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第一章 原作前
第16話 ポイズントード
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「ではドライ、リズ。また会えるまで元気でね」
「ファラもお元気で」
「ああ。今度会ったときはビックリするぐらい強くなっておくよ」
結局三人とも回復魔法を覚えられた。もちろんイスも覚えた。さすがインフィニティ……。
カイラさんとファラは――
『こんなのあり得ないわ!』
『まさか数回の試技で成功するなんて』
――と驚いていたけどね。
当然それには俺も驚いた。俺は超越者でどんなスキルでも覚えられるんだけど、リズとファラは違う。
それでも覚えられたんだからオッケーなのか? と少し疑問に思うこともあるけど今は気にしないでおこう。
二人を切り株広場で見送ったあと、午後のレベル上げに戻ることにした。
イスは当然切り株の食事に戻る。だけどそのとき、リズが『あっ、私のおっぱい……』と言ってたけどリズのじゃないからね。
喋らないホーンラビットと喋らないスライムを倒しながら少しずつ森の奥に進み、小さな沼を見つけた。
見つけたというより、ゲコゲコと鳴き声が聞こえたので来てみたわけだけど、黒くてデカい。前世でも見たことあるヒキガエルのデカイ版だ。
「大きいですわね」
少し心配していたけど、リズはカエルも大丈夫なようだ。
「ああ。真っ黒でデカいな。ホーンラビットの倍はあるぞ……」
「いかがなさいますか? ポイズントードは火魔法が弱点ですわよ」
「それと気を付けなきゃいけないのが舌の攻撃と毒、体当たりだよね」
「そうでしたわ、カイラさんが言ってましたわね。ドライ、火魔法を試しましょうか」
「そうしよう。一応話しかけてからね。あとはどのポイズントードを狙うか、だよな……」
沼にいたポイズントードは一匹ではない。沼の中はもちろん、外にもいっぱいいる。
観察していると、あたりを警戒するように、時々ピョンとその場で弾み、向きを変えるものが数匹。コイツには見つからないようにしないと駄目な気がする。
その点沼のポイズントードたちは目を閉じ、プカプカ浮かんでいるだけ。岸に上がっている残りはそこら中に咲いている、毒々しい紫の花を食べているようだ。
「狙うのは、あのまわりを警戒しているヤツじゃなければ当てられそうだよな」
「ですわね。ドライ、あの一匹だけ赤い斑点がありますわよ」
「ど、れ、かな? あ、アレか。斑点が頭にひとつだけのだよね」
「そうですわ……なんですの?」
「ん? どうした?」
「ドライではありませんの? つんつんとつつきましたわよね……っ!」
「おわっ! リズ! 後ろ!」
「ひい! か、カエルさん!」
茂みに潜んでいた俺たちの真後ろに、いつの間にかカエルがいて、リズを指先でつついていたようだ。
「俺の後ろへ!」
だがリズは腰を落としてしまっていてすぐには動けない。剣を構えリズの前に出る。
てかデカ過ぎだろ! イスと良い勝負だぞ!
見上げるようなカエルだ。その大きさは俺たちくらいは軽く一口で飲み込めるサイズだ。
「おい! お前は喋れるか! 喋れるなら返事を!」
話しかけるが反応はない。リズに伸ばしていた手をゆっくり戻しただけだ。
「話せない、そうか、念話――」
『おい、聞こえるか? 話せるなら返事を――』
念話に切り替え、話しかけている最中にその声が頭に響いてきた。それは――
『……ニンゲン クウ ニンゲン クウ』
「っ! 話せるけどコイツは駄目だ! リズ!」
「え、ええ! 聞こえましたわ! でしたら食べられたくありませんもの! やっつけるしかありませんわね!」
俺が相手をしている間になんとか立ち上がったリズ。同じように剣を構えて迎え撃つ体勢がととのった。
「行くぞ!」
「はい!」
ポイズントードまでの距離は約三メートル。この距離なら外しようがない。呼吸を合わせて――
「「ファイアーボール!」」
左手を伸ばし、魔法の名を叫ぶと手のひらの前に火の玉が生まれ、ポイズントードに向かって飛んでいった。
「行けっ!」
ドドン!
大きな音を立て、リズのファイアーボールがポイズントードののど元に着弾し、開いていた口の中には俺のファイアーボールが入り爆発した。
「熱っ!」
「きゃぁ!」
熱気が俺たちの方にも押し寄せる。
「やったか!」
もうもうと立ち込める煙の向こうに影が見えている。まだ倒せてない!
「まだだ! リズは回り込んで背後からファイアーボールをお願い! 俺は魔力がなくなったら剣だけで攻撃するから! ファイアーボール!」
続けて二発目を一度目と同じ口を狙う。リズも同じ位置を狙い二発目を撃った。
「わかりましたわ! ファイアーボール!」
ドドン!
レベル5の時点でMPは俺が15。リズは36もある。ファイアーボールは一回MP2を消費するから俺は多くても七回。回復したとして八回が限界だ。
要所要所で撃つにしても、限界はすぐくるだろう。俺の方はリズの半分以下しか撃てないから厳しい戦いになりそうだ。
だけど絶対勝ってやる。リズは左に動き、木々の間を抜けてポイズントードの影に隠れ見えなくなった。
リズは上手く背後に回れそうだ。だったら意識が向かないよう攻撃し続ける!
と、覚悟を決めたと言うのにポイズントードはパックリ口を開けたまま動かない……あれ?
「ドラーイ、ポイズントードさん死んでますわー」
「マジか……デカイだけだったのか?」
とりあえず生死確認のために鑑定をすると――
キングポイズントードと出た。が、説明文を読むと――
・大変美味で、希少なキングポイズントードは見つけたら確実に倒しましょう
・体格はポイズントードの十倍から二十倍まで確認されているが、HPはポイズントードと変わらない
・弱点は火属性魔法 喉の毒袋
・通常攻撃なら、レベル5以上推奨
えっと、美味しいんだ……。
「ファラもお元気で」
「ああ。今度会ったときはビックリするぐらい強くなっておくよ」
結局三人とも回復魔法を覚えられた。もちろんイスも覚えた。さすがインフィニティ……。
カイラさんとファラは――
『こんなのあり得ないわ!』
『まさか数回の試技で成功するなんて』
――と驚いていたけどね。
当然それには俺も驚いた。俺は超越者でどんなスキルでも覚えられるんだけど、リズとファラは違う。
それでも覚えられたんだからオッケーなのか? と少し疑問に思うこともあるけど今は気にしないでおこう。
二人を切り株広場で見送ったあと、午後のレベル上げに戻ることにした。
イスは当然切り株の食事に戻る。だけどそのとき、リズが『あっ、私のおっぱい……』と言ってたけどリズのじゃないからね。
喋らないホーンラビットと喋らないスライムを倒しながら少しずつ森の奥に進み、小さな沼を見つけた。
見つけたというより、ゲコゲコと鳴き声が聞こえたので来てみたわけだけど、黒くてデカい。前世でも見たことあるヒキガエルのデカイ版だ。
「大きいですわね」
少し心配していたけど、リズはカエルも大丈夫なようだ。
「ああ。真っ黒でデカいな。ホーンラビットの倍はあるぞ……」
「いかがなさいますか? ポイズントードは火魔法が弱点ですわよ」
「それと気を付けなきゃいけないのが舌の攻撃と毒、体当たりだよね」
「そうでしたわ、カイラさんが言ってましたわね。ドライ、火魔法を試しましょうか」
「そうしよう。一応話しかけてからね。あとはどのポイズントードを狙うか、だよな……」
沼にいたポイズントードは一匹ではない。沼の中はもちろん、外にもいっぱいいる。
観察していると、あたりを警戒するように、時々ピョンとその場で弾み、向きを変えるものが数匹。コイツには見つからないようにしないと駄目な気がする。
その点沼のポイズントードたちは目を閉じ、プカプカ浮かんでいるだけ。岸に上がっている残りはそこら中に咲いている、毒々しい紫の花を食べているようだ。
「狙うのは、あのまわりを警戒しているヤツじゃなければ当てられそうだよな」
「ですわね。ドライ、あの一匹だけ赤い斑点がありますわよ」
「ど、れ、かな? あ、アレか。斑点が頭にひとつだけのだよね」
「そうですわ……なんですの?」
「ん? どうした?」
「ドライではありませんの? つんつんとつつきましたわよね……っ!」
「おわっ! リズ! 後ろ!」
「ひい! か、カエルさん!」
茂みに潜んでいた俺たちの真後ろに、いつの間にかカエルがいて、リズを指先でつついていたようだ。
「俺の後ろへ!」
だがリズは腰を落としてしまっていてすぐには動けない。剣を構えリズの前に出る。
てかデカ過ぎだろ! イスと良い勝負だぞ!
