49 / 200
一年目
49:やっぱりへんなひとだけど。
しおりを挟む
後期が始まってから、学生会の入れ替わりが行われた。第六年生の学生会メンバーが抜けて第四学年の学生達が入れ替わりで学生会に入る。
もちろん、アザレアは学生会には入らなかったし、その2が無事に学生会に入った。
「おめでとう!」
引き継ぎの式が終わったあと、アザレア達はその2のところまで行き、直接そのお祝いの言葉とリラックス効果のある薬草の匂い袋を送る。
「ありがとう、ございますぅ! ……これで、」
その2はとても嬉しそうに、引き継ぎの際に受け取った花束やアザレアや友人達が送ったプレゼントを抱きしめた。
×
そしてそれから少し時間が経ち、夏休み前のテストがもうすぐ始まろうとしている。
その2は学生会の仕事が忙しいらしく、勉強を教えることができないのだと申し訳なさそうに謝り、友人Aと友人Bも色々あって一緒にテスト勉強ができないのだと言った。
そのあと友人Aに
「折角だから、前のテストの時みたいに婚約者の人に教えてもらったら?」
そう耳打ちされたが、
「き、気が向いたらね!」
とアザレアは返した。
「……(ほら、だってあの人忙しいじゃん?)」
もぐもぐ薬草弁当を咀嚼しながら、アザレアは復習ノートを読み返す。
今度のテストは学年で最後のテストなので学生はもちろん、テストの出題者である教師達にも結構な気合が入っているのだ。
「……でもまあ、やっぱり教えてもらった方がいいのかなぁ。法律とか」
「テスト勉強ですか。……教える事は苦では有りませぬので構いやしませぬよ」
「そう? きみが別に良いっていうんなら、せっかくだし教えてもらおうかなぁ」
もしゃもしゃと薬草を食べ、「ごちそうさまでした!」とアザレアは手を合わせる。空っぽになったお弁当箱を鞄に詰め直しながら、
「じゃあわたし、今から授業だから放課後ねー」
とアザレアはフォラクスにそう告げる。
「……驚かないので?」
怪訝な様子でフォラクスはアザレアに問いかける。
「うん。だって、いそうな気はしてたもん」
「…………然様ですか」
「で、今日の放課後、空いてる?」
「……そうですねぇ。無論、空いておりますとも」
「よかった! じゃあ、今度こそばいばーい!」
「……えぇ。また放課後に」
ゆったりと優雅に会釈するフォラクスをそのままに、アザレアは薬草園を出た。
×
鞄を片手に、アザレアは次の移動教室に向かって移動していた。
「……(……いやぁ、来てくれてよかった)」
と、内心でこぼす。実は先程まで、アザレアは薬草園でフォラクスを待っていたのだ。
理由は無論、期末テストの勉強を見てもらうためでもある。
捕まえようと思えば居らず、気を抜いた瞬間にそこにいる、のがフォラクスなのだ(と、アザレアは思っている)。
だからあえて、薬草園でゆっくりと昼食を摂っていた。
なんとなく、『来てくれるだろう』とは思いながらも『もしかしたら来ないかも?』という危惧もあったので、自身の運の良さに感謝する。
「(本当はちょっと、びっくりした)」
本当に、現れる直前まで一切の存在感を感じなかった。
だが、どうやら急に現れたわけでもないらしい。瞬間移動をする時のような空気の急な動きはなく、ベンチもいきなり彼が現れた瞬間に軋んだわけでもなかった。
「(……不思議だなぁ)」
思いつつ、アザレアは確信した。
「(あの人、絶対に性格悪いや)」
わざわざ驚かしにきているのだもの。
×
放課後。
アザレアは薬草園に来ていた。理由はもちろん、フォラクスに勉強を教えてもらうためだ。
実際のところ、図書室で教えてもらうのが良いかもしれないと思っていたが『図書室でやろう』とは言ってなかった上に、今の図書室には勉強目的の利用者が普段よりも圧倒的に多い。
なんとなく、アザレアはフォラクスに直接勉強を教えてもらっている姿を他の者には見られたくないと、思った。それに彼は視察者の中ではアカデミー生に割と人気な方だ。
それは、顔が良いのもあるが普通に教えるのが上手いからだ。なので教えてもらっているところに、誰かしらが声をかけて邪魔をされたくなかった。
だからといって、ほかに提案できる場所などアザレアは知らない。なので、とりあえず薬草園でフォラクスを待っておこう、という考えにいたったのだ。
「……でも、雨とか降ったら使いにくいし日差しとかも気になっちゃうしなぁ……」
はぁ、と復習ノートを読みながら溜息をつく。
「…………それで。きみはわたしの困ってる、というか悩んでる姿を見てて楽しい?」
アザレアは自身の横を見る。
「そうですね……。割と、とでも答えておきましょうか」
口元に手を当て優雅に微笑むフォラクスは、そう答えた。
「……」
「おや、お気に障りましたか」
