11 / 15
11
しおりを挟む
レオナルドの提案を受け入れた後、エリーゼは不安を口にした。
「陛下、しかし私が相談役になれば、社交界は騒ぎになります」
レオナルドは頷いた。
「だからこそ、非公式の相談役として働いていただきたいのです」
彼は椅子に座り、エリーゼにも座るよう促した。
「表向きは、あなたはただの侯爵令嬢のまま。しかし、実際には私の最も信頼する助言者として、王国の政策に関わっていただく」
「つまり、これまでと同じように?」
「いいえ、違います」
レオナルドは真剣な目で彼女を見た。
「これからは、直接私と協議できる。手紙のやり取りではなく、対面で。そして、より深い情報を共有できる」
エリーゼは考え込んだ。
「でも、なぜ公表しないのですか?」
「二つ理由があります」
レオナルドは指を立てた。
「一つ、古い貴族たちは女性が政治に関わることを好ましく思わない。公表すれば、彼らの反発を招き、あなたの提言を受け入れなくなる可能性がある」
「もう一つは?」
「あなた自身の安全のためです」
レオナルドの声が低くなった。
「政治には敵がつきもの。あなたの提言で損をする者たちもいる。もし公になれば、あなたが標的にされる可能性がある」
エリーゼは背筋が寒くなった。確かに、その通りだ。
「分かりました。陰から支えます」
「ありがとうございます」
レオナルドは微笑んだ。
「では、具体的な取り決めをしましょう。月に二度、あなたは王宮を訪れる。名目は『父の代理で陛下に謁見』とします」
「それなら、不自然ではありませんね」
「ええ。そして、私の執務室で政策について協議する。必要な資料も、全て見ていただきます」
エリーゼの目が輝いた。
「本当に、全ての情報を?」
「はい。あなたは今や、私の相談役なのですから」
レオナルドは立ち上がった。
「それと、もう一つ」
彼は窓の外を見た。
「私は、あなたに感謝しています。婚約破棄という辛い経験をした後も、王国のために力を尽くしてくれた」
「陛下」
エリーゼも立ち上がった。
「婚約破棄は、私にとって不幸ではありませんでした。むしろ、本当の自分を見つける機会でした」
彼女は微笑んだ。
「アレクシスが私を必要としなかったおかげで、陛下が私を必要としてくださった。これは、運命だったのかもしれません」
レオナルドは彼女を見つめた。
「あなたは、本当に強い」
「いいえ、弱かったからこそ、強くなろうとしたんです」
二人の間に、理解と信頼が流れていた。
図書室の扉がノックされた。
「陛下、そろそろお時間です」
側近の声に、レオナルドは頷いた。
「では、エリーゼ様。三日後、王宮でお待ちしています」
「はい、陛下」
レオナルドが部屋を出た後、エリーゼは椅子に座り込んだ。心臓が激しく鼓動している。
「私が、国王陛下の相談役」
信じられないことが起きた。かつて社交界の笑い者だった自分が、今や王国の政策に関わる立場になった。
「お嬢様」
マルタが入ってきた。
「陛下は、お帰りになりました。一体、何があったんですか?」
「秘密よ、マルタ」
エリーゼは微笑んだ。
「でも、素晴らしいことが起きたの」
その夜、エリーゼは眠れなかった。興奮と期待で胸がいっぱいだった。
一方、王宮に戻ったレオナルドも、側近に報告していた。
「やはり、彼女が『憂国の民』でした」
「では、これから彼女を相談役に?」
「ええ、非公式にね」
レオナルドは満足そうに頷いた。
「彼女は、私が求めていた人材だ。知性、洞察力、そして何より、王国を想う心を持っている」
側近が慎重に尋ねた。
「陛下、しかし彼女は若い女性です。古い貴族たちは」
「だから秘密にするのです」
レオナルドは断言した。
「性別など関係ない。必要なのは能力だ。そして、彼女にはその能力がある」
彼は窓の外を見た。
「これから、王国は大きく変わる。エリーゼと共に」
三日後、エリーゼは父に同行する形で王宮を訪れた。
「エリーゼ、緊張しているな」
馬車の中で、侯爵が娘を見た。
「少しだけ」
エリーゼは微笑んだ。父には、まだ全てを話していない。いや、話せない。
王宮に到着すると、側近が出迎えた。
「ハルトマン侯爵、そしてエリーゼ様。陛下がお待ちです」
侯爵は謁見の間へ、エリーゼは別の部屋へと案内された。
執務室の扉が開く。そこには、レオナルドが一人で立っていた。
「ようこそ、エリーゼ」
彼は親しげに微笑んだ。
「こちらへどうぞ」
机の上には、様々な資料が広げられている。財政報告書、貿易統計、農業生産データ。
「これが、現在の王国の状況です」
レオナルドが説明を始める。エリーゼは真剣に聞き入った。
「北部の食糧問題は改善しましたが、南部で新たな問題が発生しています」
「どのような?」
エリーゼが尋ねる。
「港の整備が遅れていて、貿易が滞っている。これについて、あなたの意見を聞きたい」
エリーゼは資料を見ながら考えた。
「港の整備には時間がかかります。だが、短期的には」
彼女は別の資料を手に取った。
「近隣の小さな港を活用できないでしょうか。分散すれば、一つの港への負担が減ります」
レオナルドは感心した。
「なるほど。すぐに検討させましょう」
二人は数時間、政策について議論した。時間を忘れるほど、充実した時間だった。
「エリーゼ、あなたと話していると、新しい視点が得られます」
レオナルドが言った。
「私も同じです、陛下。資料を直接見られるのは、とても勉強になります」
エリーゼは本当に楽しそうだった。
協議が終わり、エリーゼが立ち上がった時、レオナルドが言った。
「次回は、五日後。また、お待ちしています」
「はい、必ず参ります」
エリーゼが部屋を出ると、廊下で父が待っていた。
「長かったな。陛下と何を話していたんだ?」
「色々と」
エリーゼは曖昧に答えた。
「お父様、これから定期的に王宮に参ることになりそうです」
「そうか」
侯爵は娘の輝く顔を見て、微笑んだ。
「陛下が、お前の才能を認めてくださったのだな」
「お父様、ご存知だったんですか?」
「お前が『憂国の民』だということか?ああ、知っていたよ」
エリーゼは驚いた。
「いつから?」
「最初の提言書を送った時からだ。お前の筆跡を変えても、考え方までは変えられない」
侯爵は娘の肩を叩いた。
「誇りに思うぞ、エリーゼ」
馬車が王宮を離れる時、エリーゼは振り返った。
あの執務室で、国王と対等に議論できる。それは、夢のようなことだった。
「私の道は、まだ始まったばかり」
エリーゼは静かに微笑んだ。
新しい人生が、確実に動き始めていた。
「陛下、しかし私が相談役になれば、社交界は騒ぎになります」
レオナルドは頷いた。
「だからこそ、非公式の相談役として働いていただきたいのです」
彼は椅子に座り、エリーゼにも座るよう促した。
「表向きは、あなたはただの侯爵令嬢のまま。しかし、実際には私の最も信頼する助言者として、王国の政策に関わっていただく」
「つまり、これまでと同じように?」
「いいえ、違います」
レオナルドは真剣な目で彼女を見た。
「これからは、直接私と協議できる。手紙のやり取りではなく、対面で。そして、より深い情報を共有できる」
エリーゼは考え込んだ。
「でも、なぜ公表しないのですか?」
「二つ理由があります」
レオナルドは指を立てた。
「一つ、古い貴族たちは女性が政治に関わることを好ましく思わない。公表すれば、彼らの反発を招き、あなたの提言を受け入れなくなる可能性がある」
「もう一つは?」
「あなた自身の安全のためです」
レオナルドの声が低くなった。
「政治には敵がつきもの。あなたの提言で損をする者たちもいる。もし公になれば、あなたが標的にされる可能性がある」
エリーゼは背筋が寒くなった。確かに、その通りだ。
「分かりました。陰から支えます」
「ありがとうございます」
レオナルドは微笑んだ。
「では、具体的な取り決めをしましょう。月に二度、あなたは王宮を訪れる。名目は『父の代理で陛下に謁見』とします」
「それなら、不自然ではありませんね」
「ええ。そして、私の執務室で政策について協議する。必要な資料も、全て見ていただきます」
エリーゼの目が輝いた。
「本当に、全ての情報を?」
「はい。あなたは今や、私の相談役なのですから」
レオナルドは立ち上がった。
「それと、もう一つ」
彼は窓の外を見た。
「私は、あなたに感謝しています。婚約破棄という辛い経験をした後も、王国のために力を尽くしてくれた」
「陛下」
エリーゼも立ち上がった。
「婚約破棄は、私にとって不幸ではありませんでした。むしろ、本当の自分を見つける機会でした」
彼女は微笑んだ。
「アレクシスが私を必要としなかったおかげで、陛下が私を必要としてくださった。これは、運命だったのかもしれません」
レオナルドは彼女を見つめた。
「あなたは、本当に強い」
「いいえ、弱かったからこそ、強くなろうとしたんです」
二人の間に、理解と信頼が流れていた。
図書室の扉がノックされた。
「陛下、そろそろお時間です」
側近の声に、レオナルドは頷いた。
「では、エリーゼ様。三日後、王宮でお待ちしています」
「はい、陛下」
レオナルドが部屋を出た後、エリーゼは椅子に座り込んだ。心臓が激しく鼓動している。
「私が、国王陛下の相談役」
信じられないことが起きた。かつて社交界の笑い者だった自分が、今や王国の政策に関わる立場になった。
「お嬢様」
マルタが入ってきた。
「陛下は、お帰りになりました。一体、何があったんですか?」
「秘密よ、マルタ」
エリーゼは微笑んだ。
「でも、素晴らしいことが起きたの」
その夜、エリーゼは眠れなかった。興奮と期待で胸がいっぱいだった。
一方、王宮に戻ったレオナルドも、側近に報告していた。
「やはり、彼女が『憂国の民』でした」
「では、これから彼女を相談役に?」
「ええ、非公式にね」
レオナルドは満足そうに頷いた。
「彼女は、私が求めていた人材だ。知性、洞察力、そして何より、王国を想う心を持っている」
側近が慎重に尋ねた。
「陛下、しかし彼女は若い女性です。古い貴族たちは」
「だから秘密にするのです」
レオナルドは断言した。
「性別など関係ない。必要なのは能力だ。そして、彼女にはその能力がある」
彼は窓の外を見た。
「これから、王国は大きく変わる。エリーゼと共に」
三日後、エリーゼは父に同行する形で王宮を訪れた。
「エリーゼ、緊張しているな」
馬車の中で、侯爵が娘を見た。
「少しだけ」
エリーゼは微笑んだ。父には、まだ全てを話していない。いや、話せない。
王宮に到着すると、側近が出迎えた。
「ハルトマン侯爵、そしてエリーゼ様。陛下がお待ちです」
侯爵は謁見の間へ、エリーゼは別の部屋へと案内された。
執務室の扉が開く。そこには、レオナルドが一人で立っていた。
「ようこそ、エリーゼ」
彼は親しげに微笑んだ。
「こちらへどうぞ」
机の上には、様々な資料が広げられている。財政報告書、貿易統計、農業生産データ。
「これが、現在の王国の状況です」
