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11 お母さんにも内緒の一枚
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「ただいま。」
おじいさんの家に二人で戻った。
おじいさんがひょこっと顔を出した。
「おお~、しおりちゃんと会えたんだ。良かったな。」
「こんばんわ。お邪魔します。」
「しおりちゃん、久しぶりだね。ナオが撫でてもらいたがってるよ。」
おじいさんが笑顔でそう言う。
そのナオは和室の隅で寝ていて、とてもそうは見えないけど。
近寄って撫でた。
うっすら目を明けて私を見るけど、眠いらしくてまた目を閉じた。
やっぱりおじいさんの気のせいだと思う。
「いいねえ、浴衣も。かおりちゃんは大人っぽい感じに仕上げてたけど、しおりちゃんはまだまだ可愛い感じだね。」
おじいさんが立ち上がった私を見て言う。
委員長も当然こっちを見てる。
恥ずかしい。
お姉ちゃんならこんな時でもくるりと回って当然のように褒め言葉を受け取りそう。
でも私はそこまで図々しくない。
「お姉ちゃんも私も馬子にも衣装パターンです。委員長はしぶい感じでいいです。おじいさんのですか?」
「そうそう。しおりちゃんが来るってうれしそうに帰ってきて、汗もかいてたから着替えさせたんだよ。」
「おじいちゃん。僕は早くイカ焼きを届けたかっただけなのに。」
「ほうほう、すっかり冷えてたけどな。」
「あ、私が迷子になって、一緒にいてくれたからです。」
「聞いた聞いた。偶然も楽しいね。一総はちゃんとしおりちゃんを褒めたのか?花火見るよりいいよねえ。」
「あ、うん、似合ってる。すごく似合ってる。あそこでは暗かったから・・・・。」
「よし、せっかくだ、記念写真を撮ってあげるから。」
委員長の携帯を手にしたおじいさんに言われるまま、部屋で襖の前に並んだ。
少し距離が近くなって、またドキドキしてくる。
足元にナオが歩いてきた。
シャッターを押そうとしていたおじいさんが携帯を下ろして、ナオを抱き上げた委員長。
二人と一匹の記念写真。
「後で送るから。」
「ありがとう。」
そっと浴衣の合わせを見る。
変じゃなかったかな?
髪の毛のほうにも手を持っていく。
多分大丈夫だったよね。
おじいさんがほかほかのイカ焼きと枝豆ときゅうりと・・・・・夏の野菜たちとスイカを持ってきてくれた。
麦茶はボトルごとドンと机に置かれて。
コップに私が注ぐ。
「あ、お母さんに連絡しておきます。」
「そうだね。」
『おじいさんのところで委員長と一緒にご馳走になってます。しばらくナオと遊んだら帰ります。』
ナオがきゅうりを欲しがる。
皿の端っこに小さなかけらがあった。
それをあげたらうれしそうに食べる。
あれからあんにもあげてみたけど見向きもされなかった。
ナオだけが食べるらしい。
ボロボロとこぼしながらも器用に口の中で塊を転がしている。
「ナオが食べると美味しそう。あんはまったく食べないです。」
「小さい頃から食べさせたからだろうね。ナオは野菜が好きだから。」
「健康になるね。長生きしてね。」
「ウニャゴゥ。」
きゅうりに格闘しながらうなるような声がちょうど聞こえた。
皆で笑った。
それも久しぶりだった。
ここに一緒に三人と一匹でいることも。
「明日も塾なの?」
「日曜日は休み。数学以外もやらないといけない。宿題が多すぎる。委員長は進んでる?」
「うん、コツコツと減らしてる。決まったことは最初にやりたいタイプなんだ。」
「ここでもしおりちゃんが遊んでくれなくて、一人でいたからだろう。明日時間があるならしおりちゃんの分を手伝ってあげればいいよ。」
「そんな・・・・。」
「いいよ。もし必要なら。僕は明日の夕方までいるから。」
本当にいい人。
それにそんな話は前にあったから。
「委員長は教えるのも楽しそうだよね。もしかして教えるのが好きなの?先生になりたいとか。」
「教えるのは別に嫌いじゃないよ。自分の復習にもなるし。先生になりたいわけじゃないけどね。」
「じゃあ、何になりたいの?もう決めてる?」
「うん、でもまだまだ成績が足りないんだ。それに最近変わってきたから、まだ悩んでる。」
何だろう?頭のいい委員長がまだまだだなんて。
お医者さんとか、弁護士とか?
「しおりちゃんは可愛いお嫁さんでいいね。」
「それはさすがにお仕事じゃないです。ちゃんと働きたいですけど、私はまったく何も取柄がないし、全然決められません。」
「今の子は大変だなあ。昔はそこそこ生きてたら何かになれたんだけどね。」
「私も最近までそう思ってたんですが。でもちゃんと勉強して大学に行って、きちんと自分に出来るお仕事がしたいです、といってもまだ決まってないですが。」
「まだまだ先は長いから。そう急がなくてもね。」
「おじいさんに言われたら安心しますが、みんな決まってるみたいなんで油断しないで頑張ります。」
イカ焼きは美味しかった。
さすがにきゅうりよりいい匂いがするようで、ナオも欲しがって皆に順番におねだりしてたけど、三人に断られて、すねて部屋の隅っこに行った。
「イカ焼き食べれて良かったです。おじいさんのだったのにたくさん食べてしまいました。ご馳走様でした。」
「いいよ。しおりちゃんが来るなら三人分買って来たのにね。」
「買ってきたのは僕だよ。」
「一総もなんで自分のものは何も買わなかったんだか。しおりちゃんに会わなかったら本当にイカ焼き買いにいってそのまま帰ってきたんじゃないか?」
「まあね。一人で見ても寂しいし。」
男子は男子の約束があると思ってた。
そうじゃなくても、もしかして特別に誰かに誘われたかなって・・・・。
玄関まで見送りに出てくれて、すぐ裏だけど家まで送ってくれた。
「明日、本当に来ない?一緒に勉強したら楽しいかなって。」
「うん。ありがとう。お昼食べたら行こうかな。」
「いつでもいいよ。おじいちゃん、お昼作って食べさせるのも楽しいみたいだし。同じ野菜が並ぶんだけどね。」
「美味しいよ。」
「ありがとう。じゃあ、明日、待ってる。」
「うん。送ってくれてありがとう。」
「うん、お休み。」
「お休みなさい。」
花火の夜はやっと終った。
友達とは見れなかったけど、委員長と見れたからいい。
露店は並べなかったけど、おじいさんのイカ焼きももらえて。
滅多にない夜のお出かけは、すごい近くで終わったけど楽しかった。
夜におじいさんのところに行くのはお姉ちゃんだから。
私は初めてだった。
結局夏休み前に話をしたように花火も一緒に見れて、宿題も出来て。
満足。
携帯に送られてきた二人の浴衣姿の写真をお母さんに見せようと思ってたのに、自分の顔がとっても嬉しそうで恥ずかしくてやめた。
ナオとあんと一路と、小さい子猫と一緒に写りこんだ委員長と私とおじいさんの写真はたくさんある。
今回の写真もそのフォルダにしまった。
うっかりとは見せられない、内緒のフォルダみたいになっていく。
浴衣を脱いだらホッと息が出来た。
来年もこの浴衣を着るんだろうか?
誰と一緒に花火を見るんだろうか?
おじいさんの家に二人で戻った。
おじいさんがひょこっと顔を出した。
「おお~、しおりちゃんと会えたんだ。良かったな。」
「こんばんわ。お邪魔します。」
「しおりちゃん、久しぶりだね。ナオが撫でてもらいたがってるよ。」
おじいさんが笑顔でそう言う。
そのナオは和室の隅で寝ていて、とてもそうは見えないけど。
近寄って撫でた。
うっすら目を明けて私を見るけど、眠いらしくてまた目を閉じた。
やっぱりおじいさんの気のせいだと思う。
「いいねえ、浴衣も。かおりちゃんは大人っぽい感じに仕上げてたけど、しおりちゃんはまだまだ可愛い感じだね。」
おじいさんが立ち上がった私を見て言う。
委員長も当然こっちを見てる。
恥ずかしい。
お姉ちゃんならこんな時でもくるりと回って当然のように褒め言葉を受け取りそう。
でも私はそこまで図々しくない。
「お姉ちゃんも私も馬子にも衣装パターンです。委員長はしぶい感じでいいです。おじいさんのですか?」
「そうそう。しおりちゃんが来るってうれしそうに帰ってきて、汗もかいてたから着替えさせたんだよ。」
「おじいちゃん。僕は早くイカ焼きを届けたかっただけなのに。」
「ほうほう、すっかり冷えてたけどな。」
「あ、私が迷子になって、一緒にいてくれたからです。」
「聞いた聞いた。偶然も楽しいね。一総はちゃんとしおりちゃんを褒めたのか?花火見るよりいいよねえ。」
「あ、うん、似合ってる。すごく似合ってる。あそこでは暗かったから・・・・。」
「よし、せっかくだ、記念写真を撮ってあげるから。」
委員長の携帯を手にしたおじいさんに言われるまま、部屋で襖の前に並んだ。
少し距離が近くなって、またドキドキしてくる。
足元にナオが歩いてきた。
シャッターを押そうとしていたおじいさんが携帯を下ろして、ナオを抱き上げた委員長。
二人と一匹の記念写真。
「後で送るから。」
「ありがとう。」
そっと浴衣の合わせを見る。
変じゃなかったかな?
髪の毛のほうにも手を持っていく。
多分大丈夫だったよね。
おじいさんがほかほかのイカ焼きと枝豆ときゅうりと・・・・・夏の野菜たちとスイカを持ってきてくれた。
麦茶はボトルごとドンと机に置かれて。
コップに私が注ぐ。
「あ、お母さんに連絡しておきます。」
「そうだね。」
『おじいさんのところで委員長と一緒にご馳走になってます。しばらくナオと遊んだら帰ります。』
ナオがきゅうりを欲しがる。
皿の端っこに小さなかけらがあった。
それをあげたらうれしそうに食べる。
あれからあんにもあげてみたけど見向きもされなかった。
ナオだけが食べるらしい。
ボロボロとこぼしながらも器用に口の中で塊を転がしている。
「ナオが食べると美味しそう。あんはまったく食べないです。」
「小さい頃から食べさせたからだろうね。ナオは野菜が好きだから。」
「健康になるね。長生きしてね。」
「ウニャゴゥ。」
きゅうりに格闘しながらうなるような声がちょうど聞こえた。
皆で笑った。
それも久しぶりだった。
ここに一緒に三人と一匹でいることも。
「明日も塾なの?」
「日曜日は休み。数学以外もやらないといけない。宿題が多すぎる。委員長は進んでる?」
「うん、コツコツと減らしてる。決まったことは最初にやりたいタイプなんだ。」
「ここでもしおりちゃんが遊んでくれなくて、一人でいたからだろう。明日時間があるならしおりちゃんの分を手伝ってあげればいいよ。」
「そんな・・・・。」
「いいよ。もし必要なら。僕は明日の夕方までいるから。」
本当にいい人。
それにそんな話は前にあったから。
「委員長は教えるのも楽しそうだよね。もしかして教えるのが好きなの?先生になりたいとか。」
「教えるのは別に嫌いじゃないよ。自分の復習にもなるし。先生になりたいわけじゃないけどね。」
「じゃあ、何になりたいの?もう決めてる?」
「うん、でもまだまだ成績が足りないんだ。それに最近変わってきたから、まだ悩んでる。」
何だろう?頭のいい委員長がまだまだだなんて。
お医者さんとか、弁護士とか?
「しおりちゃんは可愛いお嫁さんでいいね。」
「それはさすがにお仕事じゃないです。ちゃんと働きたいですけど、私はまったく何も取柄がないし、全然決められません。」
「今の子は大変だなあ。昔はそこそこ生きてたら何かになれたんだけどね。」
「私も最近までそう思ってたんですが。でもちゃんと勉強して大学に行って、きちんと自分に出来るお仕事がしたいです、といってもまだ決まってないですが。」
「まだまだ先は長いから。そう急がなくてもね。」
「おじいさんに言われたら安心しますが、みんな決まってるみたいなんで油断しないで頑張ります。」
イカ焼きは美味しかった。
さすがにきゅうりよりいい匂いがするようで、ナオも欲しがって皆に順番におねだりしてたけど、三人に断られて、すねて部屋の隅っこに行った。
「イカ焼き食べれて良かったです。おじいさんのだったのにたくさん食べてしまいました。ご馳走様でした。」
「いいよ。しおりちゃんが来るなら三人分買って来たのにね。」
「買ってきたのは僕だよ。」
「一総もなんで自分のものは何も買わなかったんだか。しおりちゃんに会わなかったら本当にイカ焼き買いにいってそのまま帰ってきたんじゃないか?」
「まあね。一人で見ても寂しいし。」
男子は男子の約束があると思ってた。
そうじゃなくても、もしかして特別に誰かに誘われたかなって・・・・。
玄関まで見送りに出てくれて、すぐ裏だけど家まで送ってくれた。
「明日、本当に来ない?一緒に勉強したら楽しいかなって。」
「うん。ありがとう。お昼食べたら行こうかな。」
「いつでもいいよ。おじいちゃん、お昼作って食べさせるのも楽しいみたいだし。同じ野菜が並ぶんだけどね。」
「美味しいよ。」
「ありがとう。じゃあ、明日、待ってる。」
「うん。送ってくれてありがとう。」
「うん、お休み。」
「お休みなさい。」
花火の夜はやっと終った。
友達とは見れなかったけど、委員長と見れたからいい。
露店は並べなかったけど、おじいさんのイカ焼きももらえて。
滅多にない夜のお出かけは、すごい近くで終わったけど楽しかった。
夜におじいさんのところに行くのはお姉ちゃんだから。
私は初めてだった。
結局夏休み前に話をしたように花火も一緒に見れて、宿題も出来て。
満足。
携帯に送られてきた二人の浴衣姿の写真をお母さんに見せようと思ってたのに、自分の顔がとっても嬉しそうで恥ずかしくてやめた。
ナオとあんと一路と、小さい子猫と一緒に写りこんだ委員長と私とおじいさんの写真はたくさんある。
今回の写真もそのフォルダにしまった。
うっかりとは見せられない、内緒のフォルダみたいになっていく。
浴衣を脱いだらホッと息が出来た。
来年もこの浴衣を着るんだろうか?
誰と一緒に花火を見るんだろうか?
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