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パーティー
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(あー、またあいつに会うのか。今度こそ相手にしないからね)
翌日の土曜日。
夕方からジョンが開いたパーティーに参加する為、カレンは自宅で支度をしていた。
選んだドレスは身体のラインにピタッと添う、大人っぽくセクシーなブラックドレス。
ノースリーブで胸元も深いVライン、おまけに太ももがちらりと覗くスリットも入っていた。
(ふん! 絶対に隙なんて見せないんだから)
髪を夜会巻きに結い、メイクもダークカラーで攻めた。
8センチのピンヒールを履き、タクシーで会場のホテルに向かう。
ドアを開けてくれたボーイが、カレンを見てドギマギと視線をそらした。
「Thank you.」
余裕の笑みを浮かべながら、流し目でお礼を言う。
若いボーイは傍目にも分かりやすく頬を赤らめた。
(そうよ、これこれ。私はこういうキャラなんだから)
颯爽とロビーを横切り、エレベーターで最上階に向かった。
◇
「ワーオ! カレン、今夜も綺麗だね」
バンケットホールに足を踏み入れると、同僚が口笛を吹いて声をかけてきた。
「当然よ」
表情ひとつ変えずに返事をし、CEOのジョンに挨拶に行く。
「カレン、もうすぐAMAGIの皆さんが到着する。通訳をよろしく頼むよ」
「ええ、かしこまりました」
ジョンに頷いた時、ちょうど入り口から文哉たちが入ってくるのが見えた。
「マリア」
「カレンさん! わあ、とっても素敵ですね。ハリウッド映画の女優さんみたい」
真里亜はうっとりとカレンに見惚れる。
「マリアこそ。奥さんなのにいつまでもキュートね」
「え、そんな」
照れ笑いを浮かべる真里亜は、ローズピンクのミモレ丈のドレスに優しい色合いのメイク。
胸元のネックレスも耳元のピアスも、そして結婚指輪と重ねづけした婚約指輪も、キラキラと輝くフラワーモチーフのものだった。
隣に並び、しっかりと真里亜のウエストを抱き寄せている文哉も、淡いパープルのチーフとネクタイで揃えたスリーピースのフォーマルスーツ。
欧米の男性と見比べても引けを取らないほど、スタイルがいい。
「あなたたち、本当にお似合いのカップルね。他の誰を見てもうらやましいとは思わないけど、マリアとフミヤだけは夫婦っていいなって思わせてくれるわ」
「ええ? カレンさん、今夜はどうしたんですか?」
「どうもしないわ。マリアがあんまり幸せそうだから、ちょっと妬けちゃったのかもね」
まだピンと来ていないような真里亜にウインクすると、カレンは同僚たちのもとへ挨拶に向かった。
◇
「AMAGIの皆さん、ようこそ! かたい挨拶は抜きだ。今夜は楽しもう。乾杯!」
ジョンの声かけで、皆は一斉にグラスを掲げる。
あとは思い思いにお酒を飲みながら、料理やおしゃべりを楽しんだ。
「やあ、カレン。今夜もとびきりのいい女だね」
近づいて来た住谷に、カレンはあからさまにムッとする。
「こんなところで下品なナンパみたいなこと、やめてくれる?」
「そんなつもりは微塵もない」
「嘘ばっかり。日本でもいつもそうやって女の子を引っかけてるんでしょ。いかにも慣れてますって感じよ」
「こんなセリフ、日本で言ったらドン引きされるよ」
「アメリカで言ってもドン引きよ」
「そうかな? 英語を和訳するからいけないのか」
そう言うと住谷は、うやうやしく胸に手を当てて頭を下げた。
「I hope you’ll pardon me, I was simply enchanted by your beauty.」
(お許しを。私はただあなたの美しさに魅了されてしまったのです)
カレンは、うっ……と言葉に詰まる。
こんな時、相手が欧米人ならにっこり笑って「I will.」と答えて手を差し出し、手の甲にキスを受けるだろう。
けれど日本人には?