にこ、とフォラクスは外面と同じ嘘っぽい笑顔でアザレアへ問いかける。なんとなく、試しているようなそうでもないような、反応を見ようとしている印象がした。
「ううん。なんか、急に距離を詰められた感じがしてびっくりした」
「……然様ですか」
アザレアの返答に、フォラクスは笑ったまま頷く。
「でも、それがきみなんだね」
「………………」
アザレアの言葉に、フォラクスは少し横に目を泳がせ、
「面白い冗談を言いますね」
にこりと微笑んだ。
「まあ、それはともかく。勉強教えてもらえるのは嬉しいんだけどさ、どこかいい場所知ってる?」
「図書室では、何か不都合でも?」
首を傾げるアザレアに、意外なものを見たように少し目を開きフォラクスは訊ねる。
「わたしは静かな方が好きなんだ。だから、できれば人の少ない静かなところで、きみに勉強を教えてもらいたい」
「……ふむ」
その言葉に、視線を少し動かし
「では、私の家は如何ですか」
と、フォラクスは提案をする。
「………………えっ?」
「私、と云うよりも相性結婚の付属物なので正確には私達の、とも言えるものですが……家は、使用人等も居らぬ故、とても静かで外部からの干渉等はそう起こりません」
「……なるほど?」
確かにそうかもしれない。だが、
「んー……。でも、今回はいいかな。だって、急な来客って困るものなんでしょ?」
アザレアは、フォラクスにそう返した。
「……困る様な状況で呼ぶ等致しませぬが」
「んー。じゃあ、移動はどうするのさ」
口を尖らせ、アザレアが聞けば
「行きと帰りは私がお送りしましょうぞ」
にこ、と口元に手を遣りフォラクスは答えた。
「あの瞬間移動みたいなやつ?」
「其れで御座います。私が居らぬ他日でも、連絡さえ下されば迎えに行きますよ」
「なるほど、いい考えかもね」
頷き、アザレアはフォラクスを見る。
「一番の問題は、きみの連絡先知らないってことなんだけど」
「……そうでしたね。一応、教えておきましょうか」
「うん、ありがと。でもまあ、今回はこのままで勉強を教えてよ。雨が降ったら温室の方でいいかな」
「承知致しました」
×
二人は、普段よりやや近い距離で横並びに座る。人目についてはフォラクスが人払いの術をかけ、必要以上に人が来ないようにしてくれた。
「ふーん、なるほど」
「……なので、此処はこうなるのです」
「ふんふん」
アザレアがまずテストで間違えた箇所や詰まった箇所等を見せ、それを受けてフォラクスがその周辺の解説をする。それを繰り返して、やがてアザレアがあらかじめ用意していた復習ノートの中身は一通り通った。
「……貴女は、飲み込みが早う御座いますね」
「えへへー。よく言われるよ」
解説した箇所の簡易的な復習も終わり、その結果を見てフォラクスは関心の声をあげる。よく言われるものの、褒められるのは嬉しいのでアザレアは、にへ、と柔らかく笑った。
その後、フォラクスが「試験のやまは勘などで当てるものではなく、総当たりで当てるものですよ」との言葉と共にくれた復習テストの量と難易度の高さに呆然としたのはそれからすぐの話だ。
×
そして、学年末のテストは今まで以上に好成績を残し、アザレアは全教科満点で一位というものを初めて取ったのだった。
「(……あの人が出した問題と比べたら、圧倒的にテストの方が簡単だった……)」
返却されたテストの束を抱えながら、フォラクスにまた教えてもらえたらいいな、と思ったアザレアだった。
もちろん、アザレアは学生会には入らなかったし、その2が無事に学生会に入った。
「おめでとう!」
引き継ぎの式が終わったあと、アザレア達はその2のところまで行き、直接そのお祝いの言葉とリラックス効果のある薬草の匂い袋を送る。
「ありがとう、ございますぅ! ……これで、」
その2はとても嬉しそうに、引き継ぎの際に受け取った花束やアザレアや友人達が送ったプレゼントを抱きしめた。
×
そしてそれから少し時間が経ち、夏休み前のテストがもうすぐ始まろうとしている。
その2は学生会の仕事が忙しいらしく、勉強を教えることができないのだと申し訳なさそうに謝り、友人Aと友人Bも色々あって一緒にテスト勉強ができないのだと言った。
そのあと友人Aに
「折角だから、前のテストの時みたいに婚約者の人に教えてもらったら?」
そう耳打ちされたが、
「き、気が向いたらね!」
とアザレアは返した。
「……(ほら、だってあの人忙しいじゃん?)」
もぐもぐ薬草弁当を咀嚼しながら、アザレアは復習ノートを読み返す。
今度のテストは学年で最後のテストなので学生はもちろん、テストの出題者である教師達にも結構な気合が入っているのだ。
「……でもまあ、やっぱり教えてもらった方がいいのかなぁ。法律とか」
