【オメガの疑似体験ができる媚薬】を飲んだら、好きだったアルファに抱き潰された

亜沙美多郎

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 今は陶酔していたい。
 隼瀬から注がれる口付けを受け入れる。
 指が頬から首筋、鎖骨、肩へと滑り降りていく。
 まるで割れ物を扱うような優しい手つきで。

「優しくしないで。勘違いしそうになる」
「何を勘違いするんだ? 俺の気持ちってそんなに信用ない?」
「や、違くて……実は、俺【オメガの擬似体験ができる媚薬】を飲んでるだけなんだ。隼瀬はそれに当てられてるだけだ」
「んなの、関係ねぇよ。何人のオメガ相手にしてきたと思ってんの? この甘い香りが、偽物か本物かなんて、アルファにはお見通しだっつの」

 隼瀬は体に張り付いた汗を舐めとるように、舌を這わす。
 その舌が首筋を滑り、腋を舐め、胸の突起に吸い付いた。
「ふ、んっ……」
 体が小さく跳ねる。
 隼瀬は郁人の反応を見た後、ジュルッと音を立てて舌で嬲った。
 さっきまでの妄想など、比じゃないほどの刺激だ。

 密かに思いを寄せていた隼瀬が、自分の胸を舐めている。
 これは本当に現実なのだろうかと、疑ってしまう。
 もしかすると、自分は夢を見ているのではないか。
 そうでなければ、アルファである隼瀬が、ベータの、しかも男の郁人に欲情などしないだろう。
 でも夢にしてはリアルな感触、匂い、息遣い、声……。

「郁人、男同士ってここ使うんだろ? なんでこんなにゆるゆるなんだ? いきなり指三本も這入るなんて。もしかして、こういうことする相手がいるの?」
「や、んんっ、いるわけ……な……」
「じゃあ、自分で弄ってる?」
「やめ……掻き回さないで。ぅんん……」

 胸の突起を弄りながら、片方の手が孔を責めていた。
 キスをされただけで、思考回路は停止している。
 まだ現状を把握できてない。
 それでも隼瀬はやめようとはしなかった。
 さっきまでディルトで突きまくった孔は、僅かな刺激にも耐えられない。
 それなのに、隼瀬は長い指で奥の方を擦り付ける。
 グチュリと卑猥な音を郁人に聞かせるように、わざと鳴らす。
 次第にその動きは激しさを増していった。

「郁人って後ろだけでもイケるの? 試していい?」
「だめ、もうイく。指、抜いて」
「いいよ、イッて。ここ、辛そうじゃん」
「んぁあっ、先、触らないで」

 昂った先端を、隼瀬が指でぐりぐりと刺激する。

「ほら、我慢すんなって。指でイケたら、ご褒美あげるから」
「ご褒美……? んっ、すぐ、イッちゃう……んんぁああっ」
 隼瀬に見られながら、腰を突き上げ白濁を迸らせた。
 もう何も出ないほど出したはずなのに。
 隼瀬にされただけで、こんなにも昂るのか……。
 自分が情けないというか……淫乱だと思われたかもしれない。

 郁人がこれだけ乱れても、隼瀬は着衣を少しも着崩しもしていない。
 これが余計に郁人を辱めた。
 脚を捩らせて、少しでも隠そうとするが、隼瀬は素早くそれを阻止した。

 両脚を大きく開かせると、真ん中に顔を埋め、郁人の昂りを口淫し始めたのだ。

「は、隼瀬!? だめ、そんなところ」
 郁人は焦って顔を離そうとするが、力が入らない。
 隼瀬の匠な舌遣いに、思わず嘆息する。

「色っぽい声」
「ちがっ、これは隼瀬が」
「俺だと、そんな声出してくれるんだ?」
 
 じゃあ、もっと聞かせてよ。と、上目遣いで言うと、根本から吸い上げる。
 隼瀬の熱い口腔と、大きくて分厚い舌に包み込まれ、時に舌先で尿路を刺激する。
 大きな手で昂りを扱かれると、郁人はたちまち絶頂へと昇り詰めた。

