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第二章 原作開始
第87話 ワイバーン討伐と指名依頼
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『イス、これってどう見ても王都に行かないんじゃない?』
『そうなのよね~。ん~と、ならどこに向かってるのか……その方向って確か――』
『教国かブランシード公国ですわ。でも、カサブランカに来なくて良かった、のですわよね?』
そのとおりだけど……なぜだ? なぜ襲来する国が変わるんだ?
考えられるというか、ほぼ間違い無いと思うけど、原因は……勇者だよなぁ。
飛んできた方角にも何国かあるし、町や村だってある。それも当然飛び越えてきてるよな。
『ねえ。カサブランカの王都に来ないなら一度戻って王に言っておいた方がよくない? それとも倒してから帰る?』
『わたくしは倒してからが良いと思いますわ。どちらに行くとしても、被害が出るのは駄目だと思いますの』
『……うん。そうだな。もう目の前だし、倒してから帰ろう』
『そうよ。せっかく美味しいお肉があっちから来てくれたんだもん。狩っちゃいましょう。あ、一匹は踊り食いしちゃおっかなー』
あの大きさのワイバーンを踊り食い? ま、まあ、良いけど……あ、駄目だ。
『イス。王様に十三匹って言っちゃったから踊り食いは無しで』
『えー! 仕方ないわね。じゃあサクサク倒すだけにしておくわ』
しぶしぶのイスと他の皆がそれぞれ武器を取り出しワイバーンへつっこんでいく。
……そうだな、試しに聖剣使ってみるか。
あの日から預かっていた聖剣を取り出した瞬間――
『あら? ワイバーンたちがこっち向いたわよ? でも好都合ね』
『あちらからやって来てくれるなんて、おりこうさんですわ! お肉はいただきますわよ!』
『ふふふ。リズ、はしゃぎすぎて怪我しないように気を付けなさいね』
『……まさかな。ま、考えても仕方がないか。みんな! 下に村があるから落とす場所は気をつけてね! 気をつけて狩り尽くすぞ!』
『ひゃっふー!』
『わかりましたわ!』
『任せなさい!』
結果はワイバーン十三匹分のお肉の確保ができたこと。
……被害は放牧されてた家畜が驚いて数匹逃げたこと。
そして目の前にいる、放牧をしていたおじさんの目の前にワイバーンが落ちて腰を抜かしたくらいだ。
「お騒がせしてすいません。お怪我はありませんか? 回復魔法かけますね」
ワイバーンをさっとストレージにしまい、おじさんに回復魔法と再生をかけておく。
「驚いたぞ、いきなりでかいもんが降ってきたからよ……あれはいったい何なんだ?」
「ワイバーンという魔物ですね」
「あんなの見たことねえぞ。しかしあんたらスゲーな。いっぱいいただろ」
「十三匹ですね」
「たまげた。でかいのが落ちてきたと思ったら次々と落ちてくるもんだからよ。っと、ん? 膝が痛くねえな」
回復が終わり立ち上がったおじさんがそんなことを言う。
「あ、回復魔法のついでに再生もかけましたので、治ったようですね」
「おお! まったく痛くねえぞ! お前強いだけじゃなく、そんなこともできるのか!」
屈伸したりジャンプしたり走り回るおじさん。心なしか若返ってる気がする。
「はーい。逃げ出した子これでたぶん最後ね」
「ん? うちの牛たち! おおファフニール! お前まで逃げてやがったか!」
ファフニール? あれ? ファラの飛龍と同じ名前が着いた牛……。
ファラが微妙な笑顔をしながら着地させ、飛行スキルを切った。
うん。飛龍と牛が同じ名前とか、無くはないと思うし、諦めようね。
つかまえてきたファフニールに顔をすり付けられ懐かれてるファラ。
「おいおいファフニール。気性の荒いお前がそんなに懐くたぁ、嬢ちゃん、うちの息子の嫁に来ねえか?」
「ごめんなさい。わたくしそこのドライの婚約者だから」
「なんと。それじゃあ仕方ねえな」
「牧場のへこんでしまったところは直しておきましたわ」
『それに良い感じの古い切り株もあったの! それもいただいてきたわ!』
「ありがとう。お疲れ様」
さすがに羽を広げると二十メートルを超す大物が落ちてできた穴。俺がおじさん相手をしている内に十三匹分の穴を手直ししてもらっていた。
ファラには逃げた家畜を集めてもらって、イスには倒したあとの血を綺麗にしてもらっていたんだけど……。
切り株か、まあ、牧場には必要ないから怒られたりはしないよね。
最後に駄目なところはないか確認してもらい、王都に帰ることにした。
が。
「そうだお前さんたち。それだけ強い冒険者ならひとつ依頼を請けて欲しいんだが……」
おじさんが言うには、この酪農の村で近々行われる祭に参加して欲しいとのこと。
最初、俺も含めてみんなの頭に『???』が浮かんだが、その祭に使う牛の魔物の捕獲を頼めないかと。
よく聞くと、今飼ってる牛たちは元々は魔物で、飼い慣らしているだけとか。
そういや生前でも牛を生で見たこと無いけど、よく見ると、この牛、体高が二メートル以上ある。
牛の平均どのくらいなんだろ? というか魔物なのか。
「ドライ。どうしますの?」
「う~ん……でも捕獲の依頼とか請けたこと無いし面白そうだよね」
「そうね。別にいいんじゃない。ちゃんと冒険者ギルドを通してもらわないと駄目だけど」
「おじさま。でしたら冒険者ギルドに『超越者』パーティーに指名依頼してくださいませ」
「おお! 請けてくれるか! わかった『超越者』だな。祭は十日先だ、早速指名依頼を出しておく」
おじさんと別れ王都に帰ることにする。
別れ際、ファフニールに名残惜しそうに顔をすり付けられるファラはやはり微妙な笑顔だったけどね。
ファラって、もしかしたらテイマーの才能があるかもしれないな。今度試してみるか。
『そうなのよね~。ん~と、ならどこに向かってるのか……その方向って確か――』
『教国かブランシード公国ですわ。でも、カサブランカに来なくて良かった、のですわよね?』
そのとおりだけど……なぜだ? なぜ襲来する国が変わるんだ?
考えられるというか、ほぼ間違い無いと思うけど、原因は……勇者だよなぁ。
飛んできた方角にも何国かあるし、町や村だってある。それも当然飛び越えてきてるよな。
『ねえ。カサブランカの王都に来ないなら一度戻って王に言っておいた方がよくない? それとも倒してから帰る?』
『わたくしは倒してからが良いと思いますわ。どちらに行くとしても、被害が出るのは駄目だと思いますの』
『……うん。そうだな。もう目の前だし、倒してから帰ろう』
『そうよ。せっかく美味しいお肉があっちから来てくれたんだもん。狩っちゃいましょう。あ、一匹は踊り食いしちゃおっかなー』
あの大きさのワイバーンを踊り食い? ま、まあ、良いけど……あ、駄目だ。
『イス。王様に十三匹って言っちゃったから踊り食いは無しで』
『えー! 仕方ないわね。じゃあサクサク倒すだけにしておくわ』
しぶしぶのイスと他の皆がそれぞれ武器を取り出しワイバーンへつっこんでいく。
……そうだな、試しに聖剣使ってみるか。
あの日から預かっていた聖剣を取り出した瞬間――
『あら? ワイバーンたちがこっち向いたわよ? でも好都合ね』
『あちらからやって来てくれるなんて、おりこうさんですわ! お肉はいただきますわよ!』
『ふふふ。リズ、はしゃぎすぎて怪我しないように気を付けなさいね』
『……まさかな。ま、考えても仕方がないか。みんな! 下に村があるから落とす場所は気をつけてね! 気をつけて狩り尽くすぞ!』
『ひゃっふー!』