見上げるようなカエルだ。その大きさは俺たちくらいは軽く一口で飲み込めるサイズだ。
「おい! お前は喋れるか! 喋れるなら返事を!」
話しかけるが反応はない。リズに伸ばしていた手をゆっくり戻しただけだ。
「話せない、そうか、念話――」
『おい、聞こえるか? 話せるなら返事を――』
念話に切り替え、話しかけている最中にその声が頭に響いてきた。それは――
『……ニンゲン クウ ニンゲン クウ』
「っ! 話せるけどコイツは駄目だ! リズ!」
「え、ええ! 聞こえましたわ! でしたら食べられたくありませんもの! やっつけるしかありませんわね!」
俺が相手をしている間になんとか立ち上がったリズ。同じように剣を構えて迎え撃つ体勢がととのった。
「行くぞ!」
「はい!」
ポイズントードまでの距離は約三メートル。この距離なら外しようがない。呼吸を合わせて――
「「ファイアーボール!」」
左手を伸ばし、魔法の名を叫ぶと手のひらの前に火の玉が生まれ、ポイズントードに向かって飛んでいった。
「行けっ!」
ドドン!
大きな音を立て、リズのファイアーボールがポイズントードののど元に着弾し、開いていた口の中には俺のファイアーボールが入り爆発した。
「熱っ!」
「きゃぁ!」
熱気が俺たちの方にも押し寄せる。
「やったか!」
もうもうと立ち込める煙の向こうに影が見えている。まだ倒せてない!
「まだだ! リズは回り込んで背後からファイアーボールをお願い! 俺は魔力がなくなったら剣だけで攻撃するから! ファイアーボール!」
続けて二発目を一度目と同じ口を狙う。リズも同じ位置を狙い二発目を撃った。
「わかりましたわ! ファイアーボール!」
ドドン!
レベル5の時点でMPは俺が15。リズは36もある。ファイアーボールは一回MP2を消費するから俺は多くても七回。回復したとして八回が限界だ。
要所要所で撃つにしても、限界はすぐくるだろう。俺の方はリズの半分以下しか撃てないから厳しい戦いになりそうだ。
だけど絶対勝ってやる。リズは左に動き、木々の間を抜けてポイズントードの影に隠れ見えなくなった。
リズは上手く背後に回れそうだ。だったら意識が向かないよう攻撃し続ける!
と、覚悟を決めたと言うのにポイズントードはパックリ口を開けたまま動かない……あれ?
「ドラーイ、ポイズントードさん死んでますわー」
「マジか……デカイだけだったのか?」
とりあえず生死確認のために鑑定をすると――
キングポイズントードと出た。が、説明文を読むと――
・大変美味で、希少なキングポイズントードは見つけたら確実に倒しましょう
・体格はポイズントードの十倍から二十倍まで確認されているが、HPはポイズントードと変わらない
・弱点は火属性魔法 喉の毒袋
・通常攻撃なら、レベル5以上推奨
えっと、美味しいんだ……。
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