「テスト勉強ですか。……教える事は苦では有りませぬので構いやしませぬよ」
「そう? きみが別に良いっていうんなら、せっかくだし教えてもらおうかなぁ」
もしゃもしゃと薬草を食べ、「ごちそうさまでした!」とアザレアは手を合わせる。空っぽになったお弁当箱を鞄に詰め直しながら、
「じゃあわたし、今から授業だから放課後ねー」
とアザレアはフォラクスにそう告げる。
「……驚かないので?」
怪訝な様子でフォラクスはアザレアに問いかける。
「うん。だって、いそうな気はしてたもん」
「…………然様ですか」
「で、今日の放課後、空いてる?」
「……そうですねぇ。無論、空いておりますとも」
「よかった! じゃあ、今度こそばいばーい!」
「……えぇ。また放課後に」
ゆったりと優雅に会釈するフォラクスをそのままに、アザレアは薬草園を出た。
×
鞄を片手に、アザレアは次の移動教室に向かって移動していた。
「……(……いやぁ、来てくれてよかった)」
と、内心でこぼす。実は先程まで、アザレアは薬草園でフォラクスを待っていたのだ。
理由は無論、期末テストの勉強を見てもらうためでもある。
捕まえようと思えば居らず、気を抜いた瞬間にそこにいる、のがフォラクスなのだ(と、アザレアは思っている)。
だからあえて、薬草園でゆっくりと昼食を摂っていた。
なんとなく、『来てくれるだろう』とは思いながらも『もしかしたら来ないかも?』という危惧もあったので、自身の運の良さに感謝する。
「(本当はちょっと、びっくりした)」
本当に、現れる直前まで一切の存在感を感じなかった。
だが、どうやら急に現れたわけでもないらしい。瞬間移動をする時のような空気の急な動きはなく、ベンチもいきなり彼が現れた瞬間に軋んだわけでもなかった。
「(……不思議だなぁ)」
思いつつ、アザレアは確信した。
「(あの人、絶対に性格悪いや)」
わざわざ驚かしにきているのだもの。
×
放課後。
アザレアは薬草園に来ていた。理由はもちろん、フォラクスに勉強を教えてもらうためだ。
実際のところ、図書室で教えてもらうのが良いかもしれないと思っていたが『図書室でやろう』とは言ってなかった上に、今の図書室には勉強目的の利用者が普段よりも圧倒的に多い。
なんとなく、アザレアはフォラクスに直接勉強を教えてもらっている姿を他の者には見られたくないと、思った。それに彼は視察者の中ではアカデミー生に割と人気な方だ。
それは、顔が良いのもあるが普通に教えるのが上手いからだ。なので教えてもらっているところに、誰かしらが声をかけて邪魔をされたくなかった。
だからといって、ほかに提案できる場所などアザレアは知らない。なので、とりあえず薬草園でフォラクスを待っておこう、という考えにいたったのだ。
「……でも、雨とか降ったら使いにくいし日差しとかも気になっちゃうしなぁ……」
はぁ、と復習ノートを読みながら溜息をつく。
「…………それで。きみはわたしの困ってる、というか悩んでる姿を見てて楽しい?」
アザレアは自身の横を見る。
「そうですね……。割と、とでも答えておきましょうか」
口元に手を当て優雅に微笑むフォラクスは、そう答えた。
「……」
「おや、お気に障りましたか」
にこ、とフォラクスは外面と同じ嘘っぽい笑顔でアザレアへ問いかける。なんとなく、試しているようなそうでもないような、反応を見ようとしている印象がした。
「ううん。なんか、急に距離を詰められた感じがしてびっくりした」
「……然様ですか」
アザレアの返答に、フォラクスは笑ったまま頷く。
「でも、それがきみなんだね」
「………………」
アザレアの言葉に、フォラクスは少し横に目を泳がせ、
「面白い冗談を言いますね」
にこりと微笑んだ。
「まあ、それはともかく。勉強教えてもらえるのは嬉しいんだけどさ、どこかいい場所知ってる?」
「図書室では、何か不都合でも?」
首を傾げるアザレアに、意外なものを見たように少し目を開きフォラクスは訊ねる。
「わたしは静かな方が好きなんだ。だから、できれば人の少ない静かなところで、きみに勉強を教えてもらいたい」
「……ふむ」
その言葉に、視線を少し動かし
「では、私の家は如何ですか」
と、フォラクスは提案をする。
「………………えっ?」
「私、と云うよりも相性結婚の付属物なので正確には私達の、とも言えるものですが……家は、使用人等も居らぬ故、とても静かで外部からの干渉等はそう起こりません」
「……なるほど?」
確かにそうかもしれない。だが、
「んー……。でも、今回はいいかな。だって、急な来客って困るものなんでしょ?」
アザレアは、フォラクスにそう返した。
「……困る様な状況で呼ぶ等致しませぬが」