「まだまだイケそうだな」
「も、無理……力が入んない」
「でも俺、こんななってんだけど」
 隼瀬が立ち上がると、中心が昂っているのが分かる。

「隼瀬、俺が相手で萎えないの?」
「は? 萎えるどころか、早く解放したいくらいイテェんだけど」
「えっと……じゃ、ぬ……脱ぐ?」
「郁人が脱がせて」

 そう言うと、郁人の顔の前に立つ。
 口でしろってことか? と解釈した郁人はファスナーを歯に挟み、ゆっくりと下ろして行く。
「えっろ」
 郁人を見下ろしながら、隼瀬がニヤリと笑う。

「あの、これ、外して」
 ネクタイで拘束されている手首を差し出す。
 でも隼瀬はそのままで、と言い外してくれなかった。
 仕方なく動かせる範囲でどうにかスラックスを脱がしていく。
 興奮で蒸れた男の匂いがした。

「はやせ……はやせ……」
 下着の上から男根を咥える。
 これだけで自分がイッてしまいそうだ。
「こら、焦んなって」
 隼瀬が自ら男根を晒した。

「舐めたい?」
「舐め……」
 喋り終えるまで我慢できない。
 夢中で口で奉仕する。
 喉の奥まで突っ込みたいけれど、こんな太いのが入るだろうか。
 それでも固さの増していく隼瀬の男根を、貪るように舐めとる。
 
 (挿れて欲しい。この太いので、奥まで突き上げて欲しい)
 欲はどんどん増していく。

 きっとこれは媚薬のせいだ。だから、変になっても仕方がない。
 自分に言い聞かせる。
 
 隼瀬が郁人の頭を掴み、思い切り腰を打ち付けた。
「んぐっ」
 隼瀬の昂りが、喉を刺激する。
 このまま奥に放って欲しい。
 力の入らない手で、隼瀬の腰を支えた。

「全部、飲み込んで」
「っっ!!」
 奥にガツンと押し込まれた男根の先から、白濁を飛沫させた。
 ごくん、ごくんと、飲み込んでいく。

(隼瀬の、精液……)
 陶然とし、そのまま気を失いそうになるが、射精を終えた隼瀬の男根はちっとも萎えることなく、組み敷いた郁人の孔に宛てがった。
 ぬるぬると先で孔を撫でられる。
 挿れてくれると思っただけで、全身が戦慄く。

 しかし、隼瀬はなかなか挿れてくれない。
 どうしたのだろうと、顔を覗き込むと、少し機嫌を損ねたような表情をしている。
「なぁ、一人でするとき、誰かとヤッテるのを想像してんの?」
 思わぬ質問に、つい反応してしまった。
 隼瀬に抱かれるのを考えているなど、恥ずかしくて言えない。
 でも、気まずそうな表情で簡単にバレた。
「誰? その相手」
 意地悪く聞いてくる。
 それよりも、孔に当たっているそれを早く挿れて欲しい。
 脚を隼瀬の背中で絡ませ、体を密着させるが、腰を浮かし、入らないようにされる。
 
「これ、挿れて欲しくねぇの?」
「挿れてほし……」
「じゃあ、答えろよ。郁人が好きなやつって、誰?」
 
 もう、観念するしかない。
 震える声で、正直に名前を呼ぶ。

「お、俺が好きなのは……隼瀬だよ」

 その次の瞬間には、最奥まで突かれていた。
 目の前に星が飛ぶ。
 腰が壊れるほど、力強く打ち付けられる。
 その度に郁人の先端からは白濁が飛び散った。

 隼瀬が動くたびに中で肉胴が抉られる。
 ディルドじゃない本物の男根は、郁人を絶え間ない絶頂へと誘う。

「もっと言ってよ」
「好き、好き、隼瀬がずっと好きだったぁぁ」
「今まで気づけなくてごめんな。俺も、郁人が好き」
「隼瀬ぇ、もっと突いて欲しい」
「……ったく、郁人がこんなスケベなやつなんて、もっと早く知りたかった」
「らって、こんなに気持ちいの初めてで……」
「煽んな。止まんなくなってもいいのか?」
「隼瀬が満足するまで、好きにしていいからぁ」

