巨人族の1/3の花嫁〜王様を一妃様と二妃様と転生小人族の僕の三妃で幸せにします〜〈完結〉

クリム

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1章 

5 初夜の二日目※

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 扉に僕用のドア引きを錬成して、浴槽にも少し水を張って身体を洗いました。問題は肛門ですね。塗り薬だけでは難しいかと。

「若者に少しだけ協力しますか」

 香油をこういう行為に使うのかと、寝台に用意されていた香油を、とりあえず指に塗って肛門に入れてみました。一本二本くらいなら簡単に入ります。三本となると少し怖くなって途中でやめました。

「さて、塗り薬を塗りましょう」

 万が一にも王様の陰茎が全部挿入されてしまうときっと吐いてしまいますので、食べるのをやめました。そして羽織着を着て王様を待ちます。今日は二度目のお渡りです。

 なかなか猛々しい足音が聞こえます。寝室の窓から見ますと側仕え騎士と一緒です。

「三妃よ、入る」

 羽織着にサンダルで廊下を渡るのは、しかもその完全勃起状態で歩くのは、どうかと思うのですが。

「お待ち申し上げておりました」

 僕が寝台で三つ指をついて出迎えると、王様は寝台にどかりと座る。

「昨日はあれだ、た、た、体調が悪く。今日は奥へ参る」

 有無を言わさずは今晩も同じで、今度は背後から尻を掴み、尻たぶを開くと亀頭を押し当てます。

「ちょっ……まっ……」

「大事ない。香油を塗ってある」

 塗り薬よりは亀頭が滑らないですが……。

「あうっ……んっ!」

 ぬるっと亀頭が肛門に入り込み、僕は思わず声を出してしまいました。まさかペットボトルサイズが入って来るとは思わず、ぎゅっと肛門に力を入れて締めてしまいました。

「ぐうっ……動けぬ……あっ……んぐっーー!」

 亀頭がびくびくして肛門に精液を流し込まれました。僕は下腹が重くなりましたが、今回はこれで終わり……

「妃よ、力を抜いてくれ。これではどうにも動けない」

……ではないようでして、王様が苦虫を潰したような声で言われました。

 力を抜くって……ふうっと息を吐きましたがそれだけでは駄目のようです。では押し出してみたらどうでしょう。僕は排便するように肛門に力を入れました。すると弛んだようで、王様は肛門を慣らすようにその場で何度か擦ります。

「気持ち良くはならないのか?他の妃は余が精を放つと乱れ、次を求めて腰をくねらすのだが」

 肛門の違和感は無くなりましたが、別に催淫効果は感じられません。しかしここは僕の責任にしておかないと年長者としていけません。昨晩は王様を傷つけてしまいました。

「……不感症かもしれません」

 王様は僕の肛門から柔らかく萎縮した陰茎を出すと、不貞腐れたように大の字になってしまいました。

「あの、ちなみにソニン様もそのような……」

「ああ、最初は眉をひそめるが二度と三度放てば喘ぎ悶える。だが、宿り木の実は着かぬ。余は不幸者だ。一妃は兄からの払い下げ。二妃はかつての盟友。三妃は不感症だ。ガルド神の神託も地に落ちたものだ」

 一回目の人生における王とよく似ていますね。これは暴君になるパターンかもしれません。ガリウス王をディオニッソス王にしないようにするためには、どうしたら良いでしょう。

「王様、王様は素晴らしいお方です。このように醜い僕に精をお放たれになられます。お辛くありませんか?」

 王様は青い目をまん丸にして、座り込んでいる僕の頭に触れ髪に手をかけます。

「妃よ。そなたは可愛い。可愛ゆらしい姿をしておる。柔らかくふわりとしている灰の髪は艶もあり、子供のように小さな顔にある大きな茶の瞳も小さな唇も見目心地よい。細い手足と小さなイチモツはとても同じ生き物とは思えぬ」

「巨人族と小人族の違いはありますよ」

 王様は「可愛い、可愛い」と僕の頭を撫でています。可愛いは小さいの同意語のはずです。

「余が交合を無理強いているのには訳がある……」

 そのまま腕をぱたりと落として寝てしまいました。どうしたらいいのか分かりません。とりあえず薄い掛布を掛けて、僕は寝台をお……りられませんでした。王様の腕が僕の身体を巻き込み、ぬいぐるみのように僕の胸へ顔を埋めて来たからです。

「ん~~~っ!」

 もがきますがびくともしません。さすが巨人族の王様です。僕もそこで目を閉じました。




 巨人族タイタン国の三日目の朝は、王様の声で目が覚めました。

「白んでいる……寝過ごしたか」

「おはようございます、王様」

 僕は王様の手からやっと解き放たれ、寝台で伸びをします。

「妃よ、側付きに申し立てて余の服を持たせてくれぬか」

「残念ながらこの宮には僕一人です。確か、宮の外に王様の側仕え騎士の人がいましたね。そちらに頼みます」

「なぜ、側仕え騎士や側付きが居ぬのだ」

 王様はあぐらをかいて座り込みました。僕はせめてと思い、王様の羽織着を肩から掛けます。

「僕がすぐに死んでしまうと思ったのでしょう。すぐに離職せねばならないような沈没船に誰も乗り込みませんよ」

「なるほど……皆は妃が余に抱き潰され命尽きと思っていたからあのような表情をしていたのか。妃は可愛ゆらしい。故にこの妃を踏みにじる余を疎んでいたのやもしれぬ」

 僕が……可愛い?可愛ゆらしい?

「妃は、余を怖がらない。それどころか、師のような眼差しさえ見せる」

 僕の三回目は教師でしたから、そう感じるのかもしれませんね。

「師かと思えば、長老のような眼差しをも持つ。三妃よ、余は今年成人するまで、王族とは知らず下級騎士として戦いの世界にいた。余は……俺は、落実なのだ。だから一騎士に預けられた。兄が死ななければ俺は騎士として生涯を送っていたのだ」

 落実……落ちた実……小人族でも落ちた実は忌み嫌われています。愛し合い契りを結び宿り木に願うとガルド神が実を与えてくださります。実を大きくするために互いを認め合い許しあい労わりあう……でもそこに不信感や猜疑心が生まれた時、実は落ちて腐ります。王様は生まれて来る直前に落ちてしまったのでしょう。

「ガルド神は何故神託で三人の妃を俺に与えたのだ。次の実が治世を治めるまでの継ぎの俺は……余はどうすれば良いか分からないのだ」

 この巨躯の王は成人したてなのでしたが。驚きです。僕より年下です。

「王様、宿り木に実をつけるためには、お互いに愛し合い、労わり合い、赦し合うことが大切です。ただ一方的に精を与えるだけではなく、お互いに感じ合い求め合い高まる中で精を注がれることが実を結ぶ近道ではないでしょうか」

 僕は王様を諭すように話しましたが少々難しかったようで、首を傾げてしまいました。二番目の人生での僕はなかなかの女たらしでした。思い出しましょう。ソニン様のために。僕はなかなかのフェミニストです。

「僭越ながら王様、僕が実地してお試しします。その方が分かりやすいでしょう」
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