「んー。じゃあ、移動はどうするのさ」
口を尖らせ、アザレアが聞けば
「行きと帰りは私がお送りしましょうぞ」
にこ、と口元に手を遣りフォラクスは答えた。
「あの瞬間移動みたいなやつ?」
「其れで御座います。私が居らぬ他日でも、連絡さえ下されば迎えに行きますよ」
「なるほど、いい考えかもね」
頷き、アザレアはフォラクスを見る。
「一番の問題は、きみの連絡先知らないってことなんだけど」
「……そうでしたね。一応、教えておきましょうか」
「うん、ありがと。でもまあ、今回はこのままで勉強を教えてよ。雨が降ったら温室の方でいいかな」
「承知致しました」
×
二人は、普段よりやや近い距離で横並びに座る。人目についてはフォラクスが人払いの術をかけ、必要以上に人が来ないようにしてくれた。
「ふーん、なるほど」
「……なので、此処はこうなるのです」
「ふんふん」
アザレアがまずテストで間違えた箇所や詰まった箇所等を見せ、それを受けてフォラクスがその周辺の解説をする。それを繰り返して、やがてアザレアがあらかじめ用意していた復習ノートの中身は一通り通った。
「……貴女は、飲み込みが早う御座いますね」
「えへへー。よく言われるよ」
解説した箇所の簡易的な復習も終わり、その結果を見てフォラクスは関心の声をあげる。よく言われるものの、褒められるのは嬉しいのでアザレアは、にへ、と柔らかく笑った。
その後、フォラクスが「試験のやまは勘などで当てるものではなく、総当たりで当てるものですよ」との言葉と共にくれた復習テストの量と難易度の高さに呆然としたのはそれからすぐの話だ。
×
そして、学年末のテストは今まで以上に好成績を残し、アザレアは全教科満点で一位というものを初めて取ったのだった。
「(……あの人が出した問題と比べたら、圧倒的にテストの方が簡単だった……)」
返却されたテストの束を抱えながら、フォラクスにまた教えてもらえたらいいな、と思ったアザレアだった。
0
あなたにおすすめの小説
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎
水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。
もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。
振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!!
え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!?
でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!?
と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう!
前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい!
だからこっちに熱い眼差しを送らないで!
答えられないんです!
これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。
または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。
小説家になろうでも投稿してます。
こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
白い結婚のはずが、旦那様の溺愛が止まりません!――冷徹領主と政略令嬢の甘すぎる夫婦生活
しおしお
恋愛
政略結婚の末、侯爵家から「価値がない」と切り捨てられた令嬢リオラ。
新しい夫となったのは、噂で“冷徹”と囁かれる辺境領主ラディス。
二人は互いの自由のため――**干渉しない“白い結婚”**を結ぶことに。
ところが。
◆市場に行けばついてくる
◆荷物は全部持ちたがる
◆雨の日は仕事を早退して帰ってくる
◆ちょっと笑うだけで顔が真っ赤になる
……どう見ても、干渉しまくり。
「旦那様、これは白い結婚のはずでは……?」
「……君のことを、放っておけない」
距離はゆっくり縮まり、
優しすぎる態度にリオラの心も揺れ始める。
そんな時、彼女を利用しようと実家が再び手を伸ばす。
“冷徹”と呼ばれた旦那様の怒りが静かに燃え――
「二度と妻を侮辱するな」
守られ、支え合い、やがて惹かれ合う二人の想いは、
いつしか“形だけの夫婦”を超えていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる