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第一章~フレイヤ国、北東領地、ヴァジ村~
第三話
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車は針山のように成長したビル郡の街を走り抜け、次第に都心から離れていく。
ジルニクス帝国の護衛機関セイヴァ本部へと続く高速道路は真っ直ぐ伸びていた。
町と田畑が点在する郊外を突っ切り、再び見えてきたビル群一帯が徐々に近づいて来る。
ヴァジ村に移り住む前に住んでいた街だが、当時は幼過ぎてあまり覚えてはいない。
ビル群全体がセイヴァの軍事施設となっている。軍人寮や住居区、学校、娯楽施設も備えた、護衛機関の要塞都市。民間人にも娯楽施設の一部は解放され、観光スポットになっている。
有無を言わさず半強制的に連行されたヴレイは司令執務室で、唐突に父親と再会した。
ここまで連れて来てくれた名の知らない女職員は、颯爽と部屋を出て行った。
喜ばしい親子の再会とは無縁の、重力を感じるかのような、重い空気だった。
父親のことをあまり知らないのだから、会話が弾むわけもない。
「体は回復したようだな」
「あ、うん」としか返事ができなかった。次に父親が発する言葉を待つ。
「お前にはここでやるべき事があるから呼んだ」
じゃあ、ここでやるべき事がなかったら、引き取らなかったの? 俺はあの後もずっと一人だったの? ふと頭によぎって、後頭部から血の気が引いた。
父親の言葉はあまりにも傲然としていて、目の前の人物が、血の繋がった父親には見えなかった。
「やるべき事って」
嫌な緊張で、喉が渇いて掠れたような声になった。
微動にしない威厳さが昂然と人を見下している。
その視線に萎縮するヴレイは気付かれないように生唾を飲み込んだ。見えない巨大な手で、体を締め付けられているような窮屈感だ。
「護衛機関セイヴァには幾つも部署がある、それは分かるな。お前の『妖源力』を活かせる所は、セイヴァだけだ。制御の仕方も使い方も教える。お前を本日から、特務第二艦隊アンドラス開発部に配属する」
ヴレイは理解できていないまま、司令長官は続きを話す。
「始めは三週間交代で各部の研修を行い、その後、戦闘機レーシーとアンドラス機の訓練を行う。尚、お前には普通教育の最低単位は取ってもらう」
選択の余地はない、と言っているような冷徹な口調だった。
「さっきも言ったが、お前には『妖源力』が備わっている、もちろん知ってるな」
ドクッと鼓動が高鳴った。
腿の横にぴったり付けていた左手を軽く握った。
「知ってる、それと入隊にどう関係してるの?」
「『妖源力』を動力源とする搭乗型の戦闘機、アンドラスはまだ試験運転段階だ。妖源動力システムはうちにしかないシステムだ、敵も多い。アンドラス開発担当が特務第二艦隊だ。お前はアンドラスの搭乗者だ」
父親から放たれた言葉が脳内でうまく処理できない。
概要がまだ掴めず、搭乗者だと言われても、断る動機も帰る場所もなかったヴレイは必然的に受け入れるしかなかった。
「分かりました」
「必要なものはすべて寮に運ばせる。何か質問は」
唾で喉をうるおし、唇を舐めてから口を開いた。
「ありません」
爪が食い込むほどに、ヴレイは拳を強く握った。
こうしてヴレイのジルニクス帝国の軍人としての人生が始まった。
ジルニクス帝国の護衛機関セイヴァ本部へと続く高速道路は真っ直ぐ伸びていた。
町と田畑が点在する郊外を突っ切り、再び見えてきたビル群一帯が徐々に近づいて来る。
ヴァジ村に移り住む前に住んでいた街だが、当時は幼過ぎてあまり覚えてはいない。
ビル群全体がセイヴァの軍事施設となっている。軍人寮や住居区、学校、娯楽施設も備えた、護衛機関の要塞都市。民間人にも娯楽施設の一部は解放され、観光スポットになっている。
有無を言わさず半強制的に連行されたヴレイは司令執務室で、唐突に父親と再会した。
ここまで連れて来てくれた名の知らない女職員は、颯爽と部屋を出て行った。
喜ばしい親子の再会とは無縁の、重力を感じるかのような、重い空気だった。
父親のことをあまり知らないのだから、会話が弾むわけもない。
「体は回復したようだな」
「あ、うん」としか返事ができなかった。次に父親が発する言葉を待つ。
「お前にはここでやるべき事があるから呼んだ」
じゃあ、ここでやるべき事がなかったら、引き取らなかったの? 俺はあの後もずっと一人だったの? ふと頭によぎって、後頭部から血の気が引いた。
父親の言葉はあまりにも傲然としていて、目の前の人物が、血の繋がった父親には見えなかった。
「やるべき事って」
嫌な緊張で、喉が渇いて掠れたような声になった。
微動にしない威厳さが昂然と人を見下している。
その視線に萎縮するヴレイは気付かれないように生唾を飲み込んだ。見えない巨大な手で、体を締め付けられているような窮屈感だ。
「護衛機関セイヴァには幾つも部署がある、それは分かるな。お前の『妖源力』を活かせる所は、セイヴァだけだ。制御の仕方も使い方も教える。お前を本日から、特務第二艦隊アンドラス開発部に配属する」
ヴレイは理解できていないまま、司令長官は続きを話す。
「始めは三週間交代で各部の研修を行い、その後、戦闘機レーシーとアンドラス機の訓練を行う。尚、お前には普通教育の最低単位は取ってもらう」
選択の余地はない、と言っているような冷徹な口調だった。
「さっきも言ったが、お前には『妖源力』が備わっている、もちろん知ってるな」
ドクッと鼓動が高鳴った。
腿の横にぴったり付けていた左手を軽く握った。
「知ってる、それと入隊にどう関係してるの?」
「『妖源力』を動力源とする搭乗型の戦闘機、アンドラスはまだ試験運転段階だ。妖源動力システムはうちにしかないシステムだ、敵も多い。アンドラス開発担当が特務第二艦隊だ。お前はアンドラスの搭乗者だ」
父親から放たれた言葉が脳内でうまく処理できない。
概要がまだ掴めず、搭乗者だと言われても、断る動機も帰る場所もなかったヴレイは必然的に受け入れるしかなかった。
「分かりました」
「必要なものはすべて寮に運ばせる。何か質問は」
唾で喉をうるおし、唇を舐めてから口を開いた。
「ありません」
爪が食い込むほどに、ヴレイは拳を強く握った。
こうしてヴレイのジルニクス帝国の軍人としての人生が始まった。
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