(いやだから。こんなこと言ってくる日本人、今まで見たことないんだもの)
どうしていいか分からず、カレンはふいとそっぽを向く。
すると住谷がクスッと笑った。
「なによ?」
「いや。どこまでも完璧な美女が照れてるから、可愛いなと思って」
「はあ!? この私が照れてるですって? バカも休み休み言いなさいよ」
「……ねえ、カレン。前から思ってたんだけど」
「……なにを?」
「君、ちょっと日本語古くさいよ」
「はっ!?」
カレンは顔を真っ赤にして絶句する。
「い、いったい、なにを……。この私が古くさいですって? バカおっしゃい!」
「ほら。それがもう、どうにもこうにも古くさい」
「えっ、ど、どれが?」
「教えてほしい?」
そう言うと住谷は身を屈めて、カレンの耳元でささやいた。
「いいよ、教えてあげる。二人きりになった時にね」
もはやカレンは、言葉に詰まって後ずさる。
「余計なお世話よ!」
そう言い捨てると、住谷に背を向けて立ち去った。
◇
「マリア!」
「はい! って、カレンさん? どうかしましたか?」
「フミヤ、ちょっと失礼」
カレンは真里亜の腕を掴んで文哉のそばから連れ出すと、真剣な表情でグッと真里亜に顔を近づけた。
「マリア、正直に教えて」
「は、はい。なんでしょう?」
「私の日本語って、古くさい?」
は?と、真里亜はキョトンとする。
「いいから答えてちょうだい。私の日本語って、なにがどう古くさいの?」
「えっと、古いというより、その……なんと申しましょうか」
「うん、なに?」
「カレンさん、日本を離れてどれくらいですか?」
「なによ、急に。生まれは日本で、中学生になる時に父親の転勤で渡米したの。ハイスクールを卒業する頃に父の本社への異動が決まったんだけど、両親だけ帰国して私はこっちの大学に残ったの。で、そのまま今に至るって感じ」
「じゃあ、普段は日本語を使う機会はないんですね」
「そう。だからもっぱら漫画を読んで、今の日本語を学んでるわね」
そう言うと真里亜は「それだ!」と人差し指を立てた。
「それって、どれよ?」
「カレンさんの口調、時々漫画のセリフみたいなんですよね。間違ってないんですよ? だけどなんだか、こう、お芝居みたいな感じがするというか……」
なんてこと、とカレンは青ざめる。
「私、自分のこと、かなりやり手の通訳だと思ってたのに。まさか古くさくてダサいと思われてたなんて」
「いえ、あの。通訳さんとしては問題ないどころか、素晴らしいです」
「だめよ! ああ、イケてる女気取りで、スンって通訳してたのに、まさかそんな……」
「ですから、大丈夫ですって。カレンさんはバリバリ仕事ができるかっこいい女性です」
「いいえ、いけないわ。心の中で、『ぷぷっ、古くさ』って思われるなんて、この私が許さないのよ!」
「…………」
「なに? 今のもいけなかった?」
「えっと、そうです、ね。若干……」
ああ、もう、どうしよう! とカレンは頭を抱えた。
「マリア、今夜うちで私に特訓してくれない? 生きた日本語を徹底的に教え込んでほしいの」
「え、そう言われましても……」
そう言って真里亜は、離れたところにいる文哉に目を向ける。
視線に気づいた文哉が真里亜を見て、「ん?」とばかりに優しく微笑んだ。
「キーッ! なにこの甘い空気! 分かったわよ。あなたたちの間に割って入ったら、胃もたれしそうだからやめておくわ」
はあ、と途方に暮れてため息をついたカレンの視界に、ふと同僚と談笑している住谷の姿が入り込む。
(……背に腹は代えられない。だけど、いや、やっぱり)
じっと考えては首を振り、またじっと住谷を見つめる。
すると視線を感じたのか、住谷が振り返った。
カレンと目が合うと、文哉に負けず劣らずの甘い笑顔で「ん?」と首をかしげる。
(だめだっつーの!)
心の中で叫んでから、カレンはふいっと大きくそっぽを向いた。
◇
「やあ、カレン。このあと二人で飲み直さない?」
パーティーがお開きになると、住谷がカレンに声をかけに来た。
「結構よ」
「じゃあ行こうか」
「は? 断ってるでしょうが」
「ん? Sure! って意味かと思った」
え!とカレンは真顔になる。
「そうなの? 結構よって、断り文句じゃないの?」
「どちらにも取れるよ。それで結構です、とかだと、満足して肯定してることになる」
「そうなんだ」
カレンは頬に手を当ててじっと考え込んだ。
「私、とんだ勘違いをしたまま通訳していたかも。どうしよう、どうしたらいいのかしら」
「珍しいね、君がそんな弱気な顔を見せるなんて」
「だってそうでしょう? 涼しい顔して通訳していたのに、ひょっとしたら正反対の意味を伝えてしまったかもしれないのよ? ああ、私のせいで大事な商談を壊してしまっていたら」
「大丈夫じゃない?」
「どうして言い切れるのよ! 呑気な住谷には分かりっこないのね」
キッと鋭い視線で顔を上げるカレンに、住谷はやれやれとため息をつく。
「じゃあ君の日本語の解釈が間違ってないか、俺がじっくり話を聞くよ。お酒は抜きでね。それならどう?」
「……ええ、お願いします」
「ん。1階のロビーラウンジへ行こうか」
「はい」
「ふっ、しおらしくて可愛いな」
「え? なにか言った?」
「いや? なにも」
涼しげな顔で歩き始めた住谷のあとを、カレンは黙ってついて行った。
翌日の土曜日。
夕方からジョンが開いたパーティーに参加する為、カレンは自宅で支度をしていた。
選んだドレスは身体のラインにピタッと添う、大人っぽくセクシーなブラックドレス。
ノースリーブで胸元も深いVライン、おまけに太ももがちらりと覗くスリットも入っていた。
(ふん! 絶対に隙なんて見せないんだから)
髪を夜会巻きに結い、メイクもダークカラーで攻めた。
8センチのピンヒールを履き、タクシーで会場のホテルに向かう。
ドアを開けてくれたボーイが、カレンを見てドギマギと視線をそらした。
「Thank you.」
余裕の笑みを浮かべながら、流し目でお礼を言う。
若いボーイは傍目にも分かりやすく頬を赤らめた。
(そうよ、これこれ。私はこういうキャラなんだから)
颯爽とロビーを横切り、エレベーターで最上階に向かった。
◇
「ワーオ! カレン、今夜も綺麗だね」
バンケットホールに足を踏み入れると、同僚が口笛を吹いて声をかけてきた。
「当然よ」
表情ひとつ変えずに返事をし、CEOのジョンに挨拶に行く。
「カレン、もうすぐAMAGIの皆さんが到着する。通訳をよろしく頼むよ」
「ええ、かしこまりました」
ジョンに頷いた時、ちょうど入り口から文哉たちが入ってくるのが見えた。
「マリア」
「カレンさん! わあ、とっても素敵ですね。ハリウッド映画の女優さんみたい」
真里亜はうっとりとカレンに見惚れる。
「マリアこそ。奥さんなのにいつまでもキュートね」
「え、そんな」
照れ笑いを浮かべる真里亜は、ローズピンクのミモレ丈のドレスに優しい色合いのメイク。
胸元のネックレスも耳元のピアスも、そして結婚指輪と重ねづけした婚約指輪も、キラキラと輝くフラワーモチーフのものだった。
隣に並び、しっかりと真里亜のウエストを抱き寄せている文哉も、淡いパープルのチーフとネクタイで揃えたスリーピースのフォーマルスーツ。
欧米の男性と見比べても引けを取らないほど、スタイルがいい。
「あなたたち、本当にお似合いのカップルね。他の誰を見てもうらやましいとは思わないけど、マリアとフミヤだけは夫婦っていいなって思わせてくれるわ」
「ええ? カレンさん、今夜はどうしたんですか?」
「どうもしないわ。マリアがあんまり幸せそうだから、ちょっと妬けちゃったのかもね」
まだピンと来ていないような真里亜にウインクすると、カレンは同僚たちのもとへ挨拶に向かった。
◇
「AMAGIの皆さん、ようこそ! かたい挨拶は抜きだ。今夜は楽しもう。乾杯!」
ジョンの声かけで、皆は一斉にグラスを掲げる。
あとは思い思いにお酒を飲みながら、料理やおしゃべりを楽しんだ。
「やあ、カレン。今夜もとびきりのいい女だね」
近づいて来た住谷に、カレンはあからさまにムッとする。
「こんなところで下品なナンパみたいなこと、やめてくれる?」
「そんなつもりは微塵もない」
「嘘ばっかり。日本でもいつもそうやって女の子を引っかけてるんでしょ。いかにも慣れてますって感じよ」
「こんなセリフ、日本で言ったらドン引きされるよ」
「アメリカで言ってもドン引きよ」
「そうかな? 英語を和訳するからいけないのか」
そう言うと住谷は、うやうやしく胸に手を当てて頭を下げた。
「I hope you’ll pardon me, I was simply enchanted by your beauty.」
(お許しを。私はただあなたの美しさに魅了されてしまったのです)
カレンは、うっ……と言葉に詰まる。
こんな時、相手が欧米人ならにっこり笑って「I will.」と答えて手を差し出し、手の甲にキスを受けるだろう。
けれど日本人には?
(いやだから。こんなこと言ってくる日本人、今まで見たことないんだもの)
どうしていいか分からず、カレンはふいとそっぽを向く。
すると住谷がクスッと笑った。
「なによ?」
「いや。どこまでも完璧な美女が照れてるから、可愛いなと思って」
「はあ!? この私が照れてるですって? バカも休み休み言いなさいよ」
「……ねえ、カレン。前から思ってたんだけど」
「……なにを?」
「君、ちょっと日本語古くさいよ」
「はっ!?」
カレンは顔を真っ赤にして絶句する。
「い、いったい、なにを……。この私が古くさいですって? バカおっしゃい!」
「ほら。それがもう、どうにもこうにも古くさい」
「えっ、ど、どれが?」
「教えてほしい?」
そう言うと住谷は身を屈めて、カレンの耳元でささやいた。
「いいよ、教えてあげる。二人きりになった時にね」
もはやカレンは、言葉に詰まって後ずさる。
「余計なお世話よ!」
そう言い捨てると、住谷に背を向けて立ち去った。
◇
「マリア!」
「はい! って、カレンさん? どうかしましたか?」
「フミヤ、ちょっと失礼」
カレンは真里亜の腕を掴んで文哉のそばから連れ出すと、真剣な表情でグッと真里亜に顔を近づけた。
「マリア、正直に教えて」
「は、はい。なんでしょう?」
「私の日本語って、古くさい?」
は?と、真里亜はキョトンとする。
「いいから答えてちょうだい。私の日本語って、なにがどう古くさいの?」
「えっと、古いというより、その……なんと申しましょうか」
「うん、なに?」
「カレンさん、日本を離れてどれくらいですか?」
「なによ、急に。生まれは日本で、中学生になる時に父親の転勤で渡米したの。ハイスクールを卒業する頃に父の本社への異動が決まったんだけど、両親だけ帰国して私はこっちの大学に残ったの。で、そのまま今に至るって感じ」
「じゃあ、普段は日本語を使う機会はないんですね」
「そう。だからもっぱら漫画を読んで、今の日本語を学んでるわね」
そう言うと真里亜は「それだ!」と人差し指を立てた。
「それって、どれよ?」
「カレンさんの口調、時々漫画のセリフみたいなんですよね。間違ってないんですよ? だけどなんだか、こう、お芝居みたいな感じがするというか……」
なんてこと、とカレンは青ざめる。
「私、自分のこと、かなりやり手の通訳だと思ってたのに。まさか古くさくてダサいと思われてたなんて」
「いえ、あの。通訳さんとしては問題ないどころか、素晴らしいです」
「だめよ! ああ、イケてる女気取りで、スンって通訳してたのに、まさかそんな……」
「ですから、大丈夫ですって。カレンさんはバリバリ仕事ができるかっこいい女性です」
「いいえ、いけないわ。心の中で、『ぷぷっ、古くさ』って思われるなんて、この私が許さないのよ!」
「…………」
「なに? 今のもいけなかった?」
「えっと、そうです、ね。若干……」
ああ、もう、どうしよう! とカレンは頭を抱えた。
「マリア、今夜うちで私に特訓してくれない? 生きた日本語を徹底的に教え込んでほしいの」
「え、そう言われましても……」
そう言って真里亜は、離れたところにいる文哉に目を向ける。
視線に気づいた文哉が真里亜を見て、「ん?」とばかりに優しく微笑んだ。
「キーッ! なにこの甘い空気! 分かったわよ。あなたたちの間に割って入ったら、胃もたれしそうだからやめておくわ」
はあ、と途方に暮れてため息をついたカレンの視界に、ふと同僚と談笑している住谷の姿が入り込む。
(……背に腹は代えられない。だけど、いや、やっぱり)
じっと考えては首を振り、またじっと住谷を見つめる。
すると視線を感じたのか、住谷が振り返った。
カレンと目が合うと、文哉に負けず劣らずの甘い笑顔で「ん?」と首をかしげる。
(だめだっつーの!)
心の中で叫んでから、カレンはふいっと大きくそっぽを向いた。
◇
「やあ、カレン。このあと二人で飲み直さない?」
パーティーがお開きになると、住谷がカレンに声をかけに来た。
「結構よ」
「じゃあ行こうか」
「は? 断ってるでしょうが」
「ん? Sure! って意味かと思った」
え!とカレンは真顔になる。
「そうなの? 結構よって、断り文句じゃないの?」
「どちらにも取れるよ。それで結構です、とかだと、満足して肯定してることになる」
「そうなんだ」
カレンは頬に手を当ててじっと考え込んだ。
「私、とんだ勘違いをしたまま通訳していたかも。どうしよう、どうしたらいいのかしら」
「珍しいね、君がそんな弱気な顔を見せるなんて」
「だってそうでしょう? 涼しい顔して通訳していたのに、ひょっとしたら正反対の意味を伝えてしまったかもしれないのよ? ああ、私のせいで大事な商談を壊してしまっていたら」
「大丈夫じゃない?」
「どうして言い切れるのよ! 呑気な住谷には分かりっこないのね」
キッと鋭い視線で顔を上げるカレンに、住谷はやれやれとため息をつく。
「じゃあ君の日本語の解釈が間違ってないか、俺がじっくり話を聞くよ。お酒は抜きでね。それならどう?」
「……ええ、お願いします」
「ん。1階のロビーラウンジへ行こうか」
「はい」
「ふっ、しおらしくて可愛いな」
「え? なにか言った?」
「いや? なにも」
涼しげな顔で歩き始めた住谷のあとを、カレンは黙ってついて行った。
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