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「……やめっ、」
父さんは身をよじって逃げようとするが、 ヒロは逃さない。
「やだぁっ、ひぃっ、あぁああ゛!」
「あれ?もらした?」

父さんはとうとう泣き出してしまった。

子どもに電気あんまでイかされて、
しかも射精してしまった事実にショックで
精神的にも幼くなってしまったみたいだ。

「ごめんごめん。こんな風になるなんて思わなくて
俺もびっくりした」

ヒロが泣き出した父さんの頭をよしよしと撫でると、
ひっくひっくとしゃっくりを繰り返しながら、
だんだんと落ち着いてきた。

「おい、トウヤのこと泣かせんなよ!」

その様子が俺は気に食わなくて、
ヒロを押しのけて父さんを自分の腕に抱く。

「だいじょうぶだよ」

よしよしと頭をなでてやる。
父さんは俺の胸に顔を埋めて甘えてきた。
かわいい。

「へぇ、お前そいつには随分優しいんだな」
「まあな」

クラスメイトが意外そうに言った。
俺はクラスではクールキャラとしてやってきてたから
必要以上に馴れ馴れしくしたりしないので珍しく見えたようだ。

「トウヤ、今度は俺たちとも遊ぼうぜ」

セイヤが父さんにゲーム機を渡してくる。
父さんはおずおずとゲーム機を受け取ると、
俺を見上げてきた。

子ども同士の遊びに自分が混ざってもいいものか
考えあぐねているようだ。


「いいじゃん、一緒にゲームしようぜ! ほら、これやるんだよ!」
「あっ……」

「ほら、早く座れよ!」

セイヤが父さんの手を引いて椅子に座らせる。
そしてみんなでワイワイとゲームを始めた。

「トウヤ、うまいじゃん!」
「ほんとだー!」
「すごいぞ!」

みんなで褒める。
すると父さんは照れたように笑った。

「やったことないけど、やってみたら面白いな
ゲームだめなんて、今度からは言わないよ」

そう言って俺に耳打ちして、微笑む姿はとてもかわいいなと思った。
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