「あら、よくわかったわね」
「ハチミツもかな」
「正解。淵沢くん、すごいね」
安祐美にそう言われて照れてしまった。
「ああ、お腹いっぱいだ。安祐美ちゃんの料理のおかげで長生きできそうだよ。ありがとうよ」
「いえいえ、こちらこそありがとうございます。野菜たっぷりのスムージーもどうぞ」
「安祐美ちゃんすまないがもうお腹いっぱいで。申し訳ないが、私はこれで」
木花の大旦那は一万円札をカウンターに置くと「お釣りはいらないよ。少ないけど開店祝いだと思ってくれ。それと、これもなにかの縁だ。そっちのお兄さんのぶんもね。奢りだよ」と笑みを浮かべて店を出ていった。
「いや、ちょっと」
そう声をかけたが安祐美に「奢ってもらいなよ。断ったりしたら大旦那さんの気分を害しちゃうからさ」と頬を緩ませていた。
安祐美の言葉も一理あると思い奢ってもらうことにした。
「あっ、僕も行くね。ごちそうさま」
「ちょっとスムージー飲んでいってよ」
そうだった。裕は一気にスムージーを飲み干して「じゃ、また」と手を振った。
「今日はありがとう。あと、事故のことだけどやっぱり新田さんって人ときちんと話をしたほうがいいと思うよ」
突然の安祐美の言葉に意表を突かれて一瞬動きを止めてしまった。正論だ。
「ごめんね。大きなお世話だったかな。けど、私でよければ力を貸すからね」
「あ、ありがとう」
裕はそれだけ口にすると店をあとにした。
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