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39話 今後について その2
アランドロ女王国の女王シエラ・レオネを説得する……しかも彼女が、首都に戻ってしまう前にだ。それは困難を極めるというよりも不可能を意味していた。
アイリーンの隣に立っているミランダも、首を横に振っている。
「アイリーン様。上手くいくとは思えません。それに……あなた様がなさることではない」
「ミランダ……」
「タイネーブのことを心配するお気持ちはお察し致しますが、過剰なようにお見受けいたします」
ミランダがここまで拒絶するのは珍しいことだ。彼女もアイリーン自身のことであれば協力は惜しまないが……。今回ばかりは事情が違った。
タイネーブはあくまでも他人だ。ミランダとしても友人関係を構築、発展させたいとは考えているが命を懸けるに値する相手とは思っていない。
それに、あくまでも目立った協力をしないだけだ。アランドロ女王国のトップが首を縦に振れば話は違っていた。
アルガス伯爵の下で世話になっているアイリーンとミランダ。あまり事を荒立てるのも得策ではない。
「大丈夫よ。シエラもタイネーブも知らない仲じゃない。私に考えがあるの」
「アイリーン様……? どういうことでしょうか?」
ミランダは戸惑いを見せているが、当然のことだ。アイリーンの記憶としてではない、ゲームプレイヤーの千里としての経験や記憶。それをフル活用しようと考えているのだ。
そうでなければ、女王陛下の考えを変えるなど不可能だ。
「ミランダ。私のこと信じてくれないかな? 時が来たらちゃんと話すから」
「アイリーン様……畏まりました、アイリーン様を信用いたします」
自らに仕えるべきはアイリーン。ミランダの中での忠誠はそれが第一優先となっていた。だからこそ、彼女が真剣に頼み事をすれば、それを最優先に考えるのだ。
「ごめんね、ミランダ。もしも、国外追放とかになったら……」
「大丈夫です。その時はまた、二人で行く宛てを探しましょう」
「そうね。まあ、行く宛てだったら色々あるから心配しないで」
「……そうなんですか?」
上手く行くかはともかく、カンパニュラを操作していた時の恋人候補は数人は居る。彼らの下に向かえば、最悪生活くらいは出来るだろう。
アルガスに迷惑を掛け過ぎるのは、アイリーンとしても望んではいない。もしも、不敬罪などになった場合は、素直に伯爵のところを出ようと考えていた。
「それじゃあ、行って来るわね」
「はい。行ってらっしゃいませ」
アイリーンは元気にミランダに手を振ると、そのままシエラの滞在している部屋に向かって行った。
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