レオナルドが説明を始める。エリーゼは真剣に聞き入った。
「北部の食糧問題は改善しましたが、南部で新たな問題が発生しています」
「どのような?」
エリーゼが尋ねる。
「港の整備が遅れていて、貿易が滞っている。これについて、あなたの意見を聞きたい」
エリーゼは資料を見ながら考えた。
「港の整備には時間がかかります。だが、短期的には」
彼女は別の資料を手に取った。
「近隣の小さな港を活用できないでしょうか。分散すれば、一つの港への負担が減ります」
レオナルドは感心した。
「なるほど。すぐに検討させましょう」
二人は数時間、政策について議論した。時間を忘れるほど、充実した時間だった。
「エリーゼ、あなたと話していると、新しい視点が得られます」
レオナルドが言った。
「私も同じです、陛下。資料を直接見られるのは、とても勉強になります」
エリーゼは本当に楽しそうだった。
協議が終わり、エリーゼが立ち上がった時、レオナルドが言った。
「次回は、五日後。また、お待ちしています」
「はい、必ず参ります」
エリーゼが部屋を出ると、廊下で父が待っていた。
「長かったな。陛下と何を話していたんだ?」
「色々と」
エリーゼは曖昧に答えた。
「お父様、これから定期的に王宮に参ることになりそうです」
「そうか」
侯爵は娘の輝く顔を見て、微笑んだ。
「陛下が、お前の才能を認めてくださったのだな」
「お父様、ご存知だったんですか?」
「お前が『憂国の民』だということか?ああ、知っていたよ」
エリーゼは驚いた。
「いつから?」
「最初の提言書を送った時からだ。お前の筆跡を変えても、考え方までは変えられない」
侯爵は娘の肩を叩いた。
「誇りに思うぞ、エリーゼ」
馬車が王宮を離れる時、エリーゼは振り返った。
あの執務室で、国王と対等に議論できる。それは、夢のようなことだった。
「私の道は、まだ始まったばかり」
エリーゼは静かに微笑んだ。
新しい人生が、確実に動き始めていた。
822
あなたにおすすめの小説
冷遇妃マリアベルの監視報告書
Mag_Mel
ファンタジー
シルフィード王国に敗戦国ソラリから献上されたのは、"太陽の姫"と讃えられた妹ではなく、悪女と噂される姉、マリアベル。
第一王子の四番目の妃として迎えられた彼女は、王宮の片隅に追いやられ、嘲笑と陰湿な仕打ちに晒され続けていた。
そんな折、「王家の影」は第三王子セドリックよりマリアベルの監視業務を命じられる。年若い影が記す報告書には、ただ静かに耐え続け、死を待つかのように振舞うひとりの女の姿があった。
王位継承争いと策謀が渦巻く王宮で、冷遇妃の運命は思わぬ方向へと狂い始める――。
(小説家になろう様にも投稿しています)
【完結】三歳年下の婚約者は、嘘を覚えた
恋せよ恋
恋愛
ランバート侯爵令嬢フィオーラには三歳年下の病弱な婚約者がいる。
保養地で十二歳まで静養するフィッチモ公爵家の嫡男、エドワード。
病弱で儚げだった可愛い彼を、フィオーラは献身的に励まし支えた。
十四歳でエドワードが健康を取り戻し王都へ戻ると、環境に変化が。
金髪に青い目の整った容姿の公爵家嫡男に群がる令嬢たち。
「三歳年上の年増」「素敵なエドワード様に相応しくないおばさん」
周囲の令嬢たちによるフィオーラへの執拗な侮辱。
そして、エドワードの友人の義妹マリアンヌの甘い誘惑と、接近。
思春期真っ盛りのエドワードと、美しいフィオーラの関係は拗れていく。
二人の婚約の結末は、婚約解消か、継続か、はたまた……。
若い二人の拗れた恋の行方の物語
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!