 隼瀬は手で顔を覆うと、深くため息を吐いた。
 流石に引かれたか? と不安になったが、そうではなかった。

「郁人、こんなにも可愛いのに、なんで今まで気づかなかったんだろうな。俺、多分、朝まで離してやんねぇわ」

 媚薬の効果など、とっくに切れているはずだ。
 それでも隼瀬は律動を早め、郁人の名前を呼びながら何度も突き上げる。
 真上から見下ろされているだけで、ゾクゾクするほどの色気を感じる。
 アルファの気迫に押されながらも、こんなに余裕のない隼瀬など見たことはないと、優越感にも似た多幸感に包まれた。

 隼瀬は最低限だけ脱いでいた服を全て脱ぎ捨て、郁人を四つん這いにさせるとさらに背後から激しく腰を揺らす。

 一瞬見えた引き締まった体躯にうっとりしてしまう。
 割れた腹筋、広い肩幅、意外としっかりとした前腕。
 初めて見た隼瀬の裸にもっと見惚れていたいが、実際はそれどころではない。

「隼瀬、んっ、んんっ、んぁ……」
 体の疲労は限界を超えている。
 それでも与えられる刺激に、僅かにも休ませてくれる隙はない。
 隼瀬は注挿を繰り返しながらも、指で乳首を捏ねる。
 そして背中を口で舐めては鬱血の痕をつけていく。

「郁人、中に射精してもいい?」
「ん、出して。隼瀬のセーエキいっぱい欲しい」
「じゃあ、全部受け止めろよ」
「んはぁあああ~~~っっっ」

 腹の奥に隼瀬の白濁がたっぷりと注がれていく。
 アルファの吐精は数分続くと聞いたことがあった。しばらくの間ベッドに体を預け、体内に注がれる隼瀬の温もりに淫蕩する。
 隼瀬は吐精しながら、何度か腰を痙攣させ、腰を突く。
 その度に郁人の屹立がシーツに擦れ、敏感な郁人はそれだけでも達した。

 全ての行為が終わった時、ようやく手首のネクタイを外してもらえた。
 隼瀬が抱きしめ、額に口付けた。

「俺さ、自分がアルファだから、相手はオメガしかいないって勝手に決めつけてた。もう少しで、大切なもん見過ごす所だった」
「本当に、ベータでいいの?」
「ってか、郁人がいい。遠回りしてごめん。これからは恋人として一緒にいよ?」
「うん……うん……」

 あまりの喜びに涙を流す郁人を、隼瀬はより強く抱きしめる。

「ところで……なんで媚薬なんて持ってたんだ?」
「はぇ? や、これは……高校の時の友達と飲んでて、この媚薬を彼女に飲ませたら凄かったから……俺も彼女に使えって言って、無理矢理……」
「無理矢理? で、彼女に使わず自分で使った?」
「うっ……だって、まさか隼瀬に見つかるとは思ってないし……」
「それで俺に抱かれるの想像したんだ?」
「もう、恥ずかしいからやめろよ」
「ははっ、だって嬉しいじゃん。でも、これからは本物だけにしてくれよ?」
「オメガみたいに濡れないし、フェロモンもでないけど……」
「こんなにびしょ濡れになってて、それ言う!?」

 二人で顔を見合わせて笑った。

 媚薬は没収されるかと思いきや、効いてる時を堪能出来なかったから今度使うと言って郁人の部屋に片付けた。

 恋人となった隼瀬は、必要以上に郁人を甘やかす。あまりの距離感の近さに、周りの同僚に二人の関係はソッコーでバレた。

「郁人、次に媚薬を使う時は、色々我慢しなくて済むようにホテルに泊まろうな」
「みっ、みんなの前で言うな!!」




 ───完───
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