『わかりましたわ!』
『任せなさい!』
結果はワイバーン十三匹分のお肉の確保ができたこと。
……被害は放牧されてた家畜が驚いて数匹逃げたこと。
そして目の前にいる、放牧をしていたおじさんの目の前にワイバーンが落ちて腰を抜かしたくらいだ。
「お騒がせしてすいません。お怪我はありませんか? 回復魔法かけますね」
ワイバーンをさっとストレージにしまい、おじさんに回復魔法と再生をかけておく。
「驚いたぞ、いきなりでかいもんが降ってきたからよ……あれはいったい何なんだ?」
「ワイバーンという魔物ですね」
「あんなの見たことねえぞ。しかしあんたらスゲーな。いっぱいいただろ」
「十三匹ですね」
「たまげた。でかいのが落ちてきたと思ったら次々と落ちてくるもんだからよ。っと、ん? 膝が痛くねえな」
回復が終わり立ち上がったおじさんがそんなことを言う。
「あ、回復魔法のついでに再生もかけましたので、治ったようですね」
「おお! まったく痛くねえぞ! お前強いだけじゃなく、そんなこともできるのか!」
屈伸したりジャンプしたり走り回るおじさん。心なしか若返ってる気がする。
「はーい。逃げ出した子これでたぶん最後ね」
「ん? うちの牛たち! おおファフニール! お前まで逃げてやがったか!」
ファフニール? あれ? ファラの飛龍と同じ名前が着いた牛……。
ファラが微妙な笑顔をしながら着地させ、飛行スキルを切った。
うん。飛龍と牛が同じ名前とか、無くはないと思うし、諦めようね。
つかまえてきたファフニールに顔をすり付けられ懐かれてるファラ。
「おいおいファフニール。気性の荒いお前がそんなに懐くたぁ、嬢ちゃん、うちの息子の嫁に来ねえか?」
「ごめんなさい。わたくしそこのドライの婚約者だから」
「なんと。それじゃあ仕方ねえな」
「牧場のへこんでしまったところは直しておきましたわ」
『それに良い感じの古い切り株もあったの! それもいただいてきたわ!』
「ありがとう。お疲れ様」
さすがに羽を広げると二十メートルを超す大物が落ちてできた穴。俺がおじさん相手をしている内に十三匹分の穴を手直ししてもらっていた。
ファラには逃げた家畜を集めてもらって、イスには倒したあとの血を綺麗にしてもらっていたんだけど……。
切り株か、まあ、牧場には必要ないから怒られたりはしないよね。
最後に駄目なところはないか確認してもらい、王都に帰ることにした。
が。
「そうだお前さんたち。それだけ強い冒険者ならひとつ依頼を請けて欲しいんだが……」
おじさんが言うには、この酪農の村で近々行われる祭に参加して欲しいとのこと。
最初、俺も含めてみんなの頭に『???』が浮かんだが、その祭に使う牛の魔物の捕獲を頼めないかと。
よく聞くと、今飼ってる牛たちは元々は魔物で、飼い慣らしているだけとか。
そういや生前でも牛を生で見たこと無いけど、よく見ると、この牛、体高が二メートル以上ある。
牛の平均どのくらいなんだろ? というか魔物なのか。
「ドライ。どうしますの?」
「う~ん……でも捕獲の依頼とか請けたこと無いし面白そうだよね」
「そうね。別にいいんじゃない。ちゃんと冒険者ギルドを通してもらわないと駄目だけど」
「おじさま。でしたら冒険者ギルドに『超越者』パーティーに指名依頼してくださいませ」
「おお! 請けてくれるか! わかった『超越者』だな。祭は十日先だ、早速指名依頼を出しておく」
おじさんと別れ王都に帰ることにする。
別れ際、ファフニールに名残惜しそうに顔をすり付けられるファラはやはり微妙な笑顔だったけどね。
ファラって、もしかしたらテイマーの才能があるかもしれないな。今度試してみるか。
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