「貧相な小娘」と罵った第一王子へ。番(つがい)は貴方ではなく、国王陛下(お父様)でした
しえろ あい
恋愛
「お父様、わたくし、あの方と目が合った瞬間、分かってしまったのです」
十六歳のデビュタントの夜、ルーセント侯爵令嬢フェリシアを待っていたのは、残酷な罵倒だった。第一王子カシウスは、可憐な白いドレスを纏った彼女を「貧相な小娘」と呼び、己の番(つがい)であることを真っ向から否定する。
会場に響く冷笑と、愛用の刺繍に込めた自信さえ打ち砕くような屈辱。しかし、絶望の淵に立たされた彼女を見つめていたのは、王子ではなく、圧倒的な威厳を放つ「ある男」だった。
魂を焦がすような熱い視線が重なり、静まり返る謁見の間。この出会いが、王室を揺るがす大事件の幕開けになるとは、まだ誰も知らない。自身の価値を否定された少女が、真実の愛によって世界で最も幸福な王妃へと駆け上がる、逆転溺愛ストーリー。
※小説家になろう様にも投稿しています※
【完結】「あなたは強いから大丈夫よね」、無自覚に人生を奪う姉
恋せよ恋
恋愛
「セリーヌは強いから、一人でも大丈夫よね?」
婚約破棄され「可哀想なヒロイン」となった姉カトリーヌ。
無自覚で優しい姉を気遣う両親と『私の』婚約者クロード。
私の世界は反転した。
十歳から五年間、努力で守ってきた「次期後継者」の座も。
自分に誂えた「ドレス」も……。「婚約者」さえも……。
両親は微笑んで言う。
「姉様が傷ついているの強いお前が譲ってあげなさい」と。
泣いて縋れば誰かが助けてくれると思っているお姉様。
あとはお一人で頑張ってくださいませ。
私は、私を必要としてくれる場所へ――。
家族と婚約者を見限った、妹・セリーヌの物語。
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!
側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません!
花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」
婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。
追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。
しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。
夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。
けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。
「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」
フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。
しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!?
「離縁する気か? 許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」
凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。
孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス!
※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。
【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】
私より幼馴染を選んだ婚約者に別れを告げたら謝罪に来ましたが、契約を守れない貴族とは取引しませんので
藤原遊
恋愛
祖父が創立した大商会で、跡継ぎとして働いている私。
けれど婚約者は、私より幼馴染を選びました。
それなら構いません。
婚約という契約を守れない相手と、これ以上関係を続けるつもりはありませんから。
祖父の商会は隣国と新たな取引を始めることになりました。
――その途端、なぜか元婚約者が謝罪に来るようになりましたが、もう遅いです。
婚約破棄で悪役令嬢を辞めたので、今日から素で生きます。
黒猫かの
恋愛
「エリー・オルブライト! 貴様との婚約を破棄する!」
豪華絢爛な夜会で、ウィルフレッド王子から突きつけられた非情な宣告。
しかし、公爵令嬢エリーの心境は……「よっしゃあ! やっと喋れるわ!!」だった。
婚約破棄された公爵令嬢ですが、戻らなかっただけです
鷹 綾
恋愛
王太子カイル殿下から、社交界の場で婚約破棄を言い渡された公爵令嬢リュシエンヌ。
理由は――
「王太子妃には華が必要だから」。
新たに選ばれたのは、愛らしく無邪気な義妹セシリア。
誰もが思った。
傷ついた令嬢は泣き、縋り、やがて戻るのだと。
けれどリュシエンヌは、ただ一言だけ告げる。
「戻りません」
彼女は怒らない。
争わない。
復讐もしない。
ただ――王家を支えるのをやめただけ。
流通は滞り、商会は様子を見始め、焦った王太子は失点を重ねる。
さらに義妹の軽率な一言が決定打となり、王太子妃候補の座は静かに消えた。
強いざまあとは、叫ぶことではない。
自らの選択で、自らの立場を削らせること。
そして彼女は最後まで戻らない。
支えない。
奪わない。
――選ばれなかったのではない。
彼女が、選ばなかったのだ。
これは、沈黙で勝つ公爵令嬢の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる