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猿カニ合戦
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「バスが来た!じゃーまたな!ぼうず」
「待ってください。聞きたい事があるんです。南極に行くにはどうすればいいですか?」
「急に言われても解らんよ。実はわしも、行くあてなどないんだ。もう少し、ぼうずに付き合うよ」老人はバスの運転手に謝って、バスに乗るのをやめた。
何故、老人を引き止めたのかわからない。気が付いたら喋っていた。
「ぼうずはどうして南極に行きたいんだい?」
「なんとなく」
本当の気持ちは言えなかった。ネットの書き込みはイタズラだろうし、世界の秘密を僕が知る必要など無いのかもしれない。
「南極に行く方法はネットで調べたか?案外簡単かもよ!どれどれ」
老人はスマホを取り出し調べてくれるみたいだ。
「へぇ!南極て行けるんだ。ツアーとかもあるぞ。但しお金がかかる。100万円ぐらい。無理かな?ぼうず100万円なんてお金持っていないだろ」
「じゃー乗組員として働いたらいいじゃん。清掃員とか売店の店員とか」
「ぼうず、まだ小さいから、就職出来ないじゃん。わしも歳だから、雇ってもらえんじゃろう。それに各国語が出来ないと駄目じゃぞ。たとえ清掃員でも」
ぐー。「おなかの虫が鳴っとるわい。弁当を食べてもいいかの?」「いいよ」
老人は小さなカバンから、弁当の包みを取り出した。弁当を開けると、中味は白と黄色だった。白はご飯だった。黄色の半分は玉子焼きだ。もう半分は?
「その黄色いのは何ですか?」
「沢庵じゃよ。大根の漬け物じゃ。」
「何でそんなに黄色いの?」
「スーパーで買った沢庵だから着色料が入っているんじゃろ」
老人はマヨネーズの容器を蓋の方を下にしてカバンから取り出した。マヨネーズの容器の中はほとんど透明である。蓋の付近に少しマヨネーズが残っている。
「マヨネーズの容器に空気を入れて膨らまして逆さまにしておいたんじゃ。こうしておくと、地球がマヨネーズを蓋の方に引っ張ってくれるんじゃ」老人がマヨネーズの蓋を開け弁当にかける。ブチブチブチブチ…
「すごい音だね」
「中味がでてしまったときの、オナラの音だな」老人は弁当全体にマヨネーズをかけた。
「全部にマヨネーズをかけるんだね」
「ご飯にマヨネーズをかけるとうまい。玉子焼きにマヨネーズ、これまた旨い。沢庵にマヨネーズは特別旨い」
「沢庵にマヨネーズなんて旨いの?」
「食べてみるかい?」
「うん」
ボリ。
「すごい音が出るね」
「フランス料理店で食べたら、怒られるかもね。でも、その音が旨いんだよ」
「ふうん」ボリボリボリボリ…「ほんとだ。めちゃくちゃ美味しいや。カニよりも旨いよ」
「こんな場所で、おなかすいてきたころに、ひと切れ漬け物食べると美味しいんじゃよ」
老人も、弁当を食べ始める。
「おじいさんのお弁当、栄養がかたよってない?」
「ご飯にごま塩をかけると、もう少しましになるんだが、ゴマけっこう高いからなぁ。なんでも沢山食べれば栄養になるんじゃ」
「待ってください。聞きたい事があるんです。南極に行くにはどうすればいいですか?」
「急に言われても解らんよ。実はわしも、行くあてなどないんだ。もう少し、ぼうずに付き合うよ」老人はバスの運転手に謝って、バスに乗るのをやめた。
何故、老人を引き止めたのかわからない。気が付いたら喋っていた。
「ぼうずはどうして南極に行きたいんだい?」
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ぐー。「おなかの虫が鳴っとるわい。弁当を食べてもいいかの?」「いいよ」
老人は小さなカバンから、弁当の包みを取り出した。弁当を開けると、中味は白と黄色だった。白はご飯だった。黄色の半分は玉子焼きだ。もう半分は?
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「沢庵じゃよ。大根の漬け物じゃ。」
「何でそんなに黄色いの?」
「スーパーで買った沢庵だから着色料が入っているんじゃろ」
老人はマヨネーズの容器を蓋の方を下にしてカバンから取り出した。マヨネーズの容器の中はほとんど透明である。蓋の付近に少しマヨネーズが残っている。
「マヨネーズの容器に空気を入れて膨らまして逆さまにしておいたんじゃ。こうしておくと、地球がマヨネーズを蓋の方に引っ張ってくれるんじゃ」老人がマヨネーズの蓋を開け弁当にかける。ブチブチブチブチ…
「すごい音だね」
「中味がでてしまったときの、オナラの音だな」老人は弁当全体にマヨネーズをかけた。
「全部にマヨネーズをかけるんだね」
「ご飯にマヨネーズをかけるとうまい。玉子焼きにマヨネーズ、これまた旨い。沢庵にマヨネーズは特別旨い」
「沢庵にマヨネーズなんて旨いの?」
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「うん」
ボリ。
「すごい音が出るね」
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「ふうん」ボリボリボリボリ…「ほんとだ。めちゃくちゃ美味しいや。カニよりも旨